※この作品はR-18です。

朱が交われば深紅に染まる   作:ですてに

49 / 121
奇しくもバレンタイン更新は小猫ちゃんが女になる話となりました。


第49話 白音(※)

 肉をかき分けて熱く逞しい脈を打つ兄さまのモノが奥へともっと奥へと確実に歩みを進めてくる。

 体力の限界近くまで幾度も絶頂を与えられ続けて、弛緩しきった私の女性器は絶えず蜜を吹き出すだけの器官に変わっている。異物挿入への抵抗力を奪われ、また身体を統べる私の心が兄さまの精を求めてるからか、違和感はあってもそれ以上に悦びが上回っていた。

 

「白音、深呼吸して。俺と呼吸を合わせて」

 

 押し広げられる感覚の先で何か薄い壁に兄さまの熱が当たる。ああ、今から完全に兄さまのものになるんだと改めて自覚して、兄さまの言うとおりに呼吸を整える。

 そして、何度か息を深く吐き出した直後……ぶちっと破られる感触に鋭い痛み、さらにお腹の一番奥を兄さまが叩く音が響いた。

 

「あ、ぐぅ……」

 

「白音、奥まで入ったよ。痛みが収まるまでこのままじっとしてるから。ありがとうよく頑張ったね」

 

 望んだのは私なのに、兄さまは痛みを堪えて自分を受け入れている私を褒めてくれる。じんじんとする痛みはあるけれど兄さまの女になれた嬉しさが上回る中、その言葉が、髪を撫でてくれる手が気持ち良くて、私は兄さまの顔を抱き寄せ、また自分から口づけをしていた。

 

「兄さま、好きっ。あむっ、ちゅっ……これからずっと一緒、一緒ですっ。あむっ、じゅる……兄さまと、黒歌姉さまと、すずか姉さま達とずっと一緒に、仲良く暮らすの……!」

 

 短い口づけを繰り返しながら、兄さまにこれから一緒に叶える未来を囁いて。兄さまの舌を吸い、唾液を掬い取り、喉奥へと飲み込んで行く。甘さすら感じる兄さまの唾液や汗はいくらでも欲しくなってしまう。

 人を好きになって愛し合うことで、自分の感覚すら変わっていく。すずか姉さまが兄さまの精を好んで飲み干したりする気持ちが、初めてちゃんと理解出来る気がした。苦さすら美味しく感じてしまうように、心に身体まで引っ張られているんだと。

 

「しろ、ねぇ……」

 

 感覚共有中の黒歌姉さまも、痛みだけじゃない別の感覚が身体を包んでいるんだろう。瞳も潤んで頬も朱く染まって表情が蕩けている。朱乃先輩じゃないけど、痛みすらも悦びになってしまいそうな……そんな状態。

 ああ、兄さまの突端が触れているその先が、強く疼いてる。兄さまが思わずうめき声を漏らす。女性器が私の意識も関係なく勝手に兄さまの精を求め、蠢き始めていた。

 

「ふふ。兄さま、切なそうな顔してます……」

 

 すずか姉さま達が、朱乃先輩が繋がる時の兄さまを可愛いという気持ちが分かる。兄さまが私の身体でこんな顔を見せてくれたら、女に生まれて良かったって思う。

 

「白、音……」

 

 接合部で激しく動きたい欲望を、痛みを堪える私のために何とか押さえつけている兄さま。ああ、この人が欲に蕩ける顔を見たい。そう思えば破られた痛みはまだ残っているものの、それすら疼きに変わろうとしている。

 

「我慢しないで、兄さま……?」

 

 兄さまの耳元に唇を寄せて、自分でも信じられないぐらいに媚びた声が出る。でも、これも私の一面だ。兄さまに擦り寄る甘えん坊な猫。主人に媚びるのはちっともおかしいことじゃないから。そういう自分を受け入れられるのも、ずっと傍にいてくれると確信できる兄さま達がいるからだ。

 

「ダメだ、痛みがひどくなる、だから」

 

「大翔ぉ、強く『気』を巡らすにゃ♪ 動かなくても今の二人なら、気の巡りですっごく良くなれるから……」

 

 繋がってる状態で、陽と陰の気を強く巡らせる。それは激しく愛し合うのとほとんど同じこと。黒歌姉さまの言葉に、私は兄さまが返事をする前にこちらからも気を巡らせ始めた。兄さまに何度も気を通してもらっているから互いの気脈の流れは分かっているし、姉さまと再会してから元々使えるはずだった仙術の力を集中して練習してきたからこそ、兄さまと『気』に関しては同じようなことが出来る……!

