「ひゃっ! ――んんぅっ! ……ふあっ! くふぅっ……! んああああっ……!」
黒いタイツ越しに蛇が動くその度に、ミリアの艶かしい声が闘技場内に響き渡る。
一切の容赦がない、強く激しい前後運動。
それは、一般的に『素股』と呼ばれる行為に似ていた。
「ま、待ってください! やめて……止まって、
分厚いタイツの守りがあるとはいえ、もう、その奥に秘められている少女の
そこをウロコが擦る度に、意識せず腰が動き、意図しない声が漏れているに違いない。
「……んあっ、ふうぅ……ふあぁ……んんぅ……」
ただ激しく責めているだけでは芸がないと、アシモフは蛇の動きを緩やかなものへと変化させる。
少女はそれに、甘く、気持ちよさげな吐息を漏らすことで応えた。
それに
「……んぅ……んっ! ああ……ふああっ……!」
強く、弱く、緩急をつけ。
蛇は前へ後ろへと動いて、少女の秘密の場所を擦っていく。
その度にミリアが浮かべるのは、心地よさげな表情だ。
もはや誰の目にも、その身に与えられる快楽を進んで受け入れているようにしか見えない。
だから、アシモフは――
「――ひゃうっ!? ああっ! やめ、やめえっ……! そんな強く……っ!?」
彼女がその感覚に
といっても、刺激は厚手のタイツ越しにしかしていないのだ。
それがいかに少女の『女』の部分を往復して擦ろうとも、それだけで絶頂までには至るまい。
「やあっ……! それ、以上はぁ……っ! また……また、なにかがきちゃうっ……! なにか、漏れちゃうっ……!」
ゆえに、その言葉が意味するものも、おそらくは絶頂のそれではないはず。
「おお、漏らせ漏らせ。好きなだけ溢れさせるがよい」
ミリアの身体は、アシモフの両腕が拘束している。
決して逃れられないよう、腰のやや上を掴み、固定している。
内ももの間を前後に擦り動く蛇の感触を、往復の度に流れているであろう快楽の電流を、彼女が存分に
「……もうっ、もうやめ……あああっ……! やめ、やめっ……! ふあぁっ、べとべとっ……べとべとするぅっ……!」
背を大きく反らし、股間を擦られる感覚に身悶えるミリア。
『べとべとする』ということは、おそらくタイツの中では少女の恥ずかしい蜜が溢れ始めているのだろう。
目をやれば、確かにタイツの股間部分の色が、先ほどより濃くなっているようにも見える。
「……ああ……ああ……ふあぁ……やうあぁ……」
喘ぎながら、力なく首を振ることしかしなくなったミリア。
それを確認したアシモフは、手持ち
だが、その目的は愛撫ではない。おとなしく快感に
彼女の装備している胸当ては、自分の力では破壊できない。
全力で放つ『気』の波動でなら壊せるだろうが、それだとミリアの命をも奪ってしまう危険があった。
今回、アシモフが命じられたのは『ミリアを乱れさせること』であり、痛めつけたり殺したりすることではない。
ゆえに、最高級品の胸当ては、この場面で外してしまう必要があった。
そう、『外す』のだ。
破壊ではなく、普通に取り外してしまうだけ。
それなら、どれだけの強度を誇る防具であろうとも、その防御力は意味を成さない。
背中から生えているものとはいえ、彼のそれは人間の手だ。
ゆえに、その両手の扱いに苦労することはなく、アシモフは容易く留め金を外し、銀色の胸当てを彼女の胸元から取り払ってみせる。
そしてそのまま胸当てから手を離し、ミリアの意識を向けさせようと地面に落下させた。
先ほど脱がせたショートパンツの隣に並ぶようにして、ガシャンと音を立てて落ちるミリアの胸当て。
落下音に気づき、ハッとした表情になって地面を見下ろす彼女。
その思考を邪魔しないよう、アシモフは蛇の前後運動を止めた。
最大の守りを失ったというその事実を、絶望の感情と共に受け入れてもらうために。
さらに、とアシモフは少女の股間から蛇を離した。
そして胴体を膨張させ、
