俺は、今スコール達と亡国の本部へ向かっている。勿論、俺は嵐帝の格好でだ。
朝起きて、スコール達に束とヤったことがバレたが、俺が束と知り合いで、両親のAD開発チームの影の助手として活動していたことも話した。
束は、俺の理解者の一人であることも話した。
今日は束に俺が開発した第4世代機を見せようと思ったが、亡国王と呼ばれる総帥が俺に会いたいという訳で、定例会議に出席するように言ってきたからやむなく行くことにした。
出て行く前に、束に俺のアドレスを書いた紙を渡して、後にした
〜亡国本部:会議室〜
「では、これより定例会議を始めます。今回も予算についてですがーーーーーー」
長々と、黒髪にレディースを着た女性が司会を始める。
あのいかにも、といいそうなのが総帥か。あの左目辺りの大きな傷跡。
確か、ロシアの荒熊で有名だったセルゲイ・スミルノフか。
まさか、あんな大物が亡国王とはねぇ。
「では、何か各部隊からの報告はありますか?」
スコールが手を上げた。
「では、スコール部隊の報告を聞きましょう」
スコールが立ち上がると、そこには俺が知らないスコールがいた。
「では、スコール部隊から私、スコール・ミューゼルが報告します。私は、5年前に、ある兵士を保護しました」
俺は会議室のドアの前に立っている。
そろそろだな。
ドアが開くと、俺は会議室に入った。
「私達スコール部隊は、伝説の最強の少年兵《嵐帝》を保護していたことを報告致します」
それを聞いた幹部と思われる老害共はスコールに、「何故、今まで報告しなかった!」「そうすれば、我々は暗部組織の中で最強になれる筈であろう!」 とか、さっきから自分の地位や爵位やら栄光のことしか見えてなえのかと思うと腹が立つな。
「諸君。静粛にしたまえ」
亡国王"セルゲイ・スミルノフ"の重い口が開いた。
「スコールよ。何故、このことを報告しなかった。理由を聞かせてもらえないか?」
目線をスコールに向けるが殺気はない。俺の経験上、この手の輩は抑えている可能性がある。
「総帥は、ご存知かと思いますが、あの時期は内部分裂が激しく、まだ齢10の彼を報告するとさらに悪化する可能性があったためです」
それを聞いた荒熊は、「そうか」とだけ返した
「しかし、せめて私には報告してほしかったな」
笑顔でスコールに言うと、「申し訳ありません」とだけ言った。
『荒熊ヨ。スコール達ノ部隊ニ身ヲ寄セテイタノハ俺自身ノ意思。ソシテ、時期的ニモ俺ノ正体ヲ隠ス為デモアッタ』
俺の発言にセルゲイは、「君はISと生身で立ち向かい、圧倒す程の存在と聞いている。それは、本当かい?」
俺はセルゲイの言葉に頷く。
「彼の言葉は本当です。彼は、あのアフリカの巨大組織である《ホルス》をたった一人で本拠地を見出し、その構成員を全てを一人で殲滅する程の実力です」
それを聞いた幹部の老害共は、ざわめき始める。
「静粛に! スコール。嵐帝の素顔を見せてみらっていいかね?」
「それはいけません! 彼は自分の素顔を見られるのが嫌で、仮面を被っているのです!『スコール』っ!?」
俺を、ここまで守っくれてありがとう。今度は、俺の番だ!
フードをと仮面を外して、亡国王とその老害に素顔を晒した。
それを見た老害共は、「女!?」「嵐帝の正体は、女だったのか!?」とざわめき始めた。
「うるさいぞ。クソジジイ共。俺は、男だ」
俺の言葉に幹部は、ざわめいたがセルゲイだけは動じてなかった。
「その顔、間違いない! 面影がある!!」
〜回想:セルゲイ・スミルノフ〜
セルゲイがまだロシアの荒熊と呼ばれていた時代。
彼は、咎神夫妻と会っていた。
『セルゲイ、こっちだ!』
彼は、息子のアンドレイと共に、友人である咎神恭弥と軍施設を見学していた際に知り合い、交流ししている。
セルゲイには、9歳の息子とイギリス人を妻に持つ良妻家である。
『はじめまして、奥さん。あなたのご主人と大学時代から世話になっているセルゲイ・スミルノフです。こちらは、私の妻であるセレナと、9歳の息子のアンドレイです』
二人は、恭弥と楓に会釈する。
『ところで、ご子息は?』
恭弥は楓の足元を示すと白い純白の太ももまであるゴスロリ服を着込んで、靴は女物のサンダルを履いている麦藁帽子を被った白いリボンでツインテールに結んだ髪をした少女が楓の後ろに隠れていた。
『奥さん。ちょっと、主人を借りますよ?』
『はい、どうぞ』
腕を恭弥の首に組んで、木の後ろで話す。
『おい、なんだあれは!? 息子を連れてくるんじゃなかったのか!?』
と恭弥に怒鳴るセルゲイ。
『いや、あれは俺の息子だ。正真正銘俺のな。あれは、息子の普段着の様なものだ』
その答えにセルゲイは、
『あの娘がお前の息子!? どう見ても、将来絶世の美女になる女の子じゃねぇか!?』
『大丈夫だ、問題ない』
『あるわ! 将来あの娘間違った方向に成長するのが目に見えてるわ!!』
自分の息子を奇行に走らせた恭弥に怒鳴り散らす。
『安心しろって。心を開いた人には、笑顔で接してくれるから』
もうどう論破したらいいのかわからなくなったセルゲイは、肩を下ろして車へ向かう。
『そうだった。俺が、忘れてたよ。君が、ADを開発したんだって言ってきた時は、いきなりだったもんな』
『はっはっはっ。わかってるじゃないか、流石僕の友達だ。ほら行くぞ、あいつらが待ってる』
『ああ。そうだな』
〜回想:終了〜
「すまないが、諸君。定例会議は終了だ。嵐帝の素顔を見れたのだから、これ以上は必要ない」
そして、モニターがプツンと次々と消えていった。
「久しぶりだね、理央君。覚えているかい? 一緒に、アンドレイと遊んだのを覚えているかい?」
アンドレイ? 確か俺が、昔ロシアに逃亡した際に一緒に遊んだ子の名前だ。まさか!?
「セルゲイおじさん?」
俺がそう言うと、
「10年振りだね。ずいぶんと大きくなったものだ。あの二人の面影がある程にな」