本日は1月4日と、まだまだ正月が続く日なのだが、昨日私は艦娘達の愛ある総意を受け、今日から例年と比べて余裕を持った任務を行えていたのだ。
「司令官、もうすぐお昼ですが何を食べますか〜?」
本日の秘書艦である綾波型1番艦駆逐艦の綾波と共に。
「うむ、そうだなあ。たまには贅沢に刺身定食を食べたいぞ」
「いいですね〜。綾波も寒ブリのお刺身が食べたいです」
「うむ、今が旬だものな」
考えるだけで腹が減る。
「それよりも綾波、今日は年明けすぐなのだし、昼から休んで良いのだぞ?」
とりあえず7日までは、秘書艦に与える仕事もあまり無いのだ。
「いいえっ、綾波は司令官のお手伝いをしたいので、とことん付き合います!」
「うむ、そうは言うがな……」
私の場合は今年度の計画書を作製するという任務があるが、幾ら優秀な綾波と言えども、彼女に計画の手伝わせるにはあまりにも荷が重過ぎる。
「あの、ええと〜……あっ、それでは肩をお揉みします!」
「そうか、大変申し訳無いが頼んで良いか?」
「はい、喜んで〜!」
いつも書類の書き過ぎで万年肩が凝る私にとっては、綾波の心遣いが実に嬉しかった。
「おおう、流石綾波だ。肩揉みが上手だな」
「うふふっ、吹雪ちゃんにも言われました。綾波ちゃんは腰を癒す天才だあ〜って!」
「なんと、吹雪はそこまで疲労していたのか」
吹雪は誰よりも自己鍛錬に励む努力の申し子なのだが、それが元で疲労が溜まっているのだろう。
「そうですね〜。吹雪ちゃんったら、いつも筋肉痛で辛そうにしてます」
「ううむ。今、吹雪は何をしているのだ?」
「あっ、はい。2時間前からずっと鎮守府の中を走ってますよ?」
綾波が覗いた窓の先には、雪の降る屋外を軽快に走る吹雪の姿が確かにあった。
あれでは、いつ風邪を引いてもおかしくない。
「綾波、今日は長く休憩を取るぞ」
「あの、よろしいのですか?」
「ああ、どうせ司令長官も休んでいるのだし、たまには構わんよ」
あそこまで必死に頑張り続ける吹雪を、流石に放ってはおけない。
「はい、司令官がそう仰るのでしたら」
「綾波は、吹雪を間宮に誘っておいてくれ。私は先に行って、元気の出そうな料理を頼んでおくよ」
私の考えを察した綾波に、満面の笑顔が咲く。
「分かりましたっ! 吹雪ちゃんの事は、綾波にお任せください!」
「頼んだぞ」
綾波は丁寧にお辞儀すると吹雪を呼び止めに行き、私は先に間宮へ足を運んで、吹雪の元気が出るような料理がないか聞いていた。
「そうですね、吹雪さんがお好きな食材は鶏肉なのですが、それだけではスタミナが出ませんね」
「そうだな……鶏肉と玉子に韮を混ぜた炒め物などはどうだろうか?」
「親子炒めにニラを混ぜるっ。それでしたらスタミナも付きますね!」
間宮は嬉しそうに両手を合わせた。
「後は汁物だが、何かお勧めはないか?」
「はい、シジミのお吸物が健康的でオススメですっ。きっと、吹雪さんの疲労も吹き飛びます」
「うむ、間宮ありがとう。実に助かるぞ」
「いいえ、どういたしまして!」
「では早速、その料理を3人……いや、4人前作って欲しいのだが」
面倒な注文をしても、間宮は嫌な顔ひとつせずに快諾する。
「お任せください。吹雪さんの努力する姿は、私もよく見ていますから♪」
「そうだったか、ならば安心して任せるられるな。私は食堂で待っているよ」
「はい、しばらくお待ちくださいね」
私は台所から離れると、艦娘達が美味しそうに昼食を食べる食堂に移動し、彼女達の気を引き締めないように端の席へと座った。
とは言え、艦娘達も私の姿が気になって仕方ないようで、チラチラと見ては笑顔で頭を下げくるので、私もできるだけ笑顔で返してあげた。
