Metro2033 -影を見る者- 作:きゃすたー(7mg)
楽しいゲームです。ホラー要素もあります。プレイ時は画面の明るさを少し暗めでプレイするとより臨場感があって楽しめます。
暗闇のもたらす圧迫感と壊滅した地上の物悲しい雰囲気。そして凶悪なミュータントと戯れてみてください。
オンラインでの対人戦はありませんが、探索が楽しいゲームです。一本道だけど。フィルター高いィ!
思えばゲームをプレイしたか小説読破済みでないと内容がわかりにくいっていう。
Metro2033を知らない方でも内容がよくわかるように書ければいいのだけど、難しいものです。
コムソモーリスカヤ駅のレールカーの発着所では列車待ちの人々が今日も行列を為している。
その行列をよそに、私とブルボンはトンネルの隅に設けられているコンクリート敷きの路肩を歩き始める。
トンネルはところどころに配された照明が機能しているお陰でそれほどの暗さは無い。上映前の薄暗い映画館程度だが、こうも暗いと足元が疎かになるのは必然だ。
カラシニコフに装備したフラッシュライトと頭に取り付けたヘッドライトで照らしながらトンネルの闇を切り開いていく。
第二話 闇の洗礼
ハンザ同盟の旗はメトロの環状線、つまり円形をシンボルとしている。環状線の統一と物流ルートの確保によって、ハンザはメトロでも随一の巨大な同盟を成し遂げたのだ。
さらにハンザ同盟はその名の通り経済によって結ばれた同盟だ。環状線はメトロから延びるあらゆる路線に接していることから、必然人の移動や荷物の移動にも環状線は重要なファクターとなってくる。
人が動けば金も動く。流通ルートの安全確保とトンネルの保全は他のどの同盟よりも重要視されていて、それゆえにハンザの路線はこのメトロで最も安全を確保された路線とも言える。
すれ違う商人や商隊―この中の何人が共産主義者のスパイなのかと勘繰ってしまうが―には活気があり、監視巡回のレンジャーたちは専用のトロリー列車で路線の状態を点検して回っている。
とはいえいかにハンザという巨大なコミュニティでも、路線内の全てで安全を確保できるわけではない。ハンザの商人といえばカネを持っていると思われている。そのせいで野盗の被害がハンザ周辺では後を絶たない。度重なる“トンネル掃除”でその数は減っているものの、絶えた例が無い。
野盗に捕まれば、身包みを剥がされて殺されるか、売り物になりそうな男や女なら慰み者とされるか人買いに売られていくのが末路だ。実際私もそのクチで、ハンターに救われて最寄の駅に連れてきてもらったのはいいが、彼と離れた僅かな時間に誘拐されて娼館に売られてしまったのだ。
よくよく考えるとあのリボルバー、こんな状況を潜り抜けてかれこれ七年以上も私の手元にあったのだなと気づく。なんとも感慨深いものだが、もう私は自身の力と武器を手に入れたのだ。元の持ち主の懐こそ、あの銃には相応しいだろう。
「ブルボン」
「なんだ?」
「マーケット駅はコムソモーリスカヤからすぐだけどさ、お尋ね者になってたんじゃない?」
「………気は進まねぇんだが、リガで会うヤツは昔の誼だしな…」
「ふぅん。友達居ないわけじゃないんだ。ところでマーケット駅はどうやって乗り越えるの? お尋ね者のブルボンさん?」
「うるせえよ。……マーケットの近くには地上に出る退避通路があるんだ。尤も、そこを知ってるヤツはそうは居ないがな。そこから地上に一度上がって、北方路線へ乗り換えるって寸法さ」
「ああ、あの通路? あそこはこの間ノサリスの侵入口になってたから爆破したって聞いたけど?」
ブルボンの顔が次第に青ざめていく。そこらへんに生えている
「で、次善策は?」
「……頼む!」
「はぁ……面倒だなぁ…」
確かに私はハンザのストーカーとしての通行証もあるし住民登録もされている。加えてオーダーの末席に名を連ねる身なのだからそちらの証明も持っている。
同行するとは言った。ただし私の最優先の到達目標はドライ駅だ。彼はリガを経由してからドライ駅に向かうのだから、リガ方面へは自力で向かってもらうしかない。
