後日、現在午後五時、仕事中に白露似の少女から連絡が来た。
どうやら、鈴谷似の女性の元彼氏の携帯電話番号は変更されている様で繋がらないらしく、これ以上は足取りを掴めない、との事。
しかも女性は元彼氏の住居にも行った事が無いらしく、そう聞いた瞬間に頭痛を覚えると共に、元彼氏に対する嫌悪感も増すだけだった。
『何か他に、いい方法は無いの?』
『うーん……あっ、そうだ。あたしの知り合いに、そういうドロドロした際どい情報がだーい好きなトモダチがいるよー!』
なんでもいいから足取りを掴みたかった私は、その子と取り次ぐよう少女に頼み込む。
『うんっ、いいよー! じゃあ今日の七時、ウチの喫茶店に来てよー! その子も呼んどくからー!』
『うん、お願いするよ』
電話を切った私は午後八時が訪れるまでの間は残業し、残りの仕事に手を付けていた。
あっと言う間に午後八時が訪れ、白露似の少女が働く喫茶店に来店した私は、例の際どい情報好きな少女を目の当たりにし、困惑してしまう事になる。
『あらっ、あなた確か……そうだ! この頃彼女さんとファミレスで仲良く食べてる人だ〜!』
その少女が、いつも鈴谷似の女性と雑談しながら食事を取るファミレスで働いている、村雨似の少女だったのだから。
『あれ、むらっちもお兄ちゃん知ってんのー?』
『ふふ〜ん、私だけが知ってるよ♪』
そもそも私は女性の彼氏ではないと村雨似少女に伝えると、彼女は不思議そうに首を傾げる。
『へぇ〜……という事は愛人ね?』
『違うって!』
私は口を大きく開けて否定し、女性の良き相談相手だと説明した。
『なるほどねぇ……で、私から何を聞きたいの?』
白露似の少女からメールで貰った、鈴谷似の女性の元彼氏の画像を、村雨似の少女に見せた。
因みにこの画像は、昨日、白露似の少女が鈴谷似の女性から強引に強請り貰ったもの、との事。
『ヘぇ〜。パッと見、普通のイケメンさんねぇ』
『見た事は?』
『残念だけど無いわね。少なくともファミレスには来ていない筈よ?』
やはり、普通の少女では知る由も無いのは当たり前か。
『でもね、そっち系のお店は知ってるわよ?』
『そっち系って、ゲイ関係のー?』
白露似の少女の問い掛けに、村雨似の少女は頷く。
『せいか〜い!』
『いえーい!』
やたらテンション高く、少女達は両手を叩き合っていた。
とにかく早く教えて欲しいと、私は村雨似の少女に頼んだ。
『うーん……じゃあカッコいいお兄さんにだけ、特別な情報教えちゃうっ!』
村雨似の少女は、半径一キロ圏内に在るゲイバーを二店ほど教えてくれた。
『——どちらかに行けば多分、マスターかお客さんが教えてくれるかもですけど、お兄さん一人で行ったら男の人に掘られ……惚れられちゃうねっ♪』
背筋が凍るような事を面白おかしく言われた私は、体から震えが止まらなくなってしまう。
『止めてくれ……』
『うふふっ! 冗談ですから怖がらないで〜。ほらっ、私も着いて行ってあげるから?』
村雨似の少女が笑顔で差し伸べた手を、私は遠慮がちに握った。
『いいの?』
『はいっ! 実は一度、寄ってみたかったんですよねぇ〜』
それならば問題無いと思った私は、白露似の少女に顔を向け、御礼の言葉を送った。
すると、朗らかに笑いながら大きく手を振り、店を出る私達を見送ってくれたのだ。
喫茶店まで歩いてきた駅から一つ下った駅を降り、徒歩五分の場所に存在するゲイバー前に出向いた。
渋いネオン看板が青く光る店の前で、興味津々に喜びながら入店する村雨似の少女をよそに、私は恐る恐る足を踏み入れる。
店内に入ると同時に、ゲイには見えない優しい顔の中年であるマスターが、普通に私達を歓迎してくれる。
それだけで私は安堵した。
