〈銀子side〉
「今日ね、妙がさぁ~。」
「まさか、またヘルプじゃないだろうな。」
「そんなんじゃないよ。お宅の局長さんと一緒に歩いてて、いい雰囲気だったの。」
「お妙さんが?」
今日買い物していた時に見た、衝撃の光景。
「うん、一緒にファミレスに入っていった。」
「遂に、やったのか?」
トシも唸りながら、食事してる。
お茶を注いで前に差し出す。
「で、ヘルプがなんでダメなの?」
「お前、前にした時ケツ触られたって言ってたじゃんか。」
少し怒ってる感じ。
「触られたって、少し手が触れただけだし……」
「ダメだからな。絶対にするなよ。」
「……うん。」
数日後。
「銀さん、お願い。」
「嫌だよ。トシに怒られる。この間するなって言われたばっかりなんだけど……。」
始めて妙が、引っ越してきた家に来たかと思ったら、すまいるのヘルプの依頼。
つまり、パー子になれってことで………トシからはダメだって言われてるんだけど、妙の持ってきたケーキ食べちゃったし、食べたのならヘルプしてって事になっちゃって……完全にはめられた。
「1週間だけ、それに明日から出張に行くんでしょ?1週間。」
「なんで知ってんの?」
「近藤さんも行くんですって、それで。」
そりゃ、出張に行くけど……。
「
「それなら大丈夫よ、神楽ちゃんたちが見てくれるから。」
「外堀は完璧って訳か……わかった。トシには内緒にしといてね。」
結局、引き受けちゃった………どうか、バレませんように。心の中で祈る。
ヘルプを始めて、1週間。今日で、この仕事も終わると思っていた時に、苦手な天人がやって来た。
「パー子ちゃ~ん、こっちに来て♪」
酔っ払いの天人が、上機嫌で手招きする。
「は~い♪」
妙が用意した、ミニ過ぎる着物を着させられていて、嫌だが横に座る。
「パー子ちゃん、子供いるってほんとゲコか?」
肩に手を当てられ、身体を寄せられる。この店おさわり禁止なんだけど……。妙は止めることなく、他の客の接客をしてる。すでに呑んでいて息が臭い。
「居ますけど…?」
何の話だろう?
「これ。」
1万円を渡された。
「いいの?」
なんて、気前のいい天人だろう。
「その子になにか買ってあげるゲコ。」
「ありがとう。」
蛙の天人なんて気持ち悪いと思っていたが、いい奴みたい。
「すみません。パー子さん、五番指名です。」
「少し行ってきますね。」
蛙の天人の席を外れて、五番に行く。
「お待たせしました。」
五番での接客を終え、席に戻る。
「遅いゲコ。……これ入れたから呑んで。」
ドンペリを渡された。正直、あまり好きではないけど、高いお酒だし。
喉が渇いていたこともあり、ぐぅーと一気に呑んだ。
「いい呑みぷりゲコ。もっと呑んでゲコ。」
なんだか、喜んでる。まぁ、いいか。
ふわふわしながら、天人が注ぐドンペリを呑んでいった。
―――
――
―
「んっ~……」
瞼が重いが、身体はふわふわしてる。
身体の横が沈んだ。重たい瞼をゆっくり開ける。
ピンクの照明。……ラブホ?
目の前に不気味な紫色の舌が現れる。目線を身体が沈んだ方に向ける。さっきまで一緒に呑んでいた蛙の天人がいる。
ヤバイ。
咄嗟に思うも、身体が動かない。こんなことならトシの言うこと聞いとけばよかった。
舌に見とれていると、kissされた。長い舌で口の中を掻き回される。嫌だ。ねっとりした相手の唾液、飲みたくないのに息が出来ず飲んでしまう。
吐き気がする。
「パー子ちゃん、いや、銀子ちゃん♪」
本名がバレてる。抱きつかれ逃げ出したいのに身体が動かない。倦怠感が半端ない。
「うーん?少し薬入れすぎたかなぁ?」
薬?………そういえば、今日のドンペリいつもより苦かったような?あれか………と他人事のように考えた。
「銀子ちゃん、我の子ども産んでくれゲコ。」
馬乗りになられる。子ども………赤ちゃん?
「…………ぃや……」
なんとか振り絞った声は、小さくて身体も未だに動かない。
「ゲコ♪」
服を丁寧に脱がされ、胸を揉まれる。
「……(やめて、嫌!!)」
大声をあげたいも、薬のせいか口が思うように動かない。
「いい忘れていたゲコ。その薬、身体が痺れるだけじゃなくて、媚薬の効果もあるゲコよ。」
媚薬?さっきから熱いと思っていたけど、部屋の空調のせいじゃなかったんだ…………って媚薬ってヤバくない?
