※この作品はR-18です。

ああ無情、私は潮っぱいで尊厳を失った!   作:MTDKC

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お待たせしました、二本立てです。


第20話 提督の帰省その3/一航戦の調理担当

 私と娘の渚、第七駆逐隊の4人は淑江の墓参りを終え、実家へ戻った所である。

 

 私と曙、朧は居間で世間話をし、漣と潮は襖の開いた隣部屋で渚の遊び相手をしている。

 

 私達が戻るとお袋は、村人が集う集会を開いたお隣さんへ、大吟醸の一升瓶を2本抱え挨拶に行った。

 

 お袋は長話と酒が好きなので、盛り上がって当分帰ってこないだろう。

 

「渚ちゃん……助けてえっ」

「まかせろ、うしおー! さんそ魚雷はっしゃー! ちゅどーん!」

「ぐわあーっ! やられたぁ〜っ……どてっ」

 

 渚達が軍艦ごっこで遊んで騒がしいが、こちらにも元気が伝わり私は好きだ。

 

「はははっ、3人とも元気でいいな」

 

 多少潮は恥ずかしそうに演技するが、それもまた良い。

 

「ねえクソ提督、淑江さんの事いろいろ聞きたいんだけど」

「アタシも聞きたいな。淑江さんがどんな人なのか知りたいもの」

「ああ、構わないが——」

 

 淑江の事を話すのに照れはあるが、彼女が生きた証を残す為、些事を気にせず質問形式で話そう。

 

「何から知りたい?」

「そうね。淑江さんとは何処で出会ったわけ?」

「ああ、もう15年も前になる。当時下っ端の私は大湊で勤務していたが、大荷物を運ぶ際に腰を痛めてな」

「ふふっ、間抜けね」

 

 曙が愉快に笑ってくれて何よりだ。

 

「それからどうしたの?」

「運ばれた病院で働く淑江と初めて顔を合わせたのだ。腰を痛める私を、曙のように彼女も笑ったよ」

「そう、従軍看護婦だったわけね。それより淑江さんとは気が合うわ」

「お若い提督と出会えるなんて、淑江さんが羨ましいです」

「あたしは別にどうでもいいけど。で、どうやって淑江さんの心を掴んだわけ?」

 

 珍しく曙が、私の顔を横目で見る。

 

「うむ、少々恥ずかしい話だが、私に腐れ縁の同期がいてな。休憩時間に淑江の事で些細な口喧嘩をしていると、いつしか本気の殴り合いに発展し、手痛い怪我を私が負って病院に運ばれたから、恋の火種が燃え始めたのだろうな」

「理由が謎ですけど珍しいね。優しい提督が暴力振るうなんて」

「ま、クソ提督だって一応男だもの。男同士喧嘩の一つや二つするんじゃない?」

 

 曙はたまに、私の性格を当てるから恐ろしい。

 

 それより萎縮する朧を安心させねば。

 

「朧、怖がらせてすまない。私が暴力を振るうのは生涯あいつだけだ。だから安心しなさい」

「うん、ありがとうございます」

「クソ提督、朧も落ち着いた所でもっと詳しく説明なさいよ」

 

 気になるのか、曙がやたらと話を聞きたがる。

 

「ああ、分かっている。まず、私とあいつは淑江に一目惚れしており、最初は仲良く語り合っていたさ」

「そうだったんですね」

「男同士の熱ぅい友情! ってヤツですね、ご主人様〜」

 

 遊ぶのをやめた漣が、いきなり私を茶化す。

 

「漣、渚と遊ぶのは止めたのか?」

「だって渚ちゃん、ぐっすり寝ちゃいましたし〜」

 

 確かに渚は、隣部屋で脚を崩して座る優しい顔をした潮の膝を枕にし、心地良さそうに寝ている。

 

「ならば構わないが、後で潮にも話をするのだぞ?」

「クソ提督に言われなくたって教えるわよ」

「潮にばかり世話させて悪いからね」

「うんうん。だから早く続きを教えてっ、ご主人様ぁ〜」

 

 3人とも興味津々なので、熱が冷めないうちに教えよう。

 

「仲良く語り合っていたが、いつしかどちらが彼女を幸せに出来るか口論になり、しまいには身体的特徴を大声で比較し合うなど馬鹿をしたよ」

「提督、身体的特徴とはなんでしょう。腕っ節が強いとか?」

「俺のほうが背が高いとかでしょ。バカだし」

「いいや、確かにそのどちらとも言った覚えはあるが——」

「ううーん……ご主人様の身体的特徴……あっ、分かった〜!」

 

 やたら熟考した漣の頭上に電球が浮く。

 

「随分自信満々だな、言ってみ——やはり言うな!」

「お○んちんの大きさを比べてたんですね〜、分かります!」

 

 止めろと言うタイミングが少し遅かった。

 漣は恥ずかしげもなく、下品な言葉を発したのだから。

 

「漣……ちょっとはオブラートに包みなさいよ」

「相変わらずだね」

「てへっ、ゴメンなり〜☆」

 

