モヤモヤした気持ちを抱いた翌日。
私は提督としての任務を長門に託し、鎮守府の見回りをしていた。
座学中の教育者や教え子達の授業態度、訓練と演習の実施状況、補給倉庫の整理状況等々、普段は軽巡や重巡の艦娘達に任せっきりの箇所を、ある意味予告無しに数日掛けて見回る予定である。
まずは教育状況を確認するため教室へ入ったのだが、座学中にも関わらず駆逐艦娘達が幼い姿の私を物珍しそうに囲んできたのだ。
「ええっ、この子が提督の甥っ子なの?」
「やだっ、とっても可愛いじゃない!」
「頭を撫でたいのです!」
「可愛いな……」
座学中に幼い少年が見学という名目で乱入すれば、暁、雷、電、響の四人の様に構ってくれるのは必然なのだろうか。
「うん、可愛い男の子だね」
「この子が、提督の甥っ子さん……うぅ〜ん、可愛いです!」
朧と潮も私を可愛いと言ってくれているが、気分は複雑である。
とにかく私は皆からちやほやされ気持ちは良かった。
大人の立場として考えると素直に喜べないが。
「こらー、皆さん机に戻りなさーい! 教育中ですよ!」
教育担当の那珂は黒縁眼鏡を掛けて真面目に教育しており、司令官の立場としては安心出来る。
「君も怖かったよね?」
「ううん、大丈夫ー」
寧ろ、嬉しくて堪らないぐらいだ。
「ごめんねー、この子達ったら好奇心旺盛で」
「いいよ! ボクの事は気にせずお勉強に集中して」
「うんっ、いい子だねー! よしよし♪」
「えへへっ……」
那珂が幼い私の頭を撫でてあやしてくれ、意外に思う。
「さあ皆さん、続けますよー!」
那珂の優しい一喝で皆が威勢良く返事してから席に着き、教育を再開する。
とにかく那珂は教育者らしく教えているし、教え子からの質問にも多少くだけ気味だが答えているし、叱る所は優しく叱り、褒める所はべた褒めしている。
とにかく那珂が真面目に教育しているのだと知る事ができ、嬉しくて堪らなかった。
無事に一限目の座学が終わると小休止に入り、那珂と教え子達が私の元に集まる。
「ねえボク、授業は楽しかったかなー?」
「そうだねー……なんだか懐かしく感じたよ」
「えっ、懐かしい?」
まずい、つい下積み時代の事を思い出してしまった。
「う、ううん! お姉ちゃんがとても輝いて見えてたー!」
「わあっ、そうなんだ——ありがとー!」
「おわぁ!?」
那珂が私の体を抱き上げて喜ぶものだから、思わず素の声が出た。
「那珂さんばっかりズルーい!」
「綾波も〜!」
「わ、私も触りたい!」
雷、綾波、磯波の三人が無理矢理、那珂が抱き上げている私に抱き着いてきた。
「く、苦しいっ……離してー!」
「あっ、ダメだよ三人とも! この子が苦しんでるから少し離れてー!」
那珂の気遣いによって三人が抱き着くのを止め、私は優しく床へ下ろされた。
「ごめんねっ」
「えへへ、少しはしゃぎすぎちゃったぁ〜、大丈夫?」
「怪我は無いかな?」
三人とも反応は違えど、私の体を心配してくれている。
「うん、大丈夫。ありがと、お姉ちゃん達!」
素直にお礼を言うと、彼女達がほんわかと和んでいた。
それにしても今の私が幼いからとは言え、この子達をお姉ちゃんと呼ぶのは抵抗がある。
我慢出来ない程では無いから別に良いが。
「あっ、そろそろ次の場所を見学しようかなー?」
「あぅ……もう、行っちゃうの?」
教室にいる全員が寂しそうに呼び止めるが、中でも泣きそうな声の潮に対し、非常に申し訳なくなる。
「そうだ、お姉ちゃんに鎮守府を案内して貰おうかなー!」
だから私は潮の両手を引っ張り、そう誘った。
「えっ……ええ!?」
「やっぱりお勉強中だから……ダメ?」
