---アザゼル---
冥界は未だに混乱をしている。混乱は冥界だけに留まらず、悪魔だけでなく、堕天使も天使にも影響を及ぼした。原因はこの世界にいる各勢力の総力を使っても、暴走したイッセーの前には手も足もでない事がわかったからだ。
騒動を収めてくれたのが、宇宙神様の特務機関であったのも、混乱に拍車をかけた。彼らは何者なのか?万が一、敵になったときに防げるのかなど。
俺の知っている情報では、敵にはならない。いや、敵にはなれないっと言った方が正しいかもしれない。特定勢力だけを攻撃するより、星をリセットする方が楽であるから。それだけの力を有している勢力である。
宇宙神とは何者なのか…この星の各神格系の神の上に、君臨するのが最高神なのだが、その最高神達の上で、君臨するのが宇宙神である。唯一無二の存在の神である。又の名前が絶対神である。
今、オカ研の部室にいる。アジュカ、ファルビウム、ミカエル、リアスに、俺の知っている情報を教えている。各勢力の上層部で、動ける人材がこれだけっていうのも、事態の深刻さを物語っているのかもしれない。
「ということは、派遣されて来た彼らは、絶対神様の部隊ってことか?」
「そういうことになるなぁ、アジュカ」
「そんな部隊を動かしたら、ペナルティとかは発生しないのか?」
「この世界では初めての事なので、わかりません」
ファルビウムの問いには、ミカエルが答えた。
「ペナルティというのではないですが、代償は払ってもらいますよ」
聞いたことがない声がした。声の方を見ると、知らない青年がいた。
「誰だ?お前は?」
「僕はシュウ・ヨハネ。宇宙神様の特務機関、チームシュウの団長です」
こいつが…
「代償は、イッセー君の無期限貸与になります。僕らのチームで彼の能力が必要な場合、いつでも借りることが出来ることにします」
「貸せないと言ったら?」
恐る恐る聞く、俺。
「拒否権はありませんよ。強制転移させますから」
笑顔で答える青年。
「そんな権利が、お前にあるのか?」
「権利?いや、この世界の義務ですよ。そこをお間違えのないように、ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード総督」
お、俺の黒歴史…ミカエルが爆笑しやがった…
「お前、どこでその情報を…」
「僕の世界でです。総督」
「お前の世界?」
「僕も元々、並行世界の1つで生を受けました。その後、因果が絡んで、今の地位におります」
「お前は何者なんだ?」
「僕は天使と鬼のハーフの魔物です」
「天使と鬼のハーフ?それって禁忌だよね?」
ミカエルが質問をした。
「えぇ、禁忌です。でも、僕の両親はそれを破りました。幾多数ある並行世界において、唯一ねぇ。そのおかげで、僕は様々な出会いをしました」
「禁忌を破った結果、どうなったの?」
「僕は先祖の持つ能力を持ちました」
「君の先祖って…え?まさか…」
ミカエルの顔が青いぞ。どうしたんだ。あっ…まさか…
「そうです。天界の神が恐れる一族です。本当の歴史を語れる一族。僕の母親は、僕を匿う為に、天界からの刺客に殺されました」
「ちょっと、待って。天界ってそんな事をするの?」
リアスが口をはさんだ。まぁ、正義は天界、悪は冥界って習うもんなぁ。
「天界は、薄汚い世界です。ミカエルさんの前で言うには、失礼になるかもしれませんけど」
「いや、聖書の神のしたことは正しいとは、僕は思っていないのでかまわないよ」
ミカエルはサバサバしている。まぁ、今でも俺と仲が良いお前だものな。
「僕は、先祖と同じヴィジョンを見ました。そして、封印された神、精霊、大天使を解放して、天界を全滅させたました」
「そうなるよね。あの子孫であれば…だから、禁忌になっていたんですか。この世界ではもう絶えた一族ですよ」
「たぶん、僕の世界以外は絶えていると、宇宙神様から聞いております」
「お前が解放した者って、誰なんだい?」
ミカエルとの会話に割り込んだ俺。
「大天使サマエル、宇宙神様、知恵の精霊、創造神ブラフマー、トライヘキサくらいかな」
「「え?」」
「何か、驚くこと言いましたか?」
「ちょっと待て!宇宙神も封印されていたのか?」
「されてました。創造神ブラフマーが封印されたことで、危機感をお持ちになったようで、知恵の精霊と共に、自らを封印したそうです」
「まさか、他の神は邪神と言われた、天界の神から逃れる為ですか?」
ミカエルの顔は蒼白だった。あいつが考えている以上に聖書の神は黒かったのだろう。
「その通りです。まぁ、どこの世界の聖書の神が悪いってことではないです。それは実証していますから、確かです」
「実証って?」
