あれからというもの、私の態度は変化した。変わらざるをえなかった。あんな痴態を見せた後では。
「千冬さん……んちゅっ……んっ」
「んむ……」
キス、黙って受け入れていた。それだけじゃない。根鳥は他にも女子生徒に手を出していることや催眠術のことも話してきた。
「こ、こんな体勢で、する、のか」
「はい、バックスタイルというやつですね」
私の体は、既に胸をさわられて濡れてしまっていた。
「お尻、突き出して下さい」
「…………ん」
素直にお尻を突き出す。恥ずかしい、でも見て欲しい。と、
「俺のモノ、欲しいですか?」
「……欲しくなど、ないっ」
そんな問いに応えられるはずもなかった。
「残念、欲しいと答えていれば優しくしてあげたのに。今日は激しくいきますよ」
「いい加減俺の好みを覚えましょうよ」
「私はっ! 貴様の女になったつもりなどないっ!」
根鳥は既に私達が恋人同士であると言ってきた。甘い誘惑、思わず認めてしまいたくなる。
「千冬さんは可愛いですね。その仕草、逆に感じて声が出ていることの証明にしかなっていないですよ」
突かれて気持ち良くなった私は、必死に声を押し殺す。
「うぅ……はぁっ……くぅん……」
それでも、根鳥が腰の動きを緩めてしまうと、私は切なくなって腰を動かしてしまう。はしたない、いやらしい。でもして欲しい。二つの心がせめぎあっていた。だけど、
「………………………………セックス、して下さい。私を、抱いてくれ…………」
この言葉だけは必ず言うように言われていた。でないとまた道具で責められる。私に選択肢はなかった。
私は何度も後ろから突かれ、動物のように気持ち良くなり、声を漏らした。でも、私は感じてしまう自分自身が許せなかった。
「千冬さんの膣内、きつくて気持ちいいですよ」
「だ、黙ってできんのか」
「千冬さんにも気持ちいいって言ってもらいたいんですよ」
「これ以上、私をなぶるな……」
本当は気持ちいいと言いたかった。全てを捨てて一人の女になりたかった。だがくすぶり続けるプライドが、それを邪魔した。
「凄すぎます、千冬さん……もうイってしまいそうです……」
「ま、待て根鳥、今日は……危ない日なんだ。だから、中では……」
「駄目です。俺は千冬さんに自分の子供を産んでもらいたいんです。だから中で出します」
「だ、駄目だっ! 子供なんて……」
「子供が産まれても、俺はちゃんと養います。千冬さんと一緒に愛してあげます。だから……いいですよね」
「だめっ、だめだぁっ」
私は必死になって叫ぶ。だが膣の中は私の意思とは逆に、肉棒をちぎれるほど強く締めつける。根鳥はその締めつけの中、肉棒を動かした。彼は亀頭を私の子宮にめり込ませて激しく射精した。子宮に精液を流し込まれながら、私もまた絶頂を迎えた。
「はあああああぁぁ……」
気持ち良かった。精液を奥に出されるのは気持ち良かった。もっともっと熱い液体をかけて欲しかった。
「千冬さんの中とっても具合が良くて気持ちいいですから」
「……うるさいっ。馬鹿者が……」
そう言いながらも、心は喜んでいた。
「千冬さん、舐めて」
「…………ん」
出し終わった後はフェラチオをする。私は牝として仕込まれていた。
「ちゅぷちゅぷ……れろれろ……ちゅうう……ま、全く、こんなに、出しおって」
言いながらも逞しい肉棒についた精液を、綺麗に舐めとっていく。これが私の中を突くんだ。私を気持ち良くしてくれるんだ――。
「こく……んくっ……こくっ」
そして口の中に溜めた液体を飲み込む。不思議と嫌な味ではなくなっていた。
「相変わらず、濃くて、苦い……」
「良く飲めましたね。千冬さん」
飲み干すと、根鳥は抱きしめてくれる。私は、期待していたそれに、身を任せるのだった……。
§
「今日はこの体勢でしたいです」
私は根鳥の膝の上で一緒に雑誌を見ていた。彼が一つの写真を指差す。
