理央SIDE
俺は刀奈を運んで、ベッドに座らせた。
俺が亡国王であることは喋らず、この12年間何をしていたのかを説明した。
刀奈が楯無を襲名したのは、IS学園に入る前。先代楯無が末期癌で亡くなったことを知った。丁度そのころは、俺がタルシスを開発していた時期だった。
「そうか、おじさんがなぁ。ところで、簪はどうしてる?」
俺の問いかけに刀奈はこう答えた。
「貴方の両親が死んだ事件の後、簪ちゃんは心を閉ざしたの。正確には、塞ぎこんだ。
世間や皆は、理央は死んだと主張した、でも、簪ちゃんは『理央は絶対生きてる! どうして、みんな信じようとしないの!?』て、主張し続けたわ。父は世界各国の政府が理央の親子の研究を独占するために殺されたというのを偶然聞いたみたいなの。以来、簪ちゃんは私以外を信用しなくなった」
俺はそれを聞いて、どう言ったらいいのかわからなくなった。
簪は完全に人間不信に陥っていることもわかった。
「そうか」
俺はそれしか言えなかった。自分が生きていることが世界にバレたらどうなるのかもわからないから、逃げ続けて亡国企業に拾われ、亡国王になったなんて口が裂けても言えなかった。
「ねぇ。できれば、簪ちゃんに会ってあげて。貴方が生きていることを知ったr「ごめん。それは、今はできない」え?」
俺の返事に驚いているのか。刀奈は、俺の顔を見る。
「今は、無理だが。クラス代表戦の後、連休があったはずだ。俺の隠れ家で、真実を話そう」
それが、最善の一手だ。丁度この時期は鈴が天功してくるはずだから。
その後、他愛もない会話をした後、眠りについた。
------------------------------------------------------------------
とうとうクラス代表を決める決闘が始まる。
先ずは、理音VSセシリア、秋生VS雪華、マドカVS雪華の順番だ。
「神埼。そろそろオルコットが待ち遠しくしているぞ。早く行け」
そう言って理音をせかす千冬。
「あいさー。こい、オデュッセウス!!」
自分の愛機を身に纏った姿を真耶は驚いた顔をした。
「ええー! 神埼さんが、あの嵐帝だったんですか!?」
面食らったのも無理はない。
自分のクラスにいる生徒がかの有名な嵐帝がいたのだから。
「めんごめんご。これだけは、言いたくなかったからね。じゃ、行ってくるよ皆」
「がんば、理音」
雪華がそういうと、「OK」と理音は返した。
「神埼理音。オデュッセウス、出撃する!!」
ピットから出撃して、そのまま滞空する。
「神埼さんが、嵐帝だったなんて驚きですわ」
流石のセシリアでも驚いている。
「うん。黙っててごめんね。これでも、有名人だから正体隠さなきゃならなかったんだ」
試合開始の合図が鳴り響く。
「さあ、踊りなさい! 私とブルーティアーズが奏でる円舞曲(ワルツ)で!!」
4機のビットが理音に襲いかかるが、それをなんなくよける。
それと同時にライフルを撃ってきてもそれをよける。
「だめだめ。全然だめだよ。それじゃ、当たらないし掠りもしないよ」
ビットからの攻撃をなんなくかわし、追撃してくるビットを右手に持っている。ビームライフルで撃ちぬき、両腕のシールドに内蔵してサーベルを展開する。
「これで、終わりだ!!」
「残念!ブルーティアーズは、6機ありましてよ!!」
それは、すでに読んでいた!
「それは、こっちの台詞だ!」
俺はセシリアにビームを撃つ、それは軌道を変えて、背中に直撃した。
「フレキシブル!?」
俺は常に一騎当千を主眼に戦ってきたからこその集中力。撃たれる前に撃つ。それが俺の戦い。
「残念。まだやるかい?」
セシリアの額に銃口を向けて言い放つ。
「私の負けですわ。流石は、最強の『嵐帝』ですわね」
『勝者、神埼理音』
その声と共に、「「「キャーーーーーーーーーーーーーー」」」という女子からの歓声が聞こえた。
遅くなった。反省はしている。だが後悔はしていない。