アシモフの左の人差し指が、熱い吐息を漏らしているミリアの右胸へと伸びる。
狙うは胸の頂きの中心付近。
硬くしこり勃っている桜色の蕾を
「――んっ……!」
おそらくは、反射的なものだったのだろう。
ぷっくりと膨らんでいるそこに触れると同時、彼女は甘い声を出しかけ――瞬時にそれを押し殺した。
それを聞きとがめた老人は、少女を軽くたしなめる。
「これこれ、声を我慢してはならんと言うたじゃろう」
「す、すみません。その、なんというか、つい……」
「……まあ、よい。次からは気をつけい」
「は、はい。わかりま――ぅんっ……!」
本当にわかっておるのじゃろうなと、アシモフは返事の途中で乳輪をつついてみた。
だが再び漏れ出た
闘技場のサーヴァントは、そんなミリアに「やれやれ」と嘆息し。
「まったくわかっておらんではないか」
「い、いまのは……だって、その……」
はしたない言葉を口にしなければ、老人に反論することはできないと気づいたのだろう。
ミリアは顔を真っ赤にして、恥じ入るように押し黙った。
身につけているものは
そんな彼女の恥ずかしげな表情を目の当たりにし、アシモフは少女にさらなる羞恥を与えてやりたい衝動に駆られた。
しかし、彼はそれを必死に抑え込む。
いまは、言葉で
いまは、彼女に
そう自分に言い聞かせ、老人はミリアに優しく声をかけてやる。
「まあ、女の身体の中でも比較的敏感なところではあるからな、ここは。仕方のないことといえば、そうなのかもしれん」
「そ、そうなんです! 別に、我慢しようと思ってしたわけではなくて――」
「じゃが、さすがに心の準備はできたじゃろう? 男に愛されるときに女がするべきことは、あとたったひとつだけじゃ。お主にもちゃんと教えてやったことじゃからな、もうわかっておるじゃろう?」
「あ、はい。……えっと、大人しく身体を委ねる、ですよね?」
「うむ、そのとおりじゃ。身体から余計な力を抜き、ただワシの送り込む快楽を受け入れておれば、それでよい。――というわけで、そろそろ指を動かしてやろうかと思うのじゃが……よいかのう?」
「は、はい……。よろしく、お願いします……」
蚊の鳴くような声でそう口にし、銀髪の少女は小さく深呼吸する。
それが終わると同時、淡く色づいている乳輪に老人がぐるりと円を描いた。
「……ふあっ……あ、ふ……ああ……」
「それでよい。抑えることなく声を出すのじゃ」
「……ふぅっ……は、はい……。あっ……ふ、ぅん……」
太ももを擦り合わせながら、ミリアは半開きになっている口から甘い声を漏らし続ける。
「……ん、あ……はあ……ん、んん……は、ああ……あ、ん……」
愛液が絶え間なくつたい、ときおりガクガクと震えてさえいる少女の脚。
快感の波に呑み込まれ始めていることは
「どうじゃ? ちゃんとよくなってきておるか?」
ミリアは彼の狙いどおりに全身をブルッと震わせ、肯定の言葉を返す。
「……ふ、ああ……は、はい……ちゃんと……はあぁ……ん、ふぅ……」
「そうかそうか。では、少し変化をつけるぞ?」
「……へん、か……?」
桜色の輪に、ぐるぐると右回りの円を描き続けるだけだった老人の指。
彼はそれを自分の思うがままに動かし始めた。
「ほれ、まずは逆回転じゃ」
「……ふあっ……あ、ああ……な、なに……そんな……ぁ……」
しかし、左回りに指を
その感覚にミリアが慣れてしまわぬようにと、次にアシモフは半円を描く動きへと移る。
「……く、ふぅっ……なんで……う、上のほうまで、きて……くれな……あふっ……」
「うん? もしや、もの足りぬのか?」
「ううっ……。……く、ん……そ、れは……ぁっ……」
指でなぞる範囲を徐々に
「もし、もの足りなくなってきたら正直に言うんじゃぞ? より強い刺激を求めるのは自然なことじゃからな」
「は、はい……。……ん、ふ……」
一回転させない代わりにとばかり、アシモフは指の動きを速くする。
