---イッセーの父--
イッセーが高校に入って、剣道同好会を作ったようだ。GWの連休なので、久しぶりに船で釣りに行こうと思い、イッセーを誘ったのだが、同好会の仲間とともに参加することになった。
自分の竿を持っている私とイッセー以外の人用に、初心者用の竿を人数分用意して、待ち合わせ場所でイッセーとオーフィスくん、アポくんと共に待っていると、次々に参加者が現れた。見た目は普通の高校生なんだけど…まぁ、そういうことは気にしないことにしているので問題はない。
その中の一人の女性をイッセーが私に紹介してくれた。支取 蒼那さんという華奢な女性で、イッセーと婚約の約束をした悪魔の一人のようだ。愛称はソーナだそうだ。全然、悪魔に見えないよ。あのイッセーがソーナさんを気遣いエスコートしているよ。母さんに見せたかったなぁ。
皆で私のクルーザーに乗り、沖の方へ出て、釣りを始めた。普通の人間ではないからだろうか、皆初心者とは思えない釣果を上げていた。
お昼は、オーフィスくんとアポくんは自ら持参したバナナを食べている。他の面々で、釣果の中から数匹を、船上で捌いて刺身にして、母さんが調理したお弁当と、ソーナさんたち女性陣が持参したお弁当を、皆で分けて食べた。みんなで食べる食事はおいしいなぁ。こんなに楽しい時間が過ごせるのはイッセーのおかげだ。
食休み中にクルーザーが大きな波を受けて、揺れている。波の来る方向を見ると、何か大きな物が、海の中から浮上してきているみたいだった。
その時、イッセーから指示が飛び出した。
「アポくんとオーくんは僕と、アイツを迎撃だ。残りの者は、父さんの事を頼む!」
「気をつけてくださいね」
ソーナさんから、イッセーに気遣いの言葉が贈られた。
---イッセー---
久しぶりの満腹感で、ソーナの膝枕で昼寝をしようと思ったら、クルーザーが傾くほどの大波を食らった。なんだ?
『ミドガルズオルムというドラゴンが、たぶん目覚めて呼吸をするために、急浮上してくるぞ』
参謀のドライグから、状況を聞いた。このままでは、父さんの船が危ない。
「アポくんとオーくんは僕と、アイツを迎撃だ。残りの者は、父さんの事を頼む!」
「気をつけてくださいね」
心配そうなソーナ。
僕はソーナに頷いて、アポくん達と海の中にダイブした。少し潜ると、問題のヤツのオーラを検知できたので、ヤツを次元の狭間に強制転移させ、僕らも転移した。
次元の狭間で、ミドガルズオルムの姿を見て、驚いた。アポくんよりデカイ。
『全長は500~600mくらいだ』
ドライグの説明でもビックリだ。こんなのが急浮上したら、父さんの船が…
「だれだよ?こんな場所に僕を転移させたのは?」
「イッセーの父さん 我の 家族。お前 許さない」
オーくんが本来の姿に…漆喰のドラゴン。
「え?オーフィス?なんで、怒っているんだ?」
「おい、私も怒っているぞ!」
アポくんも本来の姿に…紅のドラゴン。
「うぎょ?グレートレッドまで?僕、何かしたかな?」
「お前が急浮上したら、楽しいイベントも中断だし、イッセーの父を危険にさらしたじゃないか?」
「イッセーって誰?僕は呼吸をしに浮上しただけだよ…」
「イッセー 我らの 家族」
「詫び入れるなら早くしたほうがいいぞ。お前が頭上がらないヤツが来る前になぁ。」
「え?ティアマット?」
「もう来ているけどね」
ティアさんが本来のドラゴン姿で現れた。僕が龍化するまでもない状況かな。
「オーフィスの反応が膨大だったので、来てみたら…寝太郎、イッセーの親を危険にさらしたのか?許せない行為だ」
寝太郎?
