「お、お願いします……。できるだけ、その……や、優しく……」
顔を真っ赤にしたミリアの口から発せられた、その言葉。
むろん、そう言うように仕向けたのはアシモフである。
だが、別に『こういうふうに言え』と言葉を与え、強制したわけではない。
つまり、羞恥に頬を染めながらの『おねだり』は、紛れもなく、ミリアの内側から出てきた、本心からの言葉なのだ。
間違った知識を与えたのは、老人である。
そして少女の『おねだり』は、それに後押しされてのもの。
だがそれでも、闘技場のサーヴァントに愛撫をねだるその気持ちに、嘘偽りはないはずなのだ。
その証拠に、ミリアの瞳には期待の色があった。
自分に快楽を与えてほしいと、熱く、甘く、潤んでいた。
求めているのだ、彼の手による愛撫を。
望んでいるのだ、心の奥底では。
本人には、自覚などないだろう。
だから言葉にして突きつけてやっても、『それしか方法がないのだから』と言って逃げるに違いない。
求めてなどいないと、
だが、わかる。
アシモフには――否、少女の瞳を見た者には、わかってしまう。
彼女はいま、自分からねだるという行為に、かつてないほどの興奮を覚えている、と。
いくら『そうするしかないから』と言い訳しようとも、口に出して求めることで、老人に与えられた情欲の種火を自分で大きくしてしまっている、と。
そうとわかれば、すぐさま応じてやることはない。
自分の頭で考えさえ、のぼせあがるような文句を思いつかせる。
そうすれば、ミリアは情欲の炎を自分の意思でより燃えあがらせてくれることだろう。
「――お願いします、か……。いかんせん、それじゃと一体なにをお願いされたのか、よくわからんのう」
「そ、そんな……。頼めば、ちゃんとしてくれるって、言ったのに……」
「じゃから、お願いしますだけでは、なにをお願いされたのかがわからんのじゃよ」
目尻に涙を浮かべ、少女はうつむく。
だが、すぐにアシモフのほうへと視線を戻した。
「み、右の胸に……そ、その……して、ください……」
「ふむ、なにをしてほしいんじゃ?」
その返しに、とうとう涙声になってしまうミリア。
「……わ、わかって……るんで、しょう……?」
これでは発情するものもしなくなってしまうか、と老人は考えなおす。
そして彼は
「むろん、わかってはおるよ。わかってはおるんじゃが……それでも、お主の口から聞きたいのじゃ」
「なんで、そんなぁ……。……お、お願いですから、もう……いじわる、しないでぇ……」
「む、むう……。いまのは、なかなかにグッときたのう」
「えっ……? じゃ、じゃあ……」
「じゃが、駄目じゃ。そもそも、してやるのはワシのほうで、お主はその間、ただ突っ立っておるだけじゃろう?
ならば、労働の対価なりワシへの感謝の気持ちなり、そういうものがあってもよいのではないか?」
これにはさすがのアシモフも、我ながら調子のよいことを言っておるなと感じてしまった。
これから行おうとしていることは、治療めいたものでは断じてない。
自分の――ひいては観客たちの欲望を満たすためだけの行為である。
それを『労働』と称し、あまつさえ感謝の気持ちまで求めようとは。
だがミリアには、その言い分に納得できるところがあったらしい。
「……い、言われてみれば、そうかもしれません。確かにいまのは、私の
わ、わかりました。言います。私の口から、私の言葉で、
少女はそこで、一度言葉を切った。
そして訪れる、しばしの沈黙。
おそらくは、老人の狙いどおりに、頭の中で言葉を探しているのだろう。
あちこちに顔をさまよわせ、ときおり、本当にそれを口にしなければいけないのか、とでも言いたげにアシモフの顔色を
やがて、『おねだり』の言葉が決まったのだろう。ミリアは一度だけ、身体を大きく震わせた。
いまさらではあるが、逃げだしてしまいたい気持ちにでも襲われたのかもしれない。
