ここまでのエロを読んで、「なんだ今までの二作品とそう変わらないじゃん。ダークとか言って全然ダークじゃないよ」と思った方、甘いです。第13話から第15話はホント酷いです。特に第14話は大半の人が胸糞悪くなるような内容となっております。覚悟完了してね(気軽に読んでねとは何だったのか)。
両国やダアトの流通拠点であるケセドニアに到着、と。まずはマルクト側の領事館で出国の手続きだ。次にキムラスカの領事館へ行き、入国と船の手配をする。
キムラスカ領事館へ向かう街の中で、一人の女が粉をかけてきた。
「あらん、この辺りには似つかわしくない品のいいお方……♡」
「慣れ慣れしく触るな」
俺は財布をすりとろうと手を伸ばしてきた女から身をかわした。そして目を合わせて絶対催眠をかけてやる。
バチカルに行ったら自首しろ!
よし。これでバチカルにおいてイオンが攫われるのを防ぎ、もう一つマンコを確保した。俺はいきなり乱暴な口調で跳ね除けられて呆然としている女――盗賊集団・漆黒の翼のノワール――を通りすぎた。
§
キムラスカ領事館で手続きしたぞ。だけどバチカル行きの船が出航するまでまだ時間があるらしい。俺達は山ほど出ている店を冷やかしつつ時間が来るのを待った。ヴァンの髭もじゃ野郎は用事があるとかで一本遅れた船でバチカルに行くらしい。
原作だと確かアスターって奴の屋敷に行ったり、オラクル六神将 烈風のシンクに襲われたりするが、原作のようにコーラル城で
原作では音譜盤の解析結果(書類)を奪取しようと六神将のディストが魔物やオラクル兵と一緒にやってくるのだが、今回はその書類がない。でも奴らの計画に必要なイオンがいるからな。やっぱ来るのか? この待機状態じゃさすがにティアとイチャついてる暇はねーよな。俺はいつ襲ってくるのかとこわごわしながら待っていた。
「た、大変です! ケセドニア方面から多数の魔物と正体不明の譜業反応が!」
やっぱり来やがった。待機してて良かったー。敵はお強いジェイド大佐が片付けてくれた。船内なのでど派手な譜術は使えないが、中級譜術で充分敵は死ぬ。さすがジェイド。
「敵の狙いはイオンだろうな。どうするジェイド」
「鎮圧される前に
確かにそーだな。んじゃ船内を歩きつつ敵を倒していきますか。戦闘はやっぱりジェイド頼み。いいよね、こんだけ強い奴が仲間なんだもん。使えるもんは使わなきゃ。さて、ブリッジはなんとか確保した。けど敵のボスはまだ見つからない。確か原作だと甲板にいるんだよな。皆を誘導するか。甲板に出るとやはりディストと、巨大な譜業人形、カイザーディストがいた。……空飛ぶ魔物でもあれは運べないだろ。どうやって船が出航した後に乗り付けたんだよ!? そして旧知の仲であるジェイドとディストは口喧嘩を始めた。あのーそろそろ攻撃していいか?
戦闘が始まった。つっても楽勝だ。
「ジェイド! 水の譜術を!」
こいつは水が弱点なんだよ。ジェイドは確か水の上級譜術セイントバブルを使える。それで大ダメージだ。俺とガイ、アニスは前衛としてジェイドが術を詠唱する時間を稼ぐ役回りをした。あーくそ、こいつには絶対催眠が効かないから今までの兵士や魔物のように動きを止められない。なるべく二人に任せて引いた位置にいよう。俺はそんなチキンな考えで微妙に距離をとって構えた。よしよし。セイントバブル二発でKOか。まあまあだな。あ、たしかこの後ジェイドが譜術を放ってディストを海に吹き飛ばすんだよな。よーし!
溺 れ て 死 ね ! !