 

「え、なにこ、あ、ああああああああああああああっ! すご、ひゃあああああ!!! すごいのぉっっっっ!!!」

 

「にゃ、あああああああああっ! 駄目すごっ、イッてる! イキっぱなしになってるぅ! ひゃあ、ああ、大翔におしっこかけちゃってるぅ! 私までかけちゃってるぅ! にゃあ! またイク! とまらないよぉ!」

 

 直後、私は視界を白一色に染め、全身を激しく痙攣させて深い絶頂を極め続けていた……らしい。らしい、というのは私が子宮に兄さまの迸る熱い大量の精を感じたところで、記憶が途切れたからだ。失神状態に陥りながらも身体の絶頂反応はすぐに収まらず、辛うじて意識を保っていた姉さまも一分以上もオーガズムから降りてこれなかったとのだとか。

 姉さまが味わった感覚は、つまり、私の身体に起きた感覚であり。繋がった状態で、意識的に強く気を巡らすのはある意味禁じ手にしようと、兄さまや姉さま達は誓いを立てたのだった。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 「うう、大翔。ごめんねぇ、ごめんねぇ……」

 

 アリシアさんと入浴し、互いの話をしながら気持ちのリセットをしていた私達の元へと、大翔さん達が飛び込んできたのはそろそろ上がろうかと話をしていた時でした。

 緊急時ということや、先程のオーガズム体験の衝撃もあって、後から思えば私も平時の状態ではなかったのでしょう。広めの浴室とはいえ、全員が集まったわけですから、身を寄せ合って身体を温めることとなりましたし、空知さんの腰回りや私や椿姫はタオルを巻かせてもらっているものの、他の皆さんは全裸姿。その状態を緊急事態からやむなしとしていたのですから。

 

「大丈夫だよ、黒歌。気持ち良かったからこそだろう?」

 

「うう、でも最初からマーキングとか、私そこまで変態じゃないのよ!?」

 

「うん、落ち着いて黒歌。こんなので嫌いになったりしないしさ。見せたくない部分まで見せてもらったんだ。俺からしたら大事にする理由が増えたのと同じだから」

 

「うう、大翔ぉ。今度大翔も思い切りぶっかけて構わないからぁ」

 

「いやそういう問題じゃ……」

 

「そうですわ黒歌! 大翔さんはそういうプレイを好みませんっ!」

 

 会話の全容は良く分かりませんし、気を失っている搭城さんの身体を清めた後、エアマットに寝かせて様子を見ている月村さんの目つきが一気に鋭くなり、姫島さんが黒歌を詰問し始めたので碌なことではないのでしょう、きっと。

 

「しかし、バニングスさん。あの火、水、風属性の魔法で洗濯機と同じ効果を出せるだなんて……驚きました。寝具があっという間にふかふかに戻ってましたもの」

 

「治癒の力を混ぜた水魔法で汚れを取り除くものと認識させて洗い流して、火で熱を起こして風で熱風の流れを一箇所にまとめて布団乾燥機代わりにする……。属性さえ使えるなら、後は対象物に対しての認識と制御の問題よ?」

 

「寝台が大きい分、ああやって複数人で一気にやらないと魔力消費も激しくなりますから。こちらに来てから早々に覚えて毎日何回か唱えていると熟達してきますよね」

 

「術制御自体は私かすずか、大翔のいずれかが担って、微調整はこっちでやるのよ。まぁ、そろそろ朱乃やフェイト、こういうのに覚えが早い黒歌にもお願いできるわね。カリムもあとちょっとかしら」

 

「はい、毎日上達しているのが実感できますから。もう少しお待ち下さいね」

 

 浴槽の縁に腰かけて足湯をしているバニングスさん達がなにやら興味深い話をしているため話に混ぜてもらったところ、洗濯乾燥機と同じことを魔法で実現させたというお話でした。実際に目にしていた椿姫から聞いた私も、水の形状変化は行っていますが、そこまで自由な魔法を想像したことがありません。

 

「魔法や魔力の固定観念に凝り固まっていてはいけないということですか……」

 

「基本は基本でもちろん押さえるべきよ? ただ、その上でこう出来たら便利だなとか、発想は自由にする……まぁ、アタシも頭が固いって言われるからなかなか難しいのよ」

 

「元々、科学や技術で実現できているものを魔法でもやってみよう……だから、そんな極端な発想でもないってお兄ちゃんは言うんだけどね」

 

 そういうフェイトさんに、浴室に持ち込んでいたタオルを使って乾燥の実演して頂きましたが、一定の範囲だけに火や風などの魔力を転換させた効果を発現させるのは、なかなか骨が折れるものです。また、治癒の力を転用して汚れを取り除く効果として認識させる……言われてそうできるものでしょうか。

 

「出来るようになったら、なるほどって思う感じかな。洗剤や洗濯機の効用や機構を参考にしたらしいけど」

 

 ……空知さんに弟子入りすることを本気で考えましょうか。私の魔力運用が色んな意味で応用がきくようになれそうです。しかし、対価が必要でしょうね。私の身体……には興味がないでしょうし。女性に困っている方でもありませんし、何より心を欲しがる方です。

 私が彼に心を預けるとなれば、それは実家であるシトリー家の問題に巻き込むのと同じ意味。月村さんやバニングスさんのようなこちらの世界でも由緒正しい旧家、あるいは世界的企業の跡取り娘をフィアンセとする彼ならば、私と恋仲になったとすれば全てを共に背負おうとしてくれるでしょう。

