※この作品はR-18です。

「偽りの関係?」   作:実柚

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偽物

【偽物】

 

『今宵月が雲に隠れ、暗闇に包まれる時。貴女の瞳を頂きに参上します。白月(しろつき)』

 

本物?絵はあるけど、銀時は“情報がない”って言ってたのに………あれは、嘘だったのか?

 

 

 

 

今日、警視庁に電話があり美術館に来ていた。

銀時に確認しようにも、同僚の前で電話するわけにもいかずそのまま警備についた。

 

「今まで、動かなかったのにここに来てまた白月(しろつき)ですか……」

 

タメ息混じりに沖田が言う。

 

「館長、クルーを外に出して頂けないでしょうか?」

 

俺が、美術館の館長にテレビクルーの退却をお願いする。

この館長、白月(しろつき)が来たら観客が増えると踏んだらしくマスコミを使い大々的に宣伝しやがった。

警備が、やり難くなるのもお構い無し。観客は、外に出せたがクルーは相変わらず、白月(しろつき)のターゲット『女神の人魚(マーメイド)』の周りを囲んでる。

この人魚(マーメイド)の右目が真珠なのだ。本物なら、白虎(びゃっこ)なんだけど………。

 

ん?あのクルー……銀時?帽子は、被っているがあの髪……

目が合う。ニコッと笑い手招きする。誘われるまま、後をついて行き多目的トイレに入る。

 

「銀時?なんで、お前…情報ないって……」

 

入るなりいきなり質問攻めにする。

 

「待てって、俺じゃない。予告状出してない。」

 

銀時が、そういうとネックレスになった麒麟(きりん)が“ワシが保障するぞ。それにあれ偽物じゃから。”

 

「偽物って白虎(びゃっこ)じゃないってこと?」

 

『違う。あれはプラスチックだぞ。』

 

「まぁ、あの館長がしたんだろうけど……」

 

「どういう事だ?銀時。」

 

銀時が、言うにはこの美術館の全ての物が偽物(レプリカ)らしい。まぁ、精巧に作られてるみたいだけど……。だから、この美術館は銀時は狙わなかったらしい。

 

「誰かが、偽の予告状を出したって事か……」

 

「でも、月の絵……どうしてわかったんだろう?そっくりだし、これでやりにくくなるよね。あの館長、テレビに予告状出しちゃうんだもん。」

 

その時、俺の携帯が鳴った。

 

「悪りぃ、戻んねぇと。」

 

トイレを後にしながら、電話にでる。

 

「何処いるんすか?早く戻ってきてください。客が、中に入れろって暴動起こしてるんですけど……」

 

『女神の人魚(マーメイド)』の所に戻ると客が、流れ込んできた。こんなにも、白月(しろつき)が人気があるのかとどうでもいいようなことを思ってしまう。

その瞬間、ブレーカーが落ちた。フワッと甘い香りがしたと思ったら、目の前に白月(しろつき)が現れた。

銀時のそれと全く同じ格好。が、コイツが偽物なのはわかる。銀時が横に居るんだから。

偽物は、俺の方を見て銃を取り出す。瞬時に視界が揺らぐと同時に後ろで銃声が聞こえた。

 

「うっ……」

 

銀時のうめき声で、目が醒める。別に寝てたわけじゃないが、さっきから頭が働かない。この香りのせいか?同僚やテレビクルー・客たちがバタバタと倒れていく。

 

「銀時!!」

 

銀時は、肩を掠めていた。

 

「動けば、苦しくなるわよ?1発で殺してあげるから……動かないでよ。」

 

「トシ…銃貸して……俺の偽物だから……」

 

耳もとで、偽物に聞こえないように話し掛けてくる。確かに胸ポケットに入っているが………一般人に渡す訳………。そんなこと考えていると、銃声が聞こえる。振り向くと、銀時が偽物の脚を撃っていた。

銀時は、次の瞬間俺の腕を掴み物陰に隠れた。偽物が、乱射してる。

 

「これ食べて。」

 

板ガムを渡された。“なに?”と聞くと“この香りの解毒剤”と言われガムを噛んだ。少しミントの強いガム 、はっきり言って辛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付くと、自分の家にいた。

 

「目醒めた、みたいだね。」

 

「どういうことだ?なんで……」

 

飛び起きるが頭に激痛が走る。我慢できずに、ベッド戻る。

 

「ごめんね。あの場を切り抜けるには、お互い気を失う必要があったの。みんなが倒れていったでしょ?あの香り、睡眠薬なの。下手したら死ぬかもしれない代物。だから、トシには気を失って貰う必要があったの。すぐにアイツには立ち去って貰う必要があったし……頭痛がしてるのは香りのせいね。すぐにガラスを割って空気を入れ換える必要あったからね。みんな、入院したけど症状の軽い人は明日退院出来るって。」

 

そういう、銀時の肩には包帯が巻かれていた。

 

「悪りぃ。怪我させた。」

 

「仕方ないよ。身体も動かなくなるしね。掠めただけだし……」

 

「けど、なんでお前は大丈夫だったんだ?」

 

「あぁ~、俺薬効かないんだ。昔から……お登勢が言うには巫女だからなんだって……まぁ、麻薬とかの匂いは嗅がされて覚えさせられたから……銃の扱いも馴れてたし殺し屋かも。」

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