※この作品はR-18です。

ああ無情、私は潮っぱいで尊厳を失った!   作:MTDKC

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第40話 ウォーム・ブリザードその完

 現在時刻は午後六時。

 大会が無事終わり、提督室へ戻ってから一時間も経った時の事である。

 

「司令官っ、吹雪ただいま戻りました!」

 

 体のあちこちに絆創膏を貼る制服姿の吹雪が、わざわざ戻って来てくれたのだ。

 

「吹雪、今日はもう休んで良いと言った筈だぞ?」

「あうっ、ごめんなさい……で、でも! どうしても今日、本当の司令官を知りたくてぇ……」

「本当に構わないのか? 間違いなく、吹雪の理想は崩れ去るぞ?」

 

 吹雪は少しだけ俯いたがすぐに顔を上げ、しっかりと私の顔を見る。

 

「構いません! 現状を知ってこそ、し、司令官を……そのぉ……」

「今度は口籠って、一体どうしたのだ」

「い、いえっ! とにかくっ、私は大丈夫ですから!」

 

 私は書き物をしながら可愛らしく慌てる吹雪の顔を見ていた。

 

「わはは、ならば話そう」

「お願いします……」

 

 真剣に耳を傾ける吹雪に対し、数々の艦娘達と一度きりの関係を持ってしまった事、言うほど真面目な人間では無い事、艦娘達と共に遊ぶのが大好きな事、そして潮を心から愛している事まで、全部包み隠さず話したのだ。

 

「——これで、私の話は終わりだ」

 

 辞表という書き物も完成したのだし、ちょうど良い。

 

「あ……あのぉ……冗談、ですよねぇ」

「私の事は全て教えた。とにかく吹雪は元気に頑張りなさい」

 

 次は身支度の整理を始めよう。

 

「ねぇ司令官……先程から何をして——ま、まさか辞めるつもりですか!?」

 

 流石に気付かれたが、気にはしていない。

 

「その通りだ。明日には手続きを済ませる為にな」

「どうしてですか!」

「あれだけまっすぐで純粋な吹雪の心を傷付けてしまったのだ。私の顔などもう顔も見たくなかろう」

 

 吹雪は俯いたまま黙っている。

 きっと、憤慨しているに違いない。

 

「さあ、もう部屋に戻りなさい。明日にはお別れ——!?」

 

 かと思いきや、机に乗り出して私の頭を両手で掴んだまま唇を重ねて来たのだ。

 

「ちゅぴっ——えへへ、初めてを上げちゃいました……」

 

 唇を離した吹雪は意外にも優しく微笑んでおり、私は困惑する。

 

「な、何故だ……」

「もう……司令官ったら野暮です……。私だって女の子、なんですよ?」

「ああ、吹雪は可愛くて純真無垢な——」

 

 吹雪が私の唇を人差し指で結ぶ。

 

「司令官こそ、私に対する勝手な理想の押し付けは止めてください」

「うっ、そうだな……」

「あっ、生意気な事言ってすみません……」

「いや、構わないぞ」

「それでは本当の私も知って……頂けますか?」

「な、何をしている!?」

 

 いきなり制服を乱し始める吹雪を前に、私は混乱の極みに陥った。

 

「ううぅ……恥ずかしいけど、司令官の前だから……それ以上に嬉しいっ」

 

 下着姿になって胸と股間を隠す吹雪を見て、私は嫌でも興奮してしまう。

 

「今すぐ制服を着なさい……」

「嫌です。司令官に本当の私を見せなきゃ——ひゃうぅっ」

 

 吹雪は頬を紅く染めながらパンツの中に手を入れて弄り始め、私に見せ付ける。

 

「吹雪……」

「実は私——ひうっ! ほぼ毎日こうして……司令官の事を考えながらっ、自分を慰めて——やあぅっ!」

「吹雪、大丈夫か!?」

 

 吹雪は腰を抜かして座っても、弄る手を止めない。

 

「あ、これダメぇ……司令官に見られてると思うと、いつもより気持ち良すぎて——うぁんっ! いやらしい声、止まらないよぉ〜」

「吹雪、お前の事はよく分かった!」

 

 淫らに自慰を続ける吹雪に耐えられなくなった私は、即座に彼女の元へ移動した。

 

 そして犬のように這い蹲り、吹雪の股間に顔を近付ける。

 

「ああ、こんな間近くで司令官に見られ……えっ、そんな——ダメですってぇ!?」

 

