「ジャア……ハヅキトノキスガキモチイイノッテ……ワタシ、ハヅキガ……スキナダカラ?」
やっと……夢叶が私を好きだって思い始めた。やっと、夢叶の心が私のものになる。
「そうだよ。私は夢叶が大好き。だから、夢叶も私が大好き」
きっと今、私の顔に張り付いているのは満面の笑みだろう。こんなにも愛おしい彼女の心が、ようやく私のものに――私だけのものになる。苦労して手に入れたもの程、手に入れた時の感慨は大きくなる。あぁ……夢叶。夢叶ぁ。
「エヘヘ……スキッテ、スゴクイイキモチダネェ。エヘヘヘ……」
でも、感慨に浸る私の心に、とある疑念が浮かぶ。私の知ってる夢叶はこんなに淫らな笑顔を浮かべる少女だっただろうか? どうしてこんなに穢れた笑みを私の目に見せるのだろうか?
「ダイスキダヨ、ハヅキ」
違う……違う。こんなの夢叶じゃない。夢叶はもっと純粋で、無垢な笑みを浮かべる女の子で、誰よりも優しくて真面目で……そんな女の子がどうして……こんな淫乱で恍惚とした表情を……。
「ハヅキヲ……アイシテルヨ」
聴きたかった夢叶の声なのに……どうして。そうか、私が壊してしまったんだ。自分が欲しかった夢叶を自分で壊してしまった。
「ハヅキ、キス……シテ?」
あぁ……やっと夢叶から私を求めてくれているのに……。なんで……この上なく嬉しいはずなのに……私の視界はこんなにも湿っているの? 大好きな夢叶の顔すら……もう見えないよぉ。
「ハヅ……キ?」
「ごめんね……ごめんね……」
許してなんて言えない。夢叶から奪ってはいけないものを奪ってしまった私を、許してなんて言えないよ。でも、こんな罪……耐えられないよ。
「ハヅキ……ドコイクノ?」
夢叶に背を向けて、台所へ行く。電気をつけてから取り出したそれは、蛍光灯の明かりを反射させると同時に、私の醜く歪んだ顔を映す。
「夢叶。向こう・・・でもっと反省するから、側で見ていて……」
腕を振るい、鮮血を迸らせた血なまぐさい空間で、何も言えなくなった夢叶に、頭をたれるように自らの命を絶った。
という夢を見たんだ。
これは前書きですよ? 正直、この話でハッピーエンドって無理じゃね? と思ってふざけました。大丈夫、救いは本編にありますから。
これはこれで好きという方、いらっしゃいますかね?
「大好きだから、キスしたくなるんだよ」
そう言って夢叶の唇を貪る。
「大好きな人とキスすると、とっても気持ちいいんだよ」
「ジャア……ハヅキトノキスガキモチイイノッテ……」
「そう、夢叶が私のことを愛しているからだよ」
「ワタシ、ハヅキガ……スキナノ?」
やっと……夢叶が私を好きだって思い始めた。やっと、夢叶の心が私のものになる。
「そうだよ。私は夢叶が大好き。だから、夢叶も私が大好き」
きっと今、私の顔に張り付いているのは満面の笑みだろう。こんなにも愛おしい彼女の心が、ようやく私のものに――私だけのものになる。苦労して手に入れたもの程、手に入れた時の感慨は大きくなる。あぁ……夢叶。夢叶ぁ。
「エヘヘ……スキッテ、スゴクイイキモチダネェ。エヘヘヘ……」
でも、感慨に浸る私の心に、とある疑念が浮かぶ。私の知ってる夢叶はこんなに淫らな笑顔を浮かべる少女だっただろうか? どうしてこんなに穢れた笑みを私の目に見せるのだろうか?
「ダイスキダヨ、ハヅキ」
違う……違う。こんなの夢叶じゃない。夢叶はもっと純粋で、無垢な笑みを浮かべる女の子で、誰よりも優しくて真面目で……そんな女の子がどうして……こんな淫乱で恍惚とした表情を……。
「ハヅキヲ……アイシテルヨ」
聴きたかった夢叶の声なのに……どうして。そうか、私が壊してしまったんだ。自分が欲しかった夢叶を自分で壊してしまった。
「ハヅキ、キス……シテ?」
あぁ……やっと夢叶から私を求めてくれているのに……。なんで……この上なく嬉しいはずなのに……私の視界はこんなにも湿っているの? 大好きな夢叶の顔すら……もう見えないよぉ。
「ハヅ……キ?」
「ごめんね……ごめんね……」
許してなんて言えない。夢叶から奪ってはいけないものを奪ってしまった私を、許してなんて言えないよ。謝りながら夢叶を拘束していた縄もバイブの電源も全部切り、お風呂へ連れて行く。
「本当にごめん……ごめんね……」
「ドウシテ……あヤマるノ?」
「夢叶……」
私の目を見る夢叶の瞳には、少しずつ光が戻りつつあった。まるで、まったく見えなくなるまで欠けた月も、再び満ちて満月になるように。少しずつ光を取り戻した夢叶の瞳は、今までに見た以上に綺麗で美しいものに見えた。
「ワたし、おどロいたケド、葉月にスキってイわれて……ここマで想われテイルって知っテ、嬉しくなっタよ?」
「あんなに酷いことしたのに……私を許してくれるの?」
「えっトね……本当はアンまり覚えテいないの。でモ、やっぱり葉月は大切なノ」
「夢叶ぁ。……大好き」
「えへへ、私も葉月がだぁいすき。今なら、心からそう思えるよ」
やっぱり、夢叶は強いなぁ。心が強いから、優しくあれるんだろう。
「ねぇ葉月」
「うん?」
「お風呂出たらご飯にしよう。葉月のご飯、食べたい」
「任せて! 夢叶の好物、揃えるからね!」
夢叶がいなきゃ生きられないのは変わっていない。だから、夢叶のために精一杯生きなきゃ。彼女のために、出来ること全部しよう。出会った時みたいな、真っ直ぐな気持ちを届けたいから。