自分の中の漢を捨てる様に目を潤わせながら、潮に甘える。
「那珂さん……この子の案内をしても、よろしいでしょうか?」
「そうだねー。この子も潮ちゃんに甘えてるみたいだし……いいよー!」
「わあっ……那珂さん、ありがとうございます!」
那珂に対し、潮は深く頭を下げた。
「潮は子供の面倒見がとてもいいからね。安心して任せられるよ」
「私も行きたかったけど、ここは潮に任せるわ!」
「潮ちゃんが見てくれるなら綾波も安心だよぉ〜」
那珂だけでなく、朧、雷、綾波を代表として、他の教え子達も納得してくれた。
「よろしくね、潮お姉ちゃん!」
「えへへ……どこに、行きたいの?」
「みんなが体を動かして、一生懸命頑張ってるところー」
訓練場の事なのだが潮に伝わるだろうか。
「うぅーん……。あっ、訓練場を見学したいのかな?」
「そこー!」
潮に伝わってくれて良かったが、自分らしくない子供の振りは妙に疲れる。
「お姉さんの手、離しちゃダメだよ?」
「うん!」
潮から差し伸べられた柔らかく温かい手を握り、私は一緒に教室を出た。
那珂達から温かく見守られながら。
訓練場まで案内されている途中に潮は、歩幅の小さな私を気遣うようゆっくりと歩きつつ、優しく話し掛けてくれる。
「ねえ、キミは何処に、住んでいるの?」
「よこすかー!」
過去に働いていた鎮守府を思い浮かび、仮の出身地にしてしまう。
「あっ、横須賀なんだ……いいなぁ」
「なにがー?」
「えっと、横須賀にはね、毎年恒例の観艦式があるの」
「うんっ、毎年見てるー!」
実際に毎年、艦娘達を引き連れては参加している。
「そうなんだっ。とっても豪華な観艦式を毎年催してるって、提督から聞いた事あるけど、やっぱりそうなのかな?」
「うん、とっても派手ー。それに艦娘達も楽しそうだよー」
「いいなあ……潮も、観艦式に参列したいな」
毎年、大和を代表とした十数名の戦艦娘や巡洋艦娘、駆逐艦娘を横須賀に引き連れては観艦式に赴いているのだが、思い返せば潮を参列させた事は無い。
「だったら、おじちゃんに頼んで潮お姉ちゃんを参列するよう、ボクから頼んでみるよー?」
「本当? だけど、提督に迷惑じゃ、ないかな……」
「そんな事ないよー! おじちゃんはきっと、喜ぶってー!」
実際、潮を観艦式に参列させたいのだから。
「えへへっ……ボク、優しいねっ」
「わひゃっ——」
まさか潮が頭を撫でて褒めてくれるとは思わず、つい驚きの声を上げてしまう。
出会ったばかりの頃は、少し声を掛けただけでも怯えるほど気の弱い子だったのに。
「あっ、ごめんね……もしかして、怖かった?」
「ううん、いきなりだったから驚いただけー!」
「ほっ……良かった」
だが、それだけ潮が成長したのだと思うと嬉しくて堪らない。
それに比べて私は、人としてドン底まで堕ちている体たらくだ。
全く自分が情けなくて仕方ないが、逃げる気は最早無い。
私を信頼してくれている艦娘達の為にも、今の自分を貫くのみだ。
その後もしばらく話し込みながら移動していると、目的地の訓練場が目に入る。
「ねえボク、あそこがキミの見たかった、訓練場だよ。ちょうど皆も、訓練を頑張ってるみたい」
潮の言う通り寒空の中、半袖の体操服にブルマを履いた複数の艦娘達が、拳闘訓練に励んでいた。
「みんな真剣そのものだなー……素晴らしい」
「ねっ、素晴らしいよ……ね?」
つい素の言葉が出てしまった。どうにか取り繕わなければ。
「う、うん! 動きが良すぎて見惚れちゃうなー!」
「あっ、そうだよね。見惚れちゃうよねっ」
彼女達が打ち出す拳は速く、反撃されても華麗な足さばきで避け、顎を狙って下から突き上げる拳も瞬時に見切って即座に後退しては打ち出し返すなど、とにかく見応えがあったのだ。