「はい」
「………くそっ!」
「まいどありー」
ジャラジャラと手のひらで転がる
「ひいふうみ………350くらいかな」
「なんだその変な呪文は」
「日本語だよ。今のロシア人にはきっと解読できないかもね。何せ辞書すら存在しているか怪しいんだし」
トンネル内では時間の感覚が無くなるものだ。同じような景色、同じような明るさ、同じように続くレール。どこまでいっても風景はそれほど変わらない。
だがトンネルには多少なり勾配が存在している。たとえ平坦に見えていてもそこは傾斜があり、実は結構な上り坂だったなんてことはざらにある。
自動車に乗って高速道路や有料道路を走った経験はあるだろうか? あの現象と同じだ。
「……しかし、長いな…」
「まぁ、徒歩、だしね…」
トンネル内の気温は地表よりも温かい。とはいえ寒くないというわけではない。死体の腐敗が鈍くなる程度にはこのトンネルというものは寒い。
「んっ……ぷはぁっ…」
チタンのスキットルに口をつけてウォッカを一口飲む。寒いときはコレに限る。
「む…?」
一口呷った直後、ライトが照らし出す先に違和感を感じる。見たところ近くにはそれらしい“モノ”は見当たらない。どうやら処理された後でも未だに存在しているらしい。
「気をつけて、ブルボン。ライトは絶やさないように。あと私から離れないようにね」
「あん? なんだってまた…」
「いいから寄って。今すぐ」
渋々、といった様子で彼は私のすぐ背後に身を寄せる。すぐ後ろにブルボンが付いたのを振り返って確認し、また前を向くと―
「来た」
ごう、と唸る様な音と共に闇がトンネルを満たし始める。ハンザの路線では滅多に起こらないのだけれど、稀にこの“アノマリー”が少数で行動する商人や隊商を飲み食らう時がある。
これを抜けるには適切な知識と、アノマリーを知覚することのできる人間の存在が重要になる。カーンの場合は視覚と触覚、私の場合は視覚と触覚に加えて聴覚がアノマリーに対してよく働いてくれている。
感覚のいずれかで感じ取れること、もしくは第六感のような“予感がする”程度でも備えていれば、おおよそのアノマリーは回避できる。中には足を踏み込むだけで私さえ飲み込まれるようなアノマリーもあるのだが。
「………比較的軽度だね。ライトも機能しているし、“影”もそこまで濃くはない。フラッシュバックも無い。気を張って私の歩いた後をついてきて、ブルボン。影が見えても触れないようにね」
カラシニコフの銃口を向けた先には線路の真ん中にうずくまってうめき声のようなものを発している影がある。そこかしこに、というわけではないが路肩や線路上にはいくつもの影が佇んでいる。
影に触れれば“あちら側”に引きずり込まれる、というのはカーンの言葉だ。
「死体は無いけど影はある……随分古い影なのかな…」
こつこつとコンクリートの床を叩く靴音だけが木霊する。軽度だけれどどうにも嫌な感じがする。後ろのブルボンのライトが私を照らしていることから、ブルボンがすぐ後ろにちゃんとついてきているのがわかる。
手にしたカラシニコフのライトとヘッドランプの灯りで道を探して歩き続ける。
空気が重い。じわじわと、重苦しさが増してくる。まるで全身に重石をつけて行軍したあの日の訓練を思い出す。最期には足が棒のようになって歩くのも億劫になったのを覚えている。
トンネルの照明はまだ戻らない。パチパチと明滅するだけで、回復する見込みはなさそうだ。厄介な場所に入ってしまったか。
ブルボンの息も荒い。さっきから吐息がちらちらと首元をくすぐる。私は耐えられるとしてもこのままではブルボンが不味いことになる。気が触れるか、知らず事切れてしまうかだ。
早く終われ。早く抜けなければ。はやく―――引き返せ―
「くっ………邪魔すんなよ」
思考にかかった影を振り払う。厄介だ。しつこいにも程度がある。くそ、くそっ!
足元まで這いよりやがって、この影どもめ! そう簡単に私を飲み込めると思うなよ!
