こんゆり~新たなる生活~ 作:毬藻
早速ですがエロシーンありです。
新年になり、また仕事が始まった。周りの人間にも慣れてきた1月4日。俺は秘書の車に乗せられ、『Aikawa』の本店へと向かっていた。人生で初めてできた秘書と言う存在に、俺はワクワクしていた。
車内でのことである。
俺に就いてくれている秘書は高梨瑞貴といい、同年代の若い女性である。容姿端麗で、育ちの良さそうな可愛い女性だ。その高梨さんとの会話である。
「鷹梨さん、あとどれくらいなんですか?」
会社から車に揺られ20分ほど。
「あと、15分もしないで着きますよ。あ、そうだ……」
「ん?なんですか?」
高梨さんが俺にお願いをしてきた。
「私に対してはタメ口でいいです。むしろそうして下さい。あと、できれば瑞貴って……呼んでくれれば」
要は社長と秘書の関係なのだから、年齢関係なく上下関係をつくりたいそうだ。
「あぁ、構わないけど……じゃあ、俺のことも祐希でいいよ」
「それはダメです!貴方は社長なのですから、秘書の私から呼び捨てなんて……」
「だったら、プライベートのときとか、仕事以外のときとか……あと、二人っきりのときとかさ。俺が瑞貴って呼ぶなら対等にしたほうが良いだろ?」
俺がそう瑞貴に提案すると、しぶしぶ頷いた。そのまま特に会話も無く、俺はずっと窓の外を眺めていた。それから瑞貴の言う通り、数十分で店へと到着した。
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店に着き、裏口から『専属パティシエ室』というプレートが張られた部屋に行った。瑞貴によるとここには『Aikawa』の本店専属のパティシエの部屋らしい。瑞貴は心構えをしっかりしておいて下さい。と言っていたが、俺は特に気にすることも無く、ドアノブに手を掛けて、ゆっくりと引いた。
そこには二人の男女がいた。
女が壁に押し付けられて、男は後ろから抱きしめるようにしている。よくみるとそれは前戯に及んでおりかなりいやらしい。
「ひゃぁ……!んっ、いや、やめ……あぁっん!……はぁっ、んん!」
俺と瑞貴は言葉を失ってしまったが、用があったのはこの二人だったのでどうしたらいいものかと考え込んでいた。女性の嬌声は止まることなく、また男性の女性の胸を触り首を舐める舌も動き続けていた。
「やめてっ、て……言ってる、んっ!でしょ……っあん……!」
しばらく言葉を失い、立ち尽くしていると、男性の方が俺たちの存在に気付いて行為をやめた。
女性は羞恥に耐えられなくらしく、一度部屋を退出した。瑞貴によると、部屋の奥にあるシャワー室に向かったらしい。俺と瑞貴はソファに案内されて、部屋にいるのは俺と瑞貴、そして男性のみになった。
ソファに座り、無言が続いていると、男性が口を開いた。
「いやー、新しい社長さんが来るとは聞いてたけど、まさかこんなタイミングで来ちゃうなんてねー。あ、俺の名前は西嶋楓都。『Aikawa』の専属パティシエで、西嶋家の長男。さっきの女性、俺の許嫁なんだけどさ、ちょっと悪戯しすぎちゃったかな……?怒ってるだろうし。まぁ、そういうところが可愛いんだけど……あ」
西嶋さんがそう言っていると、ドアが開いて女性が戻ってきた。ジーンズに白のシャツを着ている。湯気が出ていて、少し艶めかしい。濡れた髪をタオルで拭いながら、西嶋さんの後ろに近づき、頭を叩いた。
「もう帰って、今後一切あんなことしないで。もう私と貴方は別れたのよ。いつまでもまとわりついてこないで」
女性が淡々とそう言い放つと、何も言わずに西嶋さんが出て行った。元々あの二人は付き合っていたのだろうか。俺は気になったが、きっと話したいことではないだろうと思い何も聞かなかった。
女性が二つ、コーヒーを出してくれ、彼女はソファに脚を組み座った。
「ごめんなさい、見苦しいところをお見せして……初めまして、秋篠紅葉です」
女性はそう名乗った。瑞貴に聞いた話では、秋篠さんと西嶋さんは『Aikawa』本店の専属パティシエだそうで、公開調理のなどを行ったりしており、二人を見るために本店を訪れる客もいるそうだ。彼女は両親に似て、技術が高いらしく大変人気らしい。
「あ、はい。初めまして、逢河祐希です。宜しくお願いします、秋篠さん」
俺が軽く挨拶をすると、『こちらこそ』と言われた。なんだか冷たい反応だが、元々なのだろうか。単にいつも通りなのか、何か気にくわないことがあったのかは分からなかったが、俺は特に気にはしなかった。
「瑞貴、少し席を外してくれるかしら」
秋篠さんがそう瑞貴に言うと、瑞貴はすぐさま部屋を退出した。
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私が部屋を出て、考えることは一つ。
紅葉様が社長に話すことだ。私はそっと部屋のドアに耳を当て、二人が話している話を聞いた。
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瑞貴が部屋を出ると、秋篠さんが俺のことを見つめてきた。その瞳に俺は少しドキッとしてしまう。俺が一瞬目を逸らすと、秋篠さんが俺の隣のソファに座ってきた。
「私は貴方のこと、認めていないわ。一輝さんの代わりなんて、息子の貴方にも出来ないのよ。一輝さんほどになるまで私は、貴方と馴れ合うつもりはないから。仕事面でしか付き合うつもりはないわ、そこを貴方には理解してほしいの。いいかしら?」
秋篠さんがそういうと、改めて俺の無力さを思い知る。確かに社長になったばかりで分からないことも多いけれど、ここまで直接言われると流石に傷ついてしまう。でも正論だと思う。ずっと仕事をしてきたであろう彼女が言うのだから、正しいのだろう。それと彼女は完全に俺のことを男だと思っているらしい。
「あぁ、構いません」
秋篠さんはソファから立つと俺の方を向き、鍵を投げてきた。俺が鍵をキャッチすると、秋篠さんが鍵のことを説明してくれた。
「その鍵、私の家の鍵だから。一応渡しておくわ。家の場所とかは瑞貴に聞いて頂戴。別に深い意味はないから、用がある時だけ訪れるようにして。じゃあ」
それだけ言うと、秋篠さんはドアまで言ってしまった。出ていくときに、一言言い残して。
『それと、わたしのことは紅葉と呼んで。いいわね、祐希』
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瑞貴に家まで送ってもらい、一日は終わった。
後日、瑞貴から引っ越しをしてほしいと頼まれた。
あのときの俺のあの絶望感は今でも否めない。現在引っ越し準備を大急ぎでしているが、どこに引っ越すのかはまだ言われていない。
嫌な予感しかしない今日この頃。俺は一体どうなってしまうのだろうか。
いやー、いきなり前戯とかしちゃってる紅葉さん。大丈夫なのでしょうか。
いきなり名前呼び強制してるけど、紅葉さんは何をしたいのか。
以前より頑張りましたがどうでしょうか……
次は引っ越しの真相が明らかになります、お楽しみに。
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