さて、夏休みが終わり九月に入ってIS学園も二学期になった。九月は中旬に学園祭もある月だ。しかし学園生活にまったく熱意がなく、クラスメイトの大半から嫌われている俺には関係のない話だ。
数日経ちSHRと一限目の半分を使って全校集会が行われた。原作通りならそこで生徒会長・更識 楯無から挨拶と、各部対抗織斑 一夏争奪戦なるものが発表されるはず……だった。しかしこの世界ではそれが起こらない。一夏と同じ男子生徒である俺の争奪戦も発生しない。何故か? それを語るには入学式まで話を遡らなければならない。
では、この世界で歪んでしまった彼女達の話を始めよう――。
§
話は四月まで遡る。IS学園IS整備室。そこは二年生からはじまる「整備科」のための場所だ。しかしそこに入学式の日から入り浸っている生徒がいた。更識 簪。日本の国家代表候補生である。
「――という訳でよろしく、簪さん」
「……何が、という訳で、なのかわからない」
そりゃそうだ。いきなり整備室へ来て簡単な自己紹介と挨拶をしただけだからな。
「でも、話が合うと思ったんだよ。同じ織斑 一夏に恨みを持つ者同士」
「……織斑 一夏に恨み?」
ピクリ、と反応する。やっぱこの話題に引っかかったか。彼女はどちらかというと暗い性格、ネガティブな少女だ。同じ感情に訴えかけるのでも、陽の感情ではなく、陰の感情に訴えるのが正しいアプローチというものだ。
「そうだね。わかりやすく言えば、俺はあいつのせいでIS学園に入学させられたようなもんだし」
「…………どういうこと?」
「そうだね。例えば簪さんはIS学園に『入りたいと思って入った』人だよね。例にすると、中学生の時からIS学園に入りたいと思っていた簪さんが、中学三年の三月末、中学校を卒業してあとはIS学園に入学するだけ、って時期に『君には美術の才能がある。世界レベルの適性だ。だからIS学園ではなく、美術の専門学校へ入学しなさい。ちなみにこれは日本国政府としての決定だから、君の意思は関係ないし決定は覆らないよ』って言われたらどう思う? 自分が入りたいと思っていたIS学園に入れず強制的に、まあこれはなんでもいいんだけど、例えば美術の学校に入学させられたとしたら? ……つまり、それが今の俺って訳」
我ながらわかりやすい例えだと思う。更に簡単に例えるなら、スラム○ンクのゴリラみたいな主将が、中学校を卒業して「高校で全国制覇だ!」と言って希望する高校のバスケ部に入ろうとしたら、男子が自分以外一人しかいない高校に強制入学されて、バスケットで全国制覇どころか県予選にすら出場できません! と言われたようなもんだ。そりゃ怒るっつーの。自分の人生がメチャクチャにされたんだぞ。
「……大体わかった。貴方には貴方の入りたい学校があったということ?」
「ありていに言えばそう。でも織斑 一夏が『間違って』ISに触れて起動なんかさせちゃったもんだから、全国で一斉検査が行われて、俺が引っかかった訳。一斉検査が行われなければ、ここに入学することもなかった。俺の人生設計がメチャクチャだよ。……で、俺の話はいいよ。俺は噂を聞いてここに会いにきたんだ。織斑 一夏のせいで自分の専用機を放り出された代表候補生さんに」
まあ全部嘘なんですけどね。一夏に恨みを持っているなんて。ただ単に簪の興味を引きたいから言っただけです。
「…………」
わーお、睨まれました。ちょうどいいので絶対催眠をかけておきましょうねー。
一日が経つたび俺のことが好きになる!
