【偽物】
『今宵月が雲に隠れ、暗闇に包まれる時。貴女の瞳を頂きに参上します。
本物?絵はあるけど、銀時は“情報がない”って言ってたのに………あれは、嘘だったのか?
今日、警視庁に電話があり美術館に来ていた。
銀時に確認しようにも、同僚の前で電話するわけにもいかずそのまま警備についた。
「今まで、動かなかったのにここに来てまた
タメ息混じりに沖田が言う。
「館長、クルーを外に出して頂けないでしょうか?」
俺が、美術館の館長にテレビクルーの退却をお願いする。
この館長、
警備が、やり難くなるのもお構い無し。観客は、外に出せたがクルーは相変わらず、
この
ん?あのクルー……銀時?帽子は、被っているがあの髪……
目が合う。ニコッと笑い手招きする。誘われるまま、後をついて行き多目的トイレに入る。
「銀時?なんで、お前…情報ないって……」
入るなりいきなり質問攻めにする。
「待てって、俺じゃない。予告状出してない。」
銀時が、そういうとネックレスになった
「偽物って
『違う。あれはプラスチックだぞ。』
「まぁ、あの館長がしたんだろうけど……」
「どういう事だ?銀時。」
銀時が、言うにはこの美術館の全ての物が
「誰かが、偽の予告状を出したって事か……」
「でも、月の絵……どうしてわかったんだろう?そっくりだし、これでやりにくくなるよね。あの館長、テレビに予告状出しちゃうんだもん。」
その時、俺の携帯が鳴った。
「悪りぃ、戻んねぇと。」
トイレを後にしながら、電話にでる。
「何処いるんすか?早く戻ってきてください。客が、中に入れろって暴動起こしてるんですけど……」
『女神の
その瞬間、ブレーカーが落ちた。フワッと甘い香りがしたと思ったら、目の前に
銀時のそれと全く同じ格好。が、コイツが偽物なのはわかる。銀時が横に居るんだから。
偽物は、俺の方を見て銃を取り出す。瞬時に視界が揺らぐと同時に後ろで銃声が聞こえた。
「うっ……」
銀時のうめき声で、目が醒める。別に寝てたわけじゃないが、さっきから頭が働かない。この香りのせいか?同僚やテレビクルー・客たちがバタバタと倒れていく。
「銀時!!」
銀時は、肩を掠めていた。
「動けば、苦しくなるわよ?1発で殺してあげるから……動かないでよ。」
「トシ…銃貸して……俺の偽物だから……」
耳もとで、偽物に聞こえないように話し掛けてくる。確かに胸ポケットに入っているが………一般人に渡す訳………。そんなこと考えていると、銃声が聞こえる。振り向くと、銀時が偽物の脚を撃っていた。
銀時は、次の瞬間俺の腕を掴み物陰に隠れた。偽物が、乱射してる。
「これ食べて。」
板ガムを渡された。“なに?”と聞くと“この香りの解毒剤”と言われガムを噛んだ。少しミントの強いガム 、はっきり言って辛かった。
気が付くと、自分の家にいた。
「目醒めた、みたいだね。」
「どういうことだ?なんで……」
飛び起きるが頭に激痛が走る。我慢できずに、ベッド戻る。
「ごめんね。あの場を切り抜けるには、お互い気を失う必要があったの。みんなが倒れていったでしょ?あの香り、睡眠薬なの。下手したら死ぬかもしれない代物。だから、トシには気を失って貰う必要があったの。すぐにアイツには立ち去って貰う必要があったし……頭痛がしてるのは香りのせいね。すぐにガラスを割って空気を入れ換える必要あったからね。みんな、入院したけど症状の軽い人は明日退院出来るって。」
そういう、銀時の肩には包帯が巻かれていた。
「悪りぃ。怪我させた。」
「仕方ないよ。身体も動かなくなるしね。掠めただけだし……」
「けど、なんでお前は大丈夫だったんだ?」
「あぁ~、俺薬効かないんだ。昔から……お登勢が言うには巫女だからなんだって……まぁ、麻薬とかの匂いは嗅がされて覚えさせられたから……銃の扱いも馴れてたし殺し屋かも。」