〈トシside〉
「や~だ~!!」
「仕方ないでしょ。」
「パパ約束したもん。お仕事しないって言ったもん。」
今朝、近藤さんから電話があり急遽仕事になってしまった。
「ごめん。すぐに帰ってくるから……」
宥めるも、一向に機嫌が戻らない
「ほら、
銀子が
“早く”と銀子が手で合図している。
全く、ついてない。今日はクリスマス。昨日のイブと合わせて2日間有給を取っていたのに、総悟の奴が逃げた。
あの総悟の野郎も知っていたくせに、お陰で総悟の仕事がこっちに回ってきて
「トシ、ごめんな。」
近藤さんが屯所に着くなり、手を合わせて謝ってきた。
「もう、いいよ。
「うわー、今度逢うとき怒られそう。俺、今からとっちゃんの所に行かないといけないから……」
「わかった。クレーム処理もだろ?」
「本当にごめん。」
総悟の部屋に行き、その場で仕事を始める。
「ん?万年筆しかないのかよ?」
あまり使ったことないが、いいか?
ブシュ。
………………。
「総悟!!」
と、思わず叫んでしまった。
先が潰れた。
たく、書類も作り直しじゃねぇか。
「おい、山崎。」
山崎を呼ぶも返事がない。
「…………すみません。遅れました。で、なんの用ですか?副長。」
「この間の立て籠り事件の書類、作り直してくれ。」
「沖田隊長に、先日提出しましたけど?」
万年筆のインクで汚れた書類を山崎に見せる。
「なんですか、これ。」
ん?なにか視線が……?
振り向くもそこには誰もいない。
「どうしたんですか?副長?」
「いや、なんでもない。じゃあ、頼んだぞ。」
山崎に書類を任せて、自室にペンを取りに行き残りの書類を終わらせた。
次は、見回りか。たく、総悟のやつどこに行きやがった。
悪態をついても、そこに相手はいなくて虚しくなるだけだった。
「トシロウ?」
「はぁ?」
出るなりいきなり女性に抱きつかれた。
「トシロウ、私のとこに早く帰ってきてよ。」
「悪いけど、人違いだ。俺は、十四郎。酔ってんのか?」
女の吐く息が臭い。
「パパ~♪」
男の子が父親に駆け寄ってる。
ベチャ。女を引き離しながら、振り向くと隊服の裾にアイスクリームを付けられてる。なんだ?厄日か?
「すみません。これ、クリーニング代です。」
父親らしき人から1000円を貰う。到底、足りるとは思わないが……。
そっちに気をとられていると、いつの間にか女性は居なくなっていた。
今日は、もう帰ろう。悪いことばかりが続いてる。見回りも疎かに帰ろうとする。途中、自販機の上にあるカーブミラーに目がいく。スカーフに何やら赤いのが付いてる。
慌てスカーフを外すと、くっきりと口紅が付いていた。
………やばっ!これ、銀子に見つかるとかなりヤバイ。貰った1000円でクリーニング出しとくか…。
クリーニング屋に行く途中……。
バシャン。…………車に水をかけられた。ここしばらくは雨なんて降っていない。なんで、水溜まりがこんなとこにあるんだよ。
もう、知らねぇ。早く帰るべきだ。
………どうも、さっきから見られている気がする。振り向き確認するも、ただ、通行人がいるだけ……そんなことよりも早く………。
「副長、おかえりなさい。って、どうしたんですか?びしょ濡れじゃないですか。」
「水、かけられたんだよ。風呂はいる。」
「沸いてますよ。」
今日は、もう帰ろう。というか、もともと近藤さんが帰ってきたら家に帰れるし……それまで大人しくしておこう。
――――
――
―
「ゴメンね、トシ。もう帰ってもいいからね。」
「そうさせて貰う。」
クスクス。
ん?笑い声?
「なぁー、近藤さんなんか見られてる気がするんだけど……。」
「き、気のせいじゃないのか?」
「そうか。」
俺は大人しく家路についた。
「ただいま。」
今日は疲れた。
「おかえりなさい。あれ?着流し?」
「パパ~、おかえり~♪」
今日あった出来事を話した。
「大変だったんだね。お疲れ様。」
ソファに座りくつろいでいると、銀子にkissされた。
あくまで頬だけど。
「そういえば、俺プレゼント貰ってない。」
「プレゼントって?」
急に今朝のことを思い出した。神楽や新八には前日に渡したが、銀子と
「あぁ、クリスマスのか。………あるよ。」
「あんのか?」
なんだ、それなら早く渡してくれよ。
「はい。」
渡されたそれは、細長い箱だった。
「開けていい?」
「うん。」
開けると……白い棒が出てきた。
これは、妊娠検査薬。線がくっきり出てる。
「これって……?」
「妊娠したの。まだ、二ヶ月目だけど……トシの子だよ。」
思いっきり銀子を抱き締めた。
「ちょっと、苦しいって。」
「ヤバイ、嬉しすぎる。」
「喜んで貰えてよかった。」
顔が緩んで仕方がない。
妊娠、二人目……まだ、どっちかわからないけど……銀子のお腹に触れる。
「まだ、わかんないって。」
「最高のプレゼントありがとう。」
〈銀子side〉
「本当にこんなのでいいの?」
「はい。姐さん、ありがとうです。」
翌日。トシには内緒で沖田くんと逢って1枚の写真を渡した。
「あの野郎、警戒していて俺の前で寝てくれないんでさぁ。」
「単なる寝顔なのに?どんなイタズラするのか知らないけど、あんまりいじめないでよ?」
「わかりやした。けど、面白かったですね。特に、ミキが行ったときにはウケましたね。」
ミキっていうのは、トシに抱きついた女性。なんでも、沖田くんのペットらしい。
「まぁ、アイスは予想外だったけどね。」
「お金くれたからよかったじゃないですか。じゃあ、俺戻りますね。」
「バイバイ。」
沖田くんと別れて帰る途中、ベビー洋品店を見つけ中に入った。まだ、どっちかわなんないけど少し買って帰ろうかなぁ?
完?
一応、ここで終わります。