 呆れる2人に対して漣は舌をペロッと出し、反省する気配がない。

 

「2人の言う通りだぞ。そもそも潮と渚に悪影響だろう」

 

 曙と朧も同意し、何度も頷く。

 

「でもご主人様、正解なんでしょ〜?」

「ああ、大正解だ……。私とあいつの息子の大きさはほぼ同じでな。つい意地の張り合いをしたのだ」

「キモッ、あんたバカじゃないの!?」

「アタシも今の提督は直視出来ないや」

 

 曙と朧がやたら引くが、仕方ない。

 

「実際に見せ合いっこして比べたんですよね〜? わぁお……想像したら頬っぺた熱くなるぅ〜☆」

「馬鹿者っ、そんな気色悪い事をするか!」

「バカ、声がデカいわよクソ提督! 渚が起きるでしょ?」

「まずい——うむ、寝ているな」

 

 慌てて見た渚は、相変わらずぐっすりである。

 

「提督が大の女性好きなことは知ってるから落ち着いて。漣のペースにハマると抜け出せなくなるよ?」

 

 朧が地味に、私の胸を抉る。

 

「ぐう……全く、漣にはいつも困らされるな」

「えへへっ! それにしても、そんな微笑ましい状況から何故ゆえ殴り合いに発展してー?」

「デカい癖に一度も使った事ないだろうと言われ、怒りが溜まったのもある」

 

 曙と朧が更に引くが、こんな話を聞いては当然だ。

 

「クソ提督、あんたさあ……」

「アタシ達、これでも女の子なんだけどなあ」

「すまぬ、私も配慮が足りなかった。今後気を付けるよ」

「ご主人様っ、漣は平気ですのでどんどん話して〜!」

 

 ある意味なんでも許容してくれる漣が、今回ばかりは天使に見える。

 

「私は侮辱されようと我慢したさ。だがあいつは、淑江なら気が弱そうだし責めればやれるだの、その後私に回すなどと彼女を侮辱したものだから、怒り狂った私は我を忘れ、初めて暴力を振るったのだ」

 

 今思い出しても腸わたが煮えくり返りそうになる。

 

「そう……そいつはクソ提督以上にクソ野郎ね。本っ当にムカつくわ!」

「提督のした事は人として間違ってません。アタシも胸がスカッとしました」

「本当に最低ですっ! やはりご主人様みたいな優しくて頼りになる方は珍しいのにゃ〜」

 

 3人とも淑江の為に怒っているようで、嬉しくて堪らない。

 

「皆ありがとう。きっと淑江も喜んでいるぞ」

 

 3人が優しい笑みを浮かべる。

 

「で、勝ったのはどっちなわけ?」

「ああ、残念ながら私は完敗して気絶し、目を覚せば白い天井を眺めていたよ」

「まっ、そりゃそうよね。クソ提督は喧嘩慣れしてなさそうだもの」

「そうなんだ、少し残念です……」

 

 朧が悲しそうに俯く。

 

「そっかー。だからご主人様は今でも、執拗に体を鍛えてるのね〜」

「はは、その通りだ。朧、もう過去の話だから元気を出せ。今では負ける気などせんよ」

「うん、ありがとうございます」

 

 朧も元気を取り戻したし、続きを話そう。

 

「顔中ボコボコに腫れた私を見た淑江は心配しながら看病してくれたが、かなり叱られたよ。誰と喧嘩したのか聞いていた彼女から、弱い癖してどうして勝てない喧嘩をしたんだとね」

「ふふっ、そうなの。笑えるわね」

「なんだか微笑ましいね。やっぱり優しい提督らしくて、いいと思います」

 

 2人が楽しく笑う中、漣が真剣に私の話を聞いている。

 

「わははっ! 今では笑い話だが当時は本気で落ち込んでいたな。喧嘩する以前は仲良く話していたのに、その後は暴力を振るう野蛮人は嫌いと軽蔑され、私が異動する直前までずっと、他人行儀で接されたしな」

 

 私が楽しく笑いながら話すが、2人は申し訳なさそうな顔をする。

 

「ふうん、そうだったの……」

「ごめんなさい。笑う所じゃなかったですね」

「いや、昔話だしそこまで落ち込まんでも——」

「ご主人様、それからどう奥様と仲直りをしたのです?」

 

 漣は変わらず、真面目な顔で続きを催促する。

 おかげで曙達も真剣に耳を傾けてくれた。

 

「私が異動する1週間前に宴会が有ってな。そこで淑江が、武勇伝のように喧嘩した原因を語る酔っ払ったあいつから全て聞いたらしい。その翌日、目を真っ赤に腫らした彼女が謝ってくれ、以前より深い仲を築けたわけさ」

 

 朧と漣が微笑み、曙も満足そうに腕を組む。

 

「そう、それは良かったわね」

「うん。淑江さんと仲直り出来て本当に良かったです」

「でも、せっかく仲直りしたのに1週間も経たずお別れなんて……ぐすっ——漣だったら辛すぎて、ひぐっ——耐えられません……うああーん!」

 

