※この作品はR-18です。

意外と辛い王子のせいかつ   作:月見うどん

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出てくるキャラは基本シルバー・ゴールド主体になります。

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ゲームをプレイしていても、わからない事があるかもしれません。
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王子の日記・1

 

○1ページ目

 

今日から日記をつけることにした。

もっとも、俺にそんな趣味はないので、どれだけ続くのか不明だ。

この日記帳の入手の経緯だって、俺の親衛隊の隊長兼、剣の先生であるクレイブが、

 

「私の教えに従うだけではなく、王子には自分で考える癖を身につけるべきだと思います」

 

「今日の訓練内容を思い出しながらこのノートに書き、何が良くて何が悪かったのか。そう自己分析するだけでも、上達の近道になるでしょう」

 

などと言って、手渡してきたのである。

王子になっても学生の真似事をしないといけないのかよ。と思わないでもないが、せっかくクレイブが用意してくれたのだ。ありがたく使わせてもらうことにした。

剣の予習復習をするつもりはないけどな!

そもそも王子ってのは大変なのである。とにかく自由がない。だいたい一日のスケジュールは決まっている。

それだけならまだいいのだが、本音も語れないのはかなり辛い。

あれはいつだったか。俺がまだ王子として自覚のないガキの頃、当時の料理長が辞職したことがあった。

発端は、俺が彼の料理を、不味い。そう言ったからだ。

言い訳をするなら、俺には日本の学生として生きていた記憶がある。一般家庭だったので、高級素材を食べた経験はなかったが、それでもこのファンタジーな世界で生活するには、舌が肥えすぎていた訳だ。

なので、自信満々な顔で出した彼の料理に勝手に期待し、勝手に裏切られたと思い、口からポロッと本音が零れたのであった。

それで彼は自信喪失。料理長の座を後任に譲り、逃げるように実家へ帰ったらしい。この時に俺は悟ったね。王子の発言力ってヤバイって。

だから俺は必要最低限の言葉しか喋らなくなったんだけど、これがマジできつい。

ここ数日、俺の口から最も出た言葉は、ああ。とか、そうか。とか、わかった。等だ。もう言葉じゃなくて、ただの単語である。

ぶっちゃけ王子の生活ってもっと我が儘放題にやれると思い描いていたのに、どういうことなの?

日本の学生時代に戻りたい。寝て起きたら赤ん坊になってて、自分が王子の身分だとわかった時は、つい嬉ションをしたけど、今はストレスの溜まる毎日でしかない。

娯楽が少ないこともだけど、まさかメシ不味がこんなに苦痛だったとは……。

最近は親父とお袋が俺の嫁探しにはりきって、毎日お見合いをセッティングしようとするし。

結婚なんかしたら、もっと不自由になるだろ!

そのことをクレイブに愚痴ったら、

 

「私は国王の意向に賛成です」

 

とか、まさかの裏切り発言。

お前、俺の味方じゃなかったのかよ!

もう信じられるのは、俺の親衛隊に所属する二人の女兵士である、ソーマとアリサくらいしかいなかった。

 

「私が役に立つのでしたら、いつでも相談に乗ります」

 

「王子の為とあらば、私も協力させて頂きます」

 

二人とも、マジ天使。

 

 

 

○2ページ目

 

自由完全終了のお知らせ。

片っ端からお見合いを断り続けた俺に業を煮やした両親が、勝手に他国の姫との結婚を決めていた。

俺がそれを耳にしたのは、嫁となる姫が国を出て、この国にたどり着く当日であった。

婚約を通り越して結婚とか、どうなっているの?

だが、今回のやり方。強引ではあるけど、根は小心者の俺にはかなり有効だ。

ここで結婚を断って姫を国に送り返したら、向こうがすごいヘイトが溜まるのは目に見えている。いちど約束したことを破る何て、最悪だ。それが国同士の決め事であるなら、さらに倍ドンである。

きっと他国からの信用もなくすし、もうこれは断れないわ。

さすがに攻めこまれる事はないと思うが、俺の何気ない一言で、妙な化学反応を起こす世界である。

変な爆発をされても困るので、俺は両親の言いつけに、黙って頷くしかなかった。

 

「王子もいよいよ結婚ですか。嬉しいようで、寂しくもあります」

 

一緒にその場にいたクレイブは、何か娘を嫁に出す父親みたいなコメントを後ろでぽつりと呟くし。

お前、俺の結婚相手がこの世でダントツに醜いさげまん女でも、同じ事が言えるの?

まぁ、親父とお袋が選んだ相手なので、そこまで酷い女はまず来ないけど。

そんな訳で、さっき俺は姫と初顔合わせをしたのだが、良い意味で期待は裏切られた。

姫の名前はテミスさん。マジで綺麗な女だった。おまけにプロポーションも抜群である。

俺の感じた印象では、か弱い乙女よりも、くっころ系騎士タイプに近いと思う。

口調は姫らしく、かなり丁寧だったけど。

そのテミスさんだが、女が持つには似つかわしくないごつい剣を、嫁入り道具に紛れこませていた。

 

「こう見えて私、剣を少々たしなんでいますの」

 

そう言って嬉しそうに剣を見せびらかすテミスさんの姿に、俺は天を仰いだ。

あかん、この子。少しずれているわ。

ちょっと剣を振っただけなのに、風圧で俺の前髪が揺れるとか、どういうことなの?

魔法の一種? それともただの腕前?

