※この作品はR-18です。

朱が交われば深紅に染まる   作:ですてに

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セラさんとの本番に入れなかったです。
なんかセラさんは物語中でもぐいぐい動いてしまう。



第78話 朝のテラス(※)

 朝が来た。念入りにひーくんやすずかちゃんが私の身体を整えたり解したりしてくれたお陰かな、久し振りの快眠にすっと目が覚めてしまった。

 周りではまだ寝息を立てている子ばかりだから、そっと音を立てないようにベッドから降りる。こういう時が悪魔の翼を便利だなと感じる瞬間の一つだ。私もそうだけど、室内の気温が魔道具で適切に保たれているから、みんな裸のままで寝ている。

 これがこの集団での日常なんだろう。……うーん、改めてすごいところに参加しちゃったのかも。毎晩身体を互いに見られちゃうわけだから、ボディラインの維持に絶対手を抜かないわけだね。

 

 さて、既にひーくんがベッドにいないと気付き五感に集中すれば、すぐに悪魔の聴力がしっかりと情事の声を捕らえた。テラスで早速朝からひーくんに愛してもらっている子がいるらしい。

 

「ああっ、大翔くん! うん、気持ちいいっ……! 私はぁ、ソーナはぁ、ずーっと貴方のモノになるの! 身体がね、身体がね、貴方の精以外で治まらないって覚えちゃったのぉ。幸せ、幸せよっ、大翔くんが最初で最後の人なんだからぁ……♪」

 

 もとい、ソーナちゃんだった。ソーナちゃんの媚びる声が、ひーくんの精をねだっている。普段のお澄ましソーナちゃんとは完全にかけ離れた姿。それでいて、どうしようもなくだらしなく緩んだ声なのに、とてもとても幸せな様子が伝わってくる声色で。

 たった一晩でソーナちゃんはまるで別人のような変貌を遂げてしまった。どこか力が入り過ぎていて、心配で仕方なかった部分が取り払われたみたい。

 

「ねえ、昨日の夜にあれだけ犯してもらったのにぃ……朝から大翔くんが欲しくてこうしておねだりして犯してもらってるのぉ……! 貴方に突き上げられるのが癖になっちゃってる……あはっ。ずっと貴方に貫かれていたいってこんなに淫乱になったの、私……ほんとに大翔くん、こんな私でいいの? 私、毎朝毎晩貴方に犯して欲しいって訴えるんだよ?」

 

 同時にどうしようもない不安を訴えてる。もう自分がひーくんでないと満足出来ない身体と思い知っていても、ひーくんが応え続けてくれるかは別の話だから。だって、女の人に困らないあの人は身体で繋ぎ止めることも難しいもん。

 

「え? そんな、まさか……え、ええ、分かったわ。大翔くんがそこまで負担じゃないって言葉を信じるけど、それは本当に大丈夫、なの? うん、確かにもう何年間も続けてきたことなのは分かるけど……」

 

 すると、ひーくんが一旦動きを止めてソーナちゃんに何やら耳打ちしたことで、ソーナちゃんの声から不安が消えていき、その代わりに困惑の感情が表に出てきた。

 断片的に聞こえる言葉から、黒歌ちゃんや白音ちゃんのサポートがあるから随分楽になったとか、もともと一生の覚悟を決めて付き添うと決めていたからとか……い、一体何の話なんだろう……。

 

「そうね。シトリーの力が大翔くんに馴染んで、少しでも貴方の身体の負担が減れば嬉しい……うん、私で手助け出来ることならすぐに言ってね。ふふ、分かった。じゃあ私もこの疼きとうまく付き合えるようになるまで、遠慮なく大翔くんを求めることにするわ」

 

 それから幾度かソーナちゃんは絶頂へと導かれ、かつひーくんの精を二度ほど子宮で受け止めて。その間、ずっとソーナちゃんは歓喜の嬌声を上げ続け、愛の言葉と自分がどれだけ満たされ幸せに感じているのか、繰り返しひーくんへ伝え続けていた。

 耳を集中しなくても声が聞こえるテラス近くまでくれば、行為の後のしゃぶる音までしっかり聞き取れて、私は顔を赤くしてしまった。それでも、すぐに離れる気が起きないのは私もひーくんに……そういう決心を済ませているから。

 

「はい、これでお掃除終了です。ふふ、本当に元気ね。大翔くんのココは」

 

「いや、これだけ丁寧に熱心にしてもらうと、今の俺だとまた回復してしまうので……」

 

「あら、もう一度私を犯したくなった? 眼鏡はかけたし、たっぷり注いでもらったから身体は落ち着いているけれど、大翔くんがお望みなら喜んでお相手するわ」

 