「!? こ、こんな……」
「どういう体位か、どんな動きをするか想像がつきましたか? なら多分それが正解です」
こんな破廉恥な体勢でしなければならないのかと思うと、眩暈がした。
「いつまでこんな関係を続けるつもりだ」
「俺がIS学園を卒業するまでです。まあ卒業する頃には俺達の関係も微妙に変わっているでしょうけどね」
学園を卒業したら、終わり。私は奇妙な感覚を味わっていた。それが寂しさだとは気づいていなかった。私は彼のモノを取り出して手でしごき、大きくする。下半身の着衣を脱ぐと、粘着性のある液体が太ももを伝った。恥ずかしかった。
「千冬さん、入れる時はご自分で性器を割り開いて下さいね。そうしないと多分入りづらいです」
「……! く、くそっ………………すれば、いいのだろう」
耐えられないほど恥ずかしかったが、私は言われた通りに、両手の指で陰唇を割り開いた。
くちゃ……。
濡れた音が響く。根鳥にも聞かれた。頬も耳も赤く、熱くなる。腰をゆっくりと下ろした。
「くぅぅん! は、あ。こ、れ……」
「普段と違う入り方をしたので感触が違いますね。そう思いませんか? 千冬さん」
根鳥の言う通りだった。普段とは違う角度で入った肉竿。それが私の中を強烈に刺激する。
「んんっ……くっ……はぁん!」
必死に耐えても、体は勝手に喘いだ。
私の中は、挿入した後、小刻みに蠕動して根鳥の肉棒をきつく締めつける。締めつけると、こっちにも感触が伝わって気持ち良くなる。
「何も言いませんから、雑誌みたいに腰を振ってお互い気持ち良くなりましょう」
「私は……気持ち良くなど……貴様が勝手に、一人でイケばいいっ!」
嘘だった。本当は一緒に気持ち良くなりたかったのだ。一緒にイクあの快感はそう簡単に忘れられない。
「はふっ……ふああああぁん……」
少しずつ腰を上げて、モノが引き抜かれていく。
(あ、ああ、こ、れ……)
内部で襞がこすれる。気持ちいい。いつもより凄く気持ちいい。大き目の声が出てしまう。
「うっ……くっ」
限界まで引き抜くと、今度は腰を下ろし、ずぶずぶとモノを呑み込んでいく。その感触もたまらない。
「いいですよ……今の千冬さんの姿、凄くいやらしくて興奮を誘います」
「くぅっ……はぁぁっ……、い、言うな、言わないでくれ……」
指摘するな。今の自分を客観的に見たら、きっと死にたくなる。
「……随分と激しい腰使いですね。気持ちいいですか?」
「……………………」
言葉を返せない。本当に、本当に気持ち良かったから。
「千冬さん、今、本当に気持ちいいんですね。偽りの言葉が吐けないくらいに」
指摘されてしまった。
「や、めろ……言わないで……くれ……これ……はぁ……」
言いそうになって、途中で言葉を止める。すると、
「千冬さん。言いたいことがあるならちゃんと言って下さい。自分の状態とかも。言ってくれないとわからないですよ」
「言えない……言う、なんて……」
言えるはずがなかった。お前のモノが当たって気持ちいいなんて。
「はぅっっ!!」
根鳥が急に腰を突き上げた。
「言って下さい千冬さん。言わないとこれ、何度もしますよ?」
そう言って腰をパンパンと突き上げる。頭が痺れるほどの快感。私は簡単に参ってしまった。
「わ、わかった。だからそれを……」
遂に、言って、しまった。
「………………………………………………きもち」
「え?」
「……………………気持ち、良かったんだ。感じて、しまったんだ…………あ、当たる、ところが、違って、その……刺激、されて。ね、とりの、硬い、これが、当たって、~~~~!! 気持ち、良かったんだっ」
やけになったように叫んでいた。もう我慢できなかった。私は彼との行為で感じていたのだ。根鳥は体を起こすと私をぎゅっとを抱きしめた。
「嬉しいです。千冬さん。俺で気持ち良くなってくれたんですね」