 顔を覆い隠して恥じる吹雪のパンツを下ろして解放した可愛らしい割れ目を、私は容赦する事無く舐め尽くした。

 

「いにゃっ、わたひっ、まだ丹念に洗ってないからぁ——ひうぅっ、舌らめっ、挿れちゃぁ〜!」

 

 吹雪の割れ目は甘じょっぱく、とても甘美な味わいで興奮が冷めない。

 

 しかも、ぴちゃぺちゃと艶かしい水音が響くものだから、もう抑えなど効かない。

 

「あっ、きひゃっ——しれいかんかおぉどけてぇ! このままじゃかけひゃう——からぁっ!」

 

 吹雪が私の頭を両手で退けようとしても無視し、寧ろ速く舌を動かして刺激し続けた。

 

「あっ、もぉらめ——ごめんにゃしゃぁああぁうぅぅっっ♡」

 

 吹雪が尋常では無く全身を痙攣させながら、私の頭を力強く押さえて温かい潮を大量に吹く。

 

 彼女は間違いなく絶頂したのだ。

 

「あにゃぁ……ごめんな……さぁい……」

「吹雪、気持ち良かったか?」

 

 蕩けた表情の吹雪を見上げた私は、彼女が呼吸を整えるまで見守り続けた。

 

「はい……すごく良かった……ですぅ……」

「そうかっ、それなら良かったぞ!」

 

 何故だか嬉しくて仕方なかった私は、大袈裟に喜んでしまう。

 

「司令官、今度は私が司令官のおち……を一生懸命ご奉仕しますからっ!」

「いや、別に私は構わ——ぬあっ!」

 

 構わず私の股間の膨らみを掴んだ吹雪は、艶かしく上下に擦る。

 

「こんなにズボンが張っているんですよっ。嫌とは言わせません!」

「わ、分かった! 本当は絶対に、吹雪には口でして貰いたかったのだ!」

「私のお口で……はい、お任せください!」

 

 吹雪がズボンとパンツを脱がしてくれてから、私は床で胡座を掻いた。

 

 それから吹雪は、私の股間へと顔を寄せるように屈み、がちがちに勃起した潤滑液で濡れる単装砲を両手で握り締め、まずは上下に擦り始めてくれる。

 

「ぐっ、うっ……気持ち良いぞ、吹雪……」

「司令官の……熱くて、大きくて……くらくらする匂いがしますぅ……」

 

 にゅちにゅちと淫らな水音が掻き立つ度、吹雪の目が再び蕩け始める。

 

「ふ、吹雪……そろそろ口で頼む……」

「あにゃっ——す、すみません! 今すぐお口でします——ぐぷぐぶっ」

「うっ、ぐぬうぅぅ——」

 

 あの真面目で可愛い吹雪が私の単装砲を積極的に咥え込んでいると思うと、興奮のあまりに今すぐ暴発しそうになるので油断出来ない。

 

「吹雪の口の中、熱すぎて気持ち良すぎるぞ……」

「んへふぇ〜……じゅぷっ、じゅぶ、ずじゅるちゅっ、じゅるっ」

 

 微笑んだ吹雪は私の顔を見上げつつ、懸命に頭を上下に、舌を自在に動かして感じさせてくれる。

 

 寧ろあまりの激しさに、既に我慢の限界を迎えそうだったのだ。

 

「じゅずっ、ずちっ、ずじゅるっ、ずぷっ——」

「吹雪、そろそろ口から離してくれ! もう出そうなのだ!」

「んむっ——ずじゅるるっ、じゅず、ぐちゅっぐちゅっぐぢゅ!」

 

 やはり一筋縄では離してくれないと思った私は、必死に感じさせてくれる吹雪の両脇を擽った。

 

「んぶっ——んやぁはははっ! そんなの反則ですってばぁ〜!」

「あがっ——出る!!」

「んやぁっ——ひゃっ、すごっ、いっぱい出て……んむぅっ!」

 

 実は吹雪の顔に掛けたかっただけなのだが、思った以上に勢い良く飛び散り、彼女の体全体を子種まみれに汚してしまう。

 

「うう、司令官の赤ちゃんの素、もったいないよぉ……」

「す、すまん……吹雪の可愛い顔にたっぷり掛けたかったのだ……」

「な、なるほどぉ……。それでしたら無理やり剥がさずに、ちゃんと言ってくださいよぉ〜」

 

