※この作品はR-18です。

闘技場~囚われの性少女~   作:ルーラー

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第十五話  第三ラウンド―脱がされる下着―

 アシモフに命じられるがまま、おずおずとミリアは仰向けに寝転んだ。

 もちろん、足も指示どおりに老人のほうへと向けられる。

 地面に広がった長い銀色の髪は、あたかも上質なシーツのよう。

 

「ううっ……」

 

 羞恥のあまりにか、アシモフと目を合わせたミリアが小さく声を漏らした。

 それに合成獣(キメラ)は怪訝そうな表情を作って、わざとらしく尋ねる。

 

「どうしたんじゃ? まさかとは思うが、まだ恥じらいの感情を捨てきれておらんのか?」

 

「あ、当たり前でしょう……!」

 

 無理もないことだろう。

 他人の目から秘所を隠し、守ってくれるはずだった純白の下着。

 それがいまは、股布(またぬの)部分がずれ、そうではない場所とて愛液を含んで透け、本来の役目を完全に放棄(ほうき)してしまっているのだから。

 だが老人は、そんなことは瑣事(さじ)だとばかりに疑問を呈(てい)する。

 

「解(げ)せんのう。すでに散々はしたない姿を晒(さら)したあとではないか。普通ならば、もう慣れるなり開きなおるなりしておる頃じゃぞ?」

 

「そ、そういうことを言うのはやめてください! そ、それに……慣れたり開きなおったりなんて、できるわけが……!」

 

 それを聞き、アシモフは口の端を満足げに歪めた。

 

「そうかそうか、それはなにより」

 

「……? なにを言って――」

 

「開きなおられては、嬲(なぶ)り甲斐(がい)がなくなってしまうからの。――いやいや、これでも一応の危惧(きぐ)はしておったんじゃよ?

 女のもっとも秘(ひ)すべき場所を観客たちの眼前に晒させた瞬間、こやつはその衝撃を和らげるべく『いまさら』と開きなおってしまいはせぬか、とな」

 

「でもさっき、『普通なら』って――えっ……? あっ……!?」

 

 そこまで口にして、ようやく気づいたらしい。

 下着に守られることなく曝(さら)け出されてしまっている、無毛の恥部。

 少女のそこに、闘技場の北側にいる観客たちの欲望にまみれた視線が集まって――否、突き刺さっているということに。

 

「やっ、嘘っ……。こんなっ……こんなのって……!」

 

 かぶりを振り、現実を認めまいとするミリア。

 だがそんなものは、なんの抵抗にもなりはしない。

 少女の陰部には無数のギラギラとした瞳が変わらず向けられ、それらから逃れることのできない彼女は、ただただその視線を一身に浴びせられ続ける。

 

 どんどん赤く染まってゆくミリアの頬。

 そんな彼女を見下ろしながら、アシモフは呆れたように呟いた。

 

「なんじゃ、観客たちの視線に気づいておらんかったのか」

 

「だって、だって……」

 

 軽い混乱を起こしてでもいるのか、ミリアの返事は要領をえない。

 だが、それも仕方のないことといえるだろう。

 観客たちと少女の距離は、かつてないほどに近く。

 その無数の視線は、無遠慮にも彼女のもっとも恥ずかしい場所に注(そそ)がれているのだから。

 

「お願いですから……。もう、見ないでください……」

 

 ゆえに、そう言って強く目をつむった少女の反応は、実に自然なものだといえるだろう。

 しかし、当然ながら老人はそれを赦(ゆる)さなかった。

 

「これこれ、閉じるでない。それではここまで連れてきた意味が半減してしまうじゃろうが」

 

「ううっ……。あううっ……。うくっ……」

 

 恥じらいの声と共に目を開くミリア。

 そんな彼女に、アシモフは敢えて自分の狙いを教えてやる。

 

「よいか、ワシがお主をここまで歩かせたのには二つの意味があるんじゃ。まずひとつは、お主の乱れる姿を観客たちに間近で見せてやるため。

 そしてもうひとつは、観客たちの目を、反応を、お主に見せるためじゃ」

 

「――っ……!」

 

 それはすなわち。

 ミリアにも、観客たちの好色な笑みを見せてやろうと。

 彼らが、どんな目で少女の痴態を観賞しているのかを見せてやろうと。

 嫌でもそれらが彼女の目に入るようにしようと。

 そういう企みに他ならなかった。

 

「じゃから、目を閉じてもらっては困るのじゃよ。

 ほれ、どうじゃ? 先ほどから観客たちと――お主が目の前で乱れるのを心待ちにしておる者たちと、幾度となく目が合っておるじゃろう?