微笑みながらマスターのすぐ前の座席カウンターに座ると、村雨似の少女が突然、私の腕に手を回すよう座ったものだから、焦って妙な声を上げてしまう。
構わず少女は、焦る私の耳に口元を寄せる。
『お兄さん、ちょっと無防備過ぎるってばぁ……』
その意味が分からずに首を傾げると、マスターが左手を口に当て、『お兄さん、面白い人ね〜』と、オネエ口調で微笑みながら言うだものだから察した。
嫌な鳥肌が立って仕方がないのだ。
『ほらっ、早いとこ画像を見せなきゃダメですよ?』
少女に言われて本来の目的を思い出した私は、一杯のビールを頼みつつ鈴谷似の女性の元彼氏の画像を見せ、知っているかどうか聞いてみた。
『あらっ……カッコいい男の子ねぇ!』
マスターが青年を気に入っただけで、全く知らない様だ。
そんなマスターに、画像の青年がゲイである事を隠す為だけに、隠れ蓑として利用された私の友人の女性がいる旨を伝えた。
するとマスターが申し訳無さそうに謝るので、とにかく落ち着くよう宥めた。
『ねぇ、おネェさん。ちょっといいですか?』
質問する少女に、マスターは優しい笑顔を返す。
『そのぉ……向こう側のカウンターに一人伏せてぐっすり寝てるお姉さんは、放っておいても大丈夫なんでしょうか?』
少女の言葉を聞いた私は初めて、何処かで見た事ある髪型の美しい女性が、ぐっすり寝ている事に気付いた。
マスターは慣れた様に片手を振り、『いつもあんな感じだから大丈夫よぉっ!』と言うぐらい、全然気にしていない。
きっと常連客なのだろう。
それでも私は心配で仕方なく、ビールを飲みつつたまに見ていると、突然女性が顔をこちらに向け、鋭く睨んできたのだ。
そんな女性の顔を見て私はハッとした。
何せ彼女は、とある怪しい店で働く陸奥似の女性だったのだから。
しかし、あの店では優しく笑っていた彼女も、今では疲れきった顔をしており、なんだか夢を壊された気分になる。
『ちょっとぉー……何をジロジロ見てるのかしらぁ?』
相当酔っているのか女性はのそのそと寄って来て、いきなり私の肩にのしかかるよう抱き着いてくる。
『私に何か……文句でもあるわけぇ?』
女性の大きくて柔らかな胸が肩へ無遠慮に押し当たり、『なな、何もありません!』と一人で挙動不審に焦ってしまう。
酒の力が無いと、若い私は初心な人間なのだ。
『ちょっと、ちょっと〜! いきなりお兄さんに絡まないでよぉ〜!』
『何よぉ、新しい女の子いるじゃないのぉ!』
どうやら女性はベロベロに酔っていても、私の事自体は覚えているらしい。
『お兄さん……こんな綺麗な人と知り合いなんですかー?』
少女が軽蔑の眼差しを私に送るので、とある店に通っているのをボヤかす為にも、ちょっとした知り合いだと説明した。
『ふ〜ん……まあお兄さんも溜まってそうですし、構わないですけどねぇ〜』
しかし少女は勘付いているのだろう。
見透かす様に妖しく微笑んでいるのだから。
『それで、何か悩みでもあるんでしょう?』
少し酔いが覚めたのか女性は落ち着き、火照り気味の笑顔で相談を聞いてくれる。
この人ならば何か知っているかもしれはいと直感した私は、例の画像を見せ、何か知らないか聞いた。
『あら、この人と大体一緒にいる……ええと、むさ苦しい男なら私の知人よ?』
『おおっ、意外なところで手掛かりはっけーん?』
未だ私の腕に抱き着いている少女が、やたら嬉しそうに体を揺らしてはしゃぐ。
その度に彼女の育った胸が揺れ当たるのだから、私の鼓動も止まらない。
それは置いといて、陸奥似の女性がいうむさ苦しい男とは、鈴谷似の女性に暴力を振ろうとした男で間違いないのか聞いてみた。
『えっ、知人がこの画像の彼氏かどうかですって?』
