---テオドロ---
「天界が認めた組織なら手を結びましょう」
私は手詰まり感からデマカセに近いことを言ってしまった。天界の認めた組織なら手を結ぶことはあり得るので、まったくのデマカセではないと、自分に言い聞かせて。
「貴方のオーラに闇が混じりました。嘘ですね?いいでしょう。貴方の言葉を理由に天界に挑んでみましょう」
え?なにを言っているんだ?正気か?この少年は何を考えている。天界に挑むとは、愚かなことを。
「あっ、我々は全員、心の言葉を読めます。貴方の考えはすべて読めています。『天界に挑むとは、愚かなことを。』って考えましたね。」
紫藤さま…
「テオドロさま、貴方は愚かな提案をしました。我々が天界に攻める理由を作ってしまったのですよ。我々の勢力は理由もなく攻めることはしません。そもそも、イッセーくんの親孝行をしたいという想いを否定された。いくら私でも、その考えはついて行けません。子供が親孝行することを否定するということは、父なる神に仕える我々は神のために生きなくても良いということになります。私の教会人生を否定されたのと同じです」
紫藤さま…
「貴方はここで軟禁します。天界から私達が無事に帰ってくるまでね」
紫藤さま…私たちは間違いを犯してしまったのですか…
「天使と人間のハーフであるあなたは『奇跡の子』と、もてはやされました。イッセーくんは…」
「イリナちゃんパパは、ここで待機してください」
後ろから少年が紫藤さまに声をかけた。
「私も一緒に行きます」
振り返り、少年の目を見て話す紫藤さま。
「僕だけで行きます。テオドロさまの条件ですからね。これで死んでも、誰も恨まないでください。僕の問題ですから…って、天界ってどこにあるのですか?」
『任せろ、相棒!』
少年の腕に篭手が出現した。あれって、赤龍帝…神滅具だぁ。行かせては行けない。
『ハーフ天使よ、俺の神滅具としての力は必要ないんだ。俺の相棒のスペックは最強だからな』
少年は転移していった。
---ミカエル---
私は天界を治める、天使長のミカエル。神の残したシステムを運用して、神の奇跡を起こしいる。先の大戦で神と大多数の天使を失った。神のシステムでは天使の生産はできない。なので、以後戦争を起こすこと避けて行かないと、天界を維持できなくなってしまう。
そんなある日、それは起こった。突然、天界を奇襲する者が現れた。なぜ?私は奇襲してきた者の前に立った。
「何故、天界を奇襲したのだ?」
「教会のテオドラさまが、天界の戦士に勝てば、友好を結んでくれるって言われたからです」
はぁい?教会からの刺客だって…
「ちょっと、待ってくれるかな?テオドラと話をするから」
「連絡できませんよ。僕らの基地に軟禁していますから」
「なんで、軟禁?」
「嘘つきだからです」
はぁ?テオドラが嘘つきだって…とりあえず、教会に連絡を取って、情報を手に入れた。
「テオドラは君たちに謝罪に行ったんだよね?」
「謝罪する気はなくて、天界の戦士に勝って来いっていうんです。嘘つきでしょ?天界を攻撃する意味が僕にはわかりません!」
目の前の少年は、困惑しながら奇襲しているのか?
「とにかく、テオドラと話がしたい」
少年は頷いて、私と共に転移した。
転移した先にテオドラがいた。
「テオドラよ、どういうことだ?」
「ミカエルさま!」
私の前に跪く。
「なぜ、彼に天界を奇襲して勝てば、友好を結ぶといったのだ?」
テオドラの顔は青冷めている。
「ミカエルさま達に、この者たちを殲滅していただくためです」
おい、謝罪したくないからって、それは…
「謝罪しに、彼らに会いに来たのではないのか?彼らの暗殺命令が出ていたのか?」
「それはないです。あくまで謝罪をしにきました」
彼は、エクソシストの紫藤か。
「紫藤よ、なぜこの様なことになったのだ?」
「ミカエル様、彼の、イッセーくんの記憶を見てただけると、間違いがないと思います」
紫藤は、私の前に跪いて提案をしてきた。私はイッセーという少年の頭に手をかざして、彼の記憶を覗いた。
「ふぅ…イッセーくんで良いかな?」
「はい」
彼は私の目を真っ直ぐ見つめていた。綺麗な瞳だ。
「教会を束ねる長として、今回の件は詫びたい。申し訳ないことを言ってしまった。ご両親に迷惑をかけずに、親孝行することは大切なことだ。それを否定した教会に非があるのは確かだ。できれば、天界と友好条約を結んでくれないかな?どうかな?」
「もちろんOKです。僕達は仲間や味方を増やすことをしています。なるべく、闘いたくないですから」
テオドラは青ざめたまま固まっていた。私は彼を教会へと強制転移させた。いるとややこしくなりそうだもの。
「天界で正式に友好条約を結びたいのだが、彼の他に紫藤とグリゼルダがついてきてもらえるかな?君達は彼の仲間なんだろう?」
「「はい!」」
彼らと天界に転移した。