俺は吹き飛ぶ寸前のディストと目を合わせて催眠をかけてやった。
「殺して死ぬような男ではありませんよ。ゴキブリ並みの生命力ですから」
ジェイドは死ぬことがなくて安心してるようなことを言っているがすまんな。お前の幼馴染は今日死んだ。これで六神将二人死亡だ。両方とも俺が殺した。つってもしょうがないじゃん。ラルゴはあの後計三回戦う予定(強敵、特に二回目は敵がボス三体の戦闘)だったし、ディストは俺の絶対催眠が効かない敵(ロボ)を繰り出してくるんだから。
§
無事バチカルに到着。あの後敵に出会うことはなかった。先に船内を掃討してたからな。さて、俺の故郷バチカルについた訳だが……やっぱ全然実感ねぇな。俺は七年間一つの屋敷に軟禁されていたから一度も町の中に出たことがないのだ。……この軟禁は転生する直前の俺が思っていた以上に、予想をはるかに越えて俺を苛んだ。皆も自分が暮らしている町とか国を思い浮かべて欲しい。その中で、七年間一つの家から「出られない」んだぞ!? しかもネットもテレビも電話もゲームも漫画もない世界だ。そんな生活をしたらどうなるか? 今まで見てきたような女を食い物にして人を殺しても平然とするような人間になるんだよ。俺はその原因を作っているヴァンとアッシュを許さない。絶対にだ。ヴァンの野郎はこの後捕まるはずだ。せいぜい俺が味わったような思いをするといい。
出迎えにゴールドバーグ師団長とセシル将軍が待っていた。このセシル将軍はキムラスカで出世する為に、親父であるファブレ公爵の愛人になった女だ。屋敷に出入りしてるので俺もヤらせてもらおうかとも思ったが、親父と竿兄弟になるつもりもないのでやめにした。
とりあえず屋敷襲撃犯のティアと軍港襲撃犯のアリエッタを引き渡す。ティアを引き渡すことでまた一悶着あった。イオンが温情をかけてくれと言ったのだ。ティアも、今更自分が捕まるとは思っていなかったのだろう。うそー、という顔をしていた。だが最低限のケジメはつけなくてはな。ティアは飛ばされたマルクトの領土で俺を助けてくれた。今までの戦闘でも活躍したから王族の俺を守ったという実績で、罪の軽減を図ることができるとイオンとティアには説明した。また公の場では言えないことだが俺は屋敷襲撃の加害者で擬似超振動の原因となったティアをその鬱屈で(建前だ)レイプしている。レイプしているのだから罪は軽減させるさ。逆かな? 罪を軽減させる代わりに性処理の相手を務めてもらったって形かな。アリエッタ? ああ、彼女はそんな温情なんてかけられないよ。なんてったって人を殺しているんだから。壊された軍港と船の修理代もダアトに請求させるよ。イオンは「彼女は魔物に育てられたので独自の価値観があって責任能力があるとは……」なんて言っていたが、そんな人間を師団長にしているんじゃねーっつう話だよ。師団長の時点で責任能力がないなんて言い訳はさせない。
そうしてバチカルの王城に向かった。バチカルは上下に伸びた街で、移動は主に天空客車という乗り物に乗って移動する。ガイは「せっかくだから町を見ていけばいいのに」と言っていたが、いやマルクトで保護してくれたジェイドと仲介役のイオンを和平の件で王城に連れて行くのが筋だろ、と言って王城へ直行した。町を見たくない訳ではないがそれは俺が自由になったら存分にやるさ。後少しの辛抱だ。
王城ではダアトの大詠師モースが謁見の間にいた。……ゲームやってる時は不思議に思わなかったけどさ、こいつなんでこんな所にいるの? 自分が住む自治区の最高指導者で同じく宗教組織の最高責任者が「ダアトでは」行方不明ってことになってるんだろ? 普通ダアトに戻ってイオンの変わりに採決とかしたり、イオン捜索隊の総指揮をとったりするもんじゃないか? こいつダアトとローレライ教団のNo.2なんだろ? なんでバチカルにいるんだよ。
