ソーナお嬢様、本領発揮です。
外からの干渉を遮断し、内にいる者を癒し守ろうとする鏡張りの小部屋。ベッド全てを覆うものではなく、大翔さんを包むように自分達周辺の空間を切り離している。最初は透明の鏡だったけれど、椿姫が大翔さんに貫かれる直前に刷りガラスのように不可視のものへと変化させていた。……声は聞こえるから、どうなったかは丸分かりなのだけど。
「この鏡、元々の破壊されたら衝撃を倍に返すことには変わりないと思うんだけど、攻撃された時の特性もまんま返すようになってるかもしれないにゃ。なんかね、魔力の帯び方が通常時の『追憶の鏡』と違うもんにゃぁ」
「この小部屋自体、自分と兄さま以外を絶対拒否する意思を示しているような感じですもんね」
黒歌や小猫さんが興味深そうに小部屋の外壁を観察している。椿姫の女としての独占欲が、まさかの禁手化を呼ぶだなんて。ああ、もう……なんてこと。自慢の女王が誇らしくもあり、これから彼女を大翔くんの寵愛を競い合う終生の恋敵でもあるのが、私の感情を掻き立てる。
「ソ、ソーナ、なにしてるにゃ!?」
「神器の構成術式に干渉して、解除させられないかと思っただけよ──」
大翔くんから指導を受けて身につけた並列思考。私は悪魔として攻撃力や防御力に特に秀でているわけでもなく、シトリーの元来の力は恋愛感情への干渉が主です。諜報ではいろいろ役には立つでしょうが、現状の私の力は中途半端。自分が得意だと言い切れるのは、考えることを止めないこと。
並列思考は、そういう点で私が生かせる最大の武器になり得る。すずかさん達が使いこなす、五つの同時思考には何とか追いついた。激しい頭痛や毛細血管からの出血を招くこともあったけれど、悪魔の身体のお陰だろう。
「椿姫が少しでも大翔くんを独占する時間を長くしたいというのがこの神器の形の変化。でもね、私だってそろそろ我慢の限界なのよ……」
この不可視の小部屋へ攻撃を加えれば反動が倍になって自分へと返ってくる。だから解除を試みるのだ。
ベルゼブブ様のように、全てが数式に見えるわけじゃない。だけど、解析と演算、必要な魔力の構成──。ああ、思考数が足りない。もう一つ、無理矢理にでも思考を増やして……!
「ソーナ。焦らないで、神器の反射を招いたら君が怪我してしまう。俺もこちら側から解析を手伝う。……椿姫。解除する気はなくても、これくらいはいいだろう?」
「ええ、魔女に囚われた王女様を取り返す王子様といったところでしょうか、お嬢様は。それに大翔さんに私の神器の力も受け入れて頂けるのなら、喜んで」
私の脳処理の限界を越えようというのだ。頭は痛みを訴え、全身が熱を持ったような状態になりつつある。それでも私は大翔くんの言葉を聞き漏らしはしなかった。
大翔くんの特性は魔力や気を通じ合った相手の特性を取り込むことが出来る。椿姫が全てを渡すつもりで直接繋がり、気を循環させたのなら、椿姫の神器への理解も一気に進んでいるかもしれない。それに大翔くんが手伝ってくれるのは嬉しく思うけど、でも……!
「大翔くん、待って! そのまま待っていて! 負けない……負けないわよ、椿姫っ! 自分から解除する気が無いのでしょう、そこで見てなさいなっ!」
一つじゃ増やしただけじゃ足りない、解析が追いつかない。ならば……。
「私は貴方の王、ソーナ・シトリーよっ! 貴女が大翔くんへの想いで禁手に至ったのなら、私だって進化してみせる!」
叫びと同時に至った、七つの同時思考……これなら、ああ、見えた。痛みも引いていく中で、思考はさらに明瞭になっていく。
……ふふ、やってみるものね。大翔くんと鍛錬を続けてきた成果もあるのかしら。
「解析完了、分解に必要な演算式の構築……必要な出力、干渉するべき構成の中心はここっ! 水よ──!」
私が生み出した水は染み込むように鏡の小部屋全体を包み、霧となって散らせてみせた。目の前には腕を伸ばし、私をぎゅっと抱き寄せてくれる大翔くんがいる……!