 私は酷い事をしている筈なのだが、吹雪は笑って許してくれている。

 なんと心の広い子なのだろうか。

 

「でも、司令官の濃ゆい香りを全身で満喫出来たから……やっぱり嬉しいです!」

 

 吹雪は着けていた運動用のブラジャーを外すと全身に掛かった子種を丁寧に拭い取り、何の躊躇いも無く鼻に押し付け、思い切り嗅いでしまう。

 

「スゥーッ——」

「吹雪、咽せるから止めなさい!」

「はあぁぅ……んえへへぇっ、この匂い癖になるよぉ〜」

 

 私の子種の匂いを嗅いだだけで蕩けそうになる吹雪を目の当たりにし、萎れていた単装砲が再び硬くなる。

 

「吹雪、あまりにも淫ら過ぎるぞ……」

「そういう司令官だってぇ……もうカチカチじゃないですかぁ〜?」

「仕方なかろう……」

「司令官、今度はベッドで私の初めてを……奪って欲しいなぁ〜?」

 

 片手で子種まみれのブラを嗅ぎつつ、もう片方の手で自分の割れ目をぱっくりと開き、見せ付けてくれる。

 

「分かった……ならばベッドに仰向けになりなさい」

「はぁ〜い」

 

 おそらく理性が喪失している吹雪を仰向けに寝かせ、私は彼女の上で四つ這いに覆い被さった。

 

「スゥー……司令官、私逆が良いなぁ〜」

「逆? 私が仰向けに寝転がれば良いのか?」

「はぁいっ、お願いしますよぉ〜」

 

 まるで酒でも呑んだかの如く、栗の花の香りに酔う吹雪の要望通り、私は仰向けに寝転がると、彼女が股間へ跨って来たのだ。

 

「ん〜っ、本当に止められないよぉ」

「吹雪、そろそろ手放しても良いのでは?」

「ダメですぅっ……これは司令官が居なくなっても、永遠の宝物にするんですからぁ〜」

 

 やはり、吹雪は私が辞める事を気にしているのだろうか。

 

「分かった……」

「はふぅ……では司令官の生の匂いをたっぷりと、堪能させていただきますぅ〜!」

「んむっ——」

 

 吹雪は柔らかく体を曲げて唇を重ねると、舌を入れては絡めたり、口内を丹念に舐め回す等、たっぷりと私の味を堪能する。

 

「ぬちゅっ、ちゅぷっ、るじゅっ——ぴちゅぴちゃ、れりょんっ——あぁ〜、司令官の味ぃ、どんな料理よりも美味しいよぉ〜っ♡」

「はあ……はあ……吹雪よ」

「あっ……もう欲しいんですよねぇ……私の初めてぇ〜」

 

 ピンと背中を伸ばした吹雪は、これ見よがしに指で開いた割れ目を見せ付ける。

 

「頼むっ、もう爆発しそうなのだ!」

「どうしようかなぁ〜……」

 

 吹雪も早く挿れて欲しがっていた筈なのに、わざとらしく焦らす。

 

「吹雪……お願いだ!」

「……あ、そうだぁっ。でしたらこうしましょうっ——んしょっ」

 

 吹雪は一旦立ち上がると私の机へ行って辞表を持ち、こちらへ戻って再び跨ったのだ。

 

「この『お手紙』を司令官が破り捨ててくれましたら、挿れさせてあげます〜」

 

 なるほど、私を辞めさせない事が狙いらしい。

 

「だが……それだけは……」

「そうですか、でしたらもう初めてはあげません。そして、このまま鎮守府内を駆け回ろうと思います!」

「ま、待て、それだけは止めなさい! 吹雪の顔に泥を塗りたく——」

「別にいいよ! 司令官のいない鎮守府なんか私はいらないもん!」

 

 吹雪は号泣しながらも、子供の様な我儘を言い放った。

 

「吹雪……」

「お願いします……辞めるなんて言わないでください! 私は司令官を……誰よりも愛しているんですからぁ!」

 

 必死に泣き叫ぶ吹雪の前で、私は貰い泣きしながら辞表を破り捨てた。

 

「ぐすっ……司令官……本当に辞めませんよね?」

「ああ……ここまで必死に悲しむ子がいては、二度と辞めようとは思えんさ」

「良かったぁ……ずずっ——分かりました! ご褒美に私の初めて……司令官に差し上げますっ!」

「ああ、私で良ければな?」

「司令官にしかあげません!」

 

