【告白】
病院から帰ると“騙していたのか?”と訊かれた。なんとも言えない空気が流れる。
昨日まで笑って楽しかった部屋が、嘘みたいだった。
どれくらいの沈黙が続いただろう?本当は、そんなに経ってないのかもしれないけど、もう何時間も土方の前で正座しているようだった。
「違う。」
やっとの思いで絞り出した声は、思いの外小さく土方には聞こえてないようだった。
だって、なにも喋ってくれない。
もう、終わりなんだと思ったら急に抱き締められた。
「なんで、こんなことしているのか教えてくれないか?」
耳元で優しく呟いた声に俺は、泣きながら話始めた。
昔、俺は小さな神社に産まれた。
ボロボロで蜘蛛とか虫がいっぱい居たけど、それでも家族3人幸せだった。
俺は何故か男として育てられた。
ある日、両親が死んでお登勢の所に預けられた。お登勢は、両親が出逢ったスナックのママで俺の育ての親。俺のこと本当の子供みたいに育ててくれて、欲しいと言ったものは買ってくれたけど男として扱われるのは同じだった。小さいときは疑問に思っていたけど、成長するにしたがってそんな疑問自体無くなっていった。
お登勢は、一冊のボロボロの本をくれた。その本には、幼い頃母さんが話していた神話が載っていた。重要な所は破れて読めなかったけど……。
『青き龍と
ってお話。その話をするときの母さんが、何より好きだった。
お登勢の話では、俺のいた神社には小さなほこらがありその神話に出てくる5つの獣が祀られていたらしい。5つの獣はそれぞれ宝石で、
実際には見たことないけど、かなり大きいらしい。
「だから、盗んだのか?」
そこまで話終えると、今まで沈黙を貫いていた土方が重たい口を開いた。
「うん。俺、その5つの獣を守る巫女なんだって……。巫女が5つの獣を持っていればなにも起こらないけど、別の人が5つの獣を同時に手にすると災いが起こるんだって……。正直俺だってやりたくないけど、この世界がなくなるんなら守らなきゃいけないから。5つの獣は宝石だし、おっきいから人を魅了するの。2つでも手に入れたらその獣たちが他の獣を引き寄せるんだって……」
淡々と話した俺は、どこか他人事のようだった。
「けど、お前盗んでも次の日には返してる。それはなんでだ?」
ただ、個人的な疑問なのか。警察としての尋問なのかはわからなかった。
「水に鎮めるの。本物だったら獣が、浮かび上がるんだって。」