「遅い。」
俺は、本日何本目かの煙草を足で消し携帯を見た。今日は、
足元は、煙草の灰でいっぱいになっていた。
「ごめ~ん。遅れた。」
少し駆け足で、近づいてくる。
「お前、今何時だと思ってんだよ。予定は10時ってお前が言ったんだろ?」
「寝坊したんだよ。悪かったって謝ってるじゃん。」
「お前が、映画みたいって言って10時半から始まるからって言ったんだろ?もう、2回目の上映始まったんだけど………」
映画館の前での喧嘩。マジでなんだと思ってるんだよ、こっちはどうしてもって言うからわざわざ休みを取ったって言うのに…。
「次は、2時からか。」
銀時が、ポスターを見ながら言う。
「ファミレスで「帰るわ。」
「はぁ?」
「一旦帰ってまた来よう。今、12時だし。まだ、二時間もあるじゃん。」
言葉を遮られ、“帰る”と言われる。歩き出し道路を渡った相手を急いで追い掛ける。
「待てって。」
キィーーーッガッシャン。
すぐ後ろで、車が急ブレーキを踏んだ。振り返ると、土方が血を流して倒れていた。
「トシ…?」
駆け寄り抱き抱える。目開けてよ。息はしているが、ピクリとも動かない。俺のせいなの?トシ…
トシの事を轢いた運転手が、電話してる。遠くの方からサイレンの音がした。
「おい、起きろ。」
「っん……」
目を開けると、見慣れない男が覗き込んでいた。
「見慣れない服だが、お前どっから来たんだ?南蛮か?」
「政宗様~、また抜け出して。」
顔に傷のある男が駆け寄ってきた。二人とも上物の着物を着ていた。
「小十郎、人を拾った。城に連れて帰る。手伝え。」
「大丈夫ですか?」
小十郎と呼ばれた男が、俺に手を貸してくれた。頭がぼっ~として理解できないが、とりあえず歌舞伎町ではないらしい。木が覆われて横には川が流れている。何処か俺の田舎に似ている。
「で、どこから来たんだ?」
俺は、信じてもらえないだろうがとりあえずこれまでの事を話してみた。
「つまり、くるまって言う馬に敷かれて気が付いたら彼処に居たと……言うわけですか?」
小十郎がお茶をくれながら俺に言う。
「Hey、暫くここに居ていいぞ。お前の里に帰れるまで過ごせばいい。良いだろ、小十郎?」
「私は、政宗様がよければ……」
「十四郎って言ったな、身体は痛くないか?」
「なんとか……」
こうして、俺はこの伊達家にお世話になることになった。
続きます。一応短編だけど、長くなる可能性あり。