女性はキョトンとした目で私を見る。
『あれれ、お姉さんは画像のイケメンがゲイだって知らないんですか?』
『うーん……妙に仲良かった気がするけれど、知らなかったわ』
困惑する陸奥似の女性に、鈴谷似の女性が暴行未遂を受けた旨を、私は出来るだけ感情的にならないよう伝えた。
『そう……あいつの腐れ縁として、その子には申し訳無くなるわね』
『お姉さん、その人の事に詳しいんですか?』
少女は興味津々に聞く。
『まあ——ちょっとねぇ。あまり話したく無いけれど、被害を受けた子がいるなら説明しなくちゃね』
女性は深く溜息を吐き、お洒落なグラスに入る氷の溶けたハイボールを一口含んだ。
『はぁ……。あいつ、高校の時に成績が悪いのが原因で、母親から酷い折檻を受けてたらしいのよ』
『それは……可哀想ですね』
際どい話が大好きな少女も私と同じく、同情を隠せない様である。
『その時からかしらね。私以外の女性とは基本的に構えてたわ。改めて考えると怯えていたのね……』
『うーん、そういう方もいるんですね……』
そんな話を聞いては、鈴谷似の女性を殴ろうとした男を怒る気にもなれない。
『そんなわけで地味にデリケートな奴なんだけど、とりあえず連絡するわ』
女性は昔からの知人、と言うよりは旧知の友人がゲイだと知っても気にせず、普通に携帯で連絡を取っていた。
『もしもし、久しぶりに電話しちゃった。今も鳶仕事頑張ってる?』
今のところ、女性は楽しそうに会話している。
『——えっ、うるさいから掛けて来るなですって!? 全く失礼なヤツね、こうして旧知のガールフレンドが連絡してやってるって言うのに!』
だが、何やら言い合いをしているらしい。
『とにかく、あんたに用がある男性がいるから変わるわ。——誰かって、あんたが迷惑掛けた女の子の彼氏候補よ!』
『お姉さん、カッコイイなぁ……』
半ばキレ気味な女性を見た少女はウットリしているが、そんな要素がどこにあったのだろう。
『ふふ——あいつも謝りたい事があるそうよ?』
『あっ、いま代わります……』
恐る恐る携帯を受け取り、もしもしと尋ねた瞬間、厳つい男が漢らしく私に暴力を振るってしまった件を必死に平謝りしてくれる。
私は怪我もしていないし気にしてないから大丈夫と伝えると、男は本当にすまなかったともう一度だけ念を押すよう謝り、何を聞きたいんだと尋ね返してきた。
まずは鈴谷似の女性が、元彼氏に突然振られた件を教えた。
すると男は嬉しそうに『そうか! あいつもやっと分かってくれたか!』と、一人で納得してしまう。
どうして男が喜んでいるのか詳細な理由を聞いてみた。
すると、嫌でも青年の身勝手さが浮き彫りになってしまう話を聞いてしまったのだ。
まず、青年がゲイである事実を隠して社会に溶け込む為だけに、鈴谷似の女性と付き合っていた事を青年自身から聞いた男は、それでは誰も幸せになれないからすぐに別れろ、とキツめに言ったらしい。
そして青年は戸惑い、隠さないと社会に馴染めないからと駄々を捏ね、別れる事に躊躇したようだ。
このままでは拉致が明かないと思った男は、青年と微妙な距離を置いて写る鈴谷似の女性の画像を頼りに、繁華街近隣を三日三晩歩き回ってから彼女を見つけ、無理矢理手を引っ張って公園に連れて行き、元彼氏がゲイである事を包み隠さず、一方的に打ち明けたそうだ。
そんな事をしたものだから女性は混乱の極みに陥り、とにかく絶対に別れるもんかと意地になって抵抗し、苛立った男は思わず手を上げようとするが、たまたま私が彼女を庇ったから誰も怪我をせず、ある意味笑い話で済んだのだ。
詳しく説明した男は、『あいつには俺から厳しく叱っておくから放って置いてくれないか』と話すので、私はどうすればいいか思考を巡らせた。