「はあっ、はあっ——司令官っ! お待たせして申し訳わけありませーん!」
かれこれ15分後、やたらと忙しない吹雪が綾波と共に駆け付けて私の前に立ち、申し訳無さそうに頭を下げてくれた。
その時、彼女の髪から甘く爽やかな香りが漂ったので、充分な手入れをしてきたのだろう。
「ああ、気にしていないからとりあえず座りなさい。皆の視線が痛くてな」
他の艦娘達が、何事かと私の方を注目するのだ。
「す、すみませんっ! では、失礼しますね」
「司令官、綾波も失礼しますね〜」
「ああ、遠慮せず座りなさい」
緊張しながら座る吹雪に対して、綾波は笑顔で彼女の横に座る。
「吹雪、そこまで緊張せずとも私はお前を怒る気など無いぞ?」
「えっ、あの、そう言うわけでは——わっ、綾波ちゃん?」
綾波は優しい笑顔で、吹雪の手を握り締めていた。
「吹雪ちゃん、綾波も一緒だから平気だよ? いつものように自然に話そ〜」
「うん……そうだよね!」
おかげで吹雪の緊張も解け、いつもの様に可愛らしく笑ったのだ。
「司令官、今日はお誘い頂き、本当にありがとうございます!」
「ああ、いつも一生懸命頑張る吹雪を応援したかったものだからな」
「お待たせしました。秋田から取り寄せました白飯と親子ニラ炒め、それにシジミのお吸物と……吹雪さんにはサービスの特製アイスです!」
丁度良く間宮と伊良湖が協力して、本日の昼食を持ってきた。
「わあっ——間宮さんありがとうございます!」
「ふふっ、どうぞお召し上がりください」
吹雪から御礼の言葉を貰った間宮は嬉しそうに微笑み、同じく笑顔の伊良湖と共に台所へと戻っていく。
「とても美味しそうですけど……あの、司令官。私の分だけ量が多いのは何故でしょうか?」
「うむ、それはだな——」
「吹雪ちゃん、司令官は吹雪ちゃんの体調を思って、たくさん用意してくれたんだよ〜」
綾波が代弁すると、吹雪が実に嬉しそうに頬を緩める。
「そうだったんだ……えへへ! 司令官、遠慮なくご馳走になります!」
「ああ、遠慮せず食べなさい」
それから吹雪は感謝を込めながら手を合わせて箸を持つと、2人分の昼食をもりもりと素早く平らげて季節外れのアイスも美味しそうに食べてしまい、大変満足そうにお腹を摩っていた。
私と綾波もじっくりと美味い昼食を堪能し、3人とも食べ終えてから手を合わせた。
「ああ〜、お腹が幸せ過ぎて横になりそうです〜」
「吹雪ちゃん、すごい食欲だね〜」
「うんっ、大好物ばかりだったもの〜」
とりあえず、吹雪が元気そうで何よりだ。
「ははは、満足したか?」
「はいっ! ですが……司令官を無闇に心配させてしまって本当に申し訳ありません」
「うむ、吹雪が満足した所で聞きたいのだが、何故そこまで鍛錬に励むのだ?」
吹雪は照れ臭そうに俯き、人差し指の先を重ねて遊ぶ。
「あのー、それはですねえ……。皆をちゃんと護れるぐらいに強くなりたいから、なんです」
「うむ、それは私も同意見だ」
「本当ですか!?」
吹雪は驚きながらテーブルに両手を突いて乗り出し、私に顔を近付ける。
思わず反射的に吹雪の頭を撫でてしまい、しまったと思った私だが、彼女は嬉しそうに微笑んでいたので安心した。
「本当だぞ、私も護りたい人がいるからよく分かる」
「えへへぁ〜……そっかぁ……司令官と同じ考えなんだぁ……」
吹雪の頬がやたらと緩み、何やら呟いているが大丈夫だろうか。
「吹雪ちゃんっ、凄い顔になってるから気を付けて!」
「んにゃっ——す、すみません!」
「うむ、そこまで必死に謝らなくても良い」
吹雪が普段から真面目なのは知っているのだから。
「うう、恥ずかしい……」
