女の嬌声が響く。
視界に入る物全てに、一般民衆が目もくらむほどの金を費やされて構築された部屋。壁紙から、化粧机、ドアノブに至るまでだ。だがその部屋の中心に据えられたベッドでは、二人の男女が極めて野性的な行動に腐心している
「ああ……もっと……ッア!」
ベッドで身を捩らせているのは、一人の若い娘だ。仰向けに寝転がるその娘の太ももの間に顔を埋める男は、蛇のように長い舌を用いて娘の密壺を嘗め回す。
男の舌は娘の秘部を焦らすように這いずり、そして時折強くそれを嬲ってやる。
「ハアッハアッ……ンッ……」
娘の陶器のように美しく白い肌は、汗をしっとりと浮かべている。空いた男の両腕はその汗を愉しむように掬い取りながら、控えめな娘の乳房を弄ぶ。
乳首には、最小限の刺激を。触れるか触れないかの刺激を与え、娘はもどかしい感触に体を捩る。舌も、時折強くそれを嬲りながらも、決定的な快楽を与えはしない。
娘は不満げな瞳を男に向ける。だが男はそれを知って知らずか、娘にふとほほえんでやりながらも、その責め方は変えない。娘は男と視線が合うと、急いで目を反らす。
娘が男に惚れているのは明白だった。まだ微弱な快楽とはいえ、自らがそれに溺れている顔を男に見られたくはないのだ。
翡翠色の目を快楽に染まらせ、顔は上気している。だが、娘が快楽の新たな段階に踏みいろうとすると、男はすっと舌と手を緩めてしまうのだ。
「ああ……ああっ……」
娘はさらに身を捩り、男の指を、舌を求めようとする。だが男がそれを許さず、娘を柔らかくいたぶっていた。
だが遂に、娘が男にその責めの催促をしようと顔を上げようとした。快楽に溺れているのをこの男に知られるのを恥じる乙女心より、己の内に潜む肉欲が彼女の中で勝ったのだ。娘が躊躇しながらも、その言葉を口にしようとしたときだ。
男の舌が、娘のクリトリスを擦った。
「んあああ!」
娘は突然の快楽に、体を弓なりに反らす。悪魔のような妙技だ。娘の心を自ら淫らに開かせ、そしてそれを認めた瞬間に強く責める。男は、女を完全に掌中に収めていた。
快楽の奔流が女を襲う。舌や指は今や男の意志のまま娘を弄んでいた。爪で軽く乳首を挟めば、微弱な痛みとそれを上回る快楽が娘を襲い、秘部を嘗め回す舌が突如その内部に進入すれば娘は悦びの声を上げる。
「いや……だめえ……」
その言葉を吐く割には、娘の体は男の責めに順応し、そしてその頬はさらなる快楽を期待して上気していた。男は娘の秘部に顔を埋めながらも、上目遣いでその表情を確認する。
娘の方は、彼女に奉仕を続ける男のその瞳に、魅入られたように恍惚とした視線を向ける。その目は、今は優しげな光をたたえているが、だが同時に悪意、もしくは邪念のようなものが籠もっている。娘は、その邪悪な部分にまでその心を捕らわれているのだ。
娘の状態を見て満足したのか、男は更に娘を責め立てた。舌は一個の生物のように娘を嬲る。娘の入り口付近をなぞりながら、時折クリトリスに刺激を与えてやるのだ。そしてそのたびに、娘は小さく悲鳴を漏らした。男はその様子を見て、自らが完全に娘の快楽をコントロールできていると把握する。だからか、こんなことを言い出した。
「……姫・様・、私がいいと言うまでイクことは許しませんよ? 勝手にイッたら……わかってますね?」
その言葉に、娘は一瞬ゾッとしたような顔を浮かべたが、それは半ば演技じみていた。男が含みを持たせて語らなかった部分を、明らかに期待している。
そして「姫」と呼ばれた少女、アナスタシア・アラゴン・ボルジアは、その高貴な口から抗議をしようと口を開きかけたが、それは嬌声へと変換される。男の舌がより激しい責めに変わったのだ。
「ンアアッ! そん……なっ……ズルいですわ……アアッ……そんなの……すぐに……イッちゃ……」
女がやっとはき出した抗議は、だが男に届かぬ。今やその目を完全に嗜虐の悦びに歪めた男は、娘を容赦なく責め立てた。それでいて、なんとか達するのを耐えようとする娘を観察し、その様を愉しんでいた。
「ハッ……ハッ……んっ……ンアアアアアッ! イヤ! アアアアッ!」
娘の体ががくがくと痙攣する。男が、これまでの責めでもっとも強くクリトリスを擦ったのだ。快楽に蕩けた体には、乱暴ともとれるその責めも悦びへと変わってしまう。
「待って……待っ……ンッ……らめぇ……あ……あ……アアアアアアアアア!」
ひときわ高い声を上げると、娘は達した。無様にもその高貴な身分に相応しくない声を上げて。