 微笑んでいた漣は突如泣き出すが、よほど感情豊かなのだろう。

 

「漣、ちょっと落ち着きなさいよ」

「泣いちゃ駄目だよ」

 

 泣きじゃくる漣の背中を曙が優しく撫で、朧は頭を撫でて落ち着かせる。

 

 遠くにいる潮も、心配そうに漣を見ていた。

 

「うむ、漣が落ち着くまで中断しようか」

「ズズッ——いいえ、早く教えてください……。ご主人様のこと全部、知りたいですから」

 

 気合で涙を呑んだ漣が、ジッと私の目を見る。

 

「そうか、2人は疲れてないか?」

「別に。あたしは真面目に聞いてないし」

「大丈夫ですよ」

「では続きを話そう。異動する日まで私達は短い期間を大事にする為、休暇を頂いては八戸へ小旅行に行ったり、1日中遊び倒したりと、濃厚な思い出を作ったよ」

「そうなんだ、幸せ過ぎて妬けますね」

「しかし、当時奥手だった私は告白など出来なかったぞ」

「めんどくさいわね。好きな気持ちぐらいさっさと伝えなさいよ」

 

 素直ではない曙に言われたくない。

 

「ははは……。そして大湊に別れを告げる日、淑江に幸せになれと一言だけ残し、新天地である横須賀へと異動したのだ」

「うう、それでは離ればなれじゃないですかぁ……」

 

 再び漣が涙を溜める。

 

「まあ待て。それから私は誰とも付き合わず、ただ仕事に明け暮れ、酒に呑まれる日々を過ごしていたよ」

「ふーん、それで?」

「街の居酒屋で、いつも同僚と愚痴りながら呑んでは酒に癒される自堕落な日々を2年過ごし、更に3ヶ月経って独り夜遅くまで呑んでいたある日、店に入った淑江が隣に座ったのだ」

「なるほど、そこで感動の再開を果たしたんですね?」

 

 納得した顔の朧が、何度も首を上下に振る。

 

「いや、感動の再開では無かったぞ。会って早々、私が飲み干した徳利の本数を見ては飲み過ぎだと一喝され、店から引っ張り出されたからな」

「いくらやさぐれているとは言え、それは提督が悪いですね」

 

 朧と曙は呆れ、漣は愉快に微笑んだ。

 

「ははは、昔の私は今以上に駄目人間だからなあ」

 

 過去を振り返る度に、馬鹿な自分を殴りたくなる。

 

 それより3人から鋭い目線を向けられては、続きを話さざるを得ない。

 

「ゴホンっ——引っ張り出された私は彼女の住む借家へ連れてかれ、多大な説教を食らったよ。どうしてあんたは自分に弱いんだとか、すぐ酒に頼る軟弱者とか、そんな事で部下を先導できるのか等々……。うむ、散々過ぎる言われようだったなあ」

「クソ提督が情けないから悪いのよ」

「提督はたまに、守りたくなる弱い一面を持ってるものね」

「ですが、そんなご主人様が漣は大好き! からかいたくなっちゃうも〜ん」

 

 やはり皆が私を見下すが、実際情けない部分もあるので言い返せない。

 

「全く、自分に喝を入れたいよ……。それでも淑江は私を心配して泊めてくれたし、栄養価の高い朝食まで用意してくれる程、母性の満ちた素敵な女性だったさ」

「完璧ね……マネできないわ」

「そうだね、アタシも見習わないと」

 

 曙と朧が、やたら感心していた。

 

「奥様、とてもしっかり者ですね……漣も負けてられません!」

「漣もある意味しっかりしているし大丈夫だ」

「えへへっ、あざーっす☆」

 

 嫌味のつもりだが、漣には全く効果が無い。

 

「その日を境に自然と同棲生活を始め、そうして結婚する前から愛を深めたさ」

「ねえ、ご主人様ー。その間はエッチな事しなかったんですかぁ〜」

 

 漣はニヤニヤと笑う。

 

「残念だが無いぞ。さっきも言ったが昔の私はひどく奥手だった故、手を出す勇気などなかったさ」

「そっかー。では、奥様から先に誘ったわけですね!」

「いや、それも少し違うのだが……」

 

 漣は答えづらい質問ばかりするから困る。

 だが、曙と朧も静かにそわそわするので、気になるのだろう。

 

「つまり、結婚するまで我慢したのね〜☆」

「ああ、そうだ……長かったなあ」

「別に我慢しなくていいのに〜。欲望のまま生きちゃいなYO!」

 

 その結果が今の私なのだから、実に達の悪い冗談である。

 

「勘弁してくれ……。それから2年後に結婚し、子宝に恵まれなかった私達夫婦は1年も頑張りに頑張って、やっと渚を授かったのだ」

「きゃ〜っ、ご主人様のエッチ〜!」

 

 白々しく照れる漣が一番淫らなのだから末恐ろしい。

 

「それなら良かったんじゃない?」

「とても元気に育って、淑江さんも喜んでますよ」

「ああ、病弱な淑江も暴れんぼうな渚から、元気を沢山貰っていたぞ」

「奥様は、お体が弱いのですか?」

 