その言葉に、恥じ入る。
「千冬さん……んちゅっ」
「ン……キスは……駄目だ……これも……気持ち、良くて……」
もう我慢なんてできなかった。キスも気持ちいい。抱きしめられるのも気持ちいい。胸やアソコを触られたり口でされるのも気持ちいい。この、硬い肉棒を入れられるのもとても気持ちいい。
「じゃあ、こうやって抱きしめるのはどうですか? 安心とかしますか?」
「あ、安心、というより、……体温が、感じられて。おかしなことを考えそうになる………………抱き合っていると…………その、まるで……恋人同士のようだな、と……」
「千冬さん。おかしなことじゃありません。俺はいつもそう思っています。抱きしめ合うと、俺は自分だけ千冬さんの恋人になれたような気がして、一人で嬉しがっていたりしたんです」
抱きしめられたまま背中を撫でられた。
「お前も……?」
「はい。だから、一緒なんです。一緒、ですよ」
微笑みながら、告げてくる。心の中が、暖かくなる。
「そう、か。そう、なんだな」
「はい。千冬さん。話もいいですけど、俺、したいです」
「うう…………わかった。動く」
「はい。一緒に、気持ち良くなりましょう」
一緒に、気持ち良くなる。そう思うと、動きたかった。彼を、気持ち良くさせたかった。自分も、気持ち良くなりたかった。
「あっ……んんっ……はっ……はっ……はぁ……ふ、う……くぁ……き、もちいい……気持ちいい……」
「千冬さん……俺も気持ちいいですよ……蕩けそうです……」
「んっ、お前も、いい、のか? ……私も、いいんだ……お前のが、硬くって、大きくって……はぁっ!」
彼のモノは本当に逞しくて、大きくて太く、硬い。それが私の中をずりずりとこすってくれるのだ。奥を、ごつごつと突いてくれるのだ。たまらなかった。
「千冬さん。好きです。……ん」
「ね、根鳥……私は……ちゅう」
彼は私を好きだと言う。心まで溶かされてしまう。
「根鳥、あまり、その、好きと言うな」
「? 嫌、ですか?」
「違うんだ。何故かわからないが、少し、嬉しいんだ。私のような女を好いてくれていると思うと」
そう、本当はずっと嬉しかった。初めての時からずっと。ずっと、言いたかったのだ。嬉しい、と。
「千冬さん……」
ぎゅっと抱きしめられた。ああ、彼の気持ちが伝わってくる。彼も、嬉しいんだな。こんな、こんな幸せなことがあっていいのだろうか。私が、こんなに幸せになっていいのだろうか。
「ああっ根鳥っ、駄目だ、動くなっ、されたら、私……」
「イキそうなんですね? いいですよ。イって下さい。俺で、イって下さい」
「あぁん……イ、ク……根鳥で……イク……あああっ」
「俺も……イキますから……一緒に……」
「あ、ああ……一緒に……いっしょ……」
私達は互いに激しく腰を振った。必死になって快楽を貪る。自分の体全てで快楽を受け止める。
「あああああ、イク、イクぅぅぅぅ!」
叫んでいた。あれだけ恥ずかしがっていた言葉を。
「千冬さん! 出、る!!」
ビュルルッと、彼の放った精液が私の中を占領していく。子宮の奥深くまで犯される快感。たまらなく素敵だった。一緒にイケたという事実も気持ち良さを倍増させてくれた。
「はぁぁん……あ、つい……ねとりの……せ、えき……」
「千冬さん。好き、好きですよ」
好きと言って、キスをされる。嬉しかった。そのまま、私達はベッドに寝転んだ。
「千冬さん。俺、幸せです。今、これ以上ないくらい幸せです」
「う……」
情事が終わって、私は少しだけ冷静さを取り戻していた。しかし……。
「お前の言う、好き、というのは……どこまで信用していいのかわからん」
「やっぱり、信用ないですか?」
「当たり前だ! 私の他に、五人の女に手を出している奴が何を言う!」
それだけは、そうやすやすと認める訳にはいかなかった。私以外の女にもこんなことをしている癖に!
