「フェイトに朱乃さんも迷いなくその格好にならないで下さいよ……刺激が強すぎます」
「でも、寝室での決まり事みたいなものだよね? 私の下着姿にもしっかり耐性もつけてもらいたいし。それに今日、お兄ちゃんが手を出してくれるかは別として、これからすずかやアリサを見て勉強させてもらうんだから、部屋からは出ません。ね、朱乃」
「ええ、私達としてはいつでも構わないという意思表示でもありますから。少しずつで構いませんから、見慣れて頂けると嬉しいですわ」
「大翔、目を必死に瞑ったら余計に脳裏に焼き付いちゃうんじゃないの? とっても元気になってるわよ、大翔のココは……ふふっ」
視線を逸らして瞳を閉じている大翔さんの顔は赤くなっていますし、アリサの言う通り、寝間着の下腹部はその逞しい隆起が既に存在を主張されています。はぐれ悪魔の穢らわしいものとは違って、逞しさや雄々しいとすら感じるのは、お慕いする男性の身体だからこそですね。
……うふふ、恥ずかしいですけれど、ちゃんと女として見て頂けているのが嬉しいです。
「あ、あれが陛下の……殿方の……」
カリムさんの顔はさらに赤みを増しつつも、視線は釘付けです。寝間着のような柔らかい生地だと隆起もハッキリ分かりますし、男性の水着を見る機会でもなければかなりの衝撃ではないでしょうか。
「えっと、これからもっと生々しくなるから、無理だったら何も言わずに部屋を出てくれて構わないからね。私もアリサちゃんも始めちゃったら、ひろくんだけに集中しちゃうから」
「私は脱ぎはしないけど、最後まで見学させてもらうにゃ~。大翔達が無意識に今までやってた房中術をちゃんと意識して使えるようにお手伝いしようと思うしにゃ」
「ねーねー、黒歌ちゃん。意識して使えるようになると、どう変わるのかな?」
「アリシア、よく聞いてくれたにゃ! 大翔みたいに複数のパートナーがいる人には必須スキルじゃないかにゃ……」
黒歌の説明をまとめると……仙術が使える者が気を巡らせながら──双方が使えるなら、なお望ましいとのことですが、一つになること。次に、女性側が十分に昂ってから交わること。そして、男性がギリギリまで精を放つのを我慢すればするほど、男性の陽の気、女性の陰の気が良くなり、互いの生命力を活性化させるのだと言います。
「私のような仙術の使い手とにゃると、寿命を回復させるぐらいの効果があるからにゃ。今の大翔でも、次発装填ぐらいは訳ないはずにゃ。溜まったと感じたら、思い切り放ってやっても大丈夫にゃ」
「ね、姉さまっ! 露骨過ぎますっ!」
「そうは言っても、大翔とすずか達はそういう仲にゃ。互いがより気持ち良くなれて、かつ負担が少なくなるなら、それにこしたことは無いにゃ。実際、大翔達は魔力で似たようなことをやってるし……正直、最初知った時は驚いたにゃ」
小猫ちゃんの抗議の声にも、黒歌はどこ吹く風。あまり気にする様子はありません。驚いた内容についても、隠すことでもないと教えてくれます。
「魔力を巡らせて調子を整えるのを繋がる度にやってたからだと思うけど、すずか達は子宮に陰と陽の気が交じり合って調和しているにゃ。だから、肌艶も常にいい状態を保っているし、将来母親になる時に備えて、身体がそれぞれのベストな状態に成長してるんじゃないかにゃ」
「……確かに、アタシの胸とか急に成長し始めたのって、大翔と繋がるようになってからだったわ。すずかの成長が早くて羨んでいたのに、自分も人のこと言えなくなったって話したのを覚えてるもの」
「個人の性質に合わせてちょうどいい身体になってるから、三人の個人差があるってことかぁ、なるほど」
「私はもうちょっとだけ、胸が小さくてもいいかな。贅沢な悩みだと思うけど、可愛いデザインのブラジャーとか探すの大変だもん」