 この者たちを例外なく満足させてやるのが、ワシに課された役割でな。というわけじゃ、どれだけ拒絶したくとも協力してもらうぞ、娘」

 

 そう声をかけながら、老人は少女の足元に座り込んだ。

 馬のものである四本の脚が器用にも折りたたまれ、両の手は下着にかかる。

 

「――あっ! やっ……!」

 

 たまらず取り乱し、彼の動きを制止しようと手を伸ばしかけるミリア。

 だが、いい加減に少しは学んだのか、彼女の両手はアシモフの邪魔をするまいと虚空(こくう)に留まった。

 行為を受け入れる様子をみせた少女に、老人は下卑(げび)た笑みを浮かべ、愛液にまみれて透けてしまった下着を脱がし始めた。

 

「……っ……ふ……。あっ……」

 

 濡れて重くなっている布地が下腹部を擦るたび、桃尻や腰の曲線を指で悪戯(いたずら)になぞってやるたび、ミリアがピクッと身体を跳ねさせる。

 口からも甘やかな吐息と艶(なまめ)かしい声が漏れ、それらが観客たちのモノをより一層硬くさせた。

 

「……ん……はっ……くぅ……」

 

「うん? この程度のことで感じておるのか? 娘」

 

「そんな、わけ――ひぅっ……。い、いまのは――んっ……わざと、やったでしょう……!」

 

 敏感に喘ぎながらも抗議される。

 アシモフは当然、軽い口調でとぼけてみせた。

 

「いやはや、とんでもない言いがかりじゃな。ワシはただ、お主の下着を脱がそうとしておるだけじゃよ。まあ、その過程でいくらか指が当たってしまってはおるが」

 

「こ、この卑怯者っ……!」

 

「そういうお主は、少し布が擦れただけでも感じてしまう淫乱(いんらん)娘じゃな」

 

「なにを――んっ……ふっ……」

 

 布地と肌が擦れるたびに生じる、甘い電流。

 老人の指によって、思いだしたように送り込まれてくる微弱(びじゃく)な快感。

 その二つに抗うように、少女は軽く首を振る。

 

「……ふっ……はっ……あ……。ま、まだなんですか……? いくらなんでも、もう――あっ! ま、まさか……!」

 

 脱がすだけにしては、込められている力があまりに弱い。

 そのことにようやく思い至ったのだろう。

 ミリアは慌てて腰を浮かし、地面との間に隙間を作った。

 

「気づくのが遅いのう、娘。じゃが、これでようやく下ろせるようになったわ」

 

 その言葉に、やっぱり、と彼女は強くアシモフを睨みつける。

 だが、そんなものは意にも介さず、アシモフは太もものあたりまで純白の布を下ろしていった。

 少女の秘部と下着の間にかかる、一本の透明な糸。

 審判の声が飛んできたのは、そんな蜜糸(みついと)がぷつんと切れ、ミリアが浮かしていた腰を戻したときのことだった。

 

『えー、もうお気づきのこととは思いますが、ただいまミリア選手は十四秒間に渡ってアシモフの行為を阻害――いえ、彼の行為の手助けを行わずにいました。

 私はこれを『抵抗』とみなし、『抵抗不可』の時間を二分延長させていただきます。なお『抵抗不可』の残り時間は、あと約十八分となります』

 

 それ以上、審判の言葉が続く気配はない。

 また、少女にも反論するつもりはないようだった。

 それを見て取るやいなや、老人は口撃(こうげき)を再開する。

 

「残念じゃったの、娘」

 

「……こ、こんなの、たいしたことじゃありません。残り時間はさっきよりも減っていますから」

 

「呵々(かか)、強気なものじゃな。第三ラウンドの開始時には、たったの五分しかなかったというのに」

 

「うっ……。それは、そうですけど……」

 

 ミリアを言い負かしたアシモフは、太ももから膝、ふくらはぎへと少女の下着を下ろしていく。

 

「あ、ああっ……」

 

 ときおり声を漏らしはするものの、その行為自体には、まんじりともせずに耐え続けるミリア。

 そんな健気な反応をされては、百戦錬磨(ひゃくせんれんま)の老人といえどもたまらない。

 もっともっと可愛がってやりたいという感情を、どうしたって抑えられなくなってしまう。

 むろんアシモフの『可愛がる』は、『辱(はずかし)める』や『責め嬲(なぶ)る』とまったくの同義であるわけなのだが。

 