だが一方で、義務感めいたものも生まれたようだった。
『恥辱ここに極まれり』みたいな表情を浮かべながらも、彼女は羞恥心を抑え込むように強く目を閉じ、言葉を紡ぐ。
「……わ、私の胸を……左にしたときと、同じように……その、か、可愛がって……く、くださいっ……!」
そう口にしたことで、さらに興奮してしまったのだろう。
内股気味になっている少女の秘部から、とろりと恥ずかしい蜜が垂れてきた。
だが、せっかく情欲の度合いを強めているのだからと、老人は追いつめることなく敢えて見逃す。
「うむ、なかなかによいねだり文句じゃ。……しかし、もう一声ほしくもあるのう」
不安げに、しかし甘く潤んでもいる瞳を、アシモフに向けるミリア。
「もう、一声……?」
「言うたじゃろう? 女の乳は、男に愛されねば育たんのじゃ、と。ならば、もう言うべきことなど決まっておろう?」
「あ、あうう……。えっと、えと……。そ、それを言えば……仮に私が、間違えたとしても……して、くれますか……?」
「あまりにも見当外れのことを言い出さない限りは、な。ああ、目を閉じることなくねだれるようなら、なお、よいのう」
「わ、わかりました。では……」
そこまで言って、一度だけ深呼吸。
そして少女は、愛液が伝っている太ももをしきりに擦り合わせながら、再度
「……わ、私の胸を……あ、愛して……ください。あなたの手で……そ、育てて……くだ、さい……」
蜜が次々と垂れ、内ももを伝ってブーツの中まで滑り落ちていく。
むろん、地面に直接落ち、ポタポタと染みを作っているものもいくつかあった。
それを正しく認識しているからか、それとも自分の発した言葉にやられたのか、彼女は立っているのもやっとというように脚をガクガクと震わせる。
「……あの、これで……して、もらえま、すか……?」
「上出来じゃ。――よかろう、お主の望みどおりに愛してやろう。ちゃんと左右同じ大きさになるよう、ワシの手で揉んで育ててやろう。
むろん、ワシにできる限り優しく、の」
「――あっ……! は、はい……! ありがとうございます! それと……その、よろしく……お願い、します……」
「任せておけ。しかし、娘よ。なぜそんなに赤くなっておるんじゃ?」
「あ、えと……。自分の言ったこととはいえ……あ、いえ、だからこそなのかもしれませんが、それをあなたの口から改めて言われると……その、
言うまでもなく、狙ってやったことだった。
だが老人は「そんなものかの」と軽く流すことにした。
それから、注意事項でも伝えるかのように言葉を続ける。
「言っておくが、ワシの愛撫には大人しく身を委ねるようにの? 声も、出るに任せるようにするのじゃぞ?」
それにミリアは少しだけ息を荒くし、肌全体をさらに上気させた。
「……わ、わかりました。恥ずかしいですけど、い、いまだけは……そう、します……」
「うむ。では約束どおり、またよくしてやるとするかの」
すっかり素直になった少女の態度に気をよくし、アシモフは左手を彼女の右胸へと向けてわきわきと
対するミリアは、期待の中に少しばかり疑問の色を
「約束、どおり……?」
「ああ、約束というと
「あ、あれはっ……! その、つい口を滑らせてしまったというか……あ、いえ、そうではなくっ! え、えっと……ですから――んんっ!?」
必死になって否定の言葉を探している少女の右の膨らみを、老人は『自分に嘘をつくな』とばかりにわし掴む。
だが、これはミリアを少しばかり怯えさせてしまったらしい。
「や、優しく愛してくれるって、言ったのに……」
「『できる限り』とも言ったじゃろう? それに、ワシの『優しく』とお主の『優しく』が同じ意味合いじゃとは到底思えん。つまり、お主が勝手に勘違いしておっただけ、ということじゃな」
「ううっ……。ひ、酷いです……」
「こ、これ! 泣きそうになるでない! まったく……仕方がないのう」