すると、ふと勢いで響似の少女を穢してしまった時の事を思い出してしまう。
どう考えても覆せない私の罪は置いておくとして、あの情事は少女も望んだ愛ある行為であり、二人揃って墓に持って行けば、とりあえずは誰も不幸にならない。
今回の件とは関連性はないが、とにかく鈴谷似の女性は青年がゲイである事を知らないまま一方的に別れられ、彼女自身も吹っ切れていると言っているのだから、わざわざ墓を掘り起こす様な真似をする事は無い。
だから私は、もう青年に関わる事を止めにし、時間を掛けてでも傷付いた鈴谷似の女性の心を癒そうという考えに至ったのだ。
男に『分かりました、もう元彼氏さんの事は詮索しません』と伝えると、男は穏やかな声でお礼を返す。
私は電話を切る間際に『お二人とも、男同士大変でしょうけど、どうか幸せに過ごしてください』と伝えると、男は『すまん……ちょっと、ヤツに変わってくれ』と、苛立ちを我慢する様な声が返ってきたのだ。
何か不味い事でも言ったかもと私は思いながら、陸奥似の女性に電話を代わった。
『私よ——えっ、何? 俺はホモじゃないですって!?』
『あっ、そういう事でしたかぁ……』
なるほど、私も察した。
どうやら男は女性が苦手でも、ゲイでは無いのだ。
ただ男の親友である青年がゲイだったので、必死に手助けをしていたに過ぎないらしい。
なんとも紛らわしい人である。
電話を切り終えた女性は涙が出るほど腹を抱えて笑い、机をバンバン叩いてはマスターから注意されていた。
『……ふうっ! 全く、皆して早とちり過ぎでしょぉ!』
『お姉さんからあんな話を聞かされたら、絶対に分からなくなりますよぉ〜』
男が母親から酷い折檻を受けた話の事である。
『ごめんねぇ……。さて、面白い話聞けてスッキリしたし、今日はもう帰ろうかしら?』
陸奥は席を立って背伸びすると、はにかむマスターに会計を済ませ、店を出ようとする。
『そうだ……何か困った事が有ったら、いつでもお店へ相談しに来てねっ。特別に指名料は頂かないからっ♪』
女性は店の宣伝をしてからウインクし、ルンルンと帰ってしまったのだ。
『へぇ〜、やっぱりそうでしたかぁ〜』
ニヤけながら私の頬を人指し指で突く村雨似の少女を無視し、私は泡の消えたビールを一気に飲み干してから笑ってごまかす。
それから一時間半ほど、マスターと少女の三人で楽しく語りながらも、私だけがビールを二杯と焼酎ロックを三杯飲んで酩酊して記憶が飛び、気付けば少女に腕を組まれ、人混みの多い繁華街を歩いていたのだ。
『あっ、ここならゆっくり休めそうですねぇ〜。もう遅いですし、朝までお泊まりましょうよぉ♪』
酷く酔って解読出来ない派手なピンク色の看板を指差した少女の言うがまま、私はその建物へ入ってしまう。
『あのぉ、朝までって——』
顔の部分のみ磨りガラスを貼られた窓口で少女が交渉をしている間、私は不審にフラフラしているだけである。
『あっ——お兄さん、こっちですってば〜!』
話が終わったのか、少女は私と腕を組んで、建物の奥深くへと入っていく。
辿り着いた部屋の隅に三人は余裕で眠れる程の大きなベッドが備え付けられていたので、私はそのままボスンと身を投げてしまう。
『ふふっ……先にシャワー浴びてきますねぇ〜?』
私は意識が混乱する中、少女に手を振って見送った。
それから30分程経っただろうか、バスローブを羽織った少女が、バスタオルで髪の水分を拭いながら戻って来る。
おかげで、シャンプーやトリートメントの甘い香りが部屋中に立ち込め、少しだけ酔いが覚めてしまう。
『お兄さんもシャワー浴びてきたら? 気持ちいいですよぉ〜』
ふらふらとベッドから立ち上がった私は何度もぎこちなく頷き、浴室に行ってシャワーを浴び始めた。
