さて、処女をレイプされて奪われた傷心の箒に、追い討ちをかけるような精神的に辛いことが起きた訳ですが……はいそうですあれ全部俺の仕込みです。素晴らしきかな絶対催眠。一夏に相川さんを好きにならせることも、相川さんに一夏を好きにならせて告白させるのも、二人に催眠をかけて二週間以内にセックスしろと命じるのも全て私がやりました。全ては箒を始めとした一夏に惚れている女子を寝取る為です。今のところは……セシリアにも近々あの映像を見せてやろうと思います。彼女もまだ未練があるだろうからね。
で、箒に新しい催眠をかけました。一日一回俺の部屋を訪れろ、とね。
§
「………………」
「今日は泣かないんだな。辛い気持ちはそのままだろうに」
そして昨日の今日で箒は俺の部屋にやってきた。今はベッドの上で抱きしめている。
「箒……キスするけど、嫌だったら言えよ……ちゅ」
「……………………」
今日は箒にセックスで幸福感を感じてもらうのが狙い。昨日かけた催眠はそのままだからな。んで昨日はもうセックスする心境じゃなかっただろうからやめときました。箒の反応によってはそのままセックスを続行するのもありだと思っていたけどね。だからバックで貫いている最中に見せたんだけどね。最中に見せた狙いはもう一つある。箒の惨めさを一層際立たせる為だ。相川さんは好きな男に抱かれて幸せな初体験をしたのに、自分は好きでもない男にレイプされて処女を失い、今もこうしてレイプされている、という状況にしたかった。その方が箒をより絶望させることができるだろうから。
絶望させて救う。まあこれはいわゆる一つのあれですよ「自分で雇った男達に、歩いている女の子に因縁をふっかけさせて、そこに自分が現れて女の子を救い、その後二人は……」ってやつです。遠回りかつ陰惨に過ぎる? ごもっとも。
「んちゅっ……れろれろ……ちゅちゅう……ちゅぱ、ちゅ」
「ン……はぁ」
昨日よりはだいぶ反応がマシになっているな。元々の反応を100としたら処女喪失から昨日までは0。今日は30ってところか。それでもだいぶマシだ。
「キス……嫌がらないんだな」
「……………………………………どうせ……………………………………」
「え?」
「どうせ、もう一夏と一緒になれることはないんだ。だったら、抵抗したって意味ないだろう」
それはどーかなー。略奪愛なんて昼メロの中だけとでも思っている? 案外ああいうのって現実でもあるもんだよ。それ以前に、一夏はまだ恋人を作っただけで結婚したわけじゃない(まあセックスしていましたけど)。まだ逆転の目はあると思うのだが、多分これはあれだな。箒が潔癖過ぎるんだな。一度俺にレイプされた自分は汚れて、一夏とは付き合えないと思ったり。一夏が恋人を作ってセックスしたのなら、自分が好きになったあの男なら、別れたり他の女に乗り換えたりせず添い遂げるだろう、と思ったりしているのだろう。
「箒はちょっと潔癖すぎるんじゃないか? 織斑が恋人を作っても、その相手とセックスしても、まだ織斑と一緒になれるチャンスはあるだろ。箒がこれから織斑に告白して、織斑が相川さんと別れて箒と付き合うことを選択する、なんてことだって可能性がない訳じゃあない」
「……!! そっそんなことあるか!! 一夏はそんな男じゃない!!」
「…………だからさー、箒は今の青年になった織斑の何を知っているっていうのさ? 織斑だって生身の人間だよ。男だよ。牡なんだよ。んーと、これはちょっとアレな手段だけどさ、箒が色仕掛けでせまったら浮気と知りつつも箒とセックスしてくれるかもよ」
「そっっ、そんなことしない。一夏は、そんなことはしないんだ!!」
俺と抱き合ったまま激しく首を振る箒。
「だから、何度も言うけど、今の織斑の何を知っていてそう言うの? 箒の知っている織斑は小学生の中で止まっているんじゃないの? 箒、前に言ったよな。ほら、箒が胸でしてくれた時のことだよ。『貴様と一夏を一緒にするな! 一夏は貴様のような男とは違う!』だっけ? そんなことを言っていたよな? でも……織斑、セックスしてたじゃん」
「ぐっっ!」
言葉に詰まる箒。畳み掛ける。
「催眠術を使って女の子をモノにしてる俺が言えた義理じゃないけどさ、織斑と相川さんも相当アレだよ。ほとばしっているというか、乱れているというか。だって出会ってまだ二ヶ月だよ? 付き合って数週間しか経ってないんだよ? なのにセックスしたんだぜ、あの二人」
まあ全部俺の仕込みなんですけどね。一夏には何も思うことはない。催眠で人を好きにならせたとはいえ、可愛い女の子と付き合えてセックスできているんだ。感謝されこそすれ、恨まれるいわれなどないわ!! しかし相川さん、君には正直すまんことをした。一夏とセックスしてくれるのであれば誰でも良かったのだ。偶々出席番号一番だったから選んだだけなのだ。マジすいませんでした。
「…………それは、くぅっ!」
昨日の映像を思い出したのか涙目になる箒。まだまだ俺のターン!
