アシモフの右手が、厚手の黒タイツの中へと侵入する。
「さあて、果たしてどの程度濡れておるのかのう?」
ニヤニヤと好色な笑みを浮かべながら、彼は少女の下腹部を撫で回した。
「…………」
ミリアは抵抗せず、顔を真っ赤にしてうつむいている。
両の腕はまっすぐに伸ばして腰のあたりへ。
俗にいう『気をつけ』の姿勢だ。
おそらくは、彼女なりに
だが、これからどこを触られるのかと小刻みに身体を震わせているその姿は、アシモフの加虐心をそそるものでしかなかった。
ゆっくりと手を下へ下へと伸ばしていく彼。
ほどなくして、その手はミリアの秘裂へと辿りつき、そこから漏れ出ている液体の存在を突きとめた。
「ほほう、これはこれは……」
「あっ……」
「やはり、ワシの蛇責めで濡らしておったようじゃのう。反論があるようならば聞くが……どうじゃ?」
「あ……えと……それは濡れてるわけじゃなくて……そ、そう! 汗です! ただの汗っ!」
少女の苦しい言い訳に、アシモフはわざとらしく怪訝そうな声を出してみせる。
「汗? このように、べとべとしておるものが?」
「そっ、そうです! 多少べとべとしているかもしれませんが、それは私の汗なんです!」
「ふむ、つまりこれは、弱点を責められたがゆえに漏れ出た液体ではない、と? お主には、本当に弱点など存在しないと?」
「さ、最初からそう言ってるじゃないですか……!」
「そのようなことはないはずなんじゃがな。……どれ」
「――ふぁっ!? な、なにをっ……!」
下着越しに秘裂を擦り上げると、ミリアの口から嬌声が漏れた。
だが、それも一瞬。
彼女はアシモフのほうへと顔を向け、抗議の言葉を叩きつける。
「確かめるだけって言ったじゃないですか! 確かめる以外のことはしないって!」
しかしミリアの非難など、どこ吹く風。
アシモフは「うむ、確かめる以上のことはせんよ」と軽く返し。
「ワシはな、本当に弱点が存在せぬのか、しっかりと確かめてみたいだけじゃ。じっくりと、念入りに、の。隅から隅まで調べてみねば、
「……だっ、騙したんですね!?」
「騙した? これは異なことを。どのような確かめ方をしようと、それはワシの自由じゃろうて。それに、どこをどう触られようと問題はなかろう? 本当に、お主に弱点がないのなら、な。
そんなわけで、ほれ、ワシが調べ終えるまでおとなしくしておれ」
「くぅっ……!」
悔しげな声を漏らすミリア。
それにアシモフは、こっそりと笑みを浮かべ。
手始めに人差し指を動かし、その指についている少女の蜜を、彼女の下着へと塗り込んだ。
「ひゃっ!? つめたっ!」
次いで、ふっくらしている恥丘をやわやわと刺激する。
「……んっ! ……ぁう……んんっ……はっ……んぅっ……」
漏れ出る声。
それをこらえようと、ミリアは口を固く引き結んだ。
だが、もぞもぞとした手の動きはタイツ越しにでもわかる。
それに観客たちが生唾を飲み込んだ。
彼らに見せつけるべく、アシモフは少女の恥丘を揉み込むように愛撫していく。
果たして、それにミリアがどれだけ耐えられるのか。
それを愉しみにしながら。
「……ふうぅ……はあぁ……やあ、また変な感じが……」
ミリアの口がかすかに開かれ、そんな言葉が漏れ出た。
その機を逃さず、彼は少女に語りかける。
「ほう? ということは、ここが弱点なのかのう?」
「……っ! そ、んな……ことはっ……!」
「ふむ、違うのか。とすると……」
そうつぶやきながら、アシモフは再度、人差し指を秘裂へと這わせた。
「んっ……! ……ふ……はぁ……はあ、はああっ……」
割れ目に沿って上下にゆっくりと動かし、快楽の波を引き出そうと試みる。
それは明らかに、少女を性に『目覚めさせる』ことを目的とした動きだった。
「……ああ……ああ……ふああ……ふやあああ……」
ミリアの目がトロンとなり、身体からもくたりと力が抜けていく。
もはや、彼女が官能の波に飲み込まれようとしているのは、誰の目にも明らかだった。
しかし、それに身を委ねることを許すアシモフではない。
「おお、今度こそ弱点見つけたり、かの? ずいぶんと気持ちよさげに喘ぎおって。お主が言うところの汗とやらも、量がかなり増してきておるぞ?」
「……ああぅ……それはぁ……」
『弱点』という一言は、ミリアにとって鞭も同じだ。
どれだけ意識がとろけかけていようとも、その一語によって彼女は理性を取り戻す。
「なんじゃ。今回は自信があったのじゃがな、またしても違ったか……」
わざと残念そうに、アシモフはそうこぼしてみせた。
それに安堵の表情を浮かべるミリア。
そんな彼女の反応を確認し、
秘裂をなぞりながら上へと指を這わせていき、少女のもっとも感じるであろう場所まで到達させる。
そしてその指を少女の幼い陰核へとあてがい、振動させた――!