 漣を初め、3人が不穏な表情に変わる。

 

「ああ、病弱なのに仕事熱心なものでな。しかも子育ても併せて頑張り過ぎ、無理が祟ったのだろうな……。私が深夜の海上警戒任務に明け暮れている時、不幸な知らせを受けてしまったよ」

「そんな……ご主人様ぁ!」

 

 黄昏る私の腹部に漣が抱き着き、ぼろぼろと泣く。

 

「漣、いつものように笑いなさい」

「そんなの……無理ですっ!」

「クソ提督! こっちまで泣かせないでよ——クソ、バカ!」

「辛かったですよね……。愛している人を失うなんてやっぱり……アタシなら耐えられません」

 

 曙は悔し涙を流しては私の胸倉を両手で掴んで鎖骨辺りに頭を埋め、朧は背中から優しく抱き締めてくれた。

 

「話は以上だが、お前達は淑江の分まで必死に生きてくれ。重責な任務だからと無茶はせず、作戦よりも命を優先するのだぞ?」

「そんなこと分かってる——言われなくても危なかったら引くわよ!」

「これ以上、提督に辛い思いはさせません」

「漣も……ぐすっ——ご主人様から離れまぜんがらっ」

 

 隣の部屋で潮も優しい笑顔で涙を流しながら、私達を看取っていた。

 

 私は、こんなにも優しくて思いやりのある部下達を持てて幸せだ。

 

 どんな困難が待ち受けていようともこの温もりを失わない為、彼女達と共に精進していかなければならないと心に誓った。

 

○

 

「お気持ちは嬉しいですが、お断りします」

 

 雪が降って底冷えする朝、本日の秘書艦である加賀型1番艦正規空母の加賀に勤務要領を説明する中で、就寝時間後は部屋に戻るのだと伝えると彼女は全力で否定した。

 

「何故だ?」

「当たり前です。提督がひとり深夜遅くまで任務しているのに、先に寝てなどいられません」

 

 彼女の気遣いは非常に嬉しい。

 

 だがそれでは、いつ私が間違いを起こすか分からないのだ。

 

「頼むから消灯後は部屋に戻れ。だいたい男女が2人きり、深夜遅くまで密室にいること自体が健全ではない」

 

 健全ではない私が言っても、なんら説得力はないが。

 

「つまり提督は女性ならば誰にでも欲情する動物の様な方だと、そんな解釈でいいのかしら?」

「そうではなくてだな——」

「では問題ありませんね。今日は提督の仕事が終わるまで、とことん手伝います」

 

 昨晩から追込みを掛けて執務に取組んでも未整理の書類が山ほど残っており、もしも1人で片付けるには明日の昼まで寝ずに頑張らねばならない。

 

 故に、無理して断る元気が私には残ってなかった。

 

「仕方ない。そこまで言うなら手伝ってもらおう」

「お任せください」

「その代わり……仕事に集中してもらうぞ?」

「ええ、当前ですが」

 

 私が多人数と爛れた関係を持っている事実を加賀は知らないらしい。

 

 知っていたらきっと、私と距離を置く筈なのだから。

 

「では、お願いするぞ」

「よろしくお願いします」

 

 それから私は加賀と共に、山積みされた未整理の書類を整理し始めた。

 

 加賀の仕事は丁寧な割に大変要領が良く、私の手が届かない部分を補ってくれるので、昼休みの1時間前には半分の書類を片付ける事が出来たのだ。

 

 このペースならば、就寝時間前には彼女を休ませる事も可能である。

 

「うむっ、実に捗ったな。少し早いが昼休みにするか」

「提督、今日の昼食は私が作りますから、1時間ほど間宮へ来てもらえませんか?」

「なんと! それは大変嬉しいのだが席を外すわけには——」

「安心して。代わりに赤城さんを残しますから」

 

 加賀が提督室の鍵を解除してドアを開けてから手の平を叩くと、慌ただしい感じの赤城がやって来た。

 

「待ってました、加賀さん!」

「赤城さん、欲しがっていた例の写真をあげるから、お利口にして待っているのよ?」

「はい、勿の論です!」

 

 赤城のテンションがやたらと高いが、いったい何に釣られたのだろう。

 

「赤城、すまないが頼むぞ」

「あっ、はい……お任せください」

 

 まるで風邪でも引いたように頬を染めた赤城が、私から目を逸す。

 

「顔が赤いがまさか風邪を引いたのか? 自分の部屋で休んだ方が——」

「いいえっ、大丈夫なので御安心を」

「そうか。ならば行くが、辛くなったらそこのベッドで寝るのだぞ?」

「そ、それは……はいっ、そうなったら失礼しますっ。では行ってらっしゃいませー」

「赤城さん、行ってくるわ」

「約束守ってくださいねー!」

 

 赤城は明るい笑顔で手を振り、大袈裟に私達を見送ってくれた。

 

 間宮の食堂に入れば加賀は、台所を借りる許可を事前に貰っている旨を間宮に話し、そちらへ行ってしまう。

 