 泣き止んだ吹雪は満面の笑顔で勃起した単装砲の竿を握り、雁首を割れ目へと押し付ける。

 

「んやぁっ——まだ挿れてないのに、こんなに感じるなんてぇ……」

「吹雪、ゆっくりでいいからな?」

「えへへ……司令官、ありがとうございます。でも、これなら——きゃあぅっ!?」

 

 割れ目が雁首を咥え込んだだけでも、吹雪はとても敏感に感じているらしい。

 

「んやぁ……すごいよぉ〜っ」

 

 吹雪は喜びながらもゆっくりと腰を下ろし、きつきつの膣内へと咥え込んで行く。

 

「ぁきゃうっ——これぇ、何か来てますぅ〜」

「吹雪、もう少しだ。頑張りなさい」

「はいっ、頑張り——痛い、痛いっ! これっ、すごく痛いよ!!」

 

 じわじわ咥え込んだのが逆に不味かったのか、吹雪は相当痛がりつつも一筋の赤い筋を流してしまう。

 

「吹雪、すぐに腰を下ろしなさい!」

「無理です——痛いよぉっ!」

「ならばすぐに抜くのだ! 一瞬で楽になる筈だ!」

 

 あまりにも痛がる吹雪を見たくはない。

 

「それはイヤぁ——痛いっ!」

「分かった……吹雪、一気に突っ込むからな!」

「司令官なにを——ひきゃあぅっ!」

 

 吹雪の両太腿を強く抑え、私は一気に落とし込んだ。

 経験則上、これで殆どの艦娘達が楽になっていたのだから。

 

「あぁ……あんなに大きなものを全部、のみこんじゃったぁ……」

「吹雪、無理をさせてすまない。だが、もう痛くは無いだろう?」

 

 悲痛に悶えていた吹雪の顔も、今では嬉しそうに笑っていた。

 

「はいっ……司令官のおかげで痛みなんて消えてしまいました!」

「うむ、本当に良かった。後は吹雪の好きな様に動くと良い。危なくなったら支えるぞ?」

「えへへ、私ったら司令官が優しいから甘えっぱなしです……恥ずかしいなぁ」

 

 申し訳無さそうにする吹雪の背中へ両手を回した私は、繋がったままの体を寄せて抱き締める。

 

「ひゃあっ……し、司令官っ?」

「吹雪、別に私に気を配らずとも好きに甘えれば良いのだ」

「はい……。これからはもう少しだけ、司令官に甘えようと思いますっ」

 

 私に抱き着く吹雪の体はとても暖かく、この寒い季節にはどんな暖房器具よりも比べ物にならないほど心地良い。

 

「司令官、このまま動きます——うぁんっ、感じますぅっ!」

「ぐっ、吹雪の膣内……すごい締め付けだぞ!」

 

 しかも激しく動いてくれるので、とても気持ち良い。

 

「あにゃっ、しれいかん、あいしてるぅっ——あいしてるのぉ〜」

「吹雪、私もだ! 愛しているぞお!」

 

 私が告白した瞬間、膣内が更に強く締め付け、吹雪も尋常では無い速度で腰を振り始めてくれる。

 

「ふにゃっ、わらひっ、もぉらめぇ、このままとびそっ、とびしょうにゃよぉ〜っ!」

「私もだっ! 共に果てよう!」

「はひっ——あ、くりゅ、きひゃっ——」

「で……るううぅぅ!!」

 

 理性を完全に失っていて外へ出そうとも思わなかった私は、同時に絶頂して全身を痙攣させながら二度目の潮を吹く吹雪の体を力強く抱き締めて密着させ、どびゅるどびゅると激しい発射音が唸る程の子種を、彼女の子宮に種付けしてしまったのだ。

 

「——あにゃあああぁぁぅぅ……ひゅぐっ!!」

「吹雪、ふぶきいいぃぃ!!」

 

 あまりにも多過ぎる子種を受けきれなかった分が、吹雪のぎっちりした割れ目からどろどろと溢れ、私の下腹部を温めてくれる。

 

「はぁ……ひゅぅ……あぁ……司令官のぉ……すごかったよぉっ……」

「私もだ……吹雪の可愛さを前にして、理性が完全に吹き飛んでしまった」

「司令官……もう少しだけ、このままでいていいですかぁ……?」

「構わないぞ?」

 