せっかく『合意の上』のような状況を作りだせたのだ。
この少女を快楽に
ゆえにアシモフは、しばし意地の悪い言葉を引っ込めることにした。
むろん、強制的に快楽を送り込み、ミリアを言葉で
「……ふっ……。あ、あの……は、ふ……す、少し……い、いいですか? アシモフ」
きめの細かい乳房に五本の指を
「左のときは……はあっ……指一本だったのに、いまは……ぁっ……一度に五本って……んっ……それは、大丈夫……ぅんっ……なん、ですか……?」
「同じやり方では芸がなかろう? なに、案ずるな。確かに刺激の与え方は違うがの、それでも、ちゃんと同じ大きさに育つのが女の乳というものなんじゃ」
「そういうもの……ふぅ……なんですか……。……ん、あぁ……」
うなずいて、少女は大人しくアシモフの左手に身を委ねる。
腰をくねらせ、太ももを擦り合わせ、小さく首を左右に振ったりもしながら。
乾いた地面を
「そろそろ少し力を入れるぞ?」
ミリアが快楽を受け入れやすいよう、前もって行為の内容を教えてやる老人。
そして予告どおり
「……ふぅっ……はああっ……な、なんか……その指の動き……あふっ……いやらしい、ですっ……」
「いやらしいことをしておるんじゃから、当然じゃな。――ほれ、こんなのはどうじゃ?」
これはいやらしい行為なのだ。
そう、文字どおり身体に覚え込ませようと、アシモフは指をまさぐるように動かしていく。
「……やっ……はあっ……はぁんっ……いやらしいっ……いやらしいですぅっ……」
「そうじゃろう、そうじゃろう。念のためにもう一度言っておくが、声は我慢しちゃいかんぞ?」
「……はっ、はいぃっ……。がまん、しませんっ……。……あ、ふあっ……ふぅんっ……ああ、も、もまれてる……あふっ……むねぇ……ふにふにって、もまれてるぅ……。あん……」
老人の指使いに応え、素直に甘い声を漏らす銀髪の少女。
恥ずかしい蜜はとめどなく溢れ、太もものほうも、そうしていなければ崩れ落ちてしまうとばかりに激しく擦り合わされている。
握られる両手。
左右に振られる首。
そして桜色の蕾をアシモフの掌に擦りつけようと
ミリアが快楽を進んで受け入れ、
それを、彼女の仕草すべてが証明していた。
「……はあ……は、ふんっ……ああっ……。あっ、そんな……強すぎぃっ……! ぐいぐいって……ああぁんっ……!」
「その割には、気持ちよさげに鳴いておるではないか? 荒々しく揉みしだかれるのも、これはこれでよいものじゃろう?」
「……ふあぁんっ……! いいです、けどっ……ひうぅっ……で、でもぉ……ふぅんんっ……! こ、これはぁっ……りょうほう、の……くふうぅぅんっ……! おお、きさを……はあぁああっ……! そろ、えるため、に……んくうぅっ……! しか、たなく……ぅうんっ……!」
その言葉に、アシモフは軽く驚いた。
快楽に溺れ、
それでもミリアは、正常な思考を保ち続けていた。
快楽を得ることは手段であって目的ではないのだと、まだしっかり憶えていた。
ならば、次は。
その思考を、甘く乱していってやるとしよう。
そう考えながら、老人は膨らみから一度手を離し。
左手の人差し指を、ぷっくりと膨らんでいる乳輪へと移動させ始めた。
「……え、あ……? ……あ、そっか……。次は、そこを愛してもらわなきゃ……いけないん、でしたね。そして、その次は……い、いよいよ……。
うう……。は、恥ずかしいですけど……でも、我慢しなきゃ……いけないんです、よね。あ、いえ、我慢しちゃ……いけないん、でしたっけ……?」
快感と羞恥に身をくねらせ、太ももを擦り合わせることでどうにか正気を保っているミリア。
そんな彼女を、なにも考えられなくなるくらい焦らしてやろうと。
延々と乳輪だけをなぞり、自身の口から次なる責めを求めさせてやろうと。
そしてその果てに、いつかは必ず胸だけで絶頂させてやろうと。
そんなことを、考えながら――。