はい暗示完了。ちなみに、中学校でこれを試したところ、一ヶ月で告白されました。この催眠なら暗いこの娘でも、一ヶ月、時間がかかるようなら二ヶ月かけてもいい。落とせるだろう。といっても、俺は簪のことはそこまで好きじゃないんだけどね。とりあえず好きにならせて、処女をもらったらポイしようかと思っている。
「で、入学してから色々と噂を聞いたんだけど……簪さん、貴方って非生産的な行動をしているね。言いかえるともったいないことをしている」
「…………非生産的、無駄って言いたいの」
怒気が強まった。しかし続けていく。
「今の貴方の状況は、自分の専用機が放り出されてしまった。で、専用機を作りたい。実姉の更識楯無さんはほぼ自分だけで専用機を組み上げた。自分もそれぐらいできないといけない。だから自分一人で専用機を組み立てる――ってところでしょ。でもさ、それができたから何だって言うの?」
「え?」
「それができたって他人はこうとしか言わないよ『姉がやれたことなんだから妹ができても当然よね』って」
「――!!」
「今の君は、姉の楯無さんより後ろに立っている。で、専用機の組み立てってのは確かに大変なことだけど、それをやったところで、今マイナスになっている部分がプラスマイナスゼロになるところで終わりなんだよ。プラスには、姉を超えたことにはならない」
「…………………………」
沈黙。俺の論理は合っているのだろうか。簪に刺さっているのだろうか。ま、まあ失敗したら最悪記憶を消せばやり直せるんだけど。
「それでいいの? 楯無さんを超えたいんでしょ? 勝ちたいんでしょ? だったら勝てる場所で勝たないと。そうじゃなきゃ意味無いよ」
「勝てる……場所?」
「うん。簡単な話なんだけどね。楯無さんがまだやっていないことをやればいいんだよ」
「やってないこと……それは何?」
「話は簡単だ。日本の国家代表になって、モンド・グロッソで優勝する。ブリュンヒルデになる」
「……………………え?」
自分でも無茶言っているなーとは思うよ。でもこれぐらいしかないだろ?
「ま、そこまでいかなくても楯無さんも出場する次のモンド・グロッソで彼女より好成績を収める。それが、俺が考える楯無さんを超える方法だよ」
「ま、待って。そんなの」
「まー無茶だってのは言っている俺も感じているよ。でもさ、それは確かに楯無さんが『やっていないこと』だよ。それをやれば、きっと誰もが、簪さん自身も、楯無さんに勝てた。超えることができた、と思うでしょ」
「………………」
沈黙。今度のは絶句かな。
「だから俺は思うんだ。そんな非生産的な行動、一人で専用機を組み立てるなんてことをやっていないで、さっさと専用機を組み立てる。んで、その出来上がった専用機の慣熟訓練を行って、国家代表になれるように努力するほうが何倍も生産的な努力だとね」
「…………生産的…………でも…………」
「ま、これはあくまで俺の意見だから。簪さんには簪さんの意見や価値観があると思うから、強制はしないよ。ただ噂を聞いてね、一言言っておきたかったんだ。モンド・グロッソで優勝した方が、一人で専用機を組み立てるより『カッコイイ』こと、だと思うってね」
簪が好みそうな言葉を使う。
「カッコ……イイ」
「そんじゃ俺は用事があるから行くよ。またね簪さん」
嵐のようにやってきて~嵐のように去って行く~♪ まったく、第三者から見たら何をやっているか訳わからん奴になっているな、俺。
「あっま」
待て、と言われた気がするが、意識的に無視してその場を去った。
§
さて、それから一週間が経った。また俺はこの整備室にやってきたのだ。数人の女性(二年生や三年生)と共に。
「こんにちは、簪さん」
「根鳥くん……」