それから数十分の間、訓練に集中する彼女達の邪魔をしない為にも私は、潮と共に少し離れた場所で見ていた。
「あっ、休憩みたい。皆に挨拶する?」
「うん!」
潮と並んで訓練場に近付くと、私の存在に気付いた艦娘達がタオルで汗を拭いながら駆け寄って来る。
「潮〜、この子が朝礼で言ってた例の子?」
「その通りですよ、村雨ちゃんっ」
「ほほぉ〜……よしよ〜し、お姉さんが可愛がってあげるぞぉ〜」
「わあっ!?」
屈んだ村雨が私の頭を撫でると、無防備にも体操服の襟から汗で濡れる深い谷間がチラリと見え、思わず声を上げてしまった。
「あらら、ビックリさせちゃったかしらぁ」
「すっごーく可愛い! 時雨もそう思うよねー?」
「うん、やっぱり可愛いな」
「やっぱり?」
「ううん、気にしないで」
楽しそうに喋る白露に時雨はボロを出しそうになるも冷静に受け流しており、流石である。
「とっても可愛いけど、なんだか……提督にそっくり〜」
なかなか鋭い五月雨の一言で、私の肝が冷えてしまう。
時雨も地味に反応しているし。
「まあ甥っ子だしね。まれに似るモンじゃん?」
「あっ、言われてみれば……納得かな!」
くだけた
「だけど、この鎮守府に可愛い男の子一人だけでは少し心配ね」
「浜風ちゃん、大丈夫です。潮がお守りしますっ」
「いいえ、私が言いたいのは色々と溜まっている子が多いからって事なのだけど……」
「色々と、溜まって?」
潮は意味を理解していないが、私は浜風の言いたい事が嫌でも分かる。
「ほぉ〜、浜風も欲求不満なんかのぉ〜」
「きゃあっ!?」
浦風が悪戯に笑いながら浜風の乳房を揉んで戯れて驚ろかせる。
「ほれほれ、でかい乳しおってからにぃ〜」
「ちよっと、やめなさいよ浦風!」
浦風も負けじと大きいのだが、浜風は言及しないのだろうか。
「そ、その意味って……うう……」
とにかく潮の教育に悪いし、私の股間にも良くないので止めさせたいのだが、この姿では何も出来ない。
「……二人とも、少し落ち着きなよ。潮が混乱しているじゃないか」
そんな時、時雨が止めてくれた。
「それに、その子の教育にも悪いよ」
「なんじゃぁ、つまらんのぉ」
「私は何も悪くないけれど……その通りだから早く離しなさいっ」
「あたっ——痛ったぁ!」
額を指で弾かれた浦風は浜風の胸から手を離し、痛そうにデコを撫でている。
「時雨ちゃん、あの……ありがとう!」
「ううん、いいんだ……潮には純粋でいて欲しいもの」
「えっ?」
「ごめん、なんでもないよ」
「ふぅ……それにしても潮はズルいのぉ、提督から好かれとって」
「そ、そんなっ……」
浦風の大胆な一言を聞き、潮は慌てふためく。私も気が気ではない。
「浦風、溜まっているからって潮に絡むのは止しなさい。見苦しいわよ」
「なんじゃ、浜風は相変わらず固いのぉ……この場に提督もおらん事じゃし、せっかくじゃから潮の本音トークを聞きたいんじゃ!」
「あっ、潮の気持ちは私も聞きたいなぁ〜」
「あったしもー!」
浦風の本音トークとやらに喜んで賛同する村雨と白露だけに限らず、困り果てる時雨を除く全員が潮に群がった。
非常にまずい状況だが、やはり私には何も出来ないので大変もどかしい。
「……みんな、提督はきっと潮の事を、みんなが思ってるほど好きじゃない……って、思います」
「えっ、どうしてぇ〜?」
村雨が不思議そうに聞く。
「だって、潮は大きな成果をあげてないですし、秘書の時だって、いつもドジってばかりで……迷惑掛けて、ばかりですから」
そんな事は絶対に無いと心から叫びたいが、叫べない。