「あっ、吹雪ちゃん探したよぉ〜! 約束通り提督のプレゼント買いに行こ〜!」
「わあーっ! 睦月ちゃん今はダメー!」
そんな中、間宮へやってきた睦月の声を聞いた吹雪はやたらと焦り、綾波は苦笑いしていた。
「ふぁあっ!? 提督もいたのぉー!?」
やたら急いでいたせいで睦月は私を見落としたのだろう。
しまったと言わんばかりに両手で頭を抱えていたのだから。
「司令官! 今の話は聞かなかった事にしてくださーい!」
「うむ、忘れたいのだが内容が気になってな……」
「司令官、吹雪ちゃんは明日渡すつもりなので、楽しみにお待ちしましょうよ〜」
確かに明日は吹雪が秘書艦を務める日であった。
「綾波の言う通りだな、分かった。吹雪よ、楽しみにしているぞ」
「はい……司令官! 今日は本当にありがとうございます!」
吹雪は席を立ち、慌ただしくお辞儀した。
「ああ、鍛錬に励むのも良いが、あまり無茶はするんじゃないぞ?」
「はいっ、気を付けます! 綾波ちゃんもありがとねー!」
「うん、気にしないで〜」
頭を抱えて苦悩する睦月の背中を、吹雪は朗らかに笑いながら両手で押す。
「睦月ちゃんも元気出して。ね?」
「にゃあぁ……吹雪ちゃんゴメンにゃしぃ……」
「いいよ! それでは、吹雪達は失礼します!」
笑顔で一度振り返ると、2人は仲良くはしゃぎながら間宮を出て行ったのだ。
「うむ、美しい友情だなあ」
「そうですね〜」
「では、私達も提督室へ戻ろうか」
「はいっ、部屋のお片付けをお手伝いします〜」
最後に間宮へ御礼を言ってから、私達は間宮の食堂を後にした。
現在時刻は午後1時30分。
提督室に戻った私達は部屋の片付けを簡単に済ませ、しばらく会話を弾ませていた。
「——うふふっ、司令官のお子さんは元気いっぱいてすね〜」
「ああ、ついこの間も肩車を強要され、家中を歩かされたからな」
これも墓参りの際に、私が肩車をして田舎の景色を見回させたせいだから仕方ないのだが。
「それだけ元気でしたら、司令官の奥さまも苦労が絶えないですよね〜」
「はは、それなら心配いらないさ。渚の面倒はお袋が見ているのだから」
私の言い方が悪かったのか、先程まで楽しそうに笑っていた綾波が申し訳無さそうに俯いてしまう。
「あの、すみません。もしかしたら綾波、司令官に失礼な発言をしてしまったかもしれません……」
「良いのだ、綾波が気にする必要など何もない」
慰めるつもりで綾波の頭を撫でたが、彼女が笑顔を取り戻す事はなかった。
「司令官、本当にすみません……」
寧ろ、どんどん落ち込んでしまうのだ。
こんなに落ち込む綾波を見たくなかった私は気分を返させる為、とある提案を彼女にしようと思う。
「綾波、これから私と初詣に行かないか?」
「えっ?」
「いや、実はまだ行ってないのでな。勿論、嫌なら無理強いはしないぞ」
綾波は必死に、何度も首を左右に振る。
「いいえっ、是が非でも行きたいです! 二度目ですけど〜……」
「うむっ、では決まりだな。綾波は宿舎に戻り着付けをしなさい。私は代理人と交渉するのでな」
「はいっ、では急いで着付けしてきます!」
綾波はビシッと敬礼すると、提督室から駆け出てしまう。
その間に私は、只今戦艦宿舎で待機している霧島と受話器で連絡を取り、初詣を行く際の代理人をして欲しい旨を伝えてから、提督室へと呼び出したのだ。
「司令、喜んでお受け致しますので、どうか安心してお出掛けください」
「ああ、申し訳無いが頼むぞ」
受話器越しに理解を得てくれた霧島だからこそ、嫌な顔ひとつしなかったのだろう。
「その代わりと言っては大変失礼ですが、本日15時から限定販売される苺大福を少なくとも4個ほど……何卒お願いします。出撃している金剛姉さんの為にも是非ー!」