そこで私は冷静になり、深く考えた。
何故、私はラブホテルなんかに少女を連れて来てしまったのだろうかと。
それ以上に少女は間違いなく高校生か、良くて未成年の大学生だろうし、倫理的に不味すぎる。
これ以上前科を重ねたら、私は取り返しのつかない人生を送る事になる。
とにかく考え込んだ結論として、手を出さず健全に眠れば良いと言う答えに至ったが、果たして私は我慢出来るのか、それが分からない。
とりあえず丹念に体を洗い、洗面も終えて部屋へ戻って来た私はバスローブを羽織り、ベッドの端に座って夢中でテレビ番組を見ている少女と距離を置いて座り、もう寝ないかと提案した。
『えぇ〜、まだ十一時ですよ? これから楽しくなる所なんですけどぉ』
少女は観たいテレビがあるらしく、私は先に寝ると伝えてから毛布を被り、テレビに背を向けて目を瞑った。
『ふふっ、お休みなさ〜い』
私の自意識過剰だったのか、少女は何もせずに寝かせてくれる。
しかし、私は無駄に意識していたせいで目をつぶっても中々寝付けなく、一時間ほどテレビの音声を聞き取ってしまう。
その番組の内容は、際どい話好きの少女が気に入りそうな、時代の遅れたタレント達が浮気話でぶっちゃけ合うものだったのだが、あまりにも生々しいのでヤラセであって欲しい。
少女がテレビを消したのか、脳からテレビ音声が聞こえなくなったと同時に、彼女は私の背中へと潜り込む。
『ふわぁ……眠たぁ』
眠たげな少女の吐息が私の耳を刺激し、体がビクリとはねてしまう。
『お兄さん、実はまだ起きてたりしない?』
顔を覗き込んで話し掛ける村雨似の少女の解けた長い髪が、私の頬をくすぐるように垂れ、思わず変な声を出してしまう。
『ふふっ……やっぱり起きてましたかぁ〜。せっかくですから寝ちゃう前に幸せになりそうな話をしましょうよぉ〜』
少女が背後から強く抱き着くもので、背中に柔らな感触が惜しみ無く当たる。
私は必死に理性を保ちながら、寝たふりを続けた。
『ちょっとぉ……寝たふりするなんてイジワルすぎませんかぁ?』
寂しそうな少女に思わず声を掛けそうになるが、私は耐え続ける。
『もぉ……あ、そうだ。だったら男の人の弱点を……えぇ!?』
『な——!?』
何を考えたのか、少女がいきなり私の男根を鷲掴みして来たのだ。
『ウソぉ……大きくなってる……どうしよぉ……』
しかし、少女は戸惑っているらしい。
『うん……そうだよね……仕方ないよね』
少女は男根から一度手を離すと私の股間あたりのバスローブをずらし、柔らかいが少しひんやりした手でしっかりと握り締めてきた。
『ん……これで気持ちいい……筈なのよね?』
『くっ……うっ……』
『お兄さんの……大きいな』
背中越しに竿を握った少女は上下に手を動かし、私の理性を奪おうとする。
少女の荒い息遣いと、背中に押し当てられる胸部から激しい心臓の鼓動が伝わった。
『あ……ヌルヌルしてきた……そろそろ出そうなのかな?』
徐々に少女が扱く手を速め、私も我慢の限界を迎えそうになる。
『あふっ……うふふ……なんだか楽しくなってきたっ』
『ま……ず……ぐぅっ!』
『あっ——お兄さんの体、すごく震えてる……』
我を忘れて扱き続ける少女の手でイカされた私は情けなく子種を飛ばし、彼女の手の平をドロドロに汚してしまう。
『すごい匂い……こんなに出るんだぁ〜』
ティッシュで子種を拭き取っているのか、少女がゴソゴソと何かしていた。
『なんだか、エッチな気分になっちゃう……』
少女がいきなり毛布を引き剥がし、寝たふりをする私の体を転がして仰向けにしてしまう。
『まだ彼女候補さんとは付き合ってないし、浮気じゃ無いよね……んちゅっ』