『ミドガルズオルムは、終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)っていってな、たまに起きて呼吸して食事して、人生の大半の時間を深海で眠って過ごしている、惰眠ドラゴンだ。で、通称が寝太郎なんだ。ティアがいうにはな』
ドライグの通訳がないと会話について行けないかも。
「だから、イッセーって誰だい?ティアマット」
「私の主だよ。いや、私達のだ。お前も仲間になっちゃえ!イッセー、コイツを人化させて、秘密基地で飼ってくれよ。コイツが海からいなくなれば、海難事故も減ると思う」
僕は聖杯を出して、ミドガルズオルムを人化した。灰色の髪の少女になった。
「え?なんで人間にしたの?」
「あんなデカイ図体を飼えるスペースがないから。お前、戦わないのに無駄にデカすぎだ!」
ティアさんのオーラに押されて、少しビビり気味のミドガルズオルム。僕は彼女を秘密基地のバナナ部屋に強制転移させた。
さて、戻ろうか。船にね。ティアさんに援軍に来てくれたお礼をいうと、週1,2回ならOKって…性欲を処理してくれるみたいだ。
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「なんで、誘ってくれなかったの?」
リアスが涙目で僕に詰め寄ってきた。父さんとの釣りに行った次の日だ。
「だって、剣道同好会でのイベントだから…」
「なんで、ソーナが参加したの?」
ソーナが参加したのに、リアスが参加しなかったことに不満があるみたいだ。
「ソーナはちゃんと毎朝、朝練に参加しているよ。リアスは朝練に参加したことないじゃん」
「え?あのソーナが…剣道できるの?」
「朝練に沖田さんがいらして、初心者にも優しく教えてくれているからね」
「沖田さんがいらしているの?」
リアスの頬を汗が流れ落ちている。
「お兄さまに…」
あぁ、そういうことね。
「リアスは練習をサボっているって、情報が流れているんじゃないの?」
僕に詰め寄っていたリアスの身体が、力なく僕の方に倒れてきた。丁度、顔を僕の胸に埋める感じで。
「私って強くなれるのかな?本当はねぇ…次期当主なんかになりたくないよ」
僕は、リアスの後頭部を両腕で優しく包み込んだ。
「人間に産まれれば良かった。イッセーと人間として出会って、人間として生活して…」
声にならない声で泣いているリアス。たまには、しばらく、こうしていてあげよう。
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クロウから連絡で、邪龍を見つけたそうだ。「魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザンド・ドラゴン)」アジ・ダハーカ。千の魔法を使うドラゴンだそうだ。魔法を使えるドラゴンっているんだぁ。僕とアポくんオーくんはクロウの指定場所に転移した。
洞窟の入り口に転移した。クロウが僕達を奥へ案内した。四肢を杭で固定されたドラゴンがいた。ミドガルズオルムほどではないが、コイツもデカイなぁ。僕達は杭を抜いて、僕は刺し傷に回復魔法をかけた。
「俺を助けるとはどういう訳だ?」
「僕の仲間になってください」
質問にストレートに答えた。
「クロウの主って、お前か?」
「クロウは仲間だ」
「なるほど、いい目しているな。俺を倒したら、仲間になって…」
そういうと思って、洞窟の入り口でドライグに『倍化』をスタートしてもらっていた。どうして、ドラゴンって倒したら仲間になるって常套句のようにいうんだろう。僕はアジが常套句を言い始めたので、アジの能力を『無価値』にしてから『倍化』しきったドラゴンショットをアジの首に撃ち込んだ。アジの首には、向こう側が見える穴が開いてしまった。証拠写真を撮って、アジの怪我を治して蘇生をした。倒した証拠の写真を見せると、仲間になってくれた。彼は人化すると、黒髪の少女になった。
「まさか、一撃でやられるとは…クロウが主に選んだだけのことはあるな。彼との実戦練習が楽しみだ」
「アジよ。実戦はするなよ?この俺が戦意を喪失して、さらに殺されたことを忘れるな」
「あぁ。クロウの戦意を喪失って、並の強さでないな。それも2発でだろう?」
「俺は、グレートレッドとオーフィスが地面に叩き付けられた方が驚きだよ」
「そうだ、龍王のうちの1匹が砂漠地帯で隠居をしているぞ」
アジから情報をもらった。よし、仲間にしに行こう。
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僕達はアジの言っている砂漠に転移した。
『ミドガルズオルムがもうすこし南西だっていっている』
ドライグの指示通りの方角に向かうと、一軒の家が見えてきた。その家を目指して進んだ。家に着き、ドアをノックすると、緑の髪の少年が出て来た。
「玉龍 久しい」
オーくんが挨拶をした。相手の少年は驚いている。
「え?オーフィスかい?珍しいな、一人でないなんて」
うん?オーくんは来たことがあったのかな?
「イッセー 彼 ドラゴン」
彼がそうなのか?