「ああ、絶対に買って帰るから安心しろ」
霧島がここまで必死という事は、金剛から相当念押しされているのだろう。
もしも買わなければ、私も手痛いとばっちりを受けるに違いない。
「絶対ですからねっ!」
「司令官、着付けしてきました〜っ」
「おお、戻ったか……うむ、とても可愛くて似合っているぞ」
橙色を基調とした白い花柄の着物なのだが、綾波のイメージに馴染んでいた。
「綾波、とても良いセンスよ?」
「おふたりとも、ありがとうございます! こちら、綾波のお気に入りなんですよ〜」
綾波は嬉しそうにぐるりと回り、袖を靡かせる。
「司令、こんな可愛い子に手を出してはいけませんよ〜?」
「い、いきなり何を言うのだ……」
霧島は冗談のつもりなのだろうが、今の私には心臓が飛び出るほど悪い冗談だ。
「うふふっ、大丈夫ですよ霧島先輩! 司令官からお誘いする事は絶対にありませんもの〜」
「そ、そうだぞ霧島、冗談は止せ」
綾波は全く動じずに笑顔で冗談を言い返すのだから、実に肝が据わっている。
「ふふっ。とにかく苺大福だけは絶対ですが、それ以外はニャンニャンでも何でもお楽しみくださいな!」
「霧島、お前なあ……」
「それでは霧島先輩、鎮守府をお願い致します」
丁寧にお辞儀する綾波に対して、霧島も嬉しそうに微笑み返した。
「綾波も、きちんと司令を護るのよ?」
「お任せくださいっ。この命に代えても司令官をお護りしますから〜!」
こんな可愛い子に言われて私は御満悦だが、男としての威厳は無いに等しい。
故に、苦笑いが止まらなくなるのも自然の摂理であろう。
現在時刻は午後2時30分。
私は綾波と共に、海岸が隣接する神社の参道を歩いているのだが、思ったよりも参拝客が少なく、快適に歩けていた。
「今日は参拝客が少ないですね〜。元旦は人混みで大変でしたのに……」
「うむ、大変だったろう。所でその着物だが、ひとりでよく綺麗に着付け出来たな?」
「あっ、いいえ。この着付けは敷波に手伝って貰ったんですよ〜」
「そうだったのか。敷波の着付けがこんなに上手いとは驚きだなあ」
敷波はこう言った事は苦手だと、私は勝手に思い込んでいた。
「ああ〜、そんな事言ったら敷波が怒りますよ〜?」
「そうだなあ、すまないが彼女には内緒にしていてくれ」
「うーん、どうしましょうか〜?」
綾波が珍しく、私を焦らしてくれる。
「頼む。何かひとつ願い事を聞くから」
「そうですね〜……。では司令官が願を掛けたお守りを、綾波に買ってください!」
「分かった、その程度ならばお安い御用だ」
「うふふっ、お願いしますね〜」
彼女と話していると会話が弾むので、あっと言う間に拝殿の前へ辿り着いてしまった。
そこで、事前に手水舎へ寄って手を洗うなどして身を清めていた私達は、二度拍手してから深く一拝し、目を瞑り、神様へ今年の願い事を心の中で頼んだ。
因みに私は例年通り、家内と艦娘達の安全を願ったのだが、綾波はどんな願い事をしているのだろうか。
勿論、綾波のお願いである私が願掛けしたお守りも買ったし、霧島に頼まれた苺大福も問題なく買えた。
そんな中での帰り道、楽しそうに笑う綾波が突然、私の袖を引っ張って停めたのだ。
「司令官っ、是非とも寄って欲しい絶景を見渡せる所があるのですが!」
「おお、それは是非とも見たいな」
今日は仕事をせずとも大丈夫なので、出来れば充実した時を過ごしたい。
だから私は嬉しそうに歩き続ける綾波の背中を、優しい気持ちで追ったのだ。
それから10分も経てば、私達以外に誰の気配もしない森の中で、ひとつの大木がある場所へ辿り着く。