 ともあれ彼は、純白の布を丸めるように足首まで移動させ、それを右、左と抜いていく。

 

「さあ、これで下のほうは一糸まとわぬ姿となったの。いや、まだブーツが残っておるから、そうとは言えぬか。

 しかし、ブーツは金属製じゃからな、布がないという意味でなら――」

 

「ど、どちらでもいいでしょう、そんなこと……!」

 

「いやいや、一部の人間には大事なことのようじゃぞ? いまここにいる観客たちに限定したとて、ブーツは残しておいてほしい者と、丸裸に剥(む)いたほうがよいという者とがおるはずじゃからな。むろん、ワシは前者じゃが」

 

「だから、そんなことはどうでも――」

 

「よくはなかろう? 観客たちに延々と視姦(しかん)されておるお主にとっては。

 そうそう、いま、大抵の者は股間を凝視しておるじゃろうがの、安心せい、世の中にはヘソのほうに興奮するという男もおるからな」

 

「――っ!?」

 

 老人の指摘に、ミリアは両手でバッと腹部を隠した。

 だが、それに不満の声があがることはない。

 理由は単純。

 そこをいつまでもガードしていることは不可能だと、すべての観客が理解しているからだ。

 それよりもいまは、この少女の恥部をこそ堪能しよう、と誰もが考えたからだ。

 

 そして、恥じらっておへそを隠したことが、彼女にとっては仇(あだ)となった。

 先ほどまでは、多少なりとも分散していた無数の視線。

 それらが、ミリアの秘密の場所という一点に集中し始めたのだ。

 

 大勢の人間がすぐそこにいるとは思えないほどの沈黙が、闘技場内に満ちていく。

 その不気味さに、彼女は「や、やあっ……」と小さく身を震わせた。

 むろん観客たちは、そんなことなど気にも留めない。

 すぐ間近で、ミリアの大事なところを食い入るように見つめ続ける。

 それは彼女に、錯覚とはいえ、物理的な圧力を感じさせてしまうほどのものだった。

 

 羞恥に縮こまるミリアを見て、アシモフは満足げな笑みを浮かべる。

 それから手にした純白の下着に目をやった。

 

「さて、次はこれをどうするか、じゃが」

 

「……ど、どうせ燃やすんでしょう? 第二ラウンドでショートパンツにそうしたときと同じように。

 さ、さあどうぞ。穿きなおしても気持ち悪いだけでしょうし、透けちゃってもいますし……。

 と、とにかく、もう一度穿くつもりなんて全然ありませんから、あなたの……す、好きにしちゃってかまいませんよ」

 

「言いよるわ。ワシに散々、身体を好きにされておるくせにの」

 

「わ、私のことを好きにしていいと言った覚えはありません……!」

 

「お主の許可など、得る必要もないわ。――まあ、しかし、確かにお主の言うとおりじゃの。透けてしまうほどにお主の蜜を吸ってしもうたわけじゃから、もう一度これを穿こうなどとは思えぬじゃろう」

 

「わざわざ繰り返さないでください……!」

 

「呵々(かか)、事実じゃろう? そう恥ずかしがるな。――じゃが、ワシとて物の価値くらいは把握しておる。これを燃やしてしまうのは……いくらなんでも、もったいなかろう」

 

「……どういう意味です?」

 

「なあに、こういう意味じゃ……よっ!」

 

 その言葉と共に、老人は後ろを振り向くことなく、ミリアの下着を観客席へと放り込んだ。

 

「ああっ……!」

 

 この展開は予想していなかったのだろう。

 彼女は驚愕の声を漏らしつつ、純白の布を探すように観客席へと目を向ける。

 そこでは、観客たちによるミリアの下着の奪い合いが始まっていた。

 

 それは、あまりにも貴族としての品性を疑いたくなるような光景。

 だが、それも致し方ないことなのだろう。

 今宵(こよい)の観客たちは、ほぼ全員がそういった趣味を持つ者たちであり。

 観客席に投げ込まれた物は、十七歳の美少女が穿いていた、清楚(せいそ)な意匠(いしょう)の下着であり。

 なによりその純白の布地には、直前まで散々乱れていただけあって、闘技場に入ってきたときの彼女には似つかわしくないほどの淫猥(いんわい)な蜜が、滴(したた)り落ちんばかりに染み込んでいるのだから。

 

「どうじゃ? つい先ほどまで自分の穿いていた下着に、見知らぬ男どもが群がっておるさまは。

 お主の身体を自由にできておるワシなんかの目には、正直、滑稽(こっけい)にも映るのじゃが……。まあ、よかったのう。ワシなんぞが思っていたよりも遥かに人気があるようじゃぞ? お主」