「そーだなー。逆に考えてみたらどうだ?」
「…………?」
「相川さんと付き合っている織斑がさ、『一夜限りでいいから俺と浮気してくれ。お前とセックスしたいんだ』って言ってきたらどうよ? 箒、承諾はしないかも知れないけど、織斑がそんなことを自分に言ってくれたら嬉しくないか? 自分を選んでくれたらさ。逆に考えれば、箒に誘われたら織斑だって悪い気はしないんじゃない?」
「そっ、そんな、の……」
「だからさ、まだ絶望するのには早いんじゃないの? っつうかさ、もう告白しちゃえば? 織斑に」
「こっっっ! こ、こ、こ、そんなことできるかぁ!!」
「なんで? 織斑が女の子と付き合っているって知っちゃったから? どこの世界に恋人がいる男に告白しては駄目、なんてルールがあるの? いいじゃないか告白。織斑が承諾してくれなくてもさ、もしかしたら、『今は相川さんと付き合っているから箒の想いに応えるのは無理、だけど告白してくれて、好きになってくれて凄く嬉しいよ』とか『実は俺の初恋も箒だったんだよね。相川さんに告白されるまでずっと好きだったよ』とか言ってくれるかもよ」
「……………………」
箒は顔を青くしたり赤くしたりと忙しい。俺は俺でセックスにもっていけない雰囲気なので、会話を続ける。
「告白なんて、そんなに難しいことじゃないよ。自分の気持ちを素直に伝えるだけでいいんだ。例えば……俺、根鳥 音児は篠ノ之 箒のことが好きです。大好きです。だから俺と付き合ってくれませんか?」
「…………ふっふざけるな! 貴様など……!!」
「確かに俺はクズでカスな男だよ。でも今の告白には精一杯の気持ちを込めたつもりだ。その想いは箒に届かないのかな?」
俺は気弱な顔をしてみせる。
「わ、わたしは……」
「織斑のことが好きだって? ならそう言ってくれ。ちゃんと、俺に、顔を向けて、織斑のことが好きだからお前とは付き合えない、って振ってくれ」
「わ、わた、わたしは……」
うつむく箒。
「私は、ずっと、一夏のことが好きだったんだ!!!」
――それは、ずっと一人の男のことを思いつづけた、一人の少女の叫びだった。
「……………………うつむいているけど、ちゃんと言ってくれたな。ありがとう箒」
俺はそっと箒を抱きしめる。
「そこまでできれば、後は本人の目の前で言うだけだ。行って、ごらんよ。あいつの所にさ。そんで、今みたいに自分の気持ちを素直に言えばいい」
「…………無理だ…………できない」
「なんで?」
「私は……お前にレイプされたんだぞ! それも一夏がいるすぐ傍で! こんな、こんな汚れた私に、一夏に告白することなんて、でき、ない……っ!」
「………………そっか、それが引っかかっているのか。じゃあ、忘れさせてあげようか?」
え? と俺の顔を見る箒。
「俺の催眠術の威力は知っているだろ? それで、『IS学園に入学してから俺と行った全ての行為を忘れろ』って催眠をかければ、レイプされた体は、処女膜までは治らないけど、意識の上では綺麗な、誰にも汚されていない箒に戻れるよ。レイプされた記憶がない箒なら、告白できるんじゃない?」
「そんな……そんなこと……」
「できるよ。俺が本気で箒の記憶を忘れさせようとすれば、できるよ。そしたら、俺に奉仕したことも、織斑と同じ部屋のベッドで犯されたことも、綺麗さっぱり忘れて織斑に告白できるよ」
「……ほん、とうに……して、くれるのか……?」
やっぱり、今の箒にはよほど嫌な記憶なのだろう。
「ああ、してやるよ。但し、条件があるけどな」
とたんに顔を曇らせ警戒する箒。
「そんな警戒するなよ、箒。それほど難しいものじゃないから。簡単だよ。一週間だ。俺が記憶を忘れさせてから一週間の間、その間に織斑に告白するんだ」
「い、っしゅう、かん?」
「そう、今日ここで俺がお前の記憶を忘れさせたら、そこから一週間の間に織斑に告白する。それが、俺がお前に記憶を忘れさせる催眠をかける条件だ。期限を決めないといつまで経っても告白しなくてもOKになるからな」
俺がそう言うと、箒は良くわからないような顔をした。
「ちょ、ちょっと待て、その、条件、順番が……」
「ああ、『記憶を忘れさせる条件』なのに『記憶を忘れさせた後』のことが条件になっているな。それはな、こういうことだよ。もしお前が記憶を忘れてから一週間以内に告白できなかったら、俺は忘れさせた記憶をまた元に戻す。奉仕やレイプの記憶を全部復活させる。んで、今までみたいな奉仕やセックスをしていたのと同じ関係になる。それが俺の出す条件だ」
