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6月4日p.m.01:00
『本日、月が天を仰ぐ時。海のように青く輝く
「これでよしっと。」
定規を当て規則正しく書き終え、月の絵を描いていると土方が寝室へと入ってきた。
「次は、
「うん。本物なら良いけど……」
「銀時、これ使え。」
土方は、机の上に新聞紙で包んだナニかを置いた。
包みを開くと黒光りする銃があった。
「トシ…なんで?」
「この間の奴……本物の銃使ってたし、お前の言う通り何らかの目的で狙ってるのかも知れないし………」
「この月の絵を知ってるってことは、やっぱり俺が1回盗みに入ったとこだよね?」
「まぁ、普通に考えたらそうだろうな。その銃足がつかない奴だから……殺しはすんなよ。あくまでもお前の身を守るためのものだからな。」
「わかってる。………じゃあ、これ出してくるね。」
銃を、鞄に隠して予告状を持ち家を出た。
煉瓦造りの立派な家、今日の
角を曲がった時、あの時に嗅いだ甘い香りが
一般の人が手に入れるには苦労する品物、その香りが身体に染み付いた女。明らかに、俺の
同日p.m.11:30
署に戻り、予告状の連絡を待つ………銀時が予告状を出してから既に約11時間。未だに、
気付いてないのか?アイツ
警察に通報しないつもりなのか?今まで、そんなことはなかった。
銀時から、女の顔を描いた紙をもらった。名前まではわからないので、前歴リストをさっきから1枚・1枚見比べている。銃を持っていたと言うことは、暴力団関係か何かか…………未だヒットするものはない。
「土方さん。それ、この間の
沖田が本物の
「あぁ。未だ前歴ヒットはないけどな。」
「ヒットがないとなると、前がないってことじゃないんですか?」
「カモな。」
「そうなると、手配書作ることになりますね。それ、どうしたんですぅ?」
「偶然すれ違ったこの女、あの時の香りがしたからな。」
そう答え、銀時が
通報の連絡がないまま、銀時の予告した0時を迎えた。
同日p.m.11:30
土方が、署に戻り前歴リストと比較をしている中俺は
というか、昼間あった人の気配がない。警備室に来て、防犯カメラに細工をしようとしたが鍵もかかっていなければ、誰一人いない。不審に感じながらも慎重に
その部屋は他の部屋とは違い、鍵がかかっていた。警備室から拝借した鍵を使い開けようとした。ドアの隙間からあの香りがする。開けようとした手を止めてドアから距離をとった。
静かな空気が、流れる。
あの女がいる。ドアからの侵入を諦め隣の部屋へと入った。
コツコツとハイヒールを履いているのか、リズムのよい足音がする。先客がいるとやりずらい。
まだ、予告の時間にはなっていないなんて事を考えていたら、ポツポツと肩に雫が落ちる。たちまちにそれは激しくなり、これの正体がスプリンクラーだと理解する。アイツの煙のせいか……ということは、人の気配がしないだけで隣の部屋に居ると言うことなのだろうか?
パッリンっと硝子の割れる音がし、偽物が外へ飛び出した。暗視スコープで見る限り、
あの煙で、住人が眠らされているんだろうと思い隣の部屋に入ると………この家の主人、ハタ王子が殺されていた。
銃で胸を一発撃ち抜かれていて、即死なんだと素人俺でもわかった。床には人間とは色の違う血だまりが出来ていて
ショーケースの硝子を割り、ジャンプして飛び越えその瞬間サファイアを盗る。途端に警報が鳴り出す。恐らく、重さを感知するものだろう。
窓から飛び降り、庭に出る再び防犯カメラに映らないようにして予告状を回収し家に帰る。
6月5日A.m.0:25
死体なんて始めて見た。家に帰りついてどのくらい経ったのだろう?未だに、心臓がバクついてる。土方に電話するけど一向にかからない。傍に居て欲しいときに、居ない。泣きそうになるのを堪えながら、サファイアを見つめる。
痕跡は、残してない………指紋は、手袋してたし……予告状も持って帰った。あの偽物がやったのだろうか?
ガチャ。身体が震える。暗闇中、布団をかぶり部屋の片隅に居ると……。
「銀時?」
土方の優しい声が聞こえる。ゆっくり、顔をあげると抱き締められた。
「なんで、泣いてるんだ?」
そう聞かれ、自分が泣いていることに気づく。
「俺……」
泣きじゃくりながら、自分が見たこと全て土方に話す。
ずっと、背中を撫でてくれて電話で何かを喋っていた。その声は、俺の耳には届かなかった。