今まで説明していなかったがローレライ教団はイオンを中心とした導師派とモースを中心とした大詠師派に分かれている。簡単に言えば、預言という未来の知識を参考程度に収めましょう、というのがイオン。預言は絶対だから、絶対叶えるように動くべき、というのがモース。そんでもってこのモースがキムラスカとマルクトの間で戦争を起こそうとしているのだ。そしてイオンは反対に両国で行われる戦争を止めたいと思っているので、マルクト皇帝の信頼を受けて仲介役になったという訳。
モースの謁見が終わるのを待って俺達(使用人のガイは控え室だ)は謁見の間に入った。はー、ゲームで知ってたけど無駄に天井が高いなぁ。俺はタルタロスで頼まれた通り叔父で国王陛下のインゴベルト六世に口利きをした。
「首都には行けなかったけど、セントビナーやエンゲーブといった集落は平和そのものでした。マルクトに戦争を起こそうとする意思はないものと思われます」
陛下は和平の親書を受け取ってくださった。俺の知識が確かなら今夜緊急の議会が開かれてそこで和平についての是非が判断されるはずだ。
「助かりました。ルーク」
ジェイドが礼を言ってくるが、なーに、ここに辿り着くまでの戦闘でいつも俺達を助けてくれたじゃないか。水臭いことは言いっこなしだぜ。
「ルークよ。実は我が妹シュザンヌが病に倒れた。私の代わりに娘のナタリアを見舞いにやっている。よろしく頼むぞ」
母上が倒れたのか。急いで屋敷に戻ろう。擬似超振動で不意に屋敷の外へ出てしまったが、俺の軟禁はまだ陛下に解かれてないからな。今のところは大人しく戻るさ。……原作と違いイオンが俺の屋敷を見たいといってついて来なかったな。まあこの世界じゃ俺はイオンに厳しいことばかり言っているし、なによりアリエッタの件が引っかかっているのだろう。まあ別にいいや。
§
ガイと屋敷に戻って来ましたよ、と。玄関に親父とセシル将軍だ。ちょうどいいや、軍の元帥でもある親父に、アリエッタをダアトの抗議をはねのけて厳しい刑罰を与えるようにすることと、ティアについては罪の軽減をしてくれるよう頼む。
「……まあいいだろう。ところでルーク、ヴァン
「師匠なら用事があるとかで俺達とは一本遅れた船でやってくるはずだよ」
よしよし。無事ヴァンを捕らえる包囲網は完成されつつあるな。これでバチカルに来た奴は捕縛されるはずだ。ヴァンのことをセシル将軍に任せた親父は登城した。相変わらずそっけない父親だことで。まあ預言で俺が死ぬことを、俺のオリジナルであるアッシュが生まれた時から知っているんだ。愛情を注げなくても仕方ない、か。けど親父、俺はアッシュを殺して本当のルーク・フォン・ファブレになるつもりだし、預言をぶっ壊して生き延びて長生きするつもりなのだ。できれば少しは愛情をもってくれよ。
応接室に行くと聞いていた通り、王女のナタリアがいた。
「ルーク!」
「ナタリア! 久しぶりだな! 今戻ったぞ」
うわー。生まれた時から一週間と空けずして会ってたから数ヶ月も離れてたのはこれが初めてだ。なんか、なんだろう、すごく可愛く見える。その思いを素直に口にしたら盛大に照れられた。ガイはガイで微笑ましいものを見る目でこっちを見てきやがる。
「それにしても大変ですわね。ヴァン謡将」
ナタリアが言うには俺がマルクトに飛ばされたのはヴァンの企みではないかと疑われているらしい。うぷぷぷぷ。他のことはともかく擬似超振動が起きたことは完全にティアが悪いだけなのにとばっちりを食って疑われてやがる。これも普段の行いが悪いからだぜ。ざまみろ髭野郎。
「うーん、まあ。疑われるのはしゃーないか。でもナタリア、今回の俺の出奔にヴァン師匠は関係ないよ。ティアっていう師匠の妹のせいだから、陛下にとりなしておいてくれよ」
俺としては禁固でも死刑でもしてくれってなもんだが、表面上は師匠を慕っているルークで通っているのと、原作通りにしないといけないからそう言っておく。
一通り俺の無事を確認するとナタリアは帰っていった。そんじゃ倒れたっていう母親を見舞って、屋敷の使用人やメイドにも声をかけとくかな。
§
夜、眠る前に俺は自分操作能力で魂に記憶された原作ゲームの知識を思い出していた。明日だ。全ては明日。俺は自分がとるべき行動を想定していた。