「いやいや、潮はぶち頑張っとるじゃろ。提督の為かは知らんがのぉ〜」
「えっ、そうかな……?」
「そうよ。だけど潮は少し頑張り過ぎて、空回りする事があるだけよ」
「浜風ちゃん……」
「そうだよー! あたしがイッチバーン頑張ってる……って言いたいところだけど、潮がナンバーワンだってー!」
「白露ちゃんっ」
「潮がとっても頑張ってる事はみーんな知ってるわよぉ。とにかく私は、潮が提督の事をどう思っているのかが是非とも知りたいのよねぇ〜」
確信に迫ろうとする村雨に対し、潮以上に私が焦らざるを得ない。
「あのね……潮は、提督の事を……一人の男性として、愛せない……と思います」
聞いた瞬間、私は心臓が止まりそうになる程のショックを受けた。
あまりにも予想外な答えだったのだから。
「あらぁ……」
「意っ外ー! もしかして提督はタイプじゃないの?」
「実はセクハラされとって嫌いなんか?」
村雨と白露が驚く中、浦風がとんでもない事を言うが、一度手を出したのは事実なので何も言えない。
「そ、そんなこと、絶対にありません! それに提督は、優しくて、格好良くて、頼りになるから……好きです」
潮から好きと聞いた一瞬に息を吹き返した私だが、彼女が恋愛感情を抱いているかは、まだ分からない。
「なんじゃぁ、好いとるじゃないか。告白とかせんの?」
「ダ、ダメだよ! 潮なんて、提督と釣り合いませんし、それに……迷惑になります……」
「そうけぇ……なら、うちが提督に告白しよぉかのぉ〜」
「えっ……ええっ!?」
突飛な浦風の言葉により、潮が混乱の極みに陥ってしまう。
「無謀な事は止めときなさいよ。提督から無理と言われてお終いに決まっているわ」
浜風はそう言うが、あまりにも熱心に迫られたら、私も男なので断りきれない可能性だってある。
「だったら村雨もぉ〜っ」
「ならば、この磯風も告白させて貰おうか」
「うわあっ! な、何をするの!?」
背後に回っていた磯風が抱き着き、頭をわしわしと撫でてきたおかげで、私は思わず大声を上げてしまった。
「坊や、気にする事はないぞ……ふふっ」
「みんなズルーイ! あたしだって告白したいのにー!」
「ありゃりゃ、やっぱ皆考えは同じナンだー」
白露と江風も想ってくれているとは、全く分からないものである。
「全く、よく言うわ。皆して提督の前では、告白する度胸なんてない癖に」
そう言い切った浜風に対し、告白したがっていた筈の浦風達が悔しそうに顔を向ける。
「と言うか……磯風ずるいわ。私にも撫でさせてよ」
「ちょっと、やめて——むぎゅっ!」
有無を言わせず私の正面から浜風が抱き着いてきたので、潮に勝るとも劣らない彼女の乳房が、私の顔に襲いかかった。
「ぐ、ぐるじ……はなしっ……てぇ」
幸せ過ぎるのだが、その代償として息苦しくなる。
「ちょっとちょっとぉ〜、この子は私の将来のお婿さんになってもらうんだからねぇ!」
「こらぁっ! その子は将来提督に似て絶対格好良くなるけん、うちが唾をつけるんじゃぁ!」
更に村雨と浦風のおっぱいに挟まれ、遂には息が出来なくなってしまう。
だが嬉しすぎて堪らないという矛盾である。
「いぎ……ぐるじい……」
まずい、このままでは本当に窒息してしまう。
「ダメだよ浜風っ、このままじゃ提督が死んじゃう!」
「村雨さんっ、離してあげてー!」
「その子本当に苦しそうだし、浦風も離してあげなよー!」
時雨が浜風を、五月雨が村雨を、白露が浜風を、それぞれ私から全力で引き剥がしてくれたおかげで、どうにか窒息死は免れた。
「ぜぇ……はぁ……お前達、本当に死ぬかと思ったぞ……」