「うーん。それを言われると痛いですね。でも俺は本気ですよ。本気で、全員好きなんです。順列は……決められないですね。でも、千冬さんを好きだというこの気持ちに偽りはありません。大好き、です」
そう言ってキスをしてくる。
「ん……馬鹿者が……」
「いつか、千冬さんにも言って欲しいです。根鳥が好きって」
「そ、そんなこと言わん!」
「いつか、ですよ。千冬さん……んちゅ」
「む……はぁ、学生と、こんな関係になるなど……」
キスを受け止めながら、いつか、言ってあげたいな、と思った。本当はずっと前からあった、彼への気持ちを。
§
再び、呼び出されていた。そして、
「千冬さん、会いたかったです」
抱きしめられる。温かな体温と幸福感が広がる。
「う、……む……根鳥……その」
私は彼にどういう顔をして会えばいいのか、どんな態度をとればいいのかわからなかった。ただ、彼はどこまでも素直に自分の感情を伝えてきた。
「好きです……千冬さん……ン」
キス。甘く、柔らかい。ふと、思った。素直になればいいのだなと。私も、感情に身を任せてみようと。私も、彼を抱きしめていた。ぎゅっと。背中に回した腕で抱きしめる。
「千冬さん……」
彼は、嬉しそうだった。私も、嬉しくなった。ベッドの上で、私達は抱き合った。これだけでも気持ち良かった。すると、体の下から感触が伝わってきた。
「す、すみません。どうにも、収まらなくて……」
「……そんなに、私としたいのか?」
求められている。その事実にお腹の奥が痺れた。じんじんする。
「はい、したいです。千冬さんとしたいです」
素直な言葉。そう、彼と同じように素直になればいいのだ。
「ぅう、~~! して、いい、ぞ」
承諾の言葉。私は確かに認めていた。彼に体を預けることを。
「……! はい。それじゃ、触りますね」
スーツの上から胸を触られる。心地いい、だけどちょっと物足りない。そう思っていたら、中に手を入れられて、ブラウスのボタンを外された。ブラジャーが胸の下にずり下げられる。突き出された胸に、触れられた。
「んっ……くぅ……はぁ」
温かい彼の手が滑る。胸を刺激されていた。ああ、だけどもっと……。
「ん、ちゅっ……」
そう思った時に口付けられていた。そのまま吸われる。
「ちゅぅ……ちゅう……ちゅううう」
腕が再び背中に回されて、彼は私の胸に顔を埋める。ちゅうちゅうと吸われる。独特の快感があった。
「う、……はぁ……根鳥……」
気持ちいい。もっともっと吸って欲しい。その思いから彼を抱きしめる力が強くなる。自分の胸に彼の顔を押し付けるように抱きしめた。
「千冬さん……ちゅぱ……ちゅう……」
「ん……ふぅ……く……はぁん……」
顎が上に跳ねあがる。それを堪えようと彼の肩に頭を寄せた。彼の、匂い。
「はぁ……ねとり……んんぅ……ああぅ……」
じんわりと広がる快感が気持ち良かった。そのまま感じていると、下が切なくなってきた。ああ、して欲しい。だけど自分から言うのは恥ずかしい。そう思うと、まるで心を読まれたみたいに彼が動く。手が、入れられていた。ストッキングや下着の中に入って、さわさわとその部分に触る。だめ、もどかしい。もっと触ってくれ――。
くちゅ……。
恥ずかしい音がした。そのままこねるように触られる。
「千冬さん……濡れています。ここ」
「や……あ……言わないで、くれ……」
小娘のように哀願していた。気持ちいいけど、恥ずかしいのだ。充分に刺激された後、彼は私を脱がした。下半身に何も身につけていない状態になる。濡れた液体がつう、と太ももを伝う。
「うう……恥ずか、しい……」
「千冬さん、素敵です」
彼はそう言うと、自分の前を開け取り出していた。あ、彼の、硬いモノが入ってくる。抱き合ったまま、この間と同じ体勢で下から入れられた。前と同じ、気持ちイイ場所に当たってる。
「あ……あ……ああ……」
「……ん……全部、入りましたよ」
みっちりと、彼のモノが全て収まる。凄い充実感。彼は緩やかに腰を動かしてぐちゅぐちゅと刺激してきた。
「あぅ……うぅ……根鳥……あまり動くな……」
「嫌ですか」
違う。気持ち良くてどうにかなりそうなんだ。
「千冬さんも動いて下さい。腰、振って下さい」
「だめだ……そんな、はずかしぃ……」
顔が熱い。そんなの耐えられない。
「ほら、この間みたいに、一緒に気持ち良くなりましょ?」