「……んくぅっ! はあっ……! ふああああっ……!」
ミリアがびくびくと身体を震わせる。
いままでにアシモフが与えた刺激はどれも、下着越しに行ったものだ。
しかし、媚薬に身体を苛まれ、恥ずかしい蜜を陰部から溢れさせている少女には、充分すぎるものであったらしい。
「……ああっ! だめっ! それ、だめぇっ……!」
首が左右に激しく振られ、腰が跳ねるように動かされ、口許からはよだれが垂れる。
このままでは絶頂を迎えるのも時間の問題だろう。
そう判断し、アシモフは一度、指の動きを停止させた。
「……はあ、はあ……」
よだれを拭うこともせず、ただただ脱力するミリア。
しかし、彼女は気づいていないだろう。
アシモフの指は、いまだ少女の秘芯にあてがわれたままになっていることに。
達しないよう、彼女の火照りが収まってきたであろう頃合いを見計らい。
続けて彼は、くっと指の腹を少女のそこに押しつけた。
「……んぁっ! ……くぅっ……だから、そこはっ……!」
「駄目、か? ここがお主の弱点じゃからか?」
「……そ、れはぁっ……!」
振動は加えない。
ただ指の腹を押しつけ、圧迫し続けているだけ。
だが、それでもミリアには充分な刺激となっているようだった。
それを見透かしながら、しかし、アシモフはとぼけた口調で先を続ける。
「はて? ここも違ったかのう? じゃが、もうワシには思い当たる場所などないぞ?」
「……だ、だったら……もう手を抜いて負けを認め――んぅっ……!」
ぐりっと指をひねり、老人は降参を促す言葉を中断させる。
たいしたものだ、と心の中では感嘆しながら。
いまの状況、不利なのは明らかにミリアのほうだ。
彼女が必死になって否定している『女の弱点』。
そこをアシモフは捉えており、その気になればどうとでも責めを加えられるのだ。
だというのに、アシモフに敗北を認めさせようとするとは。
『鋼の意志』の
しかし、実際のところは少し違った。
ミリアの状態は、アシモフが思っているよりもずっと
そこを責められ続けてはいけない。
この責めを、これ以上受けてはいけない。
あともう少しの刺激で、自分はおそらく、見知らぬ『どこか』へと飛ばされてしまう。
そんな予感を漠然と、しかし確かなものとしてミリアは覚えていた。
それはおそらく、本能的なもの。
アシモフの責めを『愛撫』ではなく『攻撃』と感じているがゆえの、敗北の予感。
それを知らないアシモフは、いいことを思いついたとばかりに、少女へと絶望的な言葉を投げかける。
「はてさて、どうしたものか。……おお、こういうのはどうじゃ? このラウンドが終わるまでの間、試しに、延々とここだけを責め続けてみる、というのは」
「……なっ!? そ、そんな……!」
「弱点でないのなら、ラウンドが終わるまで耐えきれるはずじゃからな。うむ、そうしようそうしよう」
「あ、う……」
「いや、『耐えきれる』という表現は正確ではないか。ここが弱点でないのなら、痛みもなにもないはず。襲いくる刺激がないのなら……
「そ、それは……」
「では、このラウンドが終わるまで存分に可愛がらせてもらうとしようか。鐘が鳴ると同時にワシの敗北が決まるようじゃからな。むろん、掛け値なしの全力でゆくぞ?」
「さ、さっきまでのは、手加減していたっていうんですか……?」
怒りではなく、怯えの色を声に滲ませて、少女は問う。
それに笑いながら返すアシモフ。
「むろんじゃ。効いておるのでは、と思う度に責めの手を緩めておったんじゃよ。……もっとも、加えた手心はどれも無用なものばかりだったようじゃがの」
「そ、そんな……」
アシモフの言葉に、少女の全身が震える。
そんなミリアを、彼はいよいよ追い詰めにかかった。
「おお、そうじゃ。どうせ効いておらんようじゃし、下着の中に手を入れ、じかに刺激してみるのも……よいかもしれんのう?」
下着越しですら、よだれを垂らしてしまうほどに感じてしまっていたのだ。
じかにされたときの快感がどれほどのものかは、推して知るしかないだろう。
それでも、下着越しに与えられたそれを上回る衝撃に襲われることくらいは、彼女にも予想がつくはず。
「――さて」
アシモフはミリアの反応を見ようと、どこを刺激するでもなく指を動かしてみる。
「――やっ……!」