すずかさんが自分の胸部を見つめてぽつりとこぼしますが、アリサ共々大翔さんの腕のロックは外さないため、大翔さんはやはり逃げられませんし、この会話に耳を塞ぐことも許されません。あ、小猫ちゃんが聞かせるのに堪えないとばかりに、強制的に大翔さんの耳を塞ごうと、ソファーの後ろ側に回って大翔さんの両耳を手で押さえましたね。
「個人の身長とかに合わせて、というのはあると思うにゃ。房中術の目指すところは身体の気脈を整えることだし、一部分だけを極端に成長させるとか、そういうのとは正反対だからにゃ」
そこで黒歌は小猫ちゃんを見て、彼女に向ける言葉をぴしゃりと言い放ったのです。
「白音。だから、お姉ちゃんが望めばすぐに大きくなるって話をしたのはそういうことにゃ。大翔達が魔力だけでなく気の巡らせ方もより深く身につければ、白音が仙術を使いこなすのに合わせる形で相乗効果を生んで、白音の身体的な成長を劇的に促してくれるにゃ」
「……え?」
「必要なのは心積もり一つ!……にゃ。変わる自分を受け入れる心一つで、白音は美少女から美女に短期間で大変身にゃ!」
「今の白音ちゃんの格好は世を忍ぶ仮の姿だった……!?」
「ふっふっふ、その通りにゃ、アリシアぁ。すずかやフェイトと遜色ない、黄金比の身体を持つ白音の誕生は近っ、痛い! 痛いにゃ、白音!」
戦車の突進力で一気に懐に入り込んで、ポカポカの打撃連打をお見舞いする小猫ちゃんですが、なんせ戦車の力です。本気で痛がっている黒歌ですが、自業自得なので放っておくとしまして……。
「ひろくん、始めるね? 今日はせっかくだからアリサちゃんと一緒にするから……」
「ソファーの方が大翔への奉仕はやりやすいから……痛そうに大きくしてるコレを、すぐに気持ち良くさせてあげるわ……」
「ひーちゃん、私とはちゅーしよう、ね?」
『首筋も耳たぶもちゃんと気持ち良くしてあげるよ、ひろ兄ちゃん……』
手慣れた様子で大翔さんのズボンを下ろし、ボクサーブリーフに手をかけたすずかさん達は、血管が浮き上がった硬く屹立した暴力的な男性自身を取り出します。
「……くぅっ」
二人は躊躇いも無く交互に突端へと口づけた後、左右からゆっくりと舌を這わせ始めました。棒の部分だけではなく、ぶら下がった二つの袋についても丁寧に舐め上げていきます。その間に、アリシアさんは大翔さんに唇を押し当て舌を絡ませて、くぐもった音を辺りに響かせていきます。
「うん、いいんだよ、ひろくん……もっと感じてね……ちゅる、じゅぅ、あむっ……」
「頑張ってるのちゃんと知ってるから、たまには気にせずアタシ達にありのままぶつけたらいいんだから……はぁ、こうして奉仕してると、こっちまで火照ってくるのよ……?」
袋を一方が舐める間に、もう一人が突端を口に含んで、わざと音を立ててしゃぶって刺激していきます。その動きは二人を知らなければ風俗嬢の動きそのものに思えてきます。ただ、二人には大翔さんへの揺るぎない愛情があって。
「ふふ、ひろ兄ちゃん。耳たぶや首、相変わらず弱いもんね。可愛い……」
『我慢せずに声出してね、ひーちゃん……ひーちゃんの喘ぐ声聞くの、好きなの』
アリシアさんや紗月さんは細かく表面に出る人格を入れ替わりつつ、部屋全体に響く念話で二人が同時に責めたてる様子を、彼自身にも私達にもハッキリと分かるようにしています。
「先走り出てきたね……嬉しいな……」
三人の顔も紅潮して瞳は潤んで、大翔さんへの奉仕自体を望み、楽しんで自分達の気持ち良さにも変えていて……ああ、狡いです。私だって、大翔さんを満たしてあげたい。
「朱乃」
そう思っていると、フェイトさんが私の手を取り、短く私の名を呼びました。ええ、フェイトさんもこんなの、我慢できないですよね?