“この先
「ブルボン! もう少しだよ、しっかりついてきて!」
はぁ、はぁ、とブルボンの荒れた息が首にかかる。畜生! まだ終わらないのか! しぶといやつらだ!
くそ…視界までブレてきた。ライトまで役に立たな…?
これは、だれだ? この背中は。
私の目に今映っているのは、誰の背中なんだ。
薄れた緑色の背嚢。オーダーの刺繍が左腕にされた戦闘服。
「……ブ…ル…ボン…?」
艶やかな黒髪を一まとめに束ねた、見下ろすほどの背丈の人物。
背中にじっとりと嫌な汗が流れていくのがわかる。だめだ、気をしっかり持たなければ私まで飲まれてしまうことになる。
「ブルボン……? おい、ブルボンのおっさん…!」
腰にベルトで提げた
カラシニコフ2013を手に振り返ったその顔は驚愕に歪んだ少女の顔で―
「が、っ…」
メが、ちかチかする。い、き、デキ、な――
「こ、の…ぉっ!」
まだ目の前がかすむ。何かが押さえ込んでくるのを抵抗して蹴り飛ばす。
私を押し倒した“彼”を蹴り飛ばしてどけると圧迫感が消え、空気が肺を満たしていく。
「……く、そっ…! 憑かれるの…早すぎだろっ!」
ゆら、と操り人形のように立ち上がるブルボン。その後ろに佇む一際大きな影。まさに巨人と言っていいほどの濃密な影が、ブルボンを覆いつくしていくのが見える。
ああ、くそっ! これが私に何の関係も無いヤツなら既に喉を掻っ捌いてるっていうのに!
足元がふらつく。頭が痛むけれど、まずはブルボンをどうにかしなければ。この状態になった人間を無理矢理引き戻そうとすれば、最悪その人間は意識だけが飲まれて廃人同然になってしまうとカーンが言っていた。どうしろってんだよ!?
「……うっ!?」
最悪だ。こいつら、この場で“カタチ”を得やがった。
真っ黒な手。痩せこけた人間のものらしき手が、私の四肢を押さえつけている。これじゃ動かせない。
「くそっくそくそっ! はなし…やがれ!」
振りほどけない? 私が抵抗すらできないだって!? ……ふざけるなよ、クソッタレ!
「…え?」
にじり寄るブルボン。その手が再び私の首を捉える、ことはなく私のズボンのベルトに手がかかる。カチャカチャと私のベルトを外す彼の行為は、つまり―
「ばっ、バカ! どこいじってんだ!?」
ブルボンは鼻息を荒げ、四肢を拘束された私のズボンを下げ、顕になった下着をビリッという音と共に引き裂く。
「おい、やめろよ」
ブルボンは止まらない。自らのいきり立った肉槍を取り出し、濡れてすらもいない私の入り口へとあてがう。
声が震えているのが自分でもわかる。奥歯がガチガチと音を立てている。
やめろ、やめてくれ! 私とアンタはそんな間柄じゃないだろ。起きろよブルボン!
「やめろ、ブルボンッ!」
「ハァー…フゥーッ……ハァァ…」
血走った眼。荒い吐息。じわりと私を貫いていく彼の槍の感触が脳を駆け巡る。
ずぶ、とナイフが突き刺さるよりも鈍く、しかし確かに体を裂くような痛み。楔のように少しずつ打ち込まれる彼の陰茎は尚も肥大し、ほぐれてもいない私の膣を押し広げていく。
「…っ…ぐ……」
痛い。痛い。痛いよ、ブルボン。
「がっ…う…ぁ……」
はい、った。はいって、しまった。
もういい、焼き尽くしてやる。影も塵も残さず私の“火”で―
「ぐっ! あうっ! やっ、いっ…!」
ずぐ、ずぐ、と鈍い痛みが思考をかき消すように走る。ブルボンは私のことなど省みず、一心不乱に腰を打ちつける。
私の小さな体にその巨大な肉槍を引いては打ち、引いては打ちと繰り返す。じわりと私の思考を快楽が侵食しはじめると、次第に粘るような水音混じりの小気味良い音がトンネルに響き渡る。
「んっ! くっ!」
あつい。汗でべたついて気持ち悪いはずなのに、体が火照ってくる。乱暴に突かれているだけなのに。ただ組み伏せられて欲望のはけ口にされているだけなのに。
ペースが変わるわけでもなく、ねっとりとじらすような腰の振りもなく、ただ獣のように腰を打ち付けるブルボン。その後ろで影が、にやりと笑うのが見える。
「グッ、オオォォッ!」