 残された私は、伊良湖から台所の様子を見る事ができる特等席へと案内され、席に座っては割烹着姿で料理を作る加賀を見守った。

 

「おお、なんと上手な包丁さばきだ……」

 

 割烹着姿の加賀も美しいが、活きの良い新鮮な真鯛をさばく姿が、うっとりするほど芸術的なのだ。

 

 10分も掛からずに真鯛の刺身が、千切りされた大根や人参のつまやシソの葉が盛られた皿へ丁寧に乗せられ、活け造りが完成する。

 

 その間に蒸されている茶碗蒸しの中身も、気になってしょうがない。

 

 更に、真鯛のアラで出汁をとる吸い物から芳醇な香りがし、私の食欲を最大限にそそらせてくれる。

 

「提督、お待たせしました」

 

 炊きたての御飯、真鯛の活け造り、蟹と銀杏の茶碗蒸し、真鯛の吸い物の4品が乗っている四角い御盆が2つ、テーブルに置かれた。

 

 これだけ手の込んだ料理を作るのに30分も掛けない加賀は、まさに天才である。

 

「おおっ、なんと美味そうなのだ」

「間宮さんが炊いた御飯は別として、私が作った料理の味は期待しないで」

「大丈夫だ、こんな綺麗に盛り付けられているのだからな——頂くぞ!」

 

 上品な磯の香りに腹を空かされた私は、我慢出来ずに活け造りから箸をつけた。

 

「うむっ——実に美味いぞ!!」

 

 美味過ぎて、御飯も進んでしまう。

 

「そう、良かったです」

「ガツガツ——こちらの茶碗蒸しも最高だ! 蟹と銀杏の相性が良いぞ!」

「時間を掛けた甲斐がありました」

 

 加賀の綻んだ顔を見れ、実に幸せだ。

 

「うむ、笑う加賀を見るのも久しぶりだな」

「ごめんなさい、楽しくてつい」

 

 真顔で謝られては反応に困る。

 

「普段も笑うと良い。加賀は可愛いのだからな」

「私が可愛い、ですか……ふふっ」

 

 再び加賀が嬉しそうに綻んだ。

 

「ああ、その調子だぞ」

「私も提督と……ですから」

「ガツガツ——何か言ったか?」

 

 加賀が小さな声で喋った気がしたが、食事に夢中で聞き取れなかった。

 

「なんでもないわ。おかわりはいりますか?」

「ああっ、頂こう!」

 

 空になった御飯茶わんを差し出すと、加賀は溢れんばかりに御飯をついでくれた。

 

 最高に美味しかった彼女との昼食もすぐに終わり、提督室へ戻ってみれば赤城がベッドにうつ伏せ、枕に顔を埋めてリラックスしていた。

 

「うーん、堪りません……っ!」

「赤城さん、戻ったわよ?」

「えっ……ええ!?」

 

 私達に気付いた赤城が勢い良く飛び上がる。

 

「うむ、やはり疲れていたのだな」

「す、すみません……」

「なに、気にする必要はない。そのまましばらく休んでいてもいいぞ?」

「だ、大丈夫よ! 加賀さんからお礼を頂いたら、すぐ出ますのでっ」

 

 赤城は急いで加賀の元へ移動し、謎の写真を私に見えない様に貰うと嬉しそうに微笑みながら、胸当ての間にしまい込んだ。

 

「赤城さん、お疲れ様でした」

「うふふっ、どうもありがとう。提督、それでは失礼します!」

「ああ、機会があれば今度、何か飯でも奢るぞ?」

「そんな、とんでもありません! では〜」

 

 赤城は慌ただしくお辞儀し、提督室を後にした。

 

「うむ、いつも落ち着いている赤城らしくないが、何を焦っているのだろうな」

「さあ、どうしてかしら」

「そもそも、なんの写真を渡したのだ?」

「申し訳ないですが、提督には教えられません」

「そうか、分かった。では続きをしようか」

「ええ、頑張りましょう」

 

 現在時刻は午後1時。

 

 就寝時間前までに仕事を終わらせる為、加賀と共に励んでいる。

 

 それから早くも5時間経てば夕食時となり、1時間だけ休憩を取った。

 

 簡素な食事と休憩も終わり、午後6時から再び仕事に精を出す。

 

「ううむ、この作戦では少し無理があるか……加賀ならばどう臨む?」

「そうね、この場合は艦隊を二手に分けるか、練度の高い重巡洋艦の皆さんを積極的に運用し——」

 

 書類を訂正したり整理するだけならば簡単な仕事だが、作戦計画を一から立てるのは多方面での調整が必要だし、足りない頭をフル回転させるので、とにかく大変だった。

 

 おかげで新たな作戦計画を立てただけで、2時間も費やしてしまう。

 

「うむ……もう20時か。このままでは2時間ほど加賀の睡眠時間を奪ってしまうな」

「構いません。寧ろ提督の方が辛いのでは?」

 

 苦い珈琲を何杯も飲む私を見て、加賀は心配したのだろう。

 