「……すずか、アリサ、変わって」
「私達に、やらせてください」
「……ん、いいわよ。ただし大翔が出しそうになったら、どちらかがちゃんと口で全部受け止めること。いいわね?」
「前触れはこっちでも見てるからね。さ、ひろくん。私のおっぱいも吸って……お願い……」
申し出をした私達に一つだけ注意点を告げた後、すずかさんはブラジャーのホックを外し自ら晒した胸を大翔さんの手と口に片方ずつ押し当てて、アリサは、大翔さんのもう一方の手を自分のブラジャーの中へと潜り込ませて、自分の胸を可愛がるように急きたてつつ、たくし上げた服の下から大翔さんの胸に吸い付いていきます。
「待ってそれはマズ……むぐっ!?」
大翔さんの抵抗の言葉は、強引にすずかさんの胸により唇を塞がれ、膝をついて高さを合わせた私とフェイトさんの目の前には荒々しい彼のぺニスが反り返った姿を見せつけています。
「すごい、熱……」
「ほんと、ですわね……」
まずは最初ということもあり、恐る恐る指を当ててみる私達。こんなに大きく硬いものをすずかさん達は身体の中に受け入れているのですね……。強く脈も打っていて、とても力強さを感じます。
「口、入るかな……大きく開かないと、ダメだよね」
「そうですわね……」
彼のモノに奉仕する自分に迷いはありません。ただ、一つだけ寂しいのは、私の唇を最初に大翔さんの唇に奪って欲しかった。でも、それは私の勝手な願いで、大翔さんに尽くしたい気持ちに嘘はありませんから……。
「あ、先っちょから出てきてるのが、すずかの言ってた先走りだね……ちゅる……ん、苦いけど、なんだろう……顔がカァッと熱くなってくるみたい……」
既に強引にでもキスを交わし合ったからなのか、フェイトさんは自然な動きで突端へとその唇を寄せて、軽く吸い上げると先走りを味わってしまいました。
「それがひろくんの精液の一部だからね。いずれ不思議とクセになるよ、フェイトちゃん。んんっ、どうしたの? ひーちゃん、暴れないで……?」
「すずかの言う通りかも……朱乃、舐めてみる?」
フェイトさんの問いかけに、私が一瞬躊躇したその時でした。すずかさんの双子の山から強引に抜け出した大翔さんが突然叫んだのです。
「ぷはっ! ま。待ってくれ、フェイト! すずかもアリサも悪い、少しだけ待ってくれ……」
大翔さんの必死さが込められた声色にすずかさん達は少し身を引き、動けるようになった彼はソファーから身を下ろし、私の目の前で視線を真っ直ぐに合わせてきます。
淫蕩な雰囲気に皆が身を浸していき、小猫ちゃんやカリムさんもただ息を飲み見守る状態になっていた中で、突然の大翔さんの動きに私も含めて何事だろうと戸惑いを覚えてしまいました。
例外なのが、あっさり行為を中断して様子を見守っている、先達とも言えるすずかさん達三人組です。大翔さんの考えをしっかり予測できているのか、どこか誇らしげな笑みすら浮かべて……正直、悔しさを覚えつつも、今の私は姿勢を正し、どこか思いつめた真剣な顔でこちらを見ている大翔さんの次の言葉を待つだけです。
「俺……いくら過去に酷い目にあってから女の人の好意が信じられなくなってるとはいえ、ここまでしてくれようとする朱乃さんにそこまでさせないと俺は信じられないのか、覚悟を決めれないのかって。逆の立場だったら一生悔いるっていうか、自分がされたことを人にさせていいわけがないって……ごめん、何言ってるか分からない状態だけど。しかもこんな間抜けな格好で言うことじゃ無いんだけどさ……」
「大翔さん……」
……確かに言葉はぐちゃぐちゃで、まとめきらないままにそのまま声にしているのでしょう。だけどそれでも、私は自分にとって都合のいい展開を、本当に信じてしまいそうで。大翔さんが語ろうとしているのはまるで──。
「フェイトにしたって、俺からじゃなくて。だから、フェイトにも謝らなきゃいけないし、許されることでもないんだろうけど……」
「うん。今は、朱乃に集中しないと許さないよ? 私はどんな形であれ、初めてのキスはお兄ちゃんの唇に捧げられたんだもん。だから、ね?」
余所見をするなと、フェイトさんは大翔さんの頬に手を触れて、すぐに彼の視線を私へとそっと戻してくれました。
向き直った大翔さんは一瞬だけ瞳を閉じて、そして決意を秘めた強い瞳で私を射抜きます。大翔さんの意識が全て、この瞬間は私だけに向けられていました。……思わず心が震えて、視界が潤んでしまいそうになるけれど、今は頑張って耐えて、今の大翔さんの瞳を、表情をちゃんと覚えておきたい──。
「朱乃さん。貴女の想いをなかなか信じられない、面倒な男でごめん。だけど、俺との初めてのキスがショックなものになりかけても、それでも尽くそうとしてくれる朱乃さんを、俺は信じたいと思ったし、信じられると思えたし、俺の個人的な理由でこれ以上傷つけることはしちゃいけないって……強く思ったんだ」
朱乃さんヒロインの独占場はもう一話続くんじゃ。(予定)