指が往復する範囲がかなり狭くなってきていることもあり、その動きはもはや『なぞる』というよりも『擦る』と表現したほうが正確だった。
「……くっ……はっ……それ、だめぇっ……こすら、れると……ふああっ……なんか、熱くっ……はんっ……」
少女の喘ぎ声が大きくなってきたところで、老人が乳輪から人差し指を離す。
「……え、あ……?」
きょとんとした、だがとろけ始めてもいる瞳をアシモフに向けるミリア。
そんな彼女の反応に内心でほくそ笑み、闘技場のサーヴァントは少女の胸の先端を指先でつついて「――ひゃぅっ!?」と声をあげさせてから。
「さて、次はこのあたりを集中的に可愛がってやりたいのじゃが……かまわぬか?」
「えっ……? あ、えっと……。も、もうちょっと、さっきまでのを……その……」
「続けてほしい、か?」
最後までは口にできなかったミリアへと助け舟を出したアシモフに、少女は目を強く閉じつつも、無言でこくこくとうなずいた。
そんなミリアの健気な反応に、老人は乳首に指を触れさせたまま問いを重ねる。
「なるほどなるほど。その輪にワシの指をゆるゆると這わされるのが、お主好みの愛され方というわけなんじゃな?」
だが、その言葉にうなずきは返ってこない。
目を開き、しかし、アシモフのことを直視はできないのか顔をうつむけ。
視線をさ迷わせながら、少女は否定めいたことを口にする。
「こ、好みとか……そういうのでは、なくてですね……」
だが、太ももを
だからこれは、あとで言い訳がきくようにするための言葉に違いない。
積極的に求めてなどいなかったと、のちのち、ちゃんと言えるようにと。
ゆえに老人は、それを先回って潰しておこうと、少女の可憐な蕾を摘みあげた。
「――ひゃんっ!? ……な、なんで……!?」
当然のように非難がましい目を向けられたが、闘技場のサーヴァントは意に介することなく告げてやる。
「いやなに、じゃったらお主が好む愛し方を探ってやらねばならぬじゃろう、と思うてな」
そして、桜色の乳首を摘んだ親指と人差し指に力を込め、ぎゅっ、ぎゅっ、と圧迫してやった。
「やっ……! それ、ひぅんっ……やああっ……ふぁんっ……はっ……はあっ……もう、おねがっ……さっき、みたいにっ……はぁうっ……!」
「さっきみたいに? ということは、やはりあれがお主の好みなんじゃな?」
「……だっ、だから……ふあっ……このっ……このみとかっ……ひぁっ……そう、いうの……ひやぁっ……そういうの、じゃっ……」
「ふむ、そうか……。では、しばらくこれを続けようかの」
「……ひぁんっ……はふっ……やっ……だめぇっ……これ、だめっ……はぅんっ……ひうぅっ……あ、はっ……!」
闘技場内に絶え間なく響き続ける、ミリアの嬌声。
それをもっと引き出したくなり、彼女を二本の指だけで
むろん責めの内容は、基本、もっとも効果があるであろう順番で行ってはいるのだが。
「……はっ……あっ……あ、ふっ……お、おねが……もう……あふっ……んくぅっ……ひゃうんっ……!」
「うん? そろそろお主好みの愛され方をしてもらいたくなってきたかの?」
「……はうっ……んくっ……は、はいっ……おねがい、ですからっ……私の、このみのっ……ふあっ……! んふっ……」
「おお、ようやく素直に認めたか。それにしても、お主は本当に快楽に弱いのう」
「……あぅんっ……よわっ……よわいんですっ……よわいから、やめっ……! もう、それはやめっ……んふうっ……ふあっ……あふぅんっ……」
目的の言葉すべてを少女の口から引き出すことに成功した老人は、「よかろう」と可憐な乳首を解放し、人差し指をぷっくりとした輪へと戻した。
むろん、もっと責め続けていたいという気持ちはある。
だが、これ以上この行為を続けるのはまずかった。
理由は単純。
これ以上やると、『自分は
それは得策ではない。
いまは『愛されている』と思わせ、病みつきになるような快楽を彼女の身体に強く深く刻み込ませておきたいのだから。
ゆえにアシモフは、惜しく感じる気持ちを押し殺して少女に告げた。