「私は平気だ。慣れているしな」

「あまり無理をしないで。提督に代わりはいないのだから」

 

 加賀の言葉が、私に重くのしかかる。

 

「ああ、充分気を付けるさ。では続きを頼むぞ?」

「ええ」

 

 続けて、来年度の大雑把な計画を立てては司令長官に報告書を提出する為の前準備を始めた。

 

「うむ……来年は鋼材の配給が不足するのか。このままでは艦娘達の運用に支障が出るな。出撃回数を減らすよう申請しよう」

「いえ、ここは軽巡洋艦と駆逐艦の皆さんに協力を求め、鼠輸送作戦の回数を増やしましょう。それで足りなければ高度な輸送作戦も追加して——」

 

 加賀は、足りない私が欲しがる情報を的確にくれる。

 

「うむっ、これで上も喜ぶだろう。加賀、本当にありがとうな」

「ごめんなさい、いきなり頭を撫でられると……」

 

 嬉しさのあまりに加賀の頭を撫でると、彼女は嫌そうに俯く。

 

「すまなかった。つい娘をあやす癖で……」

「構いませんが、お子さんがいるのね?」

「ああ、元気が有り余った可愛い娘だぞ」

 

 頭を上げた加賀がやたら驚く。

 

「初耳です。皆は知っているのかしら?」

「艦娘達は知らぬだろうな。聞かれなかったので教えてないし」

「そう。では私が初めて知ったわけね?」

 

 加賀は嬉しそうに微笑む。

 

「その通りだ。さて、最後の仕事を始めようか?」

「ええ、お願いします」

 

 最後に私は加賀と共に、今月使用した諸費、資材の配給量と消耗量、艦娘達の俸給など、様々な計算をしては書類に書き出す作業を始めた。

 

「うむ……目がチカチカしてきた」

「提督、もう23時です。少し休憩を取っては?」

 

 そんな事をしては、加賀に迷惑が掛かってしまう。

 

「大丈夫だ。後1時間で終わる仕事だから頑張るさ」

「提督……本当に無理はしないで?」

 

 初めて加賀が、心の底から心配する表情を私に向けた。

 

「体だけは頑丈だから安心しなさい」

「分かりました……」

 

 あと、たったの1時間で今日の仕事が終わるのだから、辛い事ではない。

 

 そう思って仕事に取り組んだ私だったが30分後、体に異変が生じる。

 

「なんだ……頭がぐらぐらするぞ……ヤバい……な……」

 

 どうやら私にも限界が訪れたらしく、突如全身から力が抜け、頭を机に強くぶつけながら伏せてしまった。

 

 加賀の叫び声が聞こえた気がするが、意識朦朧とした私は判断出来ず、そのまま気を失ってしまう。

 

 現在何時か分からないが、意識の戻った私はベッドで横になっている。

 

 だがそれ以上に驚いたのは加賀が唇を重ねていた事であり、まるでキスされめ目覚める眠り姫の気分を味わってしまう。

 

「ふあ……提督、目を覚ましたか」

 

 加賀は長い間唇を重ねていたようで、甘く感じる彼女の唾液がなまめかしく引いた。

 

「加賀……何をして?」

「人工呼吸ですが、何か問題でも」

「いや、どう考えてもせっぷ——んむっ!」

 

 加賀が続けて唇を重ねて舌を入れ、私の口内を激しく掻き回す。

 

 にちゃにちゃ、ぬちよぬちょと淫らな水音が私の脳内を響き、頭がくらくらする。

 

「ぬちゅっ——提督、あれ程無理をするなと私は注意したわ?」

「加賀……」

 

 加賀は怒っているようだが、声も表情も変化がない。

 

「しかも、破った挙句に気を失うなんて言語道断ね」

「すまない……」

「だから罰として、嫌でも私の悪戯を受け入れて貰うわ」

 

 加賀は無表情で胸当てを外し、着物を胸元からずらしては空母級の乳房を露わにする。

 

「おい加賀、何をしている!?」

「提督がお好きなおっぱいを出しただけよ?」

「すぐにしまいな——もごっ!?」

 

 何を考えてるのかさっぱり分からない加賀が、私の顔に柔らかく巨大なおっぱいをゆさっと押し付けた。

 

 おかげで私の理性は跡形も無く崩れ、単装砲もガチガチに勃起する。

 

「提督の肉棒が苦しそうね。すぐに解放するわ」

「むおおっ——!」

 

 加賀は、ズボンのチャックを開けて単装砲を解放し、すぐに竿を握って優しく擦り始めた。

 

「うまく出来るか分からないけど、たくさん感じて」

「も、もごごおっ!」

 

 加賀のおっぱいを堪能したくて堪らない私は、鷲掴みにして硬くなった乳首を唇で挟み、激しく揉みしだきながらも容赦なく吸い付いた。

 

「あんっ……提督、やはり好きなのね?」

 

 味わった事のないおっぱいの柔らかさと大きさに私は魅了され、カリ首からだらしなく潤滑液を垂れ流してしまう。

 

