【疑惑】
あれから、2ヶ月。土方の言う通り白月の話題は無くなった。テレビは、連日選挙の話で持ちきりになっている。
土方が、個人的に調べているみたいだけど……麒麟を手にしたから世界の危機は一時的に安心できるようにはなったけど……まだ、安心は出来なかった。
もし、ここに泥棒が入ったら……笑える。怪盗が泥棒に会うなんて……あまり下手に動けないか。
『悩んだって仕方ねぇだろ。早く他のやつらを連れてこい。』
麒麟が偉そうに言う。初めて話し掛けられたときは、ビックリして声が出なかった。喋るなんて本には書いていなかった。
「そんなこと言わないで。俺だって悩んでんの、土方との約束を破ることになるし……これ以上土方を困らせたくないの。」
俺は、麒麟の頭を小突きながら言った。
「ただいま。」
この所、土方は定時で帰ってくる。俺が、白月が動かないから……。
「おかえり。」
『まだ、見つかんねぇのか。青龍に逢いてぇなぁ。…………お前、あの神楽って言う奴が言う通り無能なんじゃねぇのか?』
麒麟が、土方を見るなり文句を言い出した。この2ヶ月間、何の手がかりもないというか新たに宝石が展示されるとか、そんな話がないのだ。麒麟が焦るのもわかる。
こんなに、情報がないのは初めてだった。
誰かが、情報を流さないようにしてる?誰が何のために?もしかして、バレてる?
もし、そうなら4つの獣が1ヶ所に集まっている可能性も………。
「銀、銀時!」
「へ!?なに?」
「何って顔色悪いし、ずっと黙ってるから。」
土方が、俺の顔を覗き込む。
「これだけ、情報が無いって事はさぁ……もう、4つの獣が1つの場所にあるのかもって……」
『それは、無いぞ。もしそうなら、俺様はここに居ないしな。』
「どういう事だ?」
土方が、問うと“それだけ集まれば互いに引き寄せ会う”らしい。
青龍に朱雀・白虎に玄武………すべて欲しい。そして、麒麟も……取り戻してやる。
白月の事は、ニュースで知っていた。あれだけ毎週賑やかに盗みを繰り返せば嫌でも、耳に入ってくる。今まで、我が家に目を付けなかったのにイエローダイヤにだけ反応するのはおかしいと思った。他にも、ターコイズやピンクサファイアなんか在るのに……すぐさま妙に調べさせた。妙は、裏の情報網がすごい。だから、貧しい志村姉弟を雇ったのだ。こう言うときこそ、役に立って貰わなければ……。