「では、娘よ。存分に
「あ……」
指を動かすと同時に力なく漏らされたミリアの吐息が、背を屈めている老人の頬をくすぐる。
そしてそれは、すぐに熱っぽく
「……はあ……ん……ふぅ……あっ……」
その喘ぎを聞きながら、闘技場のサーヴァントは彼女が望んだとおりに乳輪を愛撫していく。
「……は、ふ……ああ……んふぅ……ふああ……」
ゆっくりと。焦らすように、ゆっくりと。
「……あ、は……はぅん……ふあ……んっ……あん……」
ひたすらに時間をかけ、じっくり円を描いていく。
「……あ、ん……ふうぅ……はああ……んんっ……」
目を軽く閉じ、うっとりとし始めたミリアの口から漏れているのは、甘い吐息。
太ももを擦り合わせながら、小さくも心地よさげに喘ぎ続ける。
「……ふ……ん……あ、あう……ん……んふっ……」
だがそれも、三度目の円を描き終えるあたりまでのことだった。
「……ん、んん……あ、あの……くぅ、ん……あ、アシモフ……?」
「なんじゃ? ワシはちゃんと、お主がもっともよくなれる愛し方をしておるが?」
「そ、そうなん……は、あ……です、けどね……? あふっ……でも、なんだか……」
熱に浮かされたような、しかし、頭はしっかりと働いている瞳で、少女はアシモフを見る。
「なんだか、変なんです……ぁっ……。……気持ち、いいのに……なんか、違うんです……。……んっ……は……」
『焦らし』の効果が出てきたようじゃな、と内心でほくそ笑む老人。
「ほう? 違うとはどういうことじゃ?」
「その……身体はとても熱いのに……はあ……熱い、はずなのに……ふうっ……いまひとつ、熱くなりきれなくて……んっ……じれったいというか、もどかしいというか、そんな感じ、なんです……」
そう言いながら、ミリアはもじもじと太ももを擦り合わせる。
「……そんな、なぞる動きじゃ……あの、その……あっ……んん……そ、そうです。アシモフ、さっきの……ほら、えと……ん、はぁ……あれを、やっても……いい、ですよ……?」
「あれ、とは?」
むろん見当はついていたが、切なげにその身をくねらせる少女の口から言わせてやろうと、アシモフは敢えてとぼけてみせた。
「……はふっ……だ、だからぁ……んっ……その……あ、はあ……ちくび、つんつんってして……ぎゅっ、て……」
「おお、あれのことじゃったか」
白々しくうなずいてみせる老人。
だが、乳輪から指を離すことはしない。
再度問いかけ、ミリアを言葉で追いつめていく。
「しかしのう、お主は『これ』が一番よいのではなかったか?」
「えっ……?」
「先ほどは嫌がっておったではないか、乳首を愛されるのは」
「だ、だって……、さっきは……」
「先ほどワシは言うたじゃろう? できる限り優しく愛する、と。じゃから、お主の嫌がるようなことはしたくないんじゃよ。むろん、いまだけは、じゃがな」
「……あ、うぅ……」
「そういうわけじゃ。まだしばらくはお主好みの愛し方を続けてやるから、安心せい」
「安心、なんて……。いいですから……乳首を愛してくれても……つんつんってしても、いいですからぁ……」
しかし、それにも老人は意地悪く首を横に振ってやる。
「娘よ、『してもいい』などと強がらんでよい。確かにワシとて、同じ可愛がるなら乳首のほうがよいがの、じゃからといって、それに合わせて無理をすることはないんじゃ」
「無理なんて、してな――」
「そも、『してもいい』ということは、選択権はワシのほうにあるのじゃろう? ならばお主は、しばしの間、ワシの愛撫に大人しく身を委ねておれ」
「そんな……そんなぁ……」
「なに、心配するでない。頃合いと判断したら、ちゃんとそちらも可愛がってやるから」
「……ううっ……あうぅ……。……ふっ……はああっ……」
そしてアシモフは、愛撫という名の『焦らし』を再開した。
絶えず溢れている愛液にまみれ、てかってしまっているミリアの太もも。
そこがもどかしげに擦り合わされているのを盗み見ながら――。