あ、ああ、いっしょ、に、いっしょに……。
「……ん……くぅ……はっ……はぁ……」
腰、動かしていた。少しずつ上下に振って気持ち良くなる。彼もそれに合わせて突き上げてくる。
ぐちゅ……ぬちゅ……ぬちゃ……ちゅぷ、ちゅぷ……。
いやらしい音が響く。でも……。
「はぁ……はぅ……ねとり……きもち、いい……」
素直に言葉を吐くのは楽だった。
「千冬さん……俺も、とても気持ちいいですよ……」
お互いに腰をすりつけ合う。とてもとても気持ちいい。このままずっとこうしていたい。ちゅぷちゅぷといやらしい音が鳴り響く。それが私の股間から出ている音だと知って顔を背けた。
「千冬さん……キス、ちゅっ」
後頭部、うなじの辺りに手を添えられ、引き寄せられた。キスしながら下半身を律動させる。我慢がきかなくなって大きく腰を上下させていた。なんてはしたない。だけど、彼なら軽蔑せず、受け入れてくれると思った。
「ねとり……ねとりぃ……きもちいぃ……だめだ、こんな……わたしぃ」
甘えた声。こんなに女になるなんて。
「いいんですよ。千冬さん。駄目じゃないです。もっともっと気持ち良くなりましょう」
そう言って突かれる。ああ、硬い。大きくて、奥にこつこつって当たるんだ。なんて気持ちいいんだろう。このままではおかしくなってしまいそうだ。
(なって、いいのか)
この男の前では、なっても、いいのか。それはとても素敵なことに思えた。でも、限界は簡単に訪れた。
「あ……あ……あ……ねとり……だめだ……わたしぃ……」
「イキそうですか? いいですよ、イっても、俺も、一緒に……」
ああ、一緒にイケる。嬉しい。喜びが全身に広がった。
「ねとり……いっしょに……あああ……………………はぁぁぁん」
ゆったりと、気をやった。同時に、彼も果てて熱い飛沫が私の中に広がる。びゅくびゅくと元気な彼の放出。
「んぁ……あふぅ……ねとり……あつぃ……」
「千冬……さんっ」
私達はそのままベッドに倒れこんだ。
「千冬さん……んちゅっ……」
寝転んだまま、キスをされる。
「気持ち、良かったですか?」
「……ああ、きもちよかった……」
快楽を認める。恥ずかしい気持ちは残っていた。だけど彼なら受け止めてくれる。私の全てを、恥ずかしいところだって全部全部受け止めて、認めてくれるんだ。嬉しい。まだ中に入っている彼のモノ。幸せな気持ちが溢れる。
「ねとり……ん、ちゅっ……」
口づける。彼と触れている所は全て幸福になれる気がした。
「千冬さん……好き、です……」
告白。私を見てくれる。私も……私もお前が……。そんなことを思いながらまどろみの中へ入っていった。
§
「あはぁぁぁん♡」
「くぅっ、千冬さん、出ますっ」
どくっ、どくっ、どくん。
いつのもように中出しされる。熱い熱い精液が、子宮に流れ込む。私の子宮がキュンとなって、感じて、受け止めていく。あぁ、気持ちいい――。何度も繰り返される行為によって、私は膣に出されるこの瞬間が好きになっていた。気持ちいいのだ。だが……。
今日は、いつもと違っていた。いつもなら、この後さほど間をおかずに二戦目へ突入するところだ。しかし今日は中で果てたまま、沈黙していた。…………すると、少し経つごとに違和感を覚え始めた。自分の体がだ。もう連続でことをなすのに慣れてしまった体は、火照りが収まらず持続していた。
(……うう)
太ももを、じりじりと寄り合わせる。刺激が、欲しくなる。
「ね、根鳥……その、今日は……しない、のか?」
「たまにはこうしてまったりしているのもいいかと思いまして。嫌、ですか?」
どうやら根鳥は純粋にこの状態を享楽しているらしい。しかし困った。それでは……。
(こ、困ることなどあるものか!!)
強がってはみせたものの、違和感……つまりはもどかしさだ、は時間が経つにつれて大きくなってきた。先ほどのやりとり後も根鳥は「嫌と言わないならOKだろう」という感じでそのままになっている。
(ううううう)
して、欲しい。そんな考えが頭をよぎってしまう。
(駄目だ。駄目、だ、め……)
この状態を解決するには二つの選択肢しかない。今すぐ抜いて離れろというか、もっと抱いてくれとおねだりするか。後者など選択できなかった。しかし前者の選択肢も選べない。それではこのもどかしさは持続したままなのだから。
(うううううぅぅぅぅ~~~~!!!)