天界の私の部屋で、紫藤から彼のこれまでの話を聞いた。難儀な身体のようだ。あのリリンが入れ込むほどの魅力、私もその魅力に見られてしまったかもしれない。強大すぎる能力、最強の軍団の頭、普通ならば野望にまみれるところだけど、彼の記憶を見たけど、野望がまるでない。親を大事に、仲間と楽しく暮らすことしかなかった。そのためには、自ら危機の前面に立っても防ぎたいようだ。
私は彼らとの友好を喜んで結んだ。そして、彼らの組織にも入った。彼を悪い道に誘い込み勢力は許せないから。それに私とリリンがいれば、たいていの勢力から守れるはずだ。
イッセーくんが、天界にいつでも来られるようにシステムを変更した。戦力のない天界の戦力になってくれるそうだから。あと、先の大戦で失った者を、蘇生できると提案を受けたが、いまの勢力で指示系統が確立しているので辞退した。今後、私にもしものことがあったら、蘇生をお願いはしたけど。
---リゼヴィム---
イッセーたんが、イッセーたんが、ミカエルと友好条約を結んだそうだ。僕ちゃんの育て方が良かったようだ。邪龍の筆頭格のクロウとアジも仲間にしたみたいだし。世界制覇もできるんじゃないのかな、イッセーたんは。戦意を野望もない方が天下統一ってできるのかもしれない。
でも、喜んでばかりもいられない。イッセーたんの検査をしたのだが、想定外の事態がおきているみたいだ。僕ちゃんの頭脳を全開にして、研究をしているのだが…これって、更なる能力の覚醒にもなりそうなので、悩みどころでもあるなん♪
---イッセー---
授業参観の日が訪れた。両親の前で授業を受けるのはなんか恥ずかしい。学力は、ソーナや朱乃ちゃん達のおかげでそこそこである。アポくん、オーくんもそこそこであった。なにもかもが興味を引き、数学の問題が解けたときには大喜びしている。
休み時間、両親とオーくん、アポくんの5人で歩いていると、目の前から紅髪の親子が近づいてきた。
「イッセーくんのご両親ですか?わたし、リアスの父でグレモリーと申します」
僕達は???状態だったところに、サーゼクスさんが現れた。
「父上。リアスは、彼のご両親にまだ会っていませんよ。突然ですまない、イッセーくん」
僕は状況がわかり、両親に説明した。
「イッセーの婚約者のご両親ですか。こんな息子ですが、よろしくお願いします」
って、親同士で話しましょうって、父さんと母さんはリアスの両親達についていった。
残された僕達3人が講堂の近くにいくと、人混みができていた。なんだろうと、見に行くと、魔法少女姿の…セラフォルーさんがいた。物珍しそうにカメラで撮影する者が多数。そんな中、セラフォルーさんと偶然目が合ったってしまった。
「イッセーくぅ~ん!」
僕に抱きついてきた。
「お姉さん…ちょっと…」
「イッセーくん、探していたのよ♪」
「なんで?」
「一緒に食事しましょ!」
僕の腕を強引に引いて、ソーナ達が食べている場所に連れて行かれた。
「おっ、お姉さま、そのような恰好はやめてくださいと何度も…」
「ソーたんの大好物、イッセーくん連れてきたけど」
僕と目が合うとソーナの顔はミルミル赤くなっていった。
「お姉さま、なんてことを…」
「違った?では、いただきま~す」
いきなり、セラフォルーさんは僕の唇を奪った。
「ソーたん、いいでしょ?」
うん?ソーナの身体を覆うオーラの質量が上がっている…逃げないと。僕はその場から剣道同好会の部室に転移した。ここなら安全かな。道着に着替えて竹刀を持って、練習場へ向かった。モヤモヤする気分を吹き飛ばすために素振りを始めた。
「精がでるねぇ」
声がする方を見ると、イザイヤとトスカが道着で来た。
「やることないからね」
三人で素振りをしていく。どのくらい素振りをしただろうか。夕方になったので、帰り支度をして、旧校舎を出た。
「おい、イッセーってヤツ、どいつだ!」
いきなり大声がした。声がする方向を見ると、短い黒髪、紫色の瞳のガタイの良い男性だった。
「僕ですけど」
僕が一歩前二出た。
「手合わせがしたい」
彼は、いきなりなぐりかかってきた。僕は身を屈め膝狙いの回しケリを放った。
「うぐっ」
相手は、バランスを崩すものの、倒れなかった。
「何者だ?」
「サイラオーグ・バアル。リアス・グレモリーの従兄弟だ。リアスの婚約者の実力を見に来た」
リアスの身内かぁ。邪険にできないよな。
僕はオーラを全開にした。
「なんだ、このオーラの量は…貴様は化物か?」
「化物で、悪いか?」
今度は僕から殴りかかった。彼も応戦するように殴ってきたけど、僕の狙いはその拳なんだけどね。
「痛っ!」
彼の拳は手首だけ残して潰れた。
「柔い拳だな。リアスの身内ってことだから、今回は治してやる」
回復魔法で拳を治してあげた。僕はオーラを通常量まで絞っていく。
「じゃあな!」
彼を残して、三人で帰路に着いた。