セイバーの完全状態時の魔力量とか、エクスカリバーの使用魔力とかがわからない……ので適当に書きました。原作で一度士郎に抱かれて、その後のバーサーカー戦で「宝具を使用すると消える」と言われていたんですよね。選択肢でエクスカリバー使用させるとBadEndになりますし。だけど、バーサーカーに勝った後、再び抱かれて魔力を補充していないにも関わらず、王様相手に宝具を使用しているんですよね……どっちやねん! 原作がその調子なので曖昧な書き方にしました。指摘する感想が多ければ後で訂正するかも知れません。
※10月26日に、イリヤの心臓について訂正しました。すみません。
夜が明けた。結局夜通しセックスし続けた。おかげで俺の魔力はからっぽだ。まあいいんだけどね。師匠には魔力を持っていくなと言えばいいし、キャスターは今までの魔力で充分動ける。暗躍時とか転移魔術ぶっぱなしだったけど、今は基本霊体化してて何もやることがないのだ。魔力の消費は最小限になっている。だから全てをセイバーに渡すつもりでしていた。
「それでどうなの? セイバー。魔力はどの程度回復したの?」
「さすがに宝具を全力で使用できるほど回復はしていません。ですがこれならバーサーカーとも全力で打ち合えるでしょう。また、魔力の量を調節したならば、宝具の使用もなんとか可能でしょう。言われていた通り明の魔力量はとても多いですね。」
「さすがに英霊の宝具、全力で放つそれほどの魔力量は確保できなかったか……。セイバー、感覚でいいから教えてくれ。後何回昨日と同じくらいすれば全力の宝具を使用できるようになる?」
顔を向けると、セイバーは少し顔を背けながら言ってきた。……照れているな?
「そ、そう、ですね。限界まで魔力を込める宝具の使用は、後一回もすれば充分かと」
「……………………」
「そうか、二回で完全な宝具一回分か。なら今日もしないとな」
「……………………」
さっきから沈黙しているのは衛宮だ。自分が作った朝食を不機嫌そうに食べている。女の子なのにそんな方法で戦いの準備をしたのが気に入らないんだろう。セイバーと違って心が狭いぞ主人公。
「そうは言っても無茶は禁物よ。アンタだってキャスターを抱えているし、それに今日一日休息をとったからって、ほぼ十割なくなった魔力が全快する訳じゃないんだからね」
「わかっているよ。とりあえず学校は休むつもり、一日寝て、食べてだけをするつもりだ。しかし俺がそうすることでセイバーが戦闘可能になったのなら言うことはないだろ」
藤村先生がいなくて良かったな。ズル休み二人目でガーッと怒られるところだった。ちなみに今日は早く出勤していった。
俺から衛宮に言うことは何もない。できればマスターである彼にも承諾してもらいたかったが、セイバー本人が了承しているのだ。俺から言うことは何もないよ。後はセイバーと彼の間で話すことだ。
「じゃあ今日学校に行くのは私だけってことね」
「師匠は学校休まなくて平気なのか? 調べることとかないのか?」
「うーん、まあまったく無いって訳じゃないけど、ね」
師匠には師匠の考えがあるということか、ならば止めはすまい。
「行ってらっしゃい」
悠々と見送りをする。………………さて、寝ますかね。
§
グースカ眠った。昼だけは起きて食べるものを食べたが。それ以外はずっと寝ていた。魔力の枯渇はだいぶ深刻らしい。今後はあんな猿みたいにヤりまくるのはやめなきゃな。九割か八割くらいでやめておくべきだったか。でも気持ちいいんだもんしょうがないだろ。それはそうとセイバーと衛宮は相変わらず剣道場で鍛錬していたらしい。サーヴァントはいいねぇ。眠らなくていいんだから。
さて、俺は自分の部屋でノートを取り出した。行動計画表の現物である。既に2月8日までは消化済みのこれをパラパラとめくって内容を再確認する。今日は本来なら、学校から逃げたライダーを探して、新都のビルでライダーとセイバーが激突する日だな。その末ライダーが倒されることを考えると、俺のとった間桐邸襲撃で狂った歯車が元に戻るとも考えられるな。まあ爺様と桜が死ぬのは本来の出来事じゃないけど。後学校で結界が作動していないから藤村先生が休んだりもしていない。まあこっちは大きく変わることはないな。で、明日になれば、これがこうなってあーなって……。よし、と大体確認し終えた。俺はノートを荷物の一番下にしまうと、夕食を食べに居間へ向かった。
――その夜も、俺とセイバーは激しく交わった。
§
2月10日。さあ決戦の日だ。今日が訪れるのを怖いような、待ち遠しいような気持ちで待ちつづけた。まずは衛宮に外に出てもらわないとな、と思っていたら昼食の買い出しで普通に出かけていった。セイバーを置いて、である。
「十分十五分のこととはいえ、サーヴァントから離れるのはいかがなものかねぇ」
「……………………」
昨日と同様に魔力回復の為寝ていた俺は昼なので起き出してきた。……ハイソウデス。マタアサマデヤリマシタ。
「セイバー、意識してしまうのはわかるけど、相槌くらい打ってほしいぞ」
「…………!! そ、そうですね。ま、まったくシロウはサーヴァントを何だと思っているのか!」
慌てて衛宮を糾弾する言葉を口にした。
「可愛いなぁセイバーは」
「なっ! な、な」
七々?