「えっ…!? も、もう…?」
どくっ、と私の膣をその槍で貫いたまま、ブルボンの咆哮が合図となって子種が弾けるように吐き出される。
それと同時にブルボンの内側に潜んでいた黒い何かが精液と共に私の中に迸る。
「……んぅっ…あぁ、あつい…!」
ぞくぞくと身を震わせるような快楽が思考を揺さぶる。また、出されてしまう。このままだとまた中に出されてしまう。身篭ってしまうかもしれないのに。
「まだ、おっきい……」
彼の逸物は萎びてなどいない。未だに私の膣内で自己主張を続けている。
吐き出したい。種を植えたい。生物としての本能が呼び覚まされた彼は、まだ私を犯し足りないと脈打っている。
―――ほしい
理性という拘束具が軋み始める。
「もっと…」
―――たりない
私を押さえつける影を振り払う。
「もっと…!」
―――よこせ
空ろな眼をしたブルボン。中年のおっさんだとわかっているし、本来ならこんなことをしようという気にもならない。彼はカーンの伝手の一人でしかなく、顔見知りなだけだ。
そう、これはただ彼を蝕む影を食らうだけ。彼を救い出すためでしかない。決して欲情したからではない。あの影を食らいつくさないと気が済まない―――だから
「んっ…」
覆いかぶさる彼の背中に腕を回し、ねっとりと舌を絡め、喉の奥まで舐め回すような激しさでキスをする。じわりと彼の喉元から這い出てくる影を彼の唾液と共に飲み下すと、私の“炉心”が火を灯す。
「んーっ……ぷはっ…ごちそうさま…うふふ」
影を抜き取られたブルボンはがくりと崩れ落ちる。さすがに重い。成人男性一人とはいえ、こうも密着して圧し掛かられているときつい。
「………くっ、…ぬぅ…な、なんだ……何が…?」
「おはよう、ブルボン」
そっと耳元で囁く。彼は自らの状態を確認するように私から体を離す。
言葉も出ない、信じられないという様子でブルボンは私を見る。
「……ね、続き、シよう?」
「おっ、俺は…なんで!? ヴェートを…?」
目覚めれば知人の義娘を抱いているのだ。その上結合部から垂れる己の精液を見れば、自分がしでかしたことが何なのか理解し、一際その思考が混乱するのは当然だろう。
しかし自らの下に寝転がる知人の義娘は嫌がる素振りも見せずに、続きをねだってくる。既にショート寸前の思考回路の逃げ道は――
「いい、のか?」
「うん……いっぱい…出していいよ、おじさま」
「う…ヴ、ヴェートッ! ヴェートぉっ!」
「んくっ、もう、っおじさま! いきなりっ、ダメ…!」
再び腰を動かすブルボン。先ほどまでの獣のような激しさは幾分抑えられているが、私の戦闘服の前をはだけさせるや乳首を舐りながら私を責め立てる。
ねちゃ、ねちゃ、という音と共に肉がぶつかるリズミカルな音がトンネルに木霊する。緩急のついたピストン。ごり、と抉るように私の膣の最奥を叩くストロークに私の体は否応無く、むしろ待ち望んでいるように愛液を滴せているのがわかる。
最初の痛みなどどこへやら。既に私の肉穴はこの雄の肉棒にこね回されて、貪欲に精を求めている。餌をねだるひな鳥のように声を上げる私は、彼から与えられる肉欲に溺れつつある。
「くっ、ハァッ、ここか!? ココがいいんだろっ? ああ?」
「そっ、そうっ…! そこぉっ…もっと、もっとぉ…」
「ハッ、ハァ、フウッ…! ああ、邪魔だ!」
右足に引っかかっていたズボンがブルボンの手で脱がされる。もう私の下半身には普段のお気に入りの白いソックスだけで、それ以外のものは何も無い。
冷たいコンクリートの床に飛び散った液も気にせず、彼は私の腰を掴み、膝立ちのままで振り始める。
「ハッ、ハッ、おい、ヴェート! お前、ずっと、誘ってやがったんだろ!? こうやってハメられんのを待ってたんだろ!?」
「あんっ! はぁっ! ち、がう! 違う、のっ!」
「何が違うだ! こんな風に犯されて悦びやがって! あそこのレンジャーの野朗どもはみんなテメエでマスかいてんだよ! 男誘うような仕草ばっかしやがって! みんなテメエを、ヴェートをブチ犯したくてたまらねえんだよ、知ってんのか!? ええっ!?」
