注意。二話目にエロがきたのでこのペースでエロがあると思うでしょ? 残念、このSSはストーリー八割(駄文)、エロ二割なのであった。次のエロは六話後です。
今日は師匠がアーチャーを呼び出す日だ。俺としてはできるだけ早く、召喚の後に呼び出されたサーヴァントの確認をしておきたい。ここでセイバーとか呼び出されたら計算外なんてもんじゃない。……まあ、そうは言ってもそういうイレギュラーな事態にも対応できるよう行動計画表は作ってあるがね。
行動計画表。まずは基本の三シナリオを頭に叩き込み、そのシナリオでの自分の行動を書き込む。次にイレギュラーな事態が起きた時の対応についても、一つ一つの事件に対して計画を練り、書き込む。そうして完成した俺の行動計画表は我ながらパーフェクトだ。隙はない……と思う。自信はない!
ちなみに、意識の上では十年以上前にプレイしたゲームのことなんてそんなに明確に覚えているものなの? という疑問があるだろうが、これは絶対催眠で解決した。催眠をかける対象は頭の中で任意に決定できる。つまり自分にもかけられるということだ。
「PCゲーム、Fate/stay nightの内容を全て思い出せ!」
と催眠をかければ、魂に刻まれた記憶がよみがえり、ゲームの内容を全て思い出せるという仕組みだ。便利だろう?
§
で、学校に着いた。廊下を行き来し、衛宮や間桐、師匠の状態を確認する。うーむ、特に変わりはないか。間桐はサーヴァントを保有しているがな。ちなみに衛宮との関係はお互い名前を知っている同級生ってだけだ。一年の時に委員会が同じになったから顔見知りなんだよね。
「それで? 師匠、今日サーヴァントを召喚するんだろう?」
昼休み、屋上で昼食をもそもそと取りながら話し合う。
「――ん、まあ、ね。」
さすがに十年以上の悲願である戦争だ、緊張しているのかも知れない。俺の知識が確かなら、今彼女の家は全ての時計が狂っているはずだ。だがそれも指摘しない。できるだけ原作通りになって欲しいからな。そう、俺の原作介入は基本原作沿いになるように行う。じゃないと知識が役に立たなくなるし、知識にある幸せなEndを迎えられないからな。
原作から大きく乖離した状態でも幸せな戦争終結を迎えられる道だってあるのだろうが、それは俺には手が届かないものだ。だから原作通りにする。全力でもってな。
とにかくサーヴァントの召喚である。聖杯、何でも望みを叶える杯でもって、過去の英雄をクラス(役割)ごとに呼び出す。正確に言うならクラスに該当する英雄でもって、無理やり型にはめることによって、何とか英霊を現界させるのだ。
セイバー
ランサー
アーチャー
ライダー
アサシン
バーサーカー
キャスター
七つのクラス、その英霊達をサーヴァントとして従え、他のサーヴァント六騎を殺し、望みが叶えられる聖杯を手にする。それが聖杯戦争である。俺はこの戦争に勝たなければならない。敗北は死と同意義なのだ。絶対に勝ってみせる。その為なら俺は鬼にだってなろう――。
§
一日が過ぎ、2月1日になった。いよいよ、いよいよ原作が始まるのだ。
「師匠は遅刻か、予想通りだな」
サーヴァントを呼び出したマスター、魔術師はその身に満ちるほとんどの魔力を消費してしまう。確か師匠はそれほど負担にならないほどの魔力の持ち主だが、やはり定刻通りに起床することはできなかったらしい。それはそれとして、昨日の夜から魔力を持っていかれています。純潔と引き換えに手に入れたパスは思う存分使っているらしい。相変わらずいい性格をしている。
それはさておき聖杯戦争だ。今日の夜にでも師匠の家を訪れよう。
普段と変わりない学校生活を送り、夜になった。俺はキャスターを連れて師匠の家を訪れていた。
「明、こいつが、私が呼び出したサーヴァントよ。クラスはアーチャー」
良かったー! アーチャーで○○○だ。原作通りだな。俺は頭の中の計画表に丸をつける。赤い外套に白髪、褐色の肌の男、アーチャーを見て俺は安堵した。しかしでけぇな。背の高さが尋常じゃない。これでホントにあいつなのかよ。
「初めましてアーチャー。俺は佐藤明。遠坂凛の弟子で魔術師見習いです。こっちは俺のサーヴァント、キャスターだ」
お互いのサーヴァントを紹介する。既に俺のことは話してあったのだろう。それほど混乱は見られない。しかし俺のことは凝視している。警戒してる警戒してる。自分の知識にない存在だから警戒してんだな。だが、俺が怪しい動きを見せなければ、平行世界とでも勝手に思ってくれるかも知れないので黙っておく。
それはさておき催眠の出番じゃ。目を合わせて……。
衛宮士郎を殺す意思をなくせ!
はい催眠完了。後は事前に決めていた通り、使えるスキルや宝具の説明を行う。だがアーチャーは、スキルはまだしも宝具は教えてくれなかった。召喚に不手際があって記憶に混乱があるんだと。……ホントは思い出している癖に。
「それにしてもアーチャーか、予定が狂ったな師匠」
「言わないでよ……」
予定通りならば、師匠がセイバーを呼び出して前衛を務めさせ、キャスターが後衛で魔術ぶっぱしようと決めていたのだが。まあそう悲観するものでもない。俺の想定通りならセイバーはすぐ仲間になってくれるさ。
「じゃあ俺は帰るよ。師匠も人の魔力を吸い上げるのはこれぐらいにして、ぐっすり休んでくれ」
「ええ、明、気をつけなさいよ」
「わかっている。それじゃ」
俺という異物が入ったのに世界は原作通り回っている。特に師匠には、パスを繋いで魔力を供給していたのに、だ。この世界は大体原作通りに進んでくれると思っていいのか……? いや、油断はすまい。ランサーやセイバー、バーサーカーが違う英霊になる可能性も充分ある。油断せずにことにあたろう――。
後書き
この辺りのシナリオを確認する為に、十年以上プレイしていない原作ゲーム(オリジナル版)を引っ張りだしてきましたが、凛がなんか予想以上に子供でした。しかも結構ちょろい。俺が大人になったからですかねぇ。