「お見事だよ、ソーナ。そして、お待たせ。君の番だ」
ああ、抱き締められて、彼の温もりと匂いを感じただけで、意識の外だった強い疼きがあっという間に帰ってくる。うん、理知的なソーナは一旦おしまい。彼に溺れる雌悪魔、それが今の私。
「ふふふ、お嬢様。なんてだらしなくて、艶っぽくて、幸せそうな顔」
彼の背中に寄り添う椿姫は、憎たらしいまでに余裕を漂わせている。私がここまでしてみせることも疑いもなく、私に大翔くんを一時独占させることに微笑んですら見せた。
「そうよ、だって大翔くんを今から一人占めできる時間なんだもの……私だって、雄を求める雌なんだから。自分で認めた今、王の私はしばらく休憩……」
大翔くんが私を抱き上げて、ゆっくりとベッドへと導いてくれる。後ろで黒歌がどんどん新入りが強敵になっていくとか言っているようだけど、当たり前よ? 遅れてこの輪に加わるのだから、強烈なインパクトが無ければ埋もれていくだけだもの。
ただ、気になることが一つあって。いえ、彼を愛らしいと思うだけで問題は特に無いのだけど。
「その、耳と尻尾はどうして出しているの? すごく貴方が可愛らしく見えて、私は歓迎なのだけど」
耳をさわさわ。尻尾を自分の首に巻きつけてみたり。あ、これ癖になりそう。確か、黒歌や小猫さんの力を取り込んだ副産物だったわよね……。
「今回は精力を回復させるためだね。椿姫から取り込んだ陰の気を転換するのは仙術を使う。で、妖怪の姿になってるのが一番変換効率がいいんだよね。この場に居る人は俺の固有稀少技能を知ってるわけだし、なんか出してると皆なんだか笑顔になるからさ」
むしろ頻繁に出して頂いていいのではないでしょうか。そう口にすると、この部屋に残ってるメンバーは皆頷いていた。……あら? お姉様も起きたのですね。意外に早いお目覚めのようです。
はしゃいでいるのは分かりますが、大翔くんの音避けの効果でお互いの声が届かないことに気づいたのか、親指を立てて、再びベッドへと沈むお姉様。疲れがあるのか、ベッドからそのまま身を起こす気はないみたいね。
「表情だけで何を言いたいのか伝わったな。まあ、セラへのサービスは後でするとして……」
あ、大翔くんが下腹部に手を当ててくれているだけで、疼きがなんだか甘い痺れに変わってしまいますね……んっ。
「ソーナ、よく我慢したね。乳首もこんなに硬くして、こちらはもうお漏らしの後みたいだ」
そんな言葉で私を責めながら、大翔くんは私の眼鏡を自然な動作であっさり取り去ってしまう。迷いなく、私に声を掛けながらの動きだった上に椿姫の時は外さなかったから、勝手に外さないだろうと思い込んでいた。完全に不意をつかれて慌てかける私は、次の一瞬でその考えさえ吹き飛んでしまって──。
「え、なん、あ……はぁ……ふ、ふふふ……」
あ、駄目と思った次の瞬間、目の前の男性に早く犯されたい衝動に、削られていた理性は……無くなっちゃったぁ☆ だってぇ、こんなの無理、無理だよぉ☆ こんな苦しいぐらいの疼きなんて知らないもん! 大翔くん欲しい! おちんぽ欲しい! 早く精液を子宮に浴びたくて、それ以外考えちゃ駄目だって身体が頭を飲み込んじゃったぁ!
「やぁん、そんな言い方、しないでぇ☆ そうよぉ、ソーナはぁ乳首コリコリに硬くしてぇ、おまんこはもう洪水なのぉ……!」
自分の声が自分のものじゃないみたい、あはっ、なんて媚びた声☆ 大翔くんの両手が私の胸に、女性器に触れてるよぉ☆ その度に私は悦びの歓喜を迸り、口元はだらしなく開きっぱなしになってるぅ……☆
「あぁぁん、指ぃ入ってきたぁ♪」
自分で慰めていた時の想像が現実の感覚になって、私をどんどん淫らに狂わせてくれるのぅ☆ ねえ、私。痴女みたいに声を上げて、恥ずかしくないの? ねぇ?