「…………こほん。明。できればそう言うことはあまり言わないで欲しい」
「何で?」
「…………そ、それは…………」
照れるから、とは言えないよなぁ。
「最初から言っていたじゃないか、俺。召喚されたその日に言った覚えがあるぞ。可愛い女の子って」
「………………た、確かに……」
「だから俺の態度は最初から変わっていないんだよ。俺はセイバーを可愛いと思っているよ。ずっと」
「~~~~!!」
照れてる照れてる。可愛いなぁ。……と、思考を蕩けさせている場合じゃない。今衛宮とイリヤは会っていることだろう。しかし衛宮が
「…………遅いですね、シロウ」
「ああ、遅いな」
これは攫われたか? 一応家を出る前に「イリヤのものにはなるな!」と催眠をかけておいたので、攫われた後BadEndになることはないだろうが。まあ最悪殺されても(以下略。
「確かに遅いな。キャスターの魔術で商店街を見てみよう」
え? 最初からやっとけって? だってあいつが必要ないって言ったんだよ。
「…………………………商店街から家までの道を見たが見つからない」
「っまさか!」
「バーサーカーかランサー、そのマスターにでも出会ったとか……とりあえず探そう!」
§
アインツベルン城なう。あれから、セイバーと師匠と俺で町を捜索した。結果白い髪の少女、イリヤに連れられてタクシーに乗り込む目撃情報があった為、師匠の知識とセイバーの記憶(第四次聖杯戦争ではアインツベルン勢として召喚された)を頼りに城までやってきたという訳だ。今は城の中に侵入して衛宮が囚われている部屋に直行している。
「無事ですかシロウ!」
セイバーが扉をくぐる、すると椅子に縄で縛られている衛宮がいた。
「縛られているのですね。すぐに――」
「う、いや、縄は解けてるんだ」
どうやら縄に縛られているフリをして脱出の機会をうかがっていたらしい。それなりに機転がきく衛宮だ。
「まったく! 貴方という人は! 易々とイリヤスフィールに拉致されて……!」
「まあまあセイバー、説教はそれぐらいにして早いとこ脱出しようぜ。いつ戻ってくるかわからないんだから」
どうどう、と両手を前に出してセイバーをなだめる。
「……そうですね。今は脱出を優先させましょう」
イリヤとバーサーカーが外に出たのは確認済みです。そうでもなければ忍び込んだりしないよ。玄関についた。さて、
「――なぁんだ。もう帰るの? せっかく来たのに残念ね」
くすくす、と笑ってゴーゴー……ってそれは別の奴だ。笑い声と共に現れたのはイリヤだった。はい、知ってましたけどね。
「イリヤ……スフィール」
「こんばんは。貴方から来てくれて嬉しいわ、リン」
楽しそうですね。そんなに戦いや殺し合いが好きですか。その後もちょっとした会話をしている隙に殺されそうだった。バーサーカーの威圧感は本当に危険だ。これは実際に対峙した人間じゃないとわからないだろうな。
と、巨体が消えた。跳躍したバーサーカーがロビーの中心に着地した。玄関へ逃げようと背中を見せれば斧剣で殺される。このまま手をこまねいていても同様。残されたのは、戦うという道しかない。
「――誓うわ。今日は逃がさない」
キャスターの転移を防げると? それは自信過剰じゃないかね?
――そうして、戦いが始まった。前回の戦いをちょっと変えただけのものだ。アーチャーとキャスターが後ろから攻撃を放ち、セイバーが前に出て打ち合う。違うのはアーチャーがいるのと、セイバーの傷が治りきっていること、但し魔力は少し減っている。よし!
「衛宮! 令呪を使ってセイバーに宝具を使用させろ!」
「え!?」
俺は急いで説明した。昨夜の情事でなんとか宝具を使用できるまでに回復した。そのことは全員知っている。だからこそ宝具はさっさと使わなければならない。セイバーは保有スキル:魔力放出を持っている。武器や自身の肉体に魔力を帯びさせて、瞬間的に放出するやつだ。それがあるからこそのジェット噴射のようなダッシュや後退、剣戟ができるのだ。だが逆に言えば、戦闘が進むごとにセイバーからはドンドン魔力が失われていくことを意味する。つまりこのまま小競り合いを続ければ、バーサーカーに満足な傷をつけられないまま、少しずつセイバーの魔力が減り、いずれは宝具を使用できなくなるのだ。だから、宝具を使用するなら戦闘開始後すぐ、しょっぱな、今しかないのだ。
「ってことだ、だから、『全力で宝具を放て』と令呪で命令して全力全開の宝具による攻撃で決着をつけるんだよ!」
「…………」
「士郎! 私からもお願い! 令呪を使って!」
衛宮は突然の説明に思考を働かせている。
「くすくす、そんな手が通じると思うならやってみればいいじゃない」
会話が丸聞こえなのでイリヤにも知られているが、構うこっちゃない。
「いつまでも、バーサーカーとの戦いを延ばし延ばしにはできない、ここで決着をつけよう!」
「…………わかった。セイバー! イリヤを巻き込まないような位置をとれ」
こいつはまた! この腐れフェミニストめ! ここはむしろイリヤごと攻撃するような位置取りをさせるべきだろうが!