 吹雪は繋がったまま私の胸を枕代わりにして、そのまま眠ってしまう。

 

「すぅ……すぅ……」

「相当疲れていたんだな……無理もないか」

 

 今日一日だけで相当な運動量を強いられ、何かといざこざがあって精神的にも疲れている筈なのだから。

 

 そんな吹雪の頭を優しく撫でながら、私は穏やかな気分で見守っていた。

 

「んん……えへへぇ……司令官ったらぁ……甘えん坊さんなんだからぁ……」

「ははっ、よく言うなあ」

 

 どんな夢を見ているかは知らないが、吹雪が幸せそうだから問題無い。

 

「……んん、よく寝たぁ——って、司令官すみませぇんっ、私ったらつい居眠りしちゃって!」

 

 寝惚けた顔を勢い良く上げた吹雪は、いつもの様に元気に謝ってくれた。

 

「わははっ、気にするな。あれだけ気持ち良さそうな顔で眠る吹雪を見られて、私も幸せだったのだからな」

「はうぅ……恥ずかしいですぅ……あっ、そうだった! あれ渡さなくちゃ!」

「んっ、どうした?」

 

 吹雪はベッドから降りると、秘書艦用の机の下に置いてあった私物の風呂敷包みから、丁寧かつ綺麗に包装された長方形の箱を取り出すと同時に背中へ隠し、私の元へゆっくりと戻って来た。

 

「司令官、なんだか順序を間違えちゃいましたけどぉ……こちら、私からのプレゼントです!」

 

 全裸の吹雪から、満面の笑顔と共に両手で差し出された贈り物を、私は至極喜んで受け取った。

 

「吹雪、喜んで頂くぞ!」

「えへへ……開けてみてくださいっ」

「ああ、では遠慮なく——なんと!!」

 

 丁寧に開けた箱の中から、以前から私が欲していた革帯の腕時計が出現したのだ。

 

「しかし吹雪、この時計はとても高かったのでは無いか?」

「えへへぇ……お店で値段を見てびっくりしましたよぉ〜」

「なんという……」

 

 私の為に、ここまで高い物を買わずとも良かったのに。

 

「あ、あのですねっ! 実はあまりにも高かったもので……明石さんにお願いして似た物を作って貰ったんです!」

「そうか、そうだったか!」

「あっ、はい! 間宮さんのアイス十個分でぇ……。だから先に謝りますっ、ごめんなさい!」

 

 吹雪は一生懸命に謝るが、私は何も気にしていないどころか逆に嬉しかった。

 

 この腕時計自体は正常に動作しているし、何より吹雪が無理をしていない事が分かったのだから。

 

「謝らなくて良いんだ……。この腕時計は私の一生の宝物にするぞ?」

「あっ……はい! そう言って頂けると私……嬉しくて仕方ありません!」

 

 ここまで裏表の無い吹雪の眩しい笑顔を見たのは初めてなので、この腕時計と一緒に大切な思い出として残そうと胸に刻み、残り少ない彼女との一日を楽しく話しながら過ごし続ける。

 

「——あ、やっぱり甘えるのは今日だけにします……潮ちゃんに悪いですもの」

 

 楽しく話し込んでいる中で、吹雪は潮の事を考えてくれていた。

 

「うむ……。だが、吹雪が気に病む事は無い」

「どうしてですか?」

「いやな……実のところ、潮に愛を打ち明ける勇気が無くてだな……」

「あっ、なるほどぉ〜! 司令官ったら見掛けによらず可愛い心の持ち主なんですね! なんだか驚いてしまいましたぁ〜!」

「申し訳ないが……この事は潮には黙っていてくれないか?」

「えぇ、どうしようかなぁ〜?」

 

 吹雪は意地悪く、私の様子を伺っている。

 

「頼むっ! 今度好きな物を奢るから!」

「んふ〜っ、司令官からのデートのお誘いでしたら、私は喜んで口を結びます!」

 

 まあ、ただ外で一緒に食べるだけなら問題は無い。

 

「吹雪、本当に助かるぞ!」

「では司令官、話が落ち着いたところで三回目……して欲しいなぁ〜」

「ああっ、今日だけなら気絶するまで付き合うぞ!」

「はいっ、よろしくお願いします!」

 

 それから私は吹雪と消灯時間いっぱいまでの間に合計六回も盛り、明日の事など考えず、今日という一日を充実すぎるぐらい過ごしたのだ。

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