※この作品はR-18です。

まさかこんな場所で貴女と逢うなんて   作:楠富 つかさ

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朝を迎えて

「遥奈ぁ……」

「ば、ばかぁ……9時過ぎちゃったじゃん……」

 

結局、昨夜は同じベッドで寝ることになってしまい、唯に襲われなかなか寝かせてもらえなかった。やっぱり一度帰ればよかった。

 

「唯! 起きなさいよ!」

「やぁ……キスしてぇ」

 

……もう! なんなのこのキャラの違いは! 可愛いんだけど! 何度かキスをして、ようやく普段通りになった唯。本当の唯はどっちの人格なんだろう。……その前に、唯とキスすることに抵抗を感じなくなってきた自分が恐い。いやでも、唇と唇が触れるだけのキスで、そんなエッチなものじゃないし……あぁ、でも……唯とエッチしちゃってるじゃん、私。あれはあれだ、唯が無理矢理したからノーカンだ。

 

「……服、ひどい。これじゃ外出れないじゃん……」

 

パジャマのない私は昨日の格好のまま寝ようとした。でも唯に寝かせてもらえなかったせいで、ブラウスはくしゃくしゃで染みとかあるし、スカートも同じ感じ。明らかに乱れた行為の後って感じ。こんな状態で外に出たら痴女だよ。レイプされるよ。……絶対ヤダ。

 

「家まで送るわ。タクシーなら大丈夫でしょう?」

「まぁ、ね……」

 

あぁ……昨日、歯を磨けなかったなぁ。口の中まずい。パンツは……脱がされて、どこに行ったのやら。しかもブラしたまま寝たから違和感やばい。

 

「パンツ……これ、穿くのか……」

 

心なしか湿気ている気がする。……ノーパンってわけにもいかないし、しょうがないか。

 

「朝ごはんにしましょう? シリアルだけど」

「なんで唯は平然としてるのよ?」

「昨日は凄かったね、くらい言った方が良かったかしら?」

 

……そうじゃないっての。

 

「ゆ、唯だって、私のあ、愛液で身体ベタベタするでしょ? 気持ち悪く、ないの?」

「あら、一緒にシャワー浴びたいってこと?」

「違う!!」

 

私が唯より優位に立てるのは朝の短い時間だけってことか。唯より優位って、ちょっと語呂がいいよね。って、アホか私は。いや、……まぁいいや。

 

「食べたら一度帰るね。で、お昼作ったらまた帰る。それでいいよね?」

「えぇ。分かったわ。これ、タクシー代。おつりは、そうね。貰って」

「うん。そうする。ご馳走様。じゃ、タクシー呼ぶね。ここ、なんて説明すればいい?」

「メゾン・ド・スズカゼ。これで分かってくれると思うわ」

「ありがと」

 

暫らくしてマンションの一階へ下り、タクシーに乗り込む私を、唯は笑顔で見送ってくれた。その時の笑顔は、心からの笑顔に見えた……ような気がした。

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