「ずうっと! ずーっと、この指にぐちゃぐちゃにぃ、される想像してたの! あぁ、想像よりもずっと太くて熱いのぉ!」
あははっ、恥ずかしいよりも大翔くんに蹂躙されてぇ、子宮にあのドロドロした、濃くて、忘れられない臭いのせーえきぃ、うふふっ☆ ご褒美をもらえるんだったら、どんな卑猥で浅ましい言葉でも叫ぶの☆
これから淫乱な雌になった支配する大翔くんの顔に軽蔑の色は少しもなくて、優しい顔の中で目がギラギラし始めて、私に興奮してくれてるって分かる……☆ 素敵な雄の顔……発情した私に引くことなく、いくらでも満たしてやるっていう男の顔……大翔くんの身体に魔力や気が強く巡って、ああ、早く、早く欲しいっ!
「ソーナ……俺……うぁっ」
我慢なんてできないっ☆ 自分から熱い怒張に触れて、軽く上下に動かすだけで大翔くんの目も蕩けていってる……うふふ☆ ねえ、きっと大丈夫だよ? 私の女性器はどんどん熱を発して、侵入してくる男性の象徴を包み込んで……吸い付いて、絡み付いて☆ 貴方の精を吐き出させて、飲み干す準備が出来上がってるんだからぁ☆
「お願い、じらさないで? 解す必要もないぐらいに解れて、濡れぼそって、ずっと啼いてるんだよ……☆ 早く欲しい、大翔くんのペニスが身体の一番奥、赤ちゃんが出来る部屋まで貫いて欲しいって……!」
「分かった。何度でも注いでやるから、覚悟しろよ?」
最高の口説き文句だよぉ、あ、はっ、きたぁっ☆ ぶちって言った! 処女膜一発で破られちゃったぁ☆ 大翔くん上手だよぉ☆ そのまま、奥まで丁寧に押し分けながら入ってきてぇ……☆
『ゴンッ』
そんな音が身体の奥から響いて、私は、早速飛んだの──!
◇◇◇◇
すずかの初めての時以上だと、認識する。あれから相当経験を積んだ今だから、何とか暴発せずに済んでいる。ソーナの中は、発情期のすずかか下手すればそれ以上。射精を促すための収縮や絡みつき、締め付けを本能の赴くまま、性愛を司る悪魔の力を余すことなく発揮していた。
両足は俺の腰周りを抱え込み、完全にロックする体勢だ。決して離しはしないという意思を示し、言葉遣いはセラに似通ったものになっている。理性を解き放ったソーナの心は、ただただ俺からの悦楽を求めている。
「飛んじゃった、ぁ、大翔くんのおちんちんで、飛んじゃったぁ☆」
声は舌っ足らずな中に男に媚びるものであり淫蕩さを漂わせているが、ソーナは身体がどうしようもなく男のそれを求める状態なのに、必ず『俺』の手だとか、ペニスという言い方をしている。
「お願い、お願い、大丈夫だから、もっともっと突いてぇ……? ソーナのおまんこ、大翔くんしか受けつけないように強く躾けてぇ!」
ソーナ、ありがとう。ああ、俺だけで、俺の身体と心だけで、必ず今の発情を鎮めてやるから。どれだけ身体が疼いたとしても、他の男を受け入れるなんて考えなど欠片も出来ないように、刻んでやる──!
「あっ、がっ、あっ、あっ、あぁーっ!? 大、翔く、出してないのに、イク、イクの止まらなっ!? あぁぁぁぁぁぁっ!」
どれだけの渇望を懸命に、悪魔の本質に抗ってでも、制御しようとしていたのか。放たれた身体はソーナの意思など関係ないかのように、待ち侘びていた男の分身を強く打ち付けられ、その度にオーガズムに達している。達するたびに欲望を放てとばかりに、締め付けと吸い付きと襞の絡みつきがより強く食らいついてくるのを、唇を強く噛み締めながら耐える。猫又モードで仙術を使いながらでなければ、あっという間に果てているだろう。
この程度で放っていたら、ソーナを本当に満足させることなど叶わない。すずかと同じように発情を恐れることなく楽しみにすら出来るようになるには、俺がソーナを圧倒するぐらいでなければならない──!