簪が見た俺の背後、そこには黛先輩や整備科の先輩達がいた。
「聞いたよ。専用機の組み立て、人と協力してやることにしたって」
情報提供by布仏 本音
「と、いう訳で! 俺が取引できる整備科の先輩達に協力してもらうことにしました」
取引というとアレだが、ようは男性操縦者である俺の情報や労働力などを対価に簪を手伝ってくれとお願いしたのだ。
「え、ええ!?」
――そうして、簪の専用機は完成した。
端折りすぎだって? 地味な整備の様子を知りたいの? ちなみに、俺が取引できる相手、には楯無先輩も混じっており、原作同様彼女の機体データも役立てた。当然、彼女から機体データを引っ張ったなどとは簪には明かさなかったよ。
§
「ン……ッ、音児……!!」
珍しく俺の名前を呼んでくれるのは、更識 簪だ。抱きしめ合い、唇を吸われていた。そう、吸われていたのだ。この女の方からしてくるとはね。やっぱ一日経つ度に好きになる催眠は強力すぎるな。今回は使ったが基本禁じ手にしといて良かった。箒達にこれをやっていればもっと楽に落とせたんだろうけど、なんつーか風情がないよな。風情が。え? なら簪に対してやるのも風情がないんじゃないかって? いいんだよこの娘は。それほど好きじゃないんだから。
「んふ……う、ふうぅぅ……ん……っ」
しかし凄いキスだ。ホントに処女で彼氏いなかったのか疑いたくなるくらいだぜ。
「んっ、ふ、んむぅ……っ、はふ……ちゅっ……はふぅぅ~」
簪は力いっぱい俺にすがりつき、唇を、舌を求めてくる。俺はその迫力に圧倒されつつ、ひたすら彼女のキスを受け止め続けた。
「ちゅ、じゅ……はー、ふぅ、ふぅぅん……んふぅ……はぁ、はぁ……ん、む」
まるで俺に有り余る活力を注ぎ込むかのような……そんな、熱烈なキスを続ける彼女。
「んむ、ちゅ、はふ、ん~~っ、ちゅうっ、ちゅっちゅっ……れろ……はふぅ……んむぅん」
それにしてもすげぇキスだな。どんだけだよ。俺は牽制(?)の為に下半身を押しつけた。
「あ……これ、硬く、なってる……」
「簪とのキスが気持ちいいからさ」
「興奮……しちゃった?」
「そりゃあね」
あれだけのキスをされて感じない男がいたらそっちのがおかしい。
「簪」
押し倒していた。ベッドに。
「う、……う~っ……あんまり、見ないで……」
スカートをめくり、ショーツをあらわにする。そして布地越しに、簪の一番熱い部分へと触れる。
「あっ! あ、あ……あぁ……っ、はうぅぅ~~っ……」
反応も良しと。感度を上げる催眠をしていないのにこれだ。とんでもないエロ女のようだ。丸めるようにショーツを脱がす。
「あっ、あっ……あぁぁぁ……はぁぁぁ……っ」
(おお)
簪のアソコ。
「簪……すぅ~~」
「や……っ! そんな、匂いっ……嗅いだり、しないで……んっ、んん~~っ!!」
「じゅ、……ちゅ、ぱっ……」
「ひゃうっ!? あふ、ふあっ、あ~っ! んん~~っ!! な、舐めたりっ、するなんて……っ!」
じゅるじゅると舐める。逃げられないよう太ももを掴んで。口いっぱいに広がる、彼女の味……。
「はふっ、ふーっ、やは、あっ、ああああ……」
「ちゅ、じゅうっ……じゅる」
「んはぁ……っ! はっ、はぁ、はぁ……っ、あうぅ~~……ん~っ、んん~っ……」
「はぁ、はぁっ……じゅ、じゅじゅうう……」
簪の奥から溢れてくる、雫。さすがに感じすぎだ。一日経つ度に好きになる催眠。その威力をまざまざと見せつけられた。中学でやった時はすぐに「処理」した。そうしなければ催眠をかけた女子が普通の生活を送れなくなるところだったからだ。
「じゅるぅ……ずず、じゅっ……ちゅうー……」
「うぁ、あっ、あっ! あぁぁ~~っ! くぅ~~っ!! や、あ、ああっ! あうううぅ~~っ!」