「それもとても魅力的なお誘いだけど……今はね。しかし、ソーナまで事が終わった後にここまでしなくていいんだよ?」

 

「ふふ、違うのよ大翔くん。こうしてたっぷり愛してもらって満足するとね、貴方の一部であるこの逞しいぺニスにもお礼をしてあげたいと感じるの。多分、みんなそうなんだと思うわ」

 

「すずかや朱乃達にも同じようなことを言われたことがあるよ……よく分からない感覚だなぁ、どうにも」

 

「尽くし甲斐がある男の子ってことですよ、ふふっ」

 

 自分の下半身に吸い付かれた直後なのに、ひーくんはソーナちゃんとのディープキスを躊躇わない。苦いねと自分で笑う余裕すらある。こういう部分って個人的にとてもポイントが高い。ほら、ソーナちゃんの表情も嬉しそうにまた蕩けてる。

 すずかちゃんや朱乃さん、あとフェイトちゃんもそうだけど、ひーくんに奉仕する行為自体も好きだから、ソーナちゃんの言う感覚とは違うかもしれない。ただ、女として嬉しいんだよね、ひーくんの態度って。掃除はさせるけど、キスするなら口を濯いでこいとか、傲慢な男悪魔って実際多いからね……。こっちの下半身を舐めるなんてそんな汚い所を舐めさせるな!……みたいな。仲が良かった頃にそんなこと言ってたんだよね、あの子も。気まずくなってから連絡取ってないけど、元気かなぁ。

 

「というわけで、お姉様。交代ですよ?」

 

「!」

 

 近づいていたのをしっかり分かってたんだね、ソーナちゃん。よし、今更怖気づいちゃ駄目よセラフォルー。いっそ魔法少女の格好で姿を見せようとも思ったけど、ひーくんにデバイスを作ってもらってからあの衣装も私の中でとても大切なものになってるから、恥ずかしさの逃げ道に使いたくはなかった。

 ……だから、私は昨晩と同じく何もまとわないそのままの姿で、ひーくん達の前に進み出ていく。明るい場所だから、隠せるものが何もない場所へと。

 

「……ひーくん?」

 

 視線をこちらに向けたまま、彼は動きもせず固まってしまって、私は羞恥心を抑えながら声をかける。ソーナちゃんがその様子を見てクスリと笑みをこぼしたけど、ひーくんの心が想像出来ているのかな。

 

「……本当に、綺麗だ」

 

「え、ええええ!?」

 

 まさかの真顔でのべた褒めだよ!? あ、あぅぅ、は、恥ずかしいのに嬉しさも交じっちゃって、ちょ、ちょっと私、錯乱してる!? 外交でもこんな動揺することなんてほとんどないのに、ひーくん相手だと調子崩れっぱなしだよぉ……。

 

「ごめん、明るい場所で改めてセラの今の姿を見てさ。思わず見とれてた」

 

 だって、ひーくん狡いもん。表情も言葉の調子も全部本気で言ってるのが分かっちゃう。おべっかといっそ笑い飛ばせればいいけど、嘘が基本下手だもんね。まして、必要のない嘘は大切な女の子につく必要はないと考える人だから。

 綺麗所がこれだけ揃っていれば裸も見慣れているだろうに、一人ひとりの女の子をちゃんと見ようと徹底してるから、私の裸身を明るいところで初めて見たことに対する感情の動きがしっかりあって、私に見惚れてくれたんだって伝わってくるんだよ。うーっ、顔がどんどん熱くなってくる……。

 

「悪い男の口説き文句みたいだよ、ひーくん」

 

 少し軽口を叩かないと、真っ赤になってる頬の熱でひーくんが見れなくなりそうだ。まともに見れなくなる前にひーくんの胸に飛び込んで、そのまま抱きついてしまう。

 

「あのね、そういう真剣な顔で本気で綺麗とか可愛いとか言われると、きゅんきゅん来てしまう女の子もいるんだよ。だからね、言う相手はちゃんと選ばないとダメだからね?」

 

 きゅんきゅんって……と呆れた口調で呟かないのソーナちゃん! 交代してくれたのなら、静かにするかそっと立ち去ってくれたらいいじゃない!