「んん? いま随分と提督らしいセリフが——」
「提督を思うあまりの幻聴だよ」
「あっ、それあり得るわー」
死に際を味わったせいでボロを出した私に対して江風が疑いの眼差しを向けるが、時雨がどうにか誤魔化してくれていた。
「ううーん? 今、時雨もていと——」
「うん、だって五月雨も言うように似てるものっ。だから、つい提督って叫んじゃったんだ」
「ああっ、納得ー!」
食い気味に答える時雨だが、白露は納得したらしい。
「やはり、この私が坊やに相応しいらしい。参ったものだな」
「こらぁっ、何をいつまでも抱き着いとるんじゃ! 磯風も離さんかい!」
「あっ、ひどいぞ……」
浦風が磯風から私を優しく引き剥がしてくれ、潮に預けてくれた。
「潮、この子を頼んだぞ!」
「あ……うんっ。ボク、どこか痛いところは、ないかな?」
潮は何か考え事をしていたのか浦風から声を掛けられて我を取り戻し、私を心配してくれる。
「うん、大丈夫だよ潮お姉ちゃん!」
「あれ、少しお股の方が腫れて——」
「な、なんでもないよ! すぐに治るから安心して!」
勃ち上がった単装砲を即座に両手で隠した私だが、潮に見られてしまった。
まずい、大変まずすぎる。
「そうなんだ? でも心配だから、お姉ちゃんが見て……」
「まあまあ潮よ。男の子なんじゃから大丈夫じゃてぇ〜」
無垢な潮を止める浦風の微妙な笑顔と台詞回しから、私の股間状況を察したのだろう。
「あっ、そうだよね……。ボク、変な心配して、ごめんね?」
目の前に屈んだ潮が私の頭を撫でてくれたのだが、無防備な彼女の魅惑たっぷりな谷間が襟ぐりから見え、股間状況が更に悪化する。
「だ、大丈夫だから潮お姉ちゃんは、しばらく皆と話してて!」
「本当に、見てなくて大じょう……」
「潮もこっちに来て、今日の昼食を何にするか皆で話し合おうよ?」
まるで私に助け舟を出すように、時雨が潮を立ち上がらせた。
「あっ、うんっ。ボク、もしも酷くなったら、すぐに言ってね?」
「大丈夫ーっ!」
二人が皆の輪に向かう際、時雨が振り向きざまに片目を瞬きする。
どうやら本当に助けてくれたのだ。
とにかく今日の見回りは充分果たしたし、あとは甘いひと時が来るまで、ゆっくり今の時間を過ごそう。
現在時刻は午後八時。
ついに、明石を除けば最初のサンプル採取に伴う愛ある情事が行われる時が訪れた。
「司令、金剛お姉さまと夜伽される前に少しお話があります。よろしいですか?」
工廠の地下に明石が私の許可無く作った秘密の寝床があるのだが、その入口前で比叡が立ち塞がり、何かを伝えようとする。
「ああ、構わないぞ」
「あのですね……司令に先を越されるのは最早、緊急事態ですから気にしませんし、司令だから問題ありません」
「比叡、私を許してくれるのだな?」
「はいっ、勿論です! ですが……お姉さまはああ見えて、実は驚くほど小心者ですので、どうか優しくしてくださいね?」
「それは本当なのか?」
いつもは積極的に抱き着いてくるし、昨日の会議の時だって金剛は卑猥な発言を放ち、喜んで手を挙げてくれていたのに。
「あれは強がりですよ。お部屋にいる時のお姉さまはもっと落ち着いてて……まあ、実際に見れば嫌でも分かります」
「分かった、比叡の言うよう細心の注意を払うよ」
「お願いします!」
比叡は深く一礼すると、この場から去っていった。
「うむ、想像も出来ないが……待たせても悪いし早く入ろう」
比叡の言葉を噛み締めながら。
「提督ぅ、本当に来ちゃったのデスネ……」
ドアを開けて中に入ると、煎餅布団で全裸の金剛がやたらと照れながら、掛け布団で体を隠していた。
「金剛、隣を失礼するぞ?」