「――ああっ!」
燃え盛る炎に呑まれ、一瞬にして灰と化すショートパンツ。
だが――
「ふむ、やはりワシの炎で燃やすことはできなんだか」
炎に対する耐性によほど優れているのだろうか、胸当てのほうは、わずかたりともその形を変えてはいなかった。
「まあ、それも
事実、ショートパンツのほうは燃え尽き、もう二度と穿き直すことはできなくなったのだから。
「…………」
下半身を守っていたもののひとつが永遠に失われてしまったと理解し、しばし呆然とするミリア。
その間にアシモフは、四本の腕を用いて器用にも彼女に背を向けさせる。
一瞬遅れてそれに気づいたミリアは、慌てて顔を上げ――観客席に座る中年の貴族と、真正面から目を合わせてしまった。
「あっ……」
ギラギラと欲望に燃えている、その瞳。
粘つくようなそれが、すぐにミリアの股間へと向けられる。
そう、少し前まで蛇に
「あ、ああ……」
触られはしない。
脱がされもしない。
そもそも、観客は間近にいるわけではないのだ。
だから、ただ見られるだけ。
それ以外のことは、一切されない。
それは、ミリアとて理解している。
だが少女は、観客の視線にとてつもない羞恥を感じた。
露出しているのは、おへそと顔、そして二の腕だけだ。
見られて恥ずかしい部位など、おへそくらいしかない。
股間を凝視されれば誰だって羞恥を覚えるものだろうが、そこはまだ黒タイツによって守られている。
だというのに――
「――ひぅっ!?」
すいっ、と。
唐突に、アシモフの人差し指が少女の腹部を撫でた。
その指に、ミリアのおへそに、観客の視線が集まる。
「いっ、いきなりなにを――ひあっ!?」
抗議の声と共に彼女が振り向く前に、おへそから胸の谷間に続くラインをなぞって、再度、可愛らしい鳴き声をあげさせるアシモフ。
それから、ミリアの身体を固定していないもう片方の手も前に回して、二つの掌で少女の胸を揉みにかかった。
「んぅ……っ。はっ……。この、程度のことなら……いくら、されても……もう、全然……なんとも、ありませんよ……?」
おそらくは、股間を蛇で嬲られたあの快感に比べれば、という意味だろう。
だがアシモフの狙いは、そこにはない。
青い服の上からとはいえ、アシモフの両手によって形を変える、二つの膨らみ。
それを観客たちに見せつけるのが、いまの彼の目的なのだ。
胸を揉みしだくこと自体は、もうすでにやってみせている。
しかし先ほどのあれは、膨らみそのものは胸当てによって隠されていた。
態勢だって、自分と向かい合わせという、およそ観客にとっては物足りないものであっただろう。
だから、アシモフはミリアの身体の向きを反転させた。
観客たちによく見えるよう、少女を観客席のほうへと向かせた。
胸当てを外したのだって、アシモフの手の動きに応じて膨らみが形を変えるのを、観客たちに見せてやろうという意図のほうが大きかったのだ。
いま観客たちは、アシモフの手によって柔らかくもいやらしく形を変化させているミリアの胸を、服越しにではあれ観賞していることだろう。
羞恥に染まったその表情を、心ゆくまで堪能していることだろう。
「……ふっ……んっ……」
一方、『もうなんともない』などと言っていたミリアは、彼がその美乳を弄ぶたび、声を漏らすまいと必死になっているようだった。
それは、無理のないことだろう。
少女の膨らみを揉んでいるのは背後にいるアシモフであり、彼はそのすべてを不意打ちのようなタイミングで行っているのだ。
それに備えようと思うのならば、意識を胸に集中させる必要があり、だが、集中させたらさせたで、今度は揉まれたときの感触をより敏感に感じてしまうことになる。
だから、無理のないことではあるのだが。
しかし、だからといってそれを見逃してやるつもりなど、アシモフには