 

「大翔くん、外へ向けての不可視や遮音結界の維持はこちらで受け持ちますので任せて頂いて大丈夫ですよ」

 

 つまり、結界維持を名目に立ち会いますということ。しれっとした顔をしてるけど、自分の乱れる姿を見たんだから私の痴態も見届けてやりますってそんなところだよね……くぅっ。さっきまで緩みまくりだった口元もきりっとさせちゃってさぁ、もう取り繕うソーナちゃん可愛いよね。

 

「ありがとう、ソーナ。……ねえ、セラ。俺、こうして触れて安心や幸せを感じられる相手じゃないと、欲情もできないから。だから、言う相手は限られてるからさ。大丈夫」

 

 見られてするのに慣れちゃってるひーくんは私に集中するコツをつかんでる。いま腕の中にいる、抱き合ってる子だけを見て、他の情報は最低限しか見ていない。

 

 この集中力はすごいし、向けられる私としては嬉しく思うんだけど、ちょっと懸念するのは、私達だけを見ている時間帯に悪い連中に意識の外からブスリとかされること。色んな種族の子の力を取り込むことで、ひーくんはさらに色んな勢力から狙われる立場になっていく。既にオーフィスと共に歩む者って時点でアザゼルちゃんも頭を抱えていたもんね。

 そういう部分を防ぐのは私やすずかちゃん達の役割だと頭の片隅に書き留めて、ひーくんを胸元から見上げるようにして、まずは王道の上目遣いから始めよう。すずかちゃんや椿姫ちゃんに借りた漫画ではそうなっていたから間違いない……よね?

 

「ふぁぁっ!?」

 

 すると、ひーくんはおでこに『ちゅー』してくるもんだから、私は思わず唇が触れた場所を手で覆って素っ頓狂な声を上げてしまう。そんな私の反応にひーくんは変わらず優しく微笑んでいる。くっ、これが踏んできた場数の差っ……!?  裸で上目遣いとかされたら、がおーって獣さんになるんじゃなかったの!?

 

「セラは俺よりお姉さんなのに、なんだかこうしてると妹みたいだ。反応がなんか可愛くてぎゅーってしたくなるような感じでさ」

 

 横目でソーナちゃんを確認すれば、うんうんと頷いているし、ひーくんには頭をそっと撫でられる私。年上のお姉さんとして包容力で推していくつもりがぁ……。

 でも、そうだよね。これだけの女の子相手して皆満足させてるって、懐深いに決まってた。おまけに『愛が重い』子が多いのに拘わらずだし。

 

「ひーくん。私じゃ安心して甘えられないよね、あはは☆」

 

「甘えてるよ。セラをこうして腕の中で温かさ感じてさ、俺だけに笑顔や困り顔、照れた顔全部隠さずに見せてくれてる。そして、さっきからぎゅっと抱き締め返してくれてるから」

 

 こちらの肩に額を乗せて身体から力を抜いたひーくんの重みを感じて、今度こそ私がそのまま頭をよしよししてあげる。乗せられてる感があるけど、ひーくんを甘えさせてあげたいのはほんとだもん。

 あと、触れ合った部分からひーくんがゆっくりと二人の間に魔力や気を行き来させ始めてた。今のリラックスした調子でのんびり行ったり来たり。身体が少しずつ少しずつ、ひーくんと一つになる準備を始める。

 

「セラが仕事場とこっちの行き来を出来るようにもしないとね。学園を一度経由してもいいけど、仕事が終わった後とか夕食の時とか直接帰ってこれるほうがいいし……セラのデバイスが利用者登録してあるし、そこにこちらの座標とか時差の計算式を反映しよっか。そしたら、食事休憩は出先であっても一緒に出来るし、出張とかでも対応できるもんね」

 

「寝室はひーくんが出張とかでも、ここを使ってるんだっけ」

 

「おやすみなさい、って客室に入ったら転移して帰ってくるんだよ。なので、枕が変わって寝れないってことがないかな。あと、まあ独占欲だよ。セラを自分の彼女って言う限りは毎日、顔を見ておはようとかおやすみなさいって言いたいから」

 

 くぅっ! 魔王の立場とか戦力としてじゃなくて、私個人を求められる感覚って、こんなに快感だなんて! 魔法少女の格好してても冷たい顔しないし、一緒にデバイスや変身シーンの細かい演出も考えてくれるし、スカート短すぎるって心配もしてくるし……ああもう、ひーくん好きだなぁ! 可愛いよ愛しいなほんと! 趣味に理解ある彼氏ってありがたい……。

 百年単位で年上でさ、趣味も変わっていて、必要なことだったと私は割り切れても、実際に戦争でたくさんの兵士を手に掛けた悪魔ときたら問題しかないのに、ひーくんは私の手を取っちゃって。取ってしまえば、本当に女の子として扱ってくれてさ。

 

「うん、それなら私は毎日ちゃんと『帰って』くるよ。夕食は会食とかで難しいこともあるけど、ひーくんの傍が私の居場所だからってことで☆」

 

 いっぱい愛そう、ひーくんを。貴方が信じた女の子は間違いなく貴方の味方であり続けるってこと、ずっと見せてあげる。

 

「だから、ひーくん。貴方を私に、刻みつけて?」




フリーダムなセラさんとはいえ、次回はきっと。
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