「セイバー! 全力で宝具を使え!」
衛宮が令呪を使った。――そして。
「――
セイバーのエクスカリバーが炸裂した。バーサーカーは両腕を顔の前で交差させて防御の構え、だが無意味、神造兵装のエクスカリバーには――。
パチパチパチ。と火のはぜる音がする。衛宮と師匠は呆然としている。ブリテンの騎士王、アーサーが持つと言われるエクスカリバー、それが宝具ということは……。セイバーの真名は……。
ここだ! 俺も
「キャスター! イリヤスフィールを殺せ!」
「え!」
「な!?」
師匠と衛宮が驚くが知ったこっちゃない。原作ではカリバーンで七回ほどバーサーカーは死んだ。エクスカリバーでも大体同じくらいの威力があるとして、それでもバーサーカーは殺しきれない。奴は十二回殺さなければ死なないのだ。それが奴の宝具。だからこそのマスター殺し、この瞬間ならバーサーカーは主を守れない――――。
ドドドドド!!!
キャスターの放った全力の魔術がイリヤの胸から下を襲う(攻撃するなら心臓は傷つけないように、と事前に催眠済み)。イリヤは瞬間、魔術回路を起動させ相殺しようとするが、神代の魔術師であるキャスターの全力魔術には無意味――。
「……………………」
飽和した攻撃により惨状と化したロビー。腹から下がごっそり削られた少女の体。沈黙が場を支配する。と、
「■■■■■■■■■■ォォォーーー!!!」
バーサーカーが再起動しやがった。だが残念だったな、お前のマスターはもう死んだよ。
「全員集まれ! キャスターの魔術で転移する!」
そうして、あの夜と同じように、俺達はバーサーカーから逃げ出したのだった。
§
「お前! どうして!!」
ガツン、と後頭部を窓ガラスにぶつけた。俺の襟首は衛宮に掴まれている。
「バーサーカーは強敵なんてもんじゃない。万が一の可能性も含めてマスターも即殺すべきだと判断したんだよ。そしたら案の定バーサーカーは死んでいなかった。命のストック、蘇生魔術でも使っていやがったのかはわからないが、こちらの最大戦力、セイバーの宝具をもってしてもあいつは殺せなかった。結果的に、俺は最善の一手をとったことになる。何か文句があるのか?」
「イリヤは、イリヤは!」
激発する衛宮。
「小さい子供だった、とでも言うのか? アホらしい。聖杯戦争、殺し合いに身を投じたなら殺せる時に殺すべきだ。魔術師なら当然の覚悟だろ。その程度の覚悟すらもっていなかったのか? ……あの時、キャスターがバーサーカーのマスターを殺していなければ、ここにいる誰かが死んでいたかも知れない。それはお前だったかも知れないし、セイバーだったかも知れないんだぞ。それでもお前は言うのか? 殺すべきじゃなかったと。自分が死んだり、セイバーが殺された後に、「手加減せず殺しておけば良かったー!」とでも後悔しろってか? 馬鹿じゃないのか」
「お前ぇっ!!」
バキィッと音を立てて殴られた。痛ぇ。だけどバーサーカーに殺される痛みに比べれば、この程度安いものよ。
「…………止めなさい、衛宮くん。明の言うことは間違っていないわ。あの時セイバーに宝具を使用するよう貴方に言ったのも、キャスターに令呪まで使ってイリヤスフィールを殺したのも、間違いじゃない。貴方だってわかっているんでしょ。本当は」
「……ぐぅっ!!!」
すげー顔。人が二・三人ぐらい殺せそうな顔をしてやがる。
「…………マスター。明と凛の言う通りです。私も、宝具を使用した時に彼を倒したと思いました。一瞬とはいえ気を抜いてしまった。騎士失格です。ですが明の打った手により、私達は勝利し、味方の損害は最小限ですみました。イリヤスフィールを殺したくないという貴方の希望は理解できないわけではありませんが、彼の行動は間違いではありません」
間違いではない、か。正しいとは言ってくれないんだな。アーチャーは沈黙を保っている。戦士としては俺が正しいと思いつつも、イリヤを目の前で殺されたのでお怒りなのだろう。
「話は終わりか? それなら部屋で休ませてもらおう。疲れているんでな」
そう言って、部屋に引っ込む。今は誰の前にもいない方がいいだろう。そうしてその日は終わった。
後書き
VSバーサーカー。え? 戦闘描写? そんなものうちにはないよ! バトルが好きなら原作やりな!