「し、らな、いっ! わた、し、誘って、なんか!」
彼が勢いづく。その度に彼に染み付いた“影”が浮かび上がって見え始める。なかなかに濃い。そして量も多い。あれだけのものを一息で与えられたら、私はどうなってしまうのか。
けど、まだ足りない。あと一押し。あと一押しで、全ての“影”は搾り出せる。
「んはあああぁぁっ!」
い、く。イきかけた。不意打ちなんてひきょうだ。
「ククッ、随分いい声で鳴くじゃねえか! ただでさえ狭いってのにキュンキュン締まってやがるぜ。何が誘ってないだ!? メスガキだ! テメエはただの雌なんだよ! そうだろう!? 俺の子種がほしいんだろ? どこに欲しいのか、言ってみな!」
ブルボンの指がピンと立った乳首を強烈につまみあげる。痛みを伴う快感が駆け巡るたびに、全身が軽い絶頂に強張る。
どこに、欲しいのか。選択肢を突きつけてくるなんて、ブルボンはひどい男だ。私が欲しい場所なんて決まっている。いの一番にあの影を存分に味わいつくせる場所だ。
クチでは物足りないから―
「膣内っ! ナカに欲しいのっ! ヴェートのナカに出して!」
あの胎内を灼くような熱さ! 征服されて侵される快感! 自分がただの雌だと教え込まれる絶望感! 不義と冒涜で塗りつぶされる背徳感! ぜんぶ、全部私にちょうだい!
「ガッ、うっ……ぐおおおあぁっ!」
「あっ、いっく…! イ、イくのっ! おじさまっ! んっあっ、―――ッ!!!」
「クッ! ハッ! ハァッ! あぁー……はぁっ…」
声も出ないほどの快楽が思考を押し流す。明滅する視界、胎内で弾ける灼熱の濁流。それと共に炉心に流れ込む黒き影。流れ込む度に炉心が炎を上げてそれを焼き尽くしていく。
「はぁっ……はぁっ…!」
「だ、出したぞォ…! 孕んでもしらねぇぞ、このメスガキ!」
「いっ、いっぱひ……あついの…! おなかに、でてるぅ…」
一際大きく脈打つブルボンの肉竿から吐き出される精液。二度も蹂躙されたことによる疲労感が心地よい眠気を誘う。
ただでさえアノマリーの真っ只中で気を張っていたのだから仕方がない。それに、最期には気持ちよくなれた。少しばかり、眠るのもいいかもしれない。
ただ、他の通行人に見つからないことを祈ろう。このままじゃあ傍から見ればブルボンはただの強姦魔だ。
ずるり、とブルボンの突撃槍が私の中から引き抜かれる。私自身の愛液と彼の精液が交じり合ったそれの先端が私の口にあてがわれる。
「わかるよな」
「………うん」
少し小さくなってはいるが、私からすればそれは最早凶器というべきサイズだ。これが私を貫いていたモノ。雄の香りと雌の匂いが溶け合った天然の媚薬。
きゅんと切なさを訴えるように子袋が疼く。雌の本能を刺激するその肉棒に舌を這わせる。
舌と唇と喉を使って、丁寧に舐めとり、裏側の筋からカリ首までじっくりと丹念に拭い取る。私の小さな口では辛いサイズだが、できないわけではない。最期に残った僅かな精液を鈴口から吸い上げるように口に含む。
「んっ……くっ…ごちそうさま」
「……いい具合だったぜ」
「…それはどうも。アノマリーは……もう来ないみたいだ。少し……疲れ、た…」
「お、おい! こんな……で寝……じゃ…」
ねむい。久しぶりだから、つかれ、た。
そういえば、ピル、飲んで、なか――
なんてこった。やらかしちまった。どうすりゃいいんだ。
知らずのうちに、俺は知人の娘を抱いていた。とにかく誰にも見つからないようにトンネルの退避通路へ運び込んだはいいが、未だに何が起こったのか理解できねえ。
俺は彼女の、ヴェートの後ろをついて歩いていたと思ったらいつの間にかブチ犯していた。
何がなんだか俺にもわからねーが、何をされたのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだ。催眠状態だとか気の迷いだとかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ!