水掻きの付いた手で、秘部を触られる。
せめて、動けたら……ピチャピチャと音を出される。ローションなんて使われてない。つまり、私が感じているってこと……。
「もう、いいゲコな。」
…………つぅーと背中に冷たいものが流れた。
蛙の天人が、自分の股からグロテスクな物を出す。今から入れられちゃうんだ。逃げたい。
トシ以外のなんて入れたくない。
ぐちゅっと卑猥な音がして、ゆっくりだけど確実に入ってきてる。私のアソコがトシの物から天人の物に書き換えられてしまう。
頬に冷たいものが流れる。身体は動かなくても涙は出るんだと思った。
ゆっくり、ピストン運動を始める天人。
「あっ………ん……」
薬が少し抜けてきたのか、喘ぎ声が出る。
ドンドン。トシよりあまり硬くないソレが1段と大きくなった時に、部屋のドアが強く叩かれた。
「もう、バレたみたいゲコな。まぁ、遅いゲコ。」
ドアが開くと、同時に中に出される。子宮内が圧迫されてお腹が膨れる。人間のモノとは違い、ゴツゴツ中を動かれてる。
「銀子!!」
「トシ?」
なんで居るの?そう思うと、水のようなモノが中に流し込まれた瞬間、トシが蛙の天人を斬り殺した。
「ごめんなさい。」
薬が完全に抜けたようで、喋ることができた。
トシがお姫様抱っこして、その部屋の風呂場に連れていかれる。
「トシ?」
無言で天人が出したものを掻き出そうと秘部に手を伸ばそうとする。
怒ってるのは、わかってる。トシの忠告を聞かずにヘルプの仕事受けて結局、迷惑かけた。
でも………。
パッン。
乾いた音が、浴室内に響いた。
「銀子?」
トシが叩かれた頬を擦りながら、こっちを見つめてくる。
「触んないで……」
肩を抱き震えが止まらない。触られたくない。
「大丈夫だから……」
トシが優しく抱き締めてくる。
妊娠しているみたいに大きく膨れたお腹が、蠢く。
コポッ音を立てて私の秘部から、ガマガエルくらいあるであろう大きさのおたまじゃくしがタイルの床に落ちた。
人間の赤ちゃんを産むときみたいな痛みはない。
ただ、通過するときに違和感があるだけ、粘膜で覆われているからなのかも知れない。
「トシ……やだ、産みたくない。」
私の本心。さっきまで触って欲しくなかったのに、今は自分からしがみついてる。
トシも子宮内に入ってるのを取ることは出来ず、ただ二人で出尽くすのを待つしかなかった。
「落ち着いたか?」
終始泣いていた私の身体を洗い、今は浴槽に後ろからトシに抱かれる形で浸かっている。
私が産み落としたおたまじゃくしは、トシの手により殺された。
愛なんてないけど、少し可哀想でこれが母性本能かなぁと他人事のように思う。
「うん。ごめんなさい。トシ…トシの言うこと聞いとけばこんなことにならなかったのに……」
泣き止んでいたのに、また泣きそうになってきた。
「あんまり泣くと、目赤くなるぞ。それに、アレ指名手配犯だから。」
訳がわからず首をかしげる。そもそも、なんでトシが来たんだろう?確かに今日出張から帰ってくるけど、それから2・3日は屯所での事務処理があるとかでいつも家に直帰しない。
「なんで、トシが居んの?」
「はぁ?」
逆に聞き返されそうになるけど、私の質問を理解したみたいで少し沈黙があった後、話始めた。
「……お妙さんから連絡があったって、山崎から電話が来たんだよ。『銀子ちゃんが居なくなった。』て……まぁ、連絡があったのが神楽とかじゃなかったから、ヘルプの依頼があってお前のことだから断れずに引き受けちゃったんだろうなって、安易に想像できたけどな。
けど、連絡貰った時俺たち新幹線の中だしどうすることも出来なくて、そんなときお前からメールが来たんだよ。」
「メール?」
そんなの送った記憶がない。眠ったままここに連れて来られちゃったし。
「お前がベッドに寝ている写真。しかも、タイトルまで付けてやがって、そのタイトルが“種付け開始”だし。お前の写真を見せるのは癪だが、山崎に送ってどのホテルが調べさせたんだよ。で、駅に迎い来るのを総悟に頼んでここに連れて来て貰ったの。」
「なんで、総悟くんがお迎えなの?」
他にも隊士は居るし、隊長である総悟くんがわざわざしなくても……?
「総悟の運転、荒いんだよ。ドリフトとか出来るし、急いでるときはアイツの方がいいの。まぁ、間に合わなかったけどな。」
「指名手配って言うのは?」
「レイプ魔なんだよ。なんでも、同族の奴らからことごとくフラれたみたいでそれで。他にも被害者が居たんだけど、美人好きって言う以外他の同族天人と見分けつかなくて、厄介だったんだよ。」
トシと喋っている最中、部屋の方から物音がする。
「ねぇ、これ何の音?」
「副長、終わりましたので我々は先に帰ります。駐車場に車を停めてますので……こちらに鍵置いときますね。」
「あぁ。」
私の質問にトシが答える前に、隊士の声が部屋と浴室を仕切っているドアからする。遺体を運び出していたのか。
「姐さんを逆上せさせるんじゃねぇぞ。くそ土方。」
「るぅせぇー、さっさと帰って今回の始末書書け。」
「嫌でさぁ、始末書書くのは土方さんの仕事じゃないですか?フォロー方だろ?
それに、姐さんに首輪つけて繋いでないからこんなことになったんでぇ。」
「そんな趣味ないわー」
トシと総悟くんの言い合いを聞いて思わず吹き出す。
「なに、笑ってんだよ。」
「なんでもない。」
「じゃあ、姐さん。俺、帰ります。何かされそうになったら、胸を1突きでさぁ。そしたら、死ぬんで。」
「いや、殺さないから。」
ケラケラと笑いながら、出ていくのがわかる。他の隊士も一緒なんだろう、足音が複数聞こえ徐々に遠退いていく。
「始末書って何したの?」
「パトカーでホテルに突っ込んだ。」
「え?」
「皆お前にはあーやって普段通りに接しているけど、内心すごく心配してたんだぞ。」
「ごめんなさい。」
「俺は、もう聞いたから。その言葉、真撰組と万事屋・お登勢さんとか皆に言ってやれ。」
「うん。」
「もう、1回パー子したらそんときは覚悟できてるだろうな。」
最後に、トシのドスの聞いた声が浴室に響いた。
To be continued