簪の体から、ふっと力が抜けた。軽くイったらしい。だから感じすぎだって。
「はーっ、はーーっ、はぁ、はぁ、……っ、あふぅ~……うぅ~~……んはぁ~~」
俺はもういいか、と思った。元よりあまり好きではない少女、そんなに時間はかけたくない。俺のモノも、はちきれんばかりに膨張している。目の前の女に入りたがっている。
「簪……いいか?」
「はーっ、はぁーっ……んっ、うん……もう、……大丈夫、そう……」
「本当に俺でいいのか? その……後悔とか」
ちょっと純情ぶってみる。
「音児に……あげたいの。私の、……初めて」
俺は簪のそこに自分のモノをあてがった。
「あ、う……っ」
「怖い?」
「う、ん、ちょっと……。でも……来て?」
俺はまるで経験が無い風を装い、恐る恐る、勃起を彼女の奥へと導く。
「……う……」
濡れた肉を、押し開く感覚……。
「こ、ここでいいのかな?」
「た、多分」
端から見たら滑稽なやりとりをしつつ、進める。ゆっくりと、腰を進めてみる。
「あっ、あっ、……ああっ……」
「は、入って、る?」
「う、ん……っ、入ってきてる……よ」
「う……く。……まだ、大丈夫?」
「う、うん……っ。あ……つっ。あうっ、う、ぅぅ~~っ……」
俺のモノが簪に呑み込まれていく。
「我慢、できそう?」
「う、うん……っ、たぶん……」
じわじわと、だが確実に彼女の奥へと進んでいく。
「あっ、うぅつ、ぅぅ」
塞がっている感覚があった。
「一気に、行くよ」
「う、うん……っ」
みち、みち……。
「うあっ!? う、あ、ああああ~~っ!!」
何かを貫く感覚があり、そのまま俺のモノは半ばまで潜り込んでいた。
「あ、ああ……っ、か、簪ぃ……」
熱い粘膜に覆われる感触……!!
「はーっ、はぁーっ、あぁーーっ……。い、痛い……っ、痛い、よぉ……っ」
「も、もう抜くから」
と、俺は引きぬこうとしたが、
「ダメ……ッ、ちゃんと、くれなきゃ……ダメッ」
「…………っ」
「私の、中に……音児の、くれなくちゃ……ダメなのぉ……」
どんな淫乱だ。いや催眠のせいだってわかっていますけどね? しかし、それならもういいだろう。俺は自分の体を操作した。
「あうっ、う、うーっ、くうーーっ!」
ドクッ! ドクッ! ドクン、ドクン、ドクン……!!
「あふっ! あ、ああ……っ、はぁーっ、はぁぁ……っ」
「か、簪っ……う、うわあああっ」
簪の膣内で、俺は射精していた。完全に童貞の発射を装う。
「ああ……っ、はーっ、はぁーっ、うぁぁ……はぁーーっ……音児……っ、はぁ、はぁ、キス、して……」
「ん……っ、ちゅ」
「あふ……う、うぅん……ちゅぅ……はふうう……ん」
俺達は繋がり合ったまま、繰り返し熱いキスを交わした。
「ゴメン……中で、出して……」
「ン……うん、大丈夫……よ。安全日……だもの」
調べておいたのか。
「いっぱい……出たね」
§
無事、処女喪失が終わったところで、俺と簪の関係も終わる。
「簪」
「なに?」
「催眠状態になれ」
そして、俺は簪に絶対催眠をかけた。内容は、二つ。
この一時間の記憶を消去しろ!
この一ヶ月での俺に対する好意、恋愛感情は、思い出ごと全て消去する!
これで、簪は初体験のセックスを忘れ、俺に好意を抱いていたことを忘れ、好意そのものも消える。残ったのは突然やってきて訳のわからないアドバイスのようなものをされたということ。専用機の完成を何故か手伝ってくれたということ。その記憶しか残らない。こうして、俺と彼女は他人よりちょっぴり仲が良い、というだけの間柄になったのである。
さて、これで簪の初体験、処女喪失セックスビデオが撮れたという訳だ。後はこれを使って……へへへ。
脅迫材料のビデオを作成する為だけに処女を奪われた簪。合掌(ファンの人ホントすいません)。