 

 ……ある意味理想に近い方でしょう。シトリー家を乗っ取るような野心も無く、女性当主を献身的に支えるくれる夫になれる人。でも、そんな計算だけで彼を巻き込むのは憚られた。彼に真剣に心を寄せて女の幸せを得た人達の前で、理性だけで彼を欲しいと思うなど、失礼極まりない。シトリー家の跡取りとしてではなく、ソーナという一人の女をして彼を求めるのでなければ……。

 

「え、今、私は何を考えて……?」

 

「会長?」

 

「いえ、椿姫。何でもありません。答えは見えてきましたか?」

 

「いえ、まだ見えたわけではありません……ただ、姫島さんや月村さん達と寝台の後始末を一緒にしていて、なんだか楽しかったんです。一緒に作業をしているのに、笑顔が絶えなくて。空知さんを中心として、家族として団結してやっていく──その意識が皆さんしっかりしているから、互いを気遣い、喧嘩はしてもちゃんと仲直りもして、出来るだけ笑顔で過ごすようにされていて……」

 

 アリシアさんも言っていた、オンオフの切替。楽しむ時は思い切り楽しみ、鍛錬等の時はどこまでも真剣に取り組む。大翔さんが示す方向性を、集う者達がそれぞれ自分に合わせて、暮らしの中で体現している。男女の営みについても、きっと同じことで。真剣に彼を愛し、愛されることに一生懸命なのは見ていれば十分に伝わってきます。

 

「このまま結界内で一晩過ごして、明日一日私達に付き合ってみたらって言ってるのよ。ほら、中での一日が外での一時間だから、二日ぐらいじゃ影響しないでしょ?」

 

「なるほど。椿姫、そうさせて頂きましょうか。私達は、もう少しバニングスさん達を知るべきです」

 

「決まりね。じゃあ、ソーナ、椿姫、よろしくね」

 

 手を伸ばしてくるバニングスさん、いえ、アリサさんに握手をしながら、私も軽口を返します。

 

「うふふ……はい、『アリサ』さん。いえ、『アリサ』のほうがいいかしら」

 

「呼び捨てでいいわ。さん付けなんて公の時だけで十分。そこまでお嬢様をやってたら、肩が凝り固まって石になるわよ」

 

「苦労してるようね、アリサも」

 

「貴族のお嬢様ならアンタだってそうでしょ、ソーナ。だからこそ、大翔って存在は得難いものなのよ」

 

 難しい立場にあるアリサやすずかさん……そう、この場にいる人達に名呼びを許してもらって──その彼女達が全幅の信頼を寄せる『大翔さん』という存在を、私は改めて見定めようと思ったのです。

 

「あ、ただこの後カリムやアリシアの番だから、刺激が強過ぎるようなら防音結界有の別室に寝る場所を用意するわよ?」

 

「え? そ、その……男の人って、インターバル必要なんじゃ」

 

「インターバル?」

 

「あー、会長、その……男性の身体って一度絶頂を迎えると、普通はしばらく待機時間が必要なんです。個人差はありますが、それこそ一時間単位でいるぐらいには」

 

「なるほど、一度の性交で全力を出し切るのですか。男性の身体も女と違いますが、大変なものなのですね」

 

 正直、詳細はよく分かりませんが、性の営みについては男性が連続で女性を相手にするのは難しいということですね。あの先程知った感覚に全力を費やすとなれば、体力の消費も尋常ではないと思えます。

 

「……えっと、椿姫。大翔が仙術を身につけているのは知ってるわよね?」

 

「ええ、先程のえっと、その、あの最中も、使っていたのでしょう? す、すごかったですし」

 

「無理に例えなくてもいいわよ。でね、仙術の中に房中術というものがあるわ。男性の陽の『気』、女性の陰の『気』……互いの気を巡らせ、気脈を整えて男女の身心の和合を目指すのが本来だけど、色々応用が利くものでね。たとえば女性から気を多く送り込むことで、男性の気……つまり、精力を回復できるわ」

 

「お兄ちゃんは魔力を精力に変換もできるようにしてるから、連続で私達全員を相手することだって、可能だよ」

 

「大翔さんは複数の女性を娶るのに必要な要素を身につけておられるということですね」

 

「その割にがっつかないし、基本受身だしねぇ……しいて言うならおっぱい好きだけど、別に他に男性がいなければいつでも触ってもらって構わないわけだし……うん、大翔。早くに枯れるだなんてごめんだからね?」

 

「何の話をしてるんだ、アリサは……」

 

 大翔さんはもっとわがままになってもいいという話では無いのでしょうか。そんなことを口にしてみれば、皆さん揃って困り顔になってしまいました。椿姫へ労いの声すらかけられています。私に原因があるようなのですが、ただ皆さん揃って私が悪いわけではないと口を揃えてしまうので、聞くに聞けないまま私達は入浴を終えることになったのです。




なお、黒歌さんはまだ直接まぐわっていない模様。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。