して欲しい。硬くした、根鳥の、ア、アレで、突いて欲しい。奥を、強く。中も強くこすって欲しい。感じるところにこすりつけて欲しい。欲望が、欲求が、とめどなく頭によぎる。そうして身悶えていると、様子がおかしい私に根鳥が気づいた。
「……? どうか、しましたか? 千冬さん」
「……はぁ……く、ぅ……ど、どうも、しない。私は、平気だ」
言った後でしまったと思った。「平気だ」とは何か平気でない状態を堪えているようではないか。
「……えーと、ひょっとして気持ち悪いとか、やっぱり嫌だったりします?」
違う。そうじゃないのだ。そうじゃ、なくて……。
「ね、ねとり……わ、わたしは……」
弱気な心が漏れそうになる。そのままもう少し経てば私は自分からおねだりしていたかも知れない。
「……? ……!! もしかして、千冬さん……」
(ああぁ、いわないで、くれ)
最後に残った良心が、必死に抵抗していた。今言われたら、私は否定してしまう。でも、否定してしまったらしてもらえない。二律背反が胸を焦がす。と、
「…………あ、えーと。千冬さん、俺、したくなっちゃいました。しても、いい、ですか?」
(あぁ)
気を使われた。自分の状態を察した上で、自分がそう言い出せないことに気づき、なおかつ彼が強要している形にしてくれたのだ。
「う、ぅぅ、し、しかた、ない、な。……すきに、しろ」
馬鹿な私。でも彼は優しく微笑んで私を抱きしめてくれた。
「はい。好きにします。千冬さんのことが大好きですから」
(ああ、ああぁぁぁ)
胸に、感情が湧き上がる。駄目だ。そんな顔をされたら。抱きしめられたら。溶けて、しまう。蕩けて、しまう。抱いてはいけない感情が生まれてしまう。いけない。そんなことを考えてはいけない。しかし根鳥はすぐにアソコを硬くして突き入れてきた。
「んんんぅぅっ!!」
声が、出てしまう。我慢が、できなくなる。
「んっ、はぁん、あぁ、ねとり……ねとりぃ」
もはやごまかしようのないほど蕩けた女の声が出た。自分の口から出たとは信じられないほど、甘い、声。
「はっ……はっ……千冬さん……んっ」
唇を、塞がれていた。キス、されている。
「んちゅっ……ちゅ……ちゅっ……」
それは更に私を助けた。これでもう、甘えた声を出さなくてすむ。私は根鳥の頭を両腕で抱えた。自分の顔に押しつけるように抱きしめ、唇を吸う。
「ちゅっ……ちゅぅ……ちゅううううっ」
キスをしていれば声は出ない。そう安心してキスに熱中する。下半身の持続的な快感が頭を痺れさせる。
(きもち、いい。……すごくすごくきもちいい……)
もう私は快楽を素直に感じていた。そして、抱きしめている根鳥への感情も……。
(根鳥、もっと、もっと中で出してくれ……私は、気持ち良くなりたい……)
腰が、動いてしまう。上に乗っている訳じゃないのに、ベッドに横たわって、彼の下で寝ているのに、腰がうごめいて、前後に動く。ああ、私ははしたなく、いやらしいことをしている。きっと顔も快楽に蕩けているのだろう。だがもう隠そうとは思わなかった。体と同様、心も彼に開いていたから……。
「ちゅぅ……千冬さん……好き、です」
繰り返される睦言。ふと、以前根鳥が言ったことを思い出した。
(あぁ)
言って、しまいたい。全てをかなぐり捨てて、求めたい。その気持ちに逆らわず、私は言葉を発していた。
「ちゅぱ……ん……ねと、り……わたしも……私も、お前が、好き、だ……」
言った。遂に、言ってしまった。脅迫者とその被害者という一線を超えてしまったのだ。だが後悔など微塵もなかった。温かな幸福感だけが私の胸を満たした。ずっとあった私の寂しさ、それを彼が埋めてくれたのだ。優しく、抱いてくれたのだ。
「千冬……さん」
根鳥は驚いた表情をしている。重ねて、言った。
「すき、だ……すき、なんだ……」
彼の頭を抱きかかえながら言い続ける。
「千冬さん……嬉しいです」
根鳥が、喜んでくれた。それは私にとっても喜びだった。嬉しい。もっと早く、言っておくんだった。こんなに、幸せな気持ちになれるなら。
「千冬さん……俺、もう……」
限界を伝えてくる。私の体も同じだった。