「よいしょっ……と」
「綾波、着物を破らないよう気を付けるのだぞ?」
「はい、気を付けま〜す」
しかも大木の上には、綾波が誰かと協力して作ったのであろう屋根付きの隠し小屋が山ほど分岐する枝の隙間にあり、彼女は着物姿にも関わらず元気いっぱいに小屋を繋ぐ梯子を登り始めたのだ。
太い木の枝で作った長い梯子は地味に老朽化しており、綾波が登る度に軋むので怖かったが、彼女が無事に小屋まで辿り着いて安堵してしまう。
「司令官も来てくださ〜い。ここが絶景のポイントですから〜!」
「私が登って梯子は壊れないのかー!」
「大丈夫です〜! 半年前は、本をたくさん袋に詰めて登っても平気でしたから〜!」
私達が大声でやり取りをする程高いわけだが、とにかく彼女の言葉を信じて登る事に決めた。
「よしっ、私も童心に戻って登ろう……」
私は初め恐る恐る登っていたのだが、意外と梯子が頑丈な事に気付き、怖い思いをする事なく小屋へと登り着けたのである。
小屋の中には少しだけ黄ばんだ毛布付きのベッドや、沢山の書籍が並ぶ手作りの本棚に、コップが2個置かれている物置棚と、随分と充実した空間を描いている。
「ようこそいらっしゃいました〜。こちらが敷波と一緒に3年前に作りました、秘密の隠し小屋なんですよ〜」
「なんと……素晴らしいな!」
こんな手の込んだ空間を作るとは、私の童心が溢れ返って仕方が無い。
「うふふっ、それで絶景のポイントが……こちらです!」
「うおっ——」
綾波が窓の上に掛けていたスダレを外すと眩しい日差しが私の目を眩ますが、慣れてしまえば大海の水平線が見渡せる絶景が目に映り込んだのだ。
「素晴らしい……なんと綺麗な海だろうか」
「司令官、ここは気に入りましたか?」
「ああ、毎日でも通いたくなる程だぞ」
「そっか〜……うん。本当に連れて来て良かったです……」
綾波は嬉しそうに笑っていた筈なのに、今は逆に落ち込んでいる。
「どうして落ち込むのだ?」
「はい……実はこの小屋をですね、8日までに片付けようって、敷波と相談して決めたんです」
「なんと勿体無い……。何か理由があるのか?」
「はい、それはですね……綾波達も忙しくなってここ半年、この小屋を使う事が無くってですね……。それで、気付いたらその間にどうも敷波が大切に保管していた本が数冊無くなっていたそうで……」
言われてみれば、沢山ある書籍が所々抜けて少し傾いていた。
「なるほど、思い出の場所も知らない内に、他の誰かが使っている可能性があるというわけか」
「はい……。だから、片付けないと気持ち悪いからヤダと敷波が言い……心苦しくても綾波は、賛成しちゃいましたし……」
今にも泣きそうになる綾波の頭を思わず撫でてしまう。
「分かった、ならば今日だけでも、楽しい思い出を作ろうではないか」
「ひぅっ……司令官!」
「ぬおっ——」
するといきなり綾波が抱き着いて私の胸に顔を埋めて来たのだ。
「ぐすっ……司令官、時が経つって残酷で、辛いですよね……」
「綾波……」
「気付いたら敷波もこんな場所なんていらないって言うし、綾波も捨てようとしているもの……」
とにかく綾波が落ち着くまで、私は彼女を優しく抱き締める他なかった。
「それに……時が経てば経つほど想いも積み重なって、司令官を好きになる気持ちを抑えられなくなりますし……」
「ちょっと待て! 綾波、お前まさか——ぬおっ!」
綾波の本当の気持ちに気付けなかった私も悪いのだが、あまりにも唐突だったので油断した。
彼女は恥ずかしそうに顔を紅く染めながらも私のズボンを弄り、単装砲を解放したのだから。
「ふふっ、大きい〜……。だから……最後はここで司令官と思い出を作りたかったの……愛の巣として〜」