もっと恐ろしいものの片鱗を味わった気分だぜ……。
けれど、あんときのヴェートは普段の勝気で冗談好きの子供っぽい…実際少女と言ってもいいくらいだが、そんな姿からは想像もできない格好だったな。
そこらへんに居るような娼婦や街の女とは比べ物にならないナニカを出していた。
戦前に見た日本モノのアダルトビデオの女優なんざ霞のように忘れちまうほどに、ヴェートは美人で、そして艶かしかった。
若々しさの溢れる四肢と肌。東洋人系の中でも豊満で敏感な胸。均整の取れたまさに芸術のような肉体。艶やかな長い黒髪と戦闘服の間に見えるうなじ。普段の凛々しい顔とは違う、浅ましく男を求めるはしたない姿。蕩けるように俺の逸物を包み込む胎。まさに最高の抱き心地だった。
今も眠っているだけだってのに、その上下する胸を見るとむしゃぶりつきたくなる。
ぺろりと唇を舐めるたびに、ヴェートを犯したいという欲望が頭を走り回る。
ヴェートの狭い膣から流れ出る俺の精液。俺が、この俺が、あの駅のレンジャーなら誰しもが抱きたいと囁く女を蹂躙した事実。
「………ヴェート…」
こぽ、と収縮した膣から俺の放った精が溢れる。女陰から流れ出た精液が尻を伝ってコンクリートの床に零れる。やべえ、起ってきやがった。
「…一度出したんだ、なら……」
ぐちゅ、と愛液と精液が交じり合う秘穴にいきり立つ肉塊をずぶりとはめ込む。温けえ…そんでもってぬめってやがるのにぎゅっと銜えて放そうともしねえ。
ヴェートのすらりとした足を持って左右に広げると、真っ白なカラダが一望できる。ぷるんと瑞々しく揺れる胸。流れるくびれのライン。ほっそりとした腰。そして俺の肉棒を飲み込んだ膣と、さっき俺が精を流し込んで屈服させた子宮のある下腹部。幸せそうな、幼さを少し残した寝顔。
「ん……ぅ…」
「へっ…へへ…寝てても欲しがってやがる…」
時間は、まだたっぷりとあるんだ。楽しまなきゃあな。
「っ……うぅ…さ、寒い…」
冷え切った体は私の言うことを聞かず、鈍い反応を示すだけでろくに動かない。強張った筋肉をかろうじて動かし、ふらつく足を叱咤して立ち上がる。
どろりとしたブルボンの精液が私の中から内股を伝って流れ落ちるのを指先で掬うと、自らの犯した過ちを再び目の前に突きつけられたような気分になる。
間違いだと頭は理解しているのに、体は“正しいことをしたのだ”と感じている。
乱雑に開け放たれた上着の内ポケットを探り、そこに収められている錠剤を取り出して水も使わず飲み込む。
薬品の匂いに混ざって精液のにおいが鼻を突く。べったりと精液に塗れた胸と顔、そしてなおも精液を漏らし続ける肉穴。しかし私を陵辱したであろう彼の姿はどこにもない。
とにかくこのままの格好は不味い。匂うしベタつくし、何よりミュータントに襲われたら不味い。
使い古したタオルで体に付いた粘液を名残惜しいなどと感じることもなく拭い去り、新しいショーツに足を通す。
メトロの路線図と替えの下着がいくつか入っているだけの背嚢の横に並べて置かれたブーツとズボン。相棒のカラシニコフたちも一緒に並べて壁に立てかけられている。
装備一式を身に付けると左腕の時計を確認する。出発からもう三時間も経っている。距離にすればそれほどでもないはずなのに。
つまりそれだけの間私は彼の慰み者となっていたわけだ。泣けてくるね。
よろよろと足元は覚束ないが、歩けないほどではない。ランプの明かりを頼りに見渡してみると、崩落して行き止まりになっている通路が奥に見える。開けているほうへと壁に手をついて歩いていくと、パチパチという音が聞こえ、人影が曲がり角から伸びている。
「……ブルボン…?」
「………起きたか」