「わ、わたしも、なんだ……根鳥、だして、くれ……」
はしたなくおねだりする。だけど恥ずかしくなかった。むしろ気持ち良かった。素直な自分を見せても、彼ならば受け止めてくれるから……。
「千冬さん、はぁ……くっ、出、ます」
びゅくびゅくとホースから水が出るように射精された。それが子宮に流れ込み、私もまた絶頂を迎える。
「んっ……あっ、ああああぁぁぁぁっ」
イって、いた。静かに、だけどしっかりと。
「根鳥……んちゅふ……ちゅる……」
キス。舌を激しくからませる。あぁ、きもちいいなぁ。
「千冬さん……もっと、もっとしたいです」
彼が私を求める。それが嬉しくて私は顔を緩めた。
「いい、ぞ……わたしも、もっとしたい……して、くれ……」
求めていた。快楽を、彼を。あぁ、私は、幸せだ……。
§
「千冬さん……今日は、中で出します。千冬さんを、孕ませます」
そんなことを彼が言ってきたのは、卒業まで後数ヶ月の時だった。私はその言葉に違和感を覚えた。いつもとは違う言葉。それで、彼が本気なのだとわかった。彼と関係を持ち始めたのは一年生の八月から。だがそれから二年以上し続けても、私が妊娠することはなかった。最初こそ怯えていたものの、途中からそこまで脅威には感じなかった。もしかしたら私か彼に何か欠陥があるのかとも思ったが、ふと一つの事実を思い立ってから。多分彼が何かをしているのだと気づいていた。だが、だからこそこの宣言は本気なのだろうと思った。
「根鳥……それは」
「本気、です。千冬さんに種付けします。きっと、子供ができますよ」
確認するようにそう言った。あぁ、本気、なのだな。
「いい……ぞ。私も、お前の子供が欲しい……。孕ませて、くれ……」
信じられないようなことを、言っていた。だがもう彼に自分の気持ちを隠すことはできなかった。私も、少し前から思っていたから。彼の子供が欲しい、と。
「千冬さん……嬉しいです。いっぱい、出しますね」
「ああ……出してくれ。私の中で……いっぱい、出して……」
誘う言葉。その後、宣言通り中に出された。そして、不思議なことに、「わかった」のだ。私は、彼の子供を孕んだ。その感覚が確かにあった。それから一ヶ月ほど後のこと、私は確かめた。そうしたら、やはり私は妊娠していた。
「千冬さん、俺と、結婚して下さい。彼女らも一緒ですけど、俺、きっと全員を養ってみせますから」
ある意味最低のプロポーズ。だけど私は嬉しかった。彼が本気だということは、もう嫌というほど知っていたから。
「私で……いいのか? その、女性らしいことはできないぞ。結婚しても……」
「千冬さんがいいんです。千冬さんとしたいんです。愛しています。千冬さん」
「根鳥……」
抱きついて、いた。嬉しさが全身に広がっていたから。だから、素直に言った。
「私も……私もお前を愛してる。根鳥……」
承諾の言葉。そして私達は結婚した。私に譲ってくれた篠ノ之達学生には感謝してもしきれない。だけど彼女らは自分達で話し合い。私に譲ってくれたのだ。私は、彼女らに恥ずかしくない人間になろうと思った。
§
「千冬さん、わかりますか。この子が俺達の子供ですよ。元気な男の子です」
彼が抱きかかえた赤ん坊を見せてそう言う。
「ああ……その子が、私達の子なんだな……うれ、しい……こんなに、幸せでいいんだろうか」
「いいんですよ。俺達、夫婦なんですから。一緒に幸せになっていいんです」
そう、か。私達は夫婦だったな。なら、これが普通の幸せなのか。こんなに嬉しいことが。
私は、赤ん坊を抱かせてもらった。私と彼の子供。嬉しいな。
「根鳥……私、今、凄く幸せだ……」
「千冬さん……。はい、俺も、幸せです」
そうして、私達は一緒に笑った。
これにてISでエロSSは全て終了です。ここまでお付き合い頂きありがとうございました!!
明日の朝九時から次回作も投稿します。息つく暇もなくてすみません。ですが、ギアス・ISと違って中編です。全18話のエロSSで、かつ一日二回更新する予定です。九日間で終わります。お酒のつまみのようにちょっとしたエロを提供します。もし読まれるのでしたらそちらでもお会いしましょう。
それでは、また。