※この作品はR-18です。

魔王様は旅に出る   作:アリアルネ

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エロいの書きたいな♪
でも今回はプロローグ


魔王様は旅に出る

「今、何とおっしゃいましたか?」

 長い年月を共に過ごした私の側近が、これまで見せたことの無いほど呆れた顔をして言った。

「だーかーらー、魔王を辞める。そう言ったの」

 それを聞いた側近は豪快に笑いだす。

 私も可愛らしく笑ってみる。

 二人の笑い声が、いつもは静かな魔王城に良く響いた。

「私も歳ですかな? 耳が遠くなったようだ」

「嘘つけ。私の鳴らした指の音で、直ぐに此処に来ただろ」

 側近が私を睨み付けてくる。魔王に、直属の上司に向けていい目では無かったが、私は気にもしない。此処はアットホウムな魔王城なのだ。だから、私は笑顔で側近を見つめる。

 先に折れたのは側近だった。

「どの様な深い理由があって言い出したのですか?」

 多少嫌みっぽい言い方だが、私は気にせずに10分間必死に考えた言い訳。じゃなくって、理由を言う。

「勇者に対して防戦一方ではダメだ。今こそ戦う時!」

 それを聞いた側近は大袈裟にため息を吐く。

「本心は?」

「暇」

 側近は又しても大袈裟にため息を吐く。何度も言うが、これは魔王に向けて良い態度じゃないと思う。

 まあ、それは今は良いとして、側近をどうすれば説得できるだろう。私は頭を必死で働かせる。

「貴方の力なら黙って抜け出すこともできたでしょう」

 側近は何かを諦めたのか、静かな口調で言った。

 その問いに対する明確な答えを私は持っていたけど、それを言うのが恥ずかしく、私は首を捻ったり、頭を掻いたりした。

 その間、側近は真っ直ぐした瞳で私を見ていた。

「アットホウムな魔王城だからさ、ちゃんと挨拶はしたいじゃん」

 私は観念してそう言った。

 側近はしばらく黙った後、威厳たっぷりに言い放った。

「魔王様。出発の支度をいたしますので、お時間を頂けますか?」

 その威厳ある言葉につられ私も威厳良く言う。

「許す。ただし一時間だ。それ以上は待たん」

「かしこまりました」

 側近は恭しく頭を下げ、闇に消える。

 

 そして、きっかり一時間後。私は側近の前で正座していた。

「なんで、貴方はそんな格好してるんですか? 王が出発するからと、各地の貴族も見送りに来てるんですよ」

「口調が素に戻ってるから落ち着いて」

「黙れ三下」

 あまりにもストレートな罵声に私は体を震わせる。

「良いですか。今すぐ威厳ある格好に変身してください」

「えー、でもこの格好可愛くない?」

 そう言って私は立ち上がり、側近の前でクルリと回る。その瞬間、薄いピンク色のスカートがフワリと舞い、その奥に隠された真っ白な素肌が現れる。

 側近が目を反らしながら言う。

「魅了は止めてください」

 私は年端か無い少女の姿でクスクスと笑いながら、側近に近づく。

「分かったでしょ? 淫魔の私はこの姿が、本来のものなの」

 そう言いながら私は、舌舐めずりをしながら側近を見つめる。

「人間の少女はそんな仕草も、そんな邪悪な目もしませんよ」

 側近はため息を吐きながら、諦めたように言った。

 私はそれに笑って返す。

「だって、私は魔王様だもん」

 魔王城の巨大な扉が音をたてながらゆっくりと開いていく。

 側近は姿勢をただし声を張った。

「皆の者、王の出発であるぞ」

 その言葉に扉の外に待機していた魔族達は一斉に頭を下げた。

 私は思わず、感嘆の声が口から漏れた。

 扉が鈍い音をたて開ききると、側近は口を開いた。

「行ってらっしゃい。魔王様」

 その言葉を聞いて私は足を動かした。

 何百の魔族が頭を下げるなか、私は堂々と足を進めた。

 道の中ほどまで来てふと思った。

 何百の魔族から頭を下げられてる年端か無い少女は、端から見たらどう思われるのだろう。

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