「…具合はどう?」
「そりゃこっちのセリフだ。動けんのかお前」
通路の出口の左右に焚かれた焚き火。そしてその通路の出口の中央に陣取るブルボンの背中。彼の足元には肌色をした小型犬のような醜い生き物、ラーカーらしきものがいくつか転がっている。
頭が半分無くなって脳みそがブチ撒けられていたり、胴体が千切れ腸が飛び散っていたり、原型さえ留めていないものもあるが、確かにラーカーの死体だ。
「こいつら、嗅ぎ付けてきやがったぜ。お前さんの雌の匂いのせいかもな」
「きっとブルボンの精液が臭くて堪らなかったんだよ。まだ匂うよ」
「………すまん」
「いいよ。もう慣れてるし」
「それでもだ。すまなかった」
ブルボンは確実に悪党―小とつくが―だが、心根が完全に腐った人間というわけではないらしい。少なくとも友人の家族に対しての自らの行いを恥じている。
彼が根っからの悪党だったなら、私など放っていけばよかったのだから。だけど彼はせめてもの罪滅ぼしかは知らないが、私が目覚めるまでこの通路の安全を確保してくれていたのだ。
「…もう大丈夫だよ。マーケット駅も近いし、そろそろ行こうよブルボン」
「そう、だな。余計な時間を食っちまったしな」
まったく覇気を感じない彼の口調にはむずがゆささえ感じてしまう。出だしで躓いてしまった小旅行だが、旅は楽しまなければ損だ。もっと明るく行かないと!
「よし! そうと決まればマーケットに行くよ!
「もう許してくれ! 俺の財布はスッカラカンだ!」
「いいよ。ただし貸し五つだけど。だって私が起きたときの感じからすると…全部で五発くらい頑張ったんじゃない?」
「………お前、まさか起きてたわけじゃないよな」
「ありゃ、ほんとに五発だった…。……まあ、紳士的な行動に免じて貸し二つで勘弁してあげる」
「…とんでもねえ相手に借りができちまった。ハァ……ツイてねえな…」
焚き火を始末すると、再びマーケットへの道のりを歩き始める。
鼻歌を歌いながら前を歩く私と、重い足取りでトボトボと歩き出すブルボン。
トンネルは普段の静かな姿を取り戻し、等間隔で設置された照明が僅かにコンクリートの通路を照らし出している。
………アノマリーというものは我々人間の理解の範疇を超えた現象だというのは知っていたし、自らも体験したことがある。だが、あの闇は“カタチ”を得られるほど濃密ではなかったはずだ。私達が足を踏み入れたときは大した障害ではなく、順調に切り抜けられると感じていた。
私の見通しの甘さ、だろうか。それとも慢心か。いずれにせよ私があの闇の本質を見抜けなかったばかりに、ブルボンは意識を乗っ取られる手前にまで陥り、私は闇に抵抗できないままだった。
二度は無い。次に間違えればそれこそ命が失われるかもしれないのだ。犯された程度で済んでよかった。そう思うと少し気が楽になる。
闇はどこかへと消え去った。だが影は残ったままだ。闇があろうと無かろうと、影はそこに留まって離れることはなく、いつまでも佇んでいるのだ。
死者は天国にも地獄にも行かず、このメトロに留まり続けている。多くはカタチを失い、闇に同化する。だが強い思念や無念は、こうして人影として残り続ける。
私達の生は、常に死者と隣り合わせである。闇はいつでも、我々を見ている。
登場人物についてある程度紹介でも入れるべきなのだろうかと悩みます。
設定や用語について補足や解説を挟むべきなのかも悩んでいます。
なんで書き始めたんだろうとかも悩んでいます。
不安材料は尽きないですが、えっちらおっちらでも進んでいくといいなあ。
感想等お待ちしてます。豆腐メンタルですけど。
エロい文章って難しいです、ハイ。