「ひぅっ……」
そんな金剛を刺激しないよう隣に座ったのだが、怖いのか体を震わせている。
「うむ、やはり比叡の話は本当だったのか」
「うう、比叡ったら余計な……What!?」
更に体を近付けて金剛の頭を撫でたのだが、それだけでこの驚きようである。
「うーむ……やはり止めた方が良いのでは無いか?」
「い……嫌です嫌デス! 提督と……したいよぉー!」
金剛は力強く首を横に振り、否定してくれた。
ならば少しでも気分を落ち着かせてあげる為にも、この小さな手で金剛の手を握り締めながら話をしよう。
「提督の手、温かい……」
「金剛よ、私は今とても嬉しいぞ」
「え?」
金剛が不思議そうに私を見つめる。
「普段はあんなに破天荒で明るく積極的な金剛が、今では乙女らしく反応してくれているのだからな」
「……提督は、どちらの私が好きデスカ?」
「ううむ、決め兼ねるが……やはり明るく積極的な金剛が好きかな?」
「Oh……Very wonderfulネー!」
「なっ——むぐぅっ!?」
先程まで乙女のように恥じらっていた金剛が、いつもの如く明るく振舞いながら掛け布団を放り投げ、私の小さな体を抱き上げたのだ。
おかげで彼女の戦艦級の生おっぱいが、私の顔を惜しみなく埋めてくれた。
「提督ぅっ、私ぃ……本当に心から愛してマース! 恥ずかしがってなんかいられマセーン!」
「むおお——ぷはっ!」
両脇を抱えたまま金剛は腕を伸ばして私の顔を胸から離し、瞳をジッと見つめる。
「わははっ、やはり金剛は強いな」
「提督……キスしていいデスカ?」
「無論——」
「ちゅっ——にちゅ、ずじゅる……ぴちゃっ、んんふぅ……ぬるっ」
私を抱き締めたまま唇を重ねてきた金剛は口中をじっくり味わう様に、ねっとり舌を絡めてくれる。
「ぷちゅっ——ああぅぅ……やはり恥ずかし過ぎてぇ、頭おかしくなりそうデス……」
「はあ……はあ……。金剛、先ほどから股間が苦しくて堪らない……どうにかして欲しい」
金剛に主導権を握らせたい私は、とにかく彼女に甘えた。
「あっ、うう……Cuteな提督が苦しんで……Yes、分かりマシタ。脱がせてあげマスネ?」
「お願いするぞ」
私が子供らしく万歳すると、金剛が優しく小さな制服と下着を脱がしてくれ、硬くいきり勃った単装砲を解放させてしまう。
「wow……とっても大きいデス……」
「金剛の接吻が上手すぎて、こうなったのだ。さあ、どうしたい?」
「ア、アノぉ……昨日の会議中に発言したこと全部……実践しマス。ですからまずは私の膝上へ仰向けになってクダサーイ」
「ああ、是非とも頼む!」
煎餅布団の上で正座する金剛の膝上に仰向けになると、とても柔らかくて大きな乳房が私の単装砲を包み込んだ。
「ぐうっ……金剛、素晴らしい乳圧だぞ」
おっぱいの重量感がとても心地良く、動かさずとも狭射出来そうな程であった。
「提督の大っきな○んちん、Very hotデス……おっぱいが火傷しそうネ……動かしマス」
「ぬあっ、ぐううっ——気持ち良い!」
自分の潤滑液だけでは滑りが足りないが、それでも金剛が乳房を動かすだけで、たぱんたぱんと艶かしい音が部屋を響く。
「うう……とってもエッチすぎてぇ……はうぅ……」
「金剛っ、谷間に唾に垂らしてくれ。もっと滑りが欲しいぞ!」
「あっ、ハイ……んえぇー」
金剛が惜しみなく唾を垂らすと両乳房を交互に揺らして単装砲に満遍なく絡め、おっぱいを上下に揺らす速度を速めてくれた。
「んしょ、んしょっ、この速さでっ、どうデスカ?」
「ぐっ、気持ち良いっ。幸せ過ぎて、いつ死んでも良い程だ!」
「No! 死んだら許さないヨ!」
「す、すまないっ」