「……………………」
沈黙している。混乱しているな。
「つまり、まとめるとこういうことだ。俺は今日一旦お前の記憶を忘れさせる。俺との間に起きた全ての行為の記憶をな。そんで、今日から一週間以内に織斑に告白できたら箒の勝ちだ。俺との記憶は未来永劫忘れたままになる。告白した織斑がどういう答えを箒に返すかは別問題だから置いておく。とにかく箒は俺にレイプされた記憶をすっかーんと忘れて普通の人生を歩むんだ。んで! もし箒が一週間以内に告白できなかったら、俺は忘れさせた記憶を全部元に戻す。レイプされた記憶も、全部だ! それプラス、この二ヶ月みたいな俺と性行為をする関係を続けてもらう。俺の女になってもらう。それが『条件』だ」
「……………………………………な、なんだそれは」
「俺の中に箒の恋路を応援したい気持ちと、お前を俺のモノにしたい気持ち、両方あるんだよ。で、今の俺達は、俺が箒をレイプして従わせている関係だ。俺としてはこのままの関係を続けて、箒を俺のモノにしたいのさ。だけど同時に箒と織斑の仲も応援したい。だからチャンスをやろうって訳だ。上から目線の超勝手な提案だが、これが、俺が出せる条件だ。……一週間以内に織斑に告白できる自信があるなら受けなよ。逆に一週間あっても自分じゃ告白なんてできないわーと思うんだったらやめときな。その代わり、俺とセックスする関係は続けてもらうけどね」
「…………勝手だ。お前は! 勝手だ! そんな、そんなことを……っ!」
「それもこれも全て、一週間以内に告白できればオールオッケーだ。で? どうなんだよ。自信、あるのかないのか?」
「……………………告白、すればいいんだな」
「ああ、告白すれば、その結果が振られたりしたとしても、失敗に終わったとしても、告白さえすれば俺はお前の記憶を元に戻さない。関係も強要しない」
それから、箒はたっぷりと時間をかけてこう言った。
「…………いい、だろう。やって、やろうじゃないか。一夏に、告白、する。してやる。だから記憶を……」
箒はやっぱり一夏に告白したいのだ。例え彼女ができていたとしても。玉砕するとしても告白したい。それだけ大切に守り抜いた気持ちだったんだろう。そしてこの条件をクリアすれば、俺から関係を強要されることもなくなる。
「…………条件を飲むんだな。なら、記憶を忘れさせてやろう。た・だ・し! 失敗した時の条件を忘れるな! 記憶を元に戻して、俺とセックスする関係になってもらうぞ。性奴隷だぞ。それでもいいんだな!」
「……くっ、失敗などしない。必ず、一夏に告白してみせる! 万が一失敗した時には私の体なんて好きにしろ!」
「……………………わかった。それじゃあ催眠をかけようかね」
俺は箒を見据えると、言葉を吐き出した。
§
数分後。記憶を消した後、一夏に告白する約束だけして箒は俺の部屋を出ていった。
「……………………………………………………………………ふふふ、くくく、あーはっはっはっは!」
おかしかった。無性に笑いが止まらなかった。箒、お前は一つ重要なことを見逃しているんだよ! 俺がこの二ヶ月ずっと行ってきた努力、それが実を結んだこの結果に、俺は満足していた。箒、俺の絶対催眠はなぁ、「目を合わせた時」は「頭の中で思うだけで」催眠をかけられるんだよ。これまでの触れ合いで相手にわかる催眠は全て発声式でやってきた。だから箒は知らない、気づかない。目を合わせている時に、言葉に出さずに催眠をかけられたことを!! 俺は箒に二つの催眠をかけた。
「IS学園に入学してから、俺との間に起きた出来事を全て忘れろ!」
織斑 一夏に告白しようとしても、急に弱気になって絶対に告白できなくなる!
「ははは、ハハハ、はーはっはっは!! これで箒は俺のモノだぁっ!!」
俺は、歓喜に打ち震えていた。
この第16話、というか、「ISでエロSS」全部がプロットも何も作っておらず全てその場の思いつきで書いていました。コードギアスはそれなりにストーリーがあったのでプロットを作りましたがね。なので、この第16話を書く前は、頭の中に何もありませんでした。ただ最終的に箒を落とすつもりでいましたが、方法は全く考えていませんでした。なのでこの話を書いている最中、どんどんアイディアが、二人の会話が生まれた時に、最終的に高笑いする主人公を書いた時に思ったものです。「お前どんだけ外道なんだよ! 外道なアイディアなら底無しで書けるのかよ!?」とね。