「どうした? 娘。なんともないなどと言っていた割には、ずいぶんと必死に声を押し殺しておるではないか」
「そ、そんなことは……ふぁっ!? あ、ありませんっ……!」
否定の言葉を口にしようとした瞬間を狙って、アシモフはぎゅっと乳首を摘んだ。
それでもミリアは最後まで言い切り、熱っぽい吐息をこぼしながらも決然と前を向く。
だが、アシモフは
頬を真っ赤に染めながらも羞恥に耐える少女の脚。
その太ももが、
「まあ、気が済むまで強がっているとよい。お主の弱点はもう把握した。――なんのことはない。お主も、世に山といる堕落した女どもと本質的にはなにも変わらぬ、ということじゃ」
堕落した女どもと変わらない。
その言葉が、聖なる騎士を目指す少女の心に怒りの炎を灯させたのだろうか。
語気も荒く、大声でミリアは反論する。
「そんなことはありません! 私に、そんな弱点はありません!!」
どの口がそのような言葉を吐くのか。
だがアシモフはそう言い返すことはせず、むしろ、その言葉を待っていたといわんばかりに、ニヤニヤと邪悪な笑みを浮かべた。
「ならばひとつ、確かめさせてもらおうかのう?」
「た、確かめさせて……?」
「うむ。まず、こうして……」
金属製のブーツに守られた少女の両足首を、蛇の胴体でぐるりと巻いて固定する。
「そして、先ほどの蛇責め。あれで濡れておるのか否かを、ワシがこの手で確かめる」
「濡れて……? ど、どういうことです?」
「お主の身体の奥からな、とある液体が漏れ出てきておるかもしれぬのじゃよ。弱点を責められたときにのみ漏れてくる、女の蜜がの」
「も、漏れ出て……」
「むろん、
「べ、べとべと……」
悪い意味で、思い当たるものがあるのだろう。
聞かされるにつれ、顔を青ざめさせていくミリア。
しかし、逃げ場を与えるようなアシモフではない。
「で、ワシがお主のタイツの中に手を入れ、その液体の存在を確認できんかったときには……そうじゃな、即座にワシの敗北を認めよう」
「も、もしも液体が……その、漏れ出ていた場合は……?」
「ふむ? 弱点などないお主にとっては不要な問いじゃと思うのじゃが……。まあよい、答えてやろう。――別に、なにもありゃせんよ。そのまま、戦闘続行じゃ」
その返答に、わずかに安堵したような表情をミリアが浮かべる。
彼女自身は気づいていないようだが、それはもはや、漏れ出ている液体の存在を暗に認めるものだった。
「それで……よいかの? ワシがこの手で確かめてみても」
「――えっ!? えと、えと……あっ! 私のタイツの中に、直接手を入れるんでしょう!? そんなの駄――」
「もしや、駄目か? つまり、お主の股間は濡れておるのか? まあ、お主自身がそう認めるのなら、わざわざタイツの中に手を入れて確認する必要など、ないわけじゃが」
「なっ!? ち、違います! 濡れてなんか……い、いませんっ……!」
「なら、確かめさせてもらってよいか?」
「そ、れは……」
「弱点など、ないのじゃろう?」
言葉巧みにミリアを追い詰めていくアシモフ。
イエスと首を縦に振れば、タイツの中に手を入れられたうえに、少女の大事な部分を触られ。
ノーと口にすれば、蛇に責めたてられた場所が彼女の『弱点』だったのだと認めることになる。
彼女にとっては、究極の二択だった。
ゆえに、ミリアはしばし押し黙り。
やがて、一度だけ強く唇を噛み締めてから、口を開いた。
「わ、かりました……! 中に、手を入れて……その、確かめて……みて、ください……。――あ、ありませんから……! 私に、弱点なんて……ありま、せんから……。
あ、で、でもっ……! た、確かめる以外のことは、その……しないで、くださいよ……?」
「もちろんじゃとも。確かめる以上のことはせんよ。安心せい」
そう、気安く請け負って。
老人は、少女の穿いている厚手の黒タイツへと、その両手を伸ばしていった。
焦らすように、