 

 むろん、彼女がそんな人気を望むことなどありえない。

 下着を脱がされた少女は、ただただ涙目になって訴えた。

 

「やめ、て……。そういうこと、言うのは……やめて、ください……。あの人たちも、やめ、させて……。お願い……です、からぁ……」

 

「前者はともかく、後者の願いは聞いてやれんのう。ワシや審判が言っても聞かぬじゃろうし。――いや、やめさせる方法は……あるといえばある、か?」

 

「あ、あるんですか……? だったら、お願いです……! すぐ……! いま、すぐに……!」

 

 ミリアの懇願に、アシモフがニヤリと笑みを浮かべる。

 

「いますぐに、か。……まあ、やってやらんこともないぞ」

 

「ほ、本当ですか!? 本当に、あの人たちをいますぐ止めてくれるんですか!?」

 

 どうせ聞き入れてなどもらえないと、半ば諦めていたのだろう。

 少女の瞳に驚愕と期待の色が浮かんだ。

 

「お願いします! 早く! どうか早く!」

 

 急(せ)かすミリアに、老人は呆れた声を作って返す。

 

「そう慌てるでない。そもそもお主、具体的な方法とて聞いてはおらんではないか」

 

「あ。す、すみません。つい……。えっと、それで、一体どうやるんですか?」

 

「なに、単純な方法じゃよ。……といっても、情けないことにワシひとりではできんのじゃがな。どうしたって、お主の協力が必要になる」

 

「私の、ですか? ……わかりました。あの騒ぎを治めるためだったら、なんでもします」

 

 なんでもする。

 アシモフの狙いに気づくことなく、少女は決定的な言葉を口にした。

 

「そうかそうか、それは助かる。なに、方法は本当に単純なんじゃよ。要は、お主の下着以上に、観客たちの興味を引く『もの』を提供すればいいんじゃ」

 

「あれ以上に、ですか? ――あっ……。え、えっと……それはつまり、今度は……その、私の胸当てとかを放り込め、とか……?」

 

「いやいや、そんなものでは駄目じゃろう。お主、観客たちが今宵、一体なにを見に来たと思っておるんじゃ?」

 

「なにをって、それは――って、ま、まさか……」

 

「思い当たったかの? 娘」

 

「で、でも、そんなのは……。その、本末転倒といいますか……」

 

 ようやく観客たちに提供する『もの』の察しがついたらしく、ミリアが拒否の態度を示し始める。

 だが、後退することすら禁じられている彼女が、老人から逃げることなどできはしない。

 

「なにを言っておる。それともなにか? 『なんでもする』というのは偽りか?」

 

「い、いえ……。偽りだなんて、ことは……」

 

「ならば、ワシに協力するのじゃな? いや、違うの。あの騒ぎを治めるためなんじゃから、ワシがお主に力を貸してやるというほうが正確か」

 

「いくらなんでも、それはさすがに違う気が……」

 

「騒ぎを治めたいのはお主であってワシではない。ならば違うことなどないではないか。事実、ワシはあれを放置しておいても一向にかまわんのじゃから」

 

「わ、私はかまいます……!」

 

「ほれ、やはりワシが協力する側ではないか。――さて、そんなわけで、じゃ。乱れる準備はよいか? 娘。

 言っておくが、生半可な痴態では観客たちは振り向かぬぞ? もう見飽きられてしまったじゃろうからな。じゃからお主には、ここらでひとつ派手にイってもらわねば」

 

 その言葉に、ミリアの顔が青ざめる。

 

「『行って』って、まさか……!」

 

「うむ、せっかく『なんでもする』とまで言ってくれたわけじゃからな。そろそろ一度くらいは、の」

 

「や、やめてください! 『堕落に繋がる天国』になんて、絶対に行きたくありません!」

 

「ふむ? 『なんでもする』のではなかったか?」

 

「そうなんですけど……。で、でも……。それは……だって……」

 

「いい加減に覚悟を決めい。『なんでもする』と言ったのは、他でもないお主なのじゃぞ?」

 

「う、ううっ……。でも……でもぉっ……」

 

「なあに、そう怖がるでない。お主はただ仰向けに寝転がっておればいいんじゃ。あとはワシが、ゆっくりと、可愛がりながら、優しく導いてやろう」

 

 そう、怯えるミリアにささやきかけながら。

 アシモフは少女の秘裂へと右手を伸ばしていった。

 「……一度目くらいは、の」と、彼女には聞こえないように呟きながら――。

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