果たして、少女の反応はわかりやすいものだった。
タイツの上からアシモフの掌を両手で掴み、動かせないように押さえ込んだのだ。
震える、彼女の両の掌。
それと同じくらい揺れる声で、ミリアはついにそれを認める。
「や、めてください……っ、これ、以上は……。そこを触られ続けたら……絶対に、おかしくなっちゃう……」
「しかし、ここは弱点ではないのじゃろう?」
意地の悪い問いかけに、彼女はぶんぶんと首を横に振った。
「おかしく、なっちゃいそうなんです……。お願いだから、もう、そこは弄らないでっ……」
「弱点ではないところであっても、お主はおかしくなってしまうのか? 弱点が見つからぬ限り、ワシは探すのをやめる気はないんじゃがなあ」
「もう……言わなくても、わかるでしょうっ……!?」
「いま、ワシが指をあてがっているところが弱点じゃ、と?」
目を強く閉じ、無言で激しく首を縦に振るミリア。
だが、アシモフはまだ
「……いや、わからんぞ? なにせ、お主の口から、じかにそうと聞いたわけではないのじゃからな」
「……あ、ううぅ……。もう、やめてぇ……。……弱点、ですから。そこ、私のぉ……弱点、ですからぁ……。だから、もう……お願いですから、手を抜いてぇ……」
そうとはっきり認めたミリアの横顔を見やり、アシモフは満足げにうなずいた。
「ふむ。つまり、お主が汗じゃと言い張っておった『これ』も、本当は汗などではないわけじゃな? 汗にしては、ぬるぬるしすぎておるものなあ?」
「汗じゃ、ないです……。でも、それがなんなのかは、私にもわからないんですぅ……」
「そうかそうか。まあ、わからぬものは仕方ないかの。――で、それはそれとして、じゃ」
「――ふぁっ!? やめっ……!」
少女を絶望の底へと叩き落とすべく、老人は指の動きを再開させた。
「――なんでっ……! そこっ! 弱点だってっ……! 認めっ……! 認め、たのにっ……!」
「うむ、そのようじゃな。よってワシの敗北はなくなり、戦闘はこのまま続行となる」
「あああっ……! やだっ! そこぉっ……!」
「しかしの、娘。これは戦闘なんじゃぞ? 加えて、ようやく探り当てた敵の弱点は、いまワシの手の届くところにある。この豆を集中的に責めたてずに、一体どこを責めろというんじゃ?」
あまりにも残酷な宣告。
しかし、当然でもある行動。
下着越しにひたすら陰核を責められ、少女はただただ鳴き、悶える。
「そんなっ……そんなぁっ……! やめてっ……待ってえぇっ……! これ以上……これ以上はぁっ……!」
「やめるわけがなかろう……と普段なら言うところなのじゃが、まあ、ワシも鬼ではない。どうしてもやめてほしいというのなら、このラウンドが終わるまでの間に限り、お主の弱点を見逃してやってもよいぞ? むろん、交換条件は出させてもらうがの」
「お願い、ですっ……! 一度、やめてっ……! なにか、きそうでっ……怖いんですっ……!」
「ワシの出す条件は呑むのか? 呑まんのか?」
それは、彼女の頭上に垂らしてやる救いの糸などではなく。
さらに彼女を追い詰めるためのものでしかない。
そんなことは、ミリアにも理解できていたことだろう。
だが、いまの彼女は進んでアシモフの罠に飛び込むことを選んだ。
「呑みますっ……! 条件、呑みますからぁっ……!」
その返答を確かに聞き、アシモフは少女の弱点から指を離す。
それから、べろりとミリアのよだれを舌で舐めとり。
「その約束、
「はあ、はあ……。それだけは、絶対にしません……。私は、パラディンを目指して修行している者なんですから……」
この少女はパラディン――すなわち、『聖なる騎士』を目指している。
それは、アシモフが初めて知る情報だった。
ゆえに彼は、使えそうじゃな、と強く記憶しておくことにする。
それから、彼は告げた。
責めの手を緩める代わりに呑ませる、その交換条件の内容を。
「では、言うぞ。――これこれ、そう固くなるでない。誰にでも……そう、誰にでもできることじゃよ。
次の第三ラウンド、開始から五分が経つまではの、ワシのすることに一切抵抗せずにいてもらいたいんじゃ。反撃はもちろんのこと、前進も後退もせずに、な。
むろん、時間のほうは審判のほうに計らせる。こういうところでのズルは絶対にせん。
……この交換条件、呑んでもらえるかの?」