「すごいわね、私の手が提督の淫らな液でベトベトよ?」

「ちゅばっ——加賀、是非とも頼みたい事がある!」

 

 何を所望するか知っていた様に私の隣へ加賀が寝転がり、おっぱいを両手で強調する。

 

「知っています。この胸で挟んで欲しいのでしょう?」

「そうだ! 早く……早く挟んでくれえ!」

 

 素早く起きた私は加賀を仰向けにさせて馬乗りになり、鷲掴みにしたおっぱいの下乳へ、潤滑液で濡れるカリ首を押し当てた。

 

「提督、そのまま挿れて」

「ああ、遠慮なく挿れるぞ!」

 

 一気に腰を突き出すと彼女の柔らかなおっぱいが単装砲を、じゅぷじゅぽといやらしい水音を掻き立てながら呑み込んでいく。

 

「ぐあっ……なんという柔らかさ!」

「んっ……すごい感触ね」

「加賀、動かすぞ!」

「ええ、どうぞお好きに……あふっ」

 

 加賀の汗と私の潤滑液が混ざったおかげで、腰を前後に動かす度にぱちゅんぱちゅんと淫らな水音が室内を響いた。

 

 しかも加賀の柔らかな乳圧と滑らかさが合わさって最高に気持ち良く、激しく腰を振ってから5分も立たずに射精したい衝動を迎えてしまう。

 

「はあ、はあっ! 加賀、もう射精しそうだ!」

「あふっ、あんっ……分かりました。私の事は気にせず——あぅっ……好きな所にお掛けください」

「ああ、分かった! このままおっぱいの谷間を——汚すぞおおお!!」

 

 我慢の限界を迎えた私は、カリ首を加賀のおっぱいで包み込んだまま両手で強く圧迫し、どぷどぷと谷間に子種を流して孕ませた。

 

「あんっ、すごいわ……おっぱいの中で提督の精液が……暴れてるわ」

「ぐうううっ——息子が暴れて止まらぬう!」

「やんっ——とんでもない量ね?」

 

 あまりにも出し過ぎておっぱいの間から子種が弾け、加賀の顔にどっぷりと掛かる。

 

「はあ……はあ……すまない。こんなに汚してしまって」

「いいえ、全然汚れてないわ」

 

 加賀が子種塗れの乳房を開くと、糸の引いた子種を片手で掬い、口に頬張ってくれた。

 

「んっ——こくん」

「加賀……」

 

 彼女は嫌な顔一つせず、そのまま喉を鳴らして飲み込んだ。

 

「汚いものは飲めないもの」

「加賀、ありがとう……」

 

 加賀の優しさに救われた私は、思わず彼女の頭を撫でた。

 

 しかし彼女が先程嫌な顔をした事を思い出し、すぐに手を離してしまう。

 

「す、すまない」

「いいえ。先程もですが、やはり頭を撫でられると嬉しいわ」

「そうだったのか……ぬおっ!」

 

 加賀はいきなり単装砲を深く口で咥え、舌を激しく動かしては再び硬くしてくれた。

 

「ちゅぽっ——提督、最後は私のここに挿れて?」

 

 うっとりしている加賀が再び仰向けになって股を開くと、ずぶ濡れた割れ目も指で挟んで開き、私に見せ付ける。

 

「加賀、本当にいいのだな……?」

「構いません。こんな機会は二度と訪れないのだし」

「うむ……では挿れるぞ」

 

 割れ目に優しくカリ首を押し付けたまま上下に動かし愛液を絡ませては、更に滑りを良くする。

 

「ひぅっ、提督……早く挿れて」

「ああ——ぬおおお!」

「あっ、んやあぁっ……!」

 

 気を使いながら腰を入れると、加賀の割れ目がズプズプと淫らな音を立てながら、単装砲を奥まで咥え込んだ。

 

 同時に割れ目から、赤い鮮血が流れ出してしまう。

 

「加賀、痛くないか?」

「ひくっ……ふぁぅっ……ええ、平気よ?」

「いや、すごく痛そうな顔をしている。私が言うのもあれだが無理をするな」

 

 私の言葉に、加賀は痛がるのを止めて微笑んだ。

 

「ふふっ……。そうね、無理は禁物だわ」

「ああ、私も体調管理に気を使うよ」

 

 加賀が私の顔を両手で撫で回す。

 

「本当に気を使って……。あなたがいなくなったら私はきっと……子供みたいに大泣きするから」

「ああ、二度と加賀を悲しませたりしないぞ!」

「ありがとう……もう大丈夫だわ。早く腰を動かしてちょうだい?」

 

 次は撫でていた両手を私の後ろ首へ回して組む。

 

「では動くぞ?」

「ええ、動いて——んやぁ!」

 

 初めは加賀が痛くないよう、優しく腰を振った。

 

「加賀、お前の淫乱な膣肉が私の息子を執拗に責めてくれるぞ!」

「あんっ……提督、少しぐらい、やぅっ……言葉を選んで、ください」

 