「ぐうう……綾波、私などで良いのか?」
綾波は不慣れに単装砲を扱き始める。
「司令官じゃないと嫌です……。他の人の事なんて考えれません」
「ぐううっ……なんという事だ」
勿論、彼女が私を想う気持ちは嬉しかったが、やはり罪悪感が大きくて心が痛い。
「司令官……今日だけでも良いので、綾波を心から愛して?」
「綾波……?」
「寧ろここで司令官に拒まれたら、綾波は頑張れなくなります……」
綾波はどれだけ気を落としていても、単装砲を扱くのを止めない。
おかげでガチガチに勃起するし、潤滑液もどんどん溢れるので、ぬちゅぬちゅと淫らな水音が立って気持ち良いのだ。
「分かった……だが、後悔は絶対にさせないぞ」
「はい、では改めて……お願いします。ベッドに腰掛けてください!」
あれだけ落ち込んで涙を流していた綾波は元気な笑顔を咲かせ、私は彼女に従って意外と柔らかいベッドへ腰掛けた。
「これで良いか?」
「では、失礼しま〜す」
綾波は長く伸ばしたサイドテールを、やたらと楽しみながら単装砲に巻き付ける。
「ぬおっ……それは新しいな!」
「それ〜、クルクルですよ〜!」
彼女の髪はとても柔らかく、爽やかな香りが私の鼻腔をくすぐるので、心から気持ち良くて仕方がない。
「ではこのまま……シコシコ〜」
「ぐおおっ!」
綾波の手淫だけでも気持ち良いのに、彼女の柔らかい髪が私を大興奮させて堪らなかった。
「あっ、また大きくなってます」
「すまない……綾波があまりにも淫らだからな」
「はいっ、だって司令官が可愛いお顔でエッチな声を上げるので、嬉しいんですもの〜」
慣れてきた綾波は更に扱く速度を上げ、私を絶頂させようとしている。
「それっ、シコシコ……シコシコ〜!」
「ぐううっ……綾波、もう出そうだ!」
「うふふっ、出して良いですよ〜。司令官は何処に出したいですか〜?」
「綾波の柔らかそうなおデコだ! それ以外考えられん!」
「ええっ!?」
綾波にとって予想外な答えだったのか、彼女はやたらと驚いていた。
「構わないだろ! もう我慢が出来ぬのだ!」
「あっ……はい! では、お出しくださ〜い」
それでもすぐに順応してスベスベした額にカリ首を当て、尋常でない速度で扱いてくれた。
「うおっ、もう……出すぞ!」
「はいっ、出してください! 綾波のおでこをいっぱい、たくさん汚して〜!」
「出るううぅぅ!」
「はわっ——きゃうっ——!」
私はノリノリの綾波の額へ遠慮なく大量の子種を発射してしまい、彼女の髪と顔面もドロドロに汚してしまう。
「はわぁ……本当にいっぱい出ましたねぇ……驚きました」
「はあ……はあ……! 初めての感覚だったぞ」
「ふふっ、司令官が気持ち良くなってくれて、綾波も最高に嬉しいです〜。では、次は綾波を慰めて……ね?」
言いながら綾波は着物の股部分をずらし、トロトロに濡れた可愛らしい割れ目を見せてくれた。
「おお……なんと美しいま○こなのだ……」
「司令官のお○んちんも、また大きくなってますね〜。さあ、司令官も制服を脱いで。それから綾波のここを舐めて欲しいな〜?」
「勿論、言われずとも舐めてやるぞ!」
私は言われるがままに制服を脱ぎ捨て、まるで飢えた犬の様に四つん這いになり、綾波の割れ目へ顔を近付けたのだ。
「あんっ、司令官の息が荒くて気持ちいいよぉ〜」
そして、綾波の愛液を舐めて味わおうとしたその時である。
「綾波ー、いるんでしょ? 私も本を回収しに来た……はっ?」
あまりにも突然に小屋へ入ってきた敷波から、いやらしい顔と情けない姿で綾波の陰部を舐めようとする私の姿を、まじまじと見られてしまったのだから。
続く!