ミカエルが尋ねた。
「僕のチームの副団長が、聖書の神の子供なんですが、そんなに悪いことはしてませんから。唯一した悪い事は、エヴァとの間に双子を作った事くらいだし」
開いた口が塞がらない。おい、それって…それって救世主は…うん?ということは
「副団長は救世主なのか?」
「違います。救世主は双子の兄の方です。うちの副団長は双子の弟の方ですから」
こいつらのチームの片鱗が見えた気がした。色々な世界のイレギュラーの集団なんじゃないのか?イッセーのような者の集団…こぇ~
「話しが横道にそれましたが、義務は果たしてもらいます。今回の件のアフターフォローをしたら、僕は任務先に戻ります」
「任務先?」
「違う世界の最高神からの、依頼をこなしているところなんです。この世界の方が切迫しているとのことで、緊急出動した次第です」
「並行世界を飛び回れるのか?」
「それが出来ないと、任務がこなせません」
たしかに
「で、総督の疑問に答えておきます。逆鱗に触れられたオーフィスを、どうやった落ち着かせたのかは、僕の癒やしのオーラでオーフィスを包み込み、怒りを癒やしました。ソーナも同じです」
「ソーナは、抱きつかれてキスをされたみたいだが」
「それは…久しぶりにソーナに逢えたから、つい…です」
苦笑いしている青年。
「久しぶり?ソーナと逢っていたのか?」
「僕の世界では、ソーナとリアスとヴァイラの間に子供がいますから」
「え?」
リアスの顔が赤らんだ。
「ドラゴン軍団を屠ったのが、ソーナとの子供、シルキーです」
「あの悪魔の羽かぁ」
「そうです。たぶん破壊力は僕の子供中で一番です」
「あの小さい4人は、お前の子供だったのか?」
「そうです。あれ程のイレギュラーの暴走を止めるには、僕と僕の血が繋がっている者でないと無理と判断しました」
「どういう意味だ?」
「聖魔光闇系統の、術式プログラムを発動するために、子供の力が必要だったんです」
「そんな術式プログラムがあるのかい?」
アジュカが割り込んできた。
「有ります。たぶん、プログラミングできるのは、僕だけだと思います」
「どうして?」
「アジュカさんなら、おわかりだと思いますが、それぞれの系統の術式がわからないとプログラミングはできません。僕は、聖はロード、魔はダークロード、光はウォーロック、闇はネクロマンサーを極めました。その結果、聖魔光闇系統の術式プログラムが書けます」
「なるほど…それだけなのか?君を入れると5系統に見えたのだが」
「さすがにアジュカさんですね。最後に禁断の魔術を、目標に叩き込みました」
「禁断の魔術?そんな魔術書があるのか?」
今度は俺が口を挟む。
「魔術書は無いですよ。僕が所属していた、妖しき魔術のギルドで、口伝にて伝えている物ですから」
「そんなギルドがあるのかぁ…」
「あります。あと、僕はそこで一白の行をなして、再生能力を得ました」
「一白の行って、百年間一人で祠に籠もって修行するっていう、眉唾物の修行か?」
「そうです。あれは、妖しき魔術のギルドでしかできません」
こ、こいつ…ただ者ではない…
「さてと、僕はこの世界で、なすべき事をして戻ります」
「なすべき事?」
「えぇ、イッセー君に、これ以上暴走をさせない為の、防止装置を埋め込みます」
「どういう物だ?」
「それは愚問ですよ。ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード総督。言える訳ないでしょ?悪用されたら大変ですからね。特にブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード総督、貴方にねぇ」
そういうと、青年は俺達の前から消えた。
---イッセー---
僕の前に会ったことがない青年が現れた。僕に何かを埋め込んだ。
「これは、これ以上君を暴走させない処置だ。君達の心の闇は浄化して、心の傷は癒やしてから帰るから、安心してくれ」
そう言われると、とても暖かいオーラに包まれた。そう、アーシアの膣の中にいる感覚が全身に広がっていく。
「ペニー?ふふふ、サタン、そういう名前でこの子にいるのか?まぁ、この子に何かあれば、君も消えるんだから、護ってやれよ」
そんな声が聞こえた…ペニー君の本名はサタンって言うのかな?
「あぁ、今回は護れなかったよ。俺としたことが不覚だ。ヨハネよ、また機会が会ったら、話そうぞ」
「あぁ、また来るよ。まさか、ルシファーの血を受け継ぐ者に、お前がいるとはなぁ」
「強くしたいって願いが、そうさせたんだろう。ルシファーと俺は、魔族最強コンビだからな」
「じゃあな!サタン!」
「あぁ」