本能のまま蠢くソーナの腰つきに合わせて、突き、引き、かき回し、また突く。強い発情は破瓜の痛みすら瞬く間に疼きの材料へと変えてしまう。回復魔法も同時に施しているから、痛みはすぐに引いていったはずだ。すずかの時は回復魔法をかける余裕なんてなかったな、と振り返れる辺りまだ大丈……!?
「すごぉい、あはっ☆ 大翔くん、やっぱり私を満足させられるのは貴方しかありえないんだぁ☆ でも、この程度じゃないよね? まだまだついてきてくれるもんね──?」
どんな瞬発力だ、連続絶頂の感覚から戻ってきたソーナが腰回りと腕の力だけで跳ね上がり、俺をあっという間に騎乗位の体勢へと押し倒す。そのままソーナは自分の思うがままに腰を振るう──!
「頭ずっと真っ白だよっ、すご、いよ大翔く……! ねえ、精液早く頂戴☆ 精液出し続けながら、ガンガン突き上げ続けて、まだ精液を浴びせてよぉ!」
一種のトランス状態か、身体は確かに連続してオーガズムに達しているような痙攣反応をしているのに、腰の動きは止まるどころか激しさを増す。子宮口を打ち抜くように腰を全力で落として、反動で腰を跳ね上げる。その間も膣内の動きは休まることがなくて──!
「う、うがぁぁぁあああ!」
「きたぁあぁ──! 熱ぃ、イッて、イキっ放し、ごくごく飲んで、これすご、あぁああああっ!」
痛みにも似た感覚と共に、射精が始まる。その間も痙攣の強さを増しながら、力強さを失わない腰の動きに精を放つ時間は強引に引き延ばされる。精巣の奥から全ての精を自分の子宮へと導き、全て平らげるために──!
「ソーナ、馬鹿になってる! なったぁ! もう戻らな……戻れないぃ! 大翔くんのおちんちんあれば、それで──!」
「ソーナ!」
これ以上言わせるか! 身体に引っ張られ、心が今までの自分を完全に消そうとする動き、悪魔の本能だけに身を落とそうとする姿を、俺は押し留める。
理性を過剰なまでに重視するのは、自分の血筋の淫蕩さを恐れるから。生半可な心では、身体にあっさり乗っ取られ、綺麗に塗り替えられてしまう恐怖があったから。だから、俺はソーナの発情を受け止め切り、俺相手には我慢しなくても御してくれるという安心を与えるために、あえて自分から彼女の理性を補助する眼鏡を外したんだ……!
「発情の苦しみはいくらでも鎮めてやる! だけど、身体に負けてセックスに狂うのが、ソーナの本当の気持ちか!?」
身勝手な言い分を叫んでいる……そんな自分に内心反吐を吐きつつ、俺は仙術によりソーナの子宮から集中的に陰の気を吸い上げる! ソーナの気を取り入れることで俺の方が狂いそうになるなら、光力で俺の身体を突き刺してやるさ!
「あ、う、え……力、抜けて、く?」
過剰なまでの気が俺へと流れ込み、獣欲が一気にもたげて、俺の肉棒はすぐに次発装填を完了するが、唇を噛み切る痛みでそれを強引に押し切る。吐き出すなら後でいくらでも吐き出させてやる、大人しくしてろ。俺の身体は俺の心がどう扱うか決める、てめえは俺の制御下に戻れ!
「ソーナ、本気でずっと狂っていたいというならそれでもいい。俺と繋がる時以外はずっと眠りの世界にいさせてあげることも出来る。もう一度お願いだ、考えてくれ。本気でそれを望むのか……?」
弱まったとはいえ、ソーナの意識と切り離して動くヴァギナの動きに、肉棒が暴発させろと叫び続けている。今まで散々、皆に気持ち良くさせてもらってきた癖に、今はソーナを心身とも満たすための道具になってろよ……! 光力で刺されたら、どの道お前まで萎えるだけだぜ……!
「い、やよ……!」
腰の動きが、止まる。ソーナが自分の腿を水の刃で突き刺して、悦楽を貪る身体を無理やりに、止めた。
そしてもう一話ソーナさん(+レヴィアたん)