「お願いします。仲間になってください」
僕は頭を下げた。
「え?いきなり、そういわれても…」
遠くから聞いた覚えのある声が聞こえた。
「おい、ウーロン。誰が来たんだ?」
声の主が近づいてきて…あっ、ヴァーリと一緒にいた猿だ。
「お、お前…」
猿は真っ青な顔になって、腰を抜かした。そして、部屋の奥に向かって、誰かを呼んでいる。
「じじぃ、助けてくれ~。俺、殺されるよ~」
部屋の奥から玉のようなものが近づいてきた。僕はそれを『強奪』した。手にした玉のような物は先端部分で、よく伸びる如意棒だった。もらっておこう。
「え?それは老師の如意棒だよ。返してあげてよ」
「いきなり、攻撃してきたのに?」
今度は、気の塊が飛んでくるみたいだ。僕は『無価値』で、そよ風程度に価値を変えた。
「おいおい、老師の攻撃を消したのか?」
今度は、猿?老猿が勢いよく飛び出してきて、接近戦をしてきた。僕は応戦する。老いた猿とは思えない手数、威力だ。僕は防御に徹する。老人に攻撃はちょっとなぁ。徐々に老猿の手数が減ってきたように思える。クロウとオーくんと組み手を毎日している僕にとっては、まだまだ余裕のあるレベルにまで手数も威力減少していた。至近距離からのオーラの撃ち込みを警戒しつつ、相手の攻撃を受け流していく。
ついに決着はついた。老猿の方から距離を取った。
「お主、やるなぁ。儂が息切れをおこすなんて」
はぁはぁっと、息をしている。
「お爺さん、そのドラゴンを仲間にしたいので、ください」
僕は頭を下げた。
「じじぃ、ソイツだよ。俺を生死の境に追い込んだヤツは」
「なるほど、美猴では相手にならないだろう。この爺が息が上がる程だし」
「そこのじじぃ、主はまだ本気を出していないぞ」
クロウが余計なことをいう。
「あれで、本気ではないのか?おぃ、ボウズ!本気で戦え。そこのウーロンが相手になる。儂は疲れたから観戦するぞ」
懐から煙管を出して吸い始める老猿。
「え?老師。戦うのは僕ですか?」
対戦相手に指名されてウーロンというドラゴンが驚いている。
「お前も一応五大龍王のうちの1匹だろ?お前も本気でいけよ」
僕は、ウーロンの前に立ち、抑えていたオーラを解放していく。僕の周りにある砂漠の砂が舞い上がり竜巻のように上空に伸びていく。
---クロウ---
「おぃおぃ…」
何かを感じとった老師。すごくあせっている。手にしていた煙管を落としていることに気づかない程、動揺しているようだ。
「闘戦勝仏よ。主に本気を出させて後悔をするなよ」
グレートレッドが老師に、遅すぎる警告を出した。
「なぁ、お前らの主を止められないか?」
「「無理だ!」」
一斉にいう俺達チームドラゴン。
「はぁ…ウーロンは仲間にやるから…なんとかならんか?」
そうこう話している間も竜巻の半径は成長している。砂は大量に巻き上げられて、砂漠の底、砂に隠れて見えなかった岩が見えだした。
「主は本気を出そうと必死なんだ。あの状態だと、近寄れないな。私やオーフィスでも無理」
グレートレッドが無理だと、ドラゴンじゃダメだな。
「どうするのだ、闘戦勝仏よ。そもそも、お前のところのバカガキが、我らの主にケンカを売ったのが始まりだろうに。詫び代はウーロンだけで済まないと思え」
「う~…」
老師は誰かを強制転移させていた。
「おい、誰だ?俺をこんな砂漠に強制転移させたヤツは」
アイツは…たしか、堕天使の総督アザゼルか。
「アザ坊、儂じゃ。あの竜巻を止めてもらいたいんじゃ」
アザゼルは竜巻を見る。
「おいおい、じじぃ。何をさせたんだ?あれってイッセーじゃないのか?アイツのオーラが竜巻から撒き散らされて来ているぞ」
「いや、本気出してみろっていったのじゃが、ここまでの力があるとは…」
「イッセー まだ 本気じゃない」
「マジか?オーフィス。本気になる前に止めないと…」
砂漠が岩場になりつつある。あの砂はどこに降っているのか?うん?オーフィスが強制転移を見よう見まねで発動させていた。何をどこに転移させるのだ?
目の前の竜巻の内部で光が飛び交う。なにかが倒れた。竜巻も消えたが、イッセーは龍化している。倒れたのは、帝釈天だった。オーフィス、、闘戦勝仏の上司をイッセーの元に強制転移させたのか?もっと、強いヤツを呼び出さないとダメだ。
いや…違う。龍化したなら、生け贄で戻るはずだ。ティアマットをチームドラゴンで召喚した。
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「え?イッセーくんを龍化させちゃったの?だれが??」
ドラゴン全員で老猿を指差す。
「闘戦勝仏かぁ。詫びをちゃんとアジュカ様に入れてきなさい。私は公務中だったんだからね」
ティアマットの怒りは、闘戦勝仏に注がれた。