少女が独り言を呟きながら私のバスローブを乱して前面を解放してから覆い被さるように寝転び、柔らかな唇を私の唇に重ねてきた。
『——!?』
しかも少女は全裸らしく、彼女のふくよかだが張りのあるおっぱいが私の胸部に押し当たり、再び男根が硬くなってしまったのだ。
『ちゅぷっ、れろ……んむぅ……』
少女は紡ぐ私の唇に無理やり舌を割り入れ、舌で口内を掻き混ぜてくれる。
おかげで彼女の甘い快感が口の中に拡がり、せっかく取り戻した理性を再び失いそうになる。
しかもキスをしながら陰部を弄っているらしく、クチュクチュと淫らな水音が私の脳に入り込むのだ。
『ちゅくっ——あふぅ、おま○こ蕩けそうだよぉ〜っ。んしょ……』
『んむぅ——!?』
唇を離した少女は私の口元に陰部を押し付け、私の竿を舌で舐め始めてしまう。
いわゆるシックスナインの体勢で男根を慰めつつ、私の口元に陰部を擦り付けてきたのだ。
『れろ、にゅちゅ——ぅあんっ! お兄さん……いいかげん起きてぇ〜っ。私の事も慰めてよぉ〜!』
少女の淫らな行為に理性を喪失した私は、我を忘れて彼女の尻を鷲掴みし、陰部を執拗に舐めながら刺激した。
『あにゃぁっ、それっ、いいよぉ! ふにゃっ、しゅご——私も、負けてられないわぁ〜!』
陰部に舌先を挿入する度、少女はびくりと痙攣しながら感じてくれる。
『あむっ——じゅぽ、ぐぷっ、くぽっ!』
『むおぉっ——!』
そして、少女も負けじと男根を根元まで咥え込み、頭を小刻みに上下しつつ舌を動かしながら、最高潮に刺激し続けた。
『まず——でそ……』
早くも絶頂しそうになった私も、少女をイカせる事に躍起になって舌を激しく上下左右に動かし、突起部を刺激し続けた。
『んううぅぅっ! ——ぐぽぐぷっ、ぐぷぐちゅぐぷっ、ぐちゅぽんっ——らめええぇぇ、イっひゃうよおおぉぉ〜〜!!』
『むおおぉぉぉっ!!』
少女と一緒に絶頂した私は彼女の顔にどっぷりと子種をぶっ掛け、全身激しく痙攣し続ける彼女も大量の潮を私の顔面に噴いて溺れさせようとしていた。
『あっ、びくびくぅっ、とまりまひぇんよぉ〜っ!』
『ぐおっ、ううっ……こっちも、止まらない……うあぁっ!』
それから数秒後、やっとこさ快楽の頂点から解放された私はベッドにぐったりと身を預け、痙攣の治った少女も私の上で呼吸を整え続けた。
『はぁ……あぁ……気持ち良かったぁ……』
呼吸を落ち着かせた少女は全裸のまま私の隣に移り、私の横胸に顔を埋めるよう抱き着く。
『お兄さん、本当だったらその……繋がりたいですけど……やっぱり純潔は、お兄さんが一番愛する人の為に取っておいて?』
とても残念そうに俯く少女の顔を見ると悲しくなるが、これ以上は遊びで済まなくなるので、私も彼女の意見に賛同して俯いた。
『はい、ありがとうございます……。あっ、本番以外でしたらまた……してあげますからね?』
艶かしく誘う少女に私は焦り、鼓動を早めてしまう。
『うふふっ——そんなに焦っちゃって……さてはお兄さん、童貞さんかなぁ?』
胸元を寄せて見せ付けながら、少女は悲しい質問をする。
『うっ——はい……』
私は正直に答えた。
響似の少女とは結局のところ繋がらなかったし、以前付き合っていた初めての彼女とも体を求め合う関係にまでは至っていない。
そんな私は、実は陸奥似の女性が働く怪しい店に行ったのが初めてな程、相当に初心な青年だったのだ。
『ふふっ! お兄さんったらカッコいいのに、可愛い人ですねぇ〜』
『恥ずかしいな……』
『でも、私も人の事は笑えません。だって私も……未貫通ですものっ♪』
少女は自虐的に笑っていた。
『さぁ、やってみたいプレイを教えてぇ〜?』
『うん、それじゃあ——』