段々と金剛は気分が乗って来たのか、滑った谷間と単装砲が擦れる際に出る淫らな水音が部屋に響いても恥じる事なく、揺らし続けてくれた。
「くっ、ううっ、はぐうっ」
故に、自然と変な声を私は上げてしまう。
「ああっ……提督の喘ぎ声、可愛いすぎます、おかしく、なりそぉ……」
「金剛、そろそろイきそうだ……」
「Oh……提督、いつでも射精して、いいデスヨ。全部受け止めて、さしあげマス!」
「ぐっ、そんなに激しくされると——」
「提督、イッてください! 可愛い精液全部っ、受け止めマスからーっ!」
尋常ではない速さで揺らしてくれたおかげで、弾薬庫に溜まっていた子種が雁首へと一挙に押し寄せる。
「あ、ああもうっ——出すぞおおぉぉ!!」
「あやっ——ふやぁっ! すごいっ、中で脈打って——んんうーっ、顔にも掛かっちゃいマス!」
昨日のモヤモヤした気分から溜め込んでいた大量の子種が金剛の谷間の中で弾け飛び、おっぱいは勿論の事、彼女の顔もどろどろに汚してしまい、提督室よりも狭い部屋に栗の花の匂いが充満する。
「はあ……はあ……金剛、とても気持ち良かったぞ……」
「提督の精液ぃ……ぴちゃ、あむっ——ごくんっ」
金剛はうっとりとした顔のまま、顔と胸に掛かった子種を指で丁寧に搔き集め、口に含んで飲み込んでくれた。
「んうぅっ……提督の精液もっと欲しいよぉ——ぬちゅっ、じゅぽ!」
「ぐおっ——金剛、出たばかりでっ、激しすぎる!」
金剛が私の勃ちっぱなしである単装砲を口で咥えると、舌で尿道を刺激したり、竿を満遍なく舐め回したりして、残った子種を掠め取ってくれた。
「はふぅん……提督、次は四つん這いになったまま後ろを向いて欲しいデス」
「金剛、まさか本当に私の尻穴を舐めるつもりなのか?」
「Exactly! ご名答デース……さあーっ、恥ずかしがらずにお尻を向けてー!」
「汚い物を向けてすまないが……頼む!」
私は金剛の好意に従い、喜んで四つ這いになってから、彼女の目と鼻の先に尻穴を近付けた。
「提督のお尻の穴でしたら全然汚くアリマセーン……ぜーんぶ愛してマス」
「金剛——ぬあぁっ!?」
「んちゅっ……ぬりゅ、ぬりゅりゅっ!」
金剛は私の単装砲を逆手で扱きながら空いた手で玉を刺激しつつ、本当に躊躇する事なく私の尻穴に舌を突き入れては激しく出し入れしたり、搔き回してくれた。
「くぁっ、それっ、だめだっ、恐ろしい程、気持ち良すぎるから!」
「んえへへぇ……ぬりゅ、ぬちゅにちゅっ、ぬりゅにちゃにちゃっ」
「あ、あがっ、ダメだっ、もう射精しそうにっ——ぐああーっ!?」
あまりの快感によって射精しそうになった私の単装砲の雁首を、金剛が強く握り締めて止める。
「ずちゅっ——提督ぅ……二度目は是非とも私の子宮に……植え付けて欲しいデース」
「ああ……分かった」
顔を向けると金剛は、仰向けに寝て両手を広げたまま待ち構えていた。
「さあ、提督の○んちんを私のお○んこに挿れてください……」
「今すぐ挿れるからな……」
「あひっ——!」
がちがちにいきり勃った単装砲の雁首を、愛液で濡れたヌルヌルの割れ目に押し付けると、金剛が可愛らしい喘ぎ声を上げる。
「はは、敏感だな」
「うう、だってぇ……ずっと提督の○んちん咥えたいのを、我慢してましたからぁ」
「ああ、私も同じだ……金剛、心を穏やかにしておきなさい」
「提督ぅ、Thank youネ……」
これ以上、金剛に怖い思いをさせないよう慎重に、膣内へと単装砲を咥え込ませて行く。
「あぁんっ、提督のぉっ、可愛いのに大きくってぇ……ひぅっ——いやああぁぁっ、痛い、痛いデス!!」
「金剛、落ち着いて深呼吸しなさい! すぐに楽になるから!」