どっちにしろ、相当な実力者であるのは間違いない。

せがまれて、鍛錬所でテミスさんと一回だけ剣の試合をしたけど、俺では全く歯が立たなかった。

次にクレイブと戦って、普通にクレイブが勝ったけど。

要所要所でテミスさんが押していた場面もあったが、クレイブは最後まで自分のテンポを崩さなかった。腕の差よりも、年期の差がもろに出た勝負だったと思う。

 

「とても強いのですね」

 

「私など、まだまだです。姫が経験を積めば、すぐに自分を追い抜いてしまうでしょう」

 

試合後にスポーツマンっぽいやり取りをして、クレイブとテミスさんはお互いを称えた。

それからようやく本筋である今後の予定を、俺はテミスさんに説明し、彼女が結婚式までに寝泊まりする客室に案内した。

ついでに鍵も渡し、俺は自分の部屋に戻ってふて寝でもしようと思ったのだが、別れ際。

テミスさんがとんでもない捨て台詞を残していった。

 

「私、剣だけではなく、夜の作法も勉強しておりますの。気が向いたら、王子もその勉強会に参加してくれると嬉しいですわ」

 

「王子でしたら、いつでも歓迎しますわよ」

 

そう言って、テミスさんは自室の鍵を俺に渡し、そっと手を包んで握らせ、部屋の中へと消えた。

いきなりの不意打ちで、俺が呆然と鍵を見つめていると、何を思ったのやら。クレイブが小さな声で、こんな事を囁いてくる。

 

「あのような過激なことを仰っていますが、姫は間違いなく処女ですので、ご安心ください」

 

そんな心配してねえよ!

この世界の貴族やら王族の女は、貞操観念が高いので、結婚するまではだいたい処女だったりする。一部には遊んで膜を破っている女がいるかもしれないが、親父とお袋がその辺りのリサーチを怠っているとは思えない。

むしろ情けない面を見せたにも拘わらず、あれだけテミスさんが俺に好意的なのが心配なくらいである。

そのことをクレイブに告げたら、

 

「これから夫婦になるのです。お互いに嫌うより、好きになるよう努力するのは、当然だと思います」

 

そう言われてしまった。

結婚してから恋愛とか、順番が違いませんかね?

未だに自由恋愛脳な俺としては、どうにもそこが引っかかる。

もっとも、引っかかりがあっても、俺には結婚する道しか残されていないのだが。てか、王子に生まれてからこんな事ばかりだな、おい。

そしてテミスさんから渡されたこの鍵は、どうすればいいのだろうか?

 

 

 

○3ページ目

 

結局、俺は鍵を使わなかった。

理由は至って単純で、俺の息子が暴発する可能性が極めて高いからだ。

こっちに来てから、ソロプレイとかほとんどしてないしな。

たぶん、テミスさんに軽く手でしごかれただけで、出ちゃう自信が俺にはあるね。

弱いとか情けないならともかく、早漏。とか思われると、俺はもう首を吊るしかない。

そんな訳で荒ぶる性欲を押さえつけ、俺は男のプライドを守る事を優先した。

そのせいで今朝はテミスさんに何か言われるかな?

と、内心でびくびくしていたのだが、鍵の件はノータッチだった。

しかしホッとするのもつかの間。クレイブとの朝練に、テミスさんも参加を希望してきたのだ。

これについては俺より、訓練メニューを考えているクレイブに決定権があると思い、いちおう聞いてみたら、あっさりOK。

こうして三人で剣の練習をすることになったのだが、これがまた辛かった。

 

「素振りは問題ないようですが、王子は試合になると、腰が引けてしまっていますわ」

 

「姿勢は、こうです。まずはこれを意識するようにしてくださいな」

 

事あるごとにテミスさんは俺の指導を買って出て、その豊満な肉体を押しつけてくるのだ。

最初は熱中して気がついてないと思い、俺もなるべく平静を装おうとしたのだが、目が合った瞬間に少しだけ頬を赤く染めたテミスさんを見て、全て悟った。

これ絶対にわざとだろ!

それからはもう、何か駄目だった。いちいちテミスさんを意識してしまい、とても練習に身が入らない。

クレイブに助けの視線を送っても、クレイブはクレイブで、いつの間にか鍛錬所の隅で剣を振っているし。

そんな気づかいを発揮する癖に、訓練が終わってテミスさんがいなくなると、クレイブは俺に変な指摘をする有様。

 

「王子は今回の鍛錬で、五回勃起されました」

 

何しているんだよ! てか、何の為のカウントだよ!

さすがにイラッとした俺は、赤い野花で花束を作るまで帰ってくるな。とクレイブに命令を下し、外に叩き出した。

もっとも、俺も鬼ではないので、クレイブが留守の間、仕事は代わりにしてやった。

 

「へっ! お、王子? あ、あれ、隊長は?」

 

当然、親衛隊のみんなには驚かれたけど。

みんなからすれば、会社で仕事をしていたら、副社長がいきなり来たものだしな。正直、すまんかった。

しかし、あれだ。こうして日記を書いている今だからわかるけど、やっぱり短絡的な行動はするものじゃないね。

テミスさんにさんざん昂ぶらされたせいか、普段は慣れて何とも思わなかったソーマやアリサの格好が、今日だけはやけにエロいと思った。

そのせいで、かなり性的な目で眺めてしまった。二人とも、途中から恥ずかしがっていたし、やっちまったって感じだ。

明日から、二人とどんな顔をして会えばいいんだろう。

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