私は、ノリの良い少女をベッドに寝かせると、彼女自身にふくよかなおっぱいを両腕で支えさせた。
『このまま谷間に挟むんですね……あっ、これ知ってます。パイズリって言うんですよねぇ〜!』
無邪気な少女の口から卑猥な単語を聞き取った私は、なお興奮して男根を硬く勃起させてしまう。
『あっ、その前に唾液を絡めてあげますから、お○んちんをお口に近付けてぇ〜』
私は遠慮なく、少女の唇に鈴口を押し付けた。
『あむっ——じゅちゅ、ぐぢゅっ……ぢゅぽんっ!』
少女は男根にたっぷりと唾液を絡めてから離すと、再びおっぱいを両腕で寄せ、柔らかそうな深い下乳のクレバスを作り上げた。
『ここをおま○こだと思って……好きに犯していいですよっ♪』
私の為に淫靡な雰囲気を作ってくれる少女に感動しながら、彼女の谷間へヌルヌルになった男根の鈴口を押し付け、『じゃあ、挿れるから……』と律儀に断ってから、勢い良く腰を入れた。
『んやぁ〜んっ♪』
『ぬあっ——!』
少女の柔らかくもキツい谷間が、私の男根を勢い良く吞み込むあまりの気持ち良さで腰が抜けそうになる。
『すごぉい……やっぱりお兄さんの大きいから、おっぱいの間から先っぽが飛び出ちゃいますねぇ?』
『めちゃくちゃ……気持ちいいよ……』
『ふふっ、私は苦しくありませんから好きに動いてくださいねぇ〜』
『ごめん……!』
大胆に許容してくれる少女に甘え、私は腰を激しく前後に振った。
その度に柔らかく締まる谷間と少女の唾液で濡れた男根がぐちゅぐちょと淫らな水音を掻き立て、程良い弾力の刺激と少女のおっぱいを犯す快感により、私は途轍もなく敏感に感じていたのだ。
『んぅっ……お兄さんの先っぽからエッチなお汁が溢れてるぅ……ぺろっ』
『ううっ——!』
だらしなく舌を垂らした少女は、私が腰を深く入れて谷間から男根の先を突き出す度に、鈴口をペロリと舐めて刺激する。
『あはぁ……おにいひゃんの……えっちなあひがしまひゅぅ〜……』
少女が蕩けそうな顔でそんな事するものだから、更に興奮した私は彼女の頭の両隣に両手を突き、尋常では無い速さで腰を振り続けてしまう。
『あにゃっ、おにいひゃ、激し、これ、おっぱい感じます、よぉ〜っ!』
『ごめん、もう……出そう、顔に出すから……!』
『あにゃっ、ひいよぉっ、らひてぇ〜っ!』
乱れに乱れた私は、口を大きく開ける彼女のおっぱいで絶頂する事だけに集中するし、小刻みに腰を振った。
『あっ、もう……出るううぅぅ!!』
情けない大声を上げながら私は絶頂し、深く挟み込んだ谷間から鈴口だけを突き出したまま、少女の顔と口の中を目掛けて大量の子種を降り注いでしまう。
『あにゃっ——しゅごぉ〜っ、びゅくびゅくっ、んえっ——でてりゅよぉ〜っ!』
『うっ、ぐっ——気持ち良すぎて……止まらない!』
みるみる少女の顔と口内が白濁色に染まっていくのを目の当たりにして、私は興奮覚めやらず、絶えず射精し続けたのだ。
『あにゃぁ……とまっひゃったぁ——ぬちゅ……んくんっ!』
私の射精が落ち着くと、少女は残念がりながら顔に掛かる子種を手で掬って口に含み、口内に残っていた子種もろとも涙を溜めながら飲み込んでしまう。
『なっ——飲まなくても良かったのに……』
『だってぇ……お兄さんの味を忘れたくなかったんですものぉ……』
嬉しい言葉を残す少女の顔や胸に残った子種を私はティッシュで優しく拭き取り、躊躇する事なくディープキスした。
『あむっ——んっ、くちゅ……ぬりゅっ——あふぁ〜っ!』
そうして少女の味を堪能して満足した私は唇を離し、爽やかに笑う。
『俺も一緒だよ……』
『ふふっ……お兄さん、だぁ〜い好きぃ〜!』
それから私達は裸で抱き合ったまま毛布を被り、幸せに語りながら話し込んで夜更かしを続けた。