 突く度、密かに喘ぎ声を上げる加賀が可愛過ぎて堪らず、つい卑猥な言葉責めをしてしまう。

 

「だが、加賀のま○こは極楽浄土ものでな。腹上死してもおかしくないぞ!」

「やめてっ、ひうっ……、そんな事言わないで……やんっ!」

 

 少し意地悪が過ぎたか、加賀の目元から小粒の涙が溢れ出す。

 思わず彼女を強く抱き締め、もう言葉責めはしないと誓った。

 

「提督……?」

「すまなかった。不用意に加賀の心を傷付けた愚かな私を許してくれ」

「いえ……反省しているのでしたら構いません。そのかわり、もっと私を愛して?」

「ああっ、実は私も限界でな。さっきから腰を激しく動かしたくて堪らんのだ!」

 

 加賀と密着したまま、腰のみを激しく上下に振ってしまう。

 

「あんっ……いきなり、激しいわっ。そんなの、んぅっ……我慢できない、んやぁっ!」

「加賀っ! お前が愛おしすぎておかしくなりそうだ!」

 

 彼女の子宮に植え付けたい気持ちを抑えられなくなった私は、尋常ではない速さで腰を動かす。

 

「あっ、そんなっ、んやぁぅ……それっ、止めてっ、ひぅっ……膣内が壊れてっ」

「加賀、このまま出すぞ!」

「あんっ……ええっ、来てくださいっ、んぅっ……いっぱいっ、好きなだけっ、中に出してっ——」

「ぐおおおっ!」

 

 射精する寸前に腰を密着させ、加賀の奥深くまで単装砲を捻じ込んだまま、彼女の子宮へ大量の子種を流し込んでしまう。

 

「あっ——んやああぁぁっ!! 提督の精液が、あぁっ——私の中へ、注がれて……んやぁっ!」

 

 加賀も絶頂し、激しく全身を痙攣させていた。

 

「はあ……はあ……。加賀、気持ち良かったか?」

 

 恍惚とする加賀の表情から、彼女も相当感じていた筈だ。

 

「はぅんっ——ええ、提督の優しい温もりを直に感じられて、とても幸せよ」

「しかし……初めてが私で本当に良かったのか?」

「ええ。寧ろ提督が初めてでなければ絶対に嫌だったわ」

 

 加賀の顔に感情は出ていないが、目力は強かった。

 

「そうか、ならば何も言うまい」

「提督、それとあなたに謝らなければならない事が2つあります」

 

 私を抱き締める加賀の力が上がる。

 

「遠慮なく言いなさい」

「はい……1つ目は奥さんがいる事を知ったのに誘ってしまい、本当にごめんなさい」

「いや……もう別れているのだ。加賀が気にする必要はない」

 

 そもそも艦娘達と関係を持ち過ぎた私の方が、本来ならば全力で謝らなければならない。

 

「私の性欲が強過ぎるから悪いのだ。こちらこそすまなかった」

「そう、では気にしない事にします。寧ろ……なんでもないわ」

 

 加賀が寂しそうに目を細める。

 

「そんな顔をするな」

「ごめんなさい、気を付けるわ。では2つ目ですが、赤城さんに渡したあの写真……実は提督の面白い顔が写ったものなの」

「なんと、そうだったのか」

 

 そんな写真を使って赤城は、いったい何をするつもりなのか。

 

「今日差し上げた写真以外にも、提督が笑った写真、仕事に集中しすぎる写真、くしゃみをする写真など、とにかくあなたの写真を集めては、独りニヤニヤしながら喜んでたわ」

「うむ、そこまで想われると照れるな」

「ですが赤城さんは大変奥手で写真を一緒に撮る勇気もありませんし、提督に想いを告げる事はないのでしょうね」

 

 いつも無関心な顔をする加賀が言うとは、よっぽどなのだろう。

 

「そうか……」

「提督、今なら赤城さんを落とすチャンスよ?」

「いや、私はもう心に決めている人が——」

「やっぱり私の方が好きなのね、照れます」

 

 気が無い事を知っている加賀が、私をからかって微笑む。

 

「全く、お前も底意地が悪いな」

「ええ、まぐわい中に言葉責めされた仕返しですが、何か問題でも?」

「ないとも、だからもう許してくれ」

「ふふ、最後にキスをしてくれたら許してあげます」

 

 加賀はそっと目を瞑り、唇を尖らす。

 

「ああ、そんな加賀が私は好きだぞ」

「私も、とても優しい提督が大好きだわ」

 

 最後に加賀を優しく抱き締めて密着させ、彼女の柔らかな唇に重ねた。

 

 それから加賀を抱き締めたまま眠る事にしたのだが、柔らかな乳房が私の胸板へ直に当たる事を意識してしまうと再び単装砲が勃ち、彼女は呆れながらも優しく延長戦に乗ってくれたのだ。

 

 今日は、意外とノリの良い加賀の一面を知れて本当に良かった。

 

 これからも彼女には仕事でお世話になるので、いつか盛大なお返しをしようと胸に秘めながら、精魂尽きた私は早朝まで眠りに就いてしまう。

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