半分まで咥えさせた所で一気に腰を入れて全部挿れると、金剛が悲痛な声を上げながら、初めての証を割れ目から流してしまう。
「はひゅぅ……ふうぅ……oh……本当に治まりました……」
「ああ、本当に良かった」
「提督ぅ、私は本当に……嬉しくてぇ……胸がいっぱいでぇ……ひぐっ、うえぇっ」
なんと金剛が、いきなり愚図り始めたのだ。
「こ、金剛っ、何故泣くのだ……やはりまだ痛いのでは無いか!?」
「ち、違います! ぐすっ……嬉し過ぎて、涙が止まらなくなっただけデース……えへへぇーっ」
「金剛……可愛い過ぎるぞ!」
「あっ、少し待って——んむぅ〜っ!」
涙を溜めながらも微笑む金剛に激しく欲情した私は、どんな状態だろうとも気にせず彼女と唇を重ねて舌をねじ込み、舌と舌を絡めるよう舐めまくった。
「ぬちゅっ、ずじゅるる、にゅじゅっ——ふあぁっ……提督の舌使い、とてもエッチデース……」
「すまん、もう私も我慢出来そうに無い。このまま腰を振るぞ?」
「OK! たくさん振ってくだ——んやぁ〜っ!」
理性が失われた私は激しく腰を振り、金剛の膣内を堪能した。
「金剛っ、こんなに乱れてっ、可愛い過ぎるぞ!」
「あにゃっ、提督も、可愛いのにっ、でもっ、本当は逞しくって、おかしくなるよぉ〜!」
「むおっ……金剛、これはどうだ——」
「んにゃぁっ、おっぱいそんなに激しく吸われるとっ、私、どうかしちゃうよぉ!」
私は必死に腰を振りつつも金剛のおっぱいに顔を埋めつつ、乳首に吸い付いた。
「うぷっ——ぐ、ううっ、金剛っ! そろそろイきそうだ!」
「ああっ、提督ぅ〜! イイデスヨー、もっと激しく、振ってくださ〜い!」
金剛が力強く私の上体を抱き締める中、私は彼女のおっぱいで窒息しないよう顔を上げ、がむしゃらに腰を振り続けた。
「ぐっ、うああっ、金剛、金剛ーっ!」
「ふやぁっ、提督ぅ〜っ! もう、私もらめっ、いっしょにぃ、果てよぉ〜っ!」
「はぁ、はぁっ! もうっ——出すぞおおぉぉ!!」
「ひゅぐぅっ——んやああぁぁ〜んっ!!」
発射する寸前に全力で腰を突き入れた瞬間、私の上体を力いっぱい抱え込んだ金剛が大声で喘ぎながら全身を痙攣させ、大量の潮を吹き続ける。
「ぐっ、ううっ! 金剛の膣壁が何度も締め付け、射精が止まらない!」
「はにゃっ♡ はずかしぃからぁっ♡ そんなこと、言わないでぇ〜っ♡」
まるで金剛は瞳にハートを浮かばせる様に顔を蕩けさせていた。
「はあ……はあ……金剛、最高に気持ち良かったぞ」
「んぅ……私もぉ……」
一刻も早くサンプルを採取する為に私は、煎餅布団の隣に置いてあった小さな試験管を手に取る。
「金剛、この試験管に私達の愛の証を流し込ませて貰うので、もう抜くぞ?」
「はうう……提督ぅ、後少しだけこのままでいたいデース……」
そんな今にも泣きそうな目で言われては、言う事を聞かざるを得ない。
「ううむ……構わないぞ」
「提督ぅ〜……Burning Love! 誰よりも愛してマース!」
「ああ、私も愛しているぞ……」
金剛と繋がったまま抱き締めあい、お互いの温もりをしばらく感じ合っていた。
そして彼女が満足した十数分後には愛の証を試験管に注いだのだが、果たして使えるのかどうかは不明だ。
まあ金剛と濃厚に愛し合う事が出来たので、仮に今回のサンプルが使い物にならなくとも後悔はしていない。
その翌朝にはサンプルを解析する途中で使えない事が判明し、そうなった原因を明石から追求された挙句にネチネチクドクドと叱られ、結局のところ後悔してしまう事になったので、もう二度と同じ過ちを犯さないように気を付けなければ。