まだ責めれば娘から快楽を引きずり出すことができただろうが、男は責めをやめる。そして盛大にイったアナスタシアを見下ろすようにベッドにたつと、殊更馬鹿にしたような口調で語りかける。
「おや、もうイッてしまわれたのですか、姫様? そんなに簡単に達するなんて、淫乱なんですね」
「ち……ちが……」
弱々しい抗議の声は、新たにあふれ出た娘の愛液を見れば、滑稽なものだ。男はそれに気づき、しゃがみこんでアナスタシアの秘部から愛液を掬い取る。
「ほら、姫様の嫌らしい蜜ですよ。私ごときに罵られて感じる淫乱な姫のね」
娘は言い訳もできず、男から目を反らした。男はそんな娘を鼻で笑うと、話を続けた。
「でもまあ、言いつけを守れなかったわけですから、折檻が必要ですね。……おい」
男が部屋の扉に呼びかけると、予めわかっていたかのように二人の男が入ってきた。すでに裸の状態であることから、やることは決まっていた。
「お呼びで?」
下卑た笑いを貼り付けるその男は、弛んだ体と屹立する肉棒を隠そうともせず、そう問いかけた。
対するベッド上の男は、茶番に付き合うのもイヤなのか、ぞんざいに答える。
「姫君には折檻が必要だ。貴公らが担当せよ」
男の高圧的な物言いにも、二人の男は気分を害した風ではない。それもそのはずで、先ほどから視線をベッド上でおびえたような、そしてどこか期待しているような視線で男達を見つめ返すアナスタシアに注がれていたからだ。
「イヤっ。来ないで……」
娘の言葉は弱々しい。そして抵抗もだ。男二人は娘に群がると、十分すぎるほどに蜜を垂らす秘部を見て前戯は不要と判断したのか、率直に自らの欲望を処理する。
「ほら、跨れ」
本来ならボルジアの姫たるアナスタシア殿下にそのような口をきけぬはずだが、この場ではアナスタシアの身分は高貴な姫ではなく卑しい性奴隷であった。黙って男に跨り、秘部に自ら肉棒をあてがう。
「オラッ!」
ゆっくりと腰を下ろそうとしたアナスタシアを許さなかったのは舌にいる男だ。こちらは体こそ痩せぎすだが、裸でありながらその指には悪趣味な黄金の指輪をはめている。そしてその腕で姫の華奢な腰を掴むと、乱暴に自らに引き寄せたのだ。男の狂暴な肉棒がアナスタシアの蜜壺を貫き、その子宮にまで達する。
「ンアアアアア!」
甲高い悲鳴は、だが快楽に喜ぶ女のものである。男は満足して下から娘を責めあげる。そして傍らに控えていた小太りの男は、娘の長く美しい金髪を乱暴に掴むと、自らの方へ向かせる。そしてその肉棒を姫の顔へと突きつけた。
「ほらしゃぶれよ、姫」
自らに対する乱暴な扱いにも、姫は殊勝にも従う。男のそれを苦労して頬張ると、下からの突き上げから生まれる快楽にあらがいつつも奉仕を始めた。
「んんっ……んっ……んんん!」
奉仕の息づかいと、快楽を耐える声。それは男達の興奮をあおる何よりの食材だった。
「ああ……たまんねえ」
「ああ。俺らあのアナスタシア殿下とヤッてるんだぜ」
男達は金髪の娘を見ながら、その顔を見にくく色欲に歪ませた。「西国に神の寵姫あり」と言わしめた美貌を持つアナスタシアが、ボルジア家の家柄に見合わぬ彼らに肉棒で快楽の海に溺れているのだ。興奮しないわけがない。
その興奮のせいか、アナスタシアに挿入している男はより激しく彼女を責め立てる。アナスタシアは肉棒を咥えながらその快楽に耐えていた。だが、奉仕の動きが止まったことに不満だったもう一人の男は、娘にその怒りを直接ぶつける。
「チッ、何を休んでんだおまえは!」
怒鳴り散らすと、その肉棒を自ら動かす。姫の唾液が潤滑油となって、スムーズな抽挿が出来る。その代わり、アナスタシアは口内を蹂躙されることになるが。
「んんんん! うごっ……かな……んんん!」
何か話そうとするが、男の抽挿は苛烈を極め、アナスタシアの舌と口内を犯す。娘はその責めに対して目を見開き、自らが奉仕していた男を上目で見上げる。その瞳は、快楽と苦痛で涙が滲んでおり、男になんとも言えない征服感を味わせた。
「んっ……んぶっ……ぶ……んんんん!」
秘部と口、両方を男に貫かれ、姫はもだえ狂う。汁と汁が混ざり合うじゅぶじゅぶという卑猥な音が上下から聞こえ、それが男とアナスタシアの三人の脳を溶かしていく。
限界を迎えたのは、アナスタシアに挿入する男だ。
「くっ……はっはっ……出るッ!」
前触れもなくアナスタシアの中で男のものが膨張すると、次の瞬間には精をはき出していた。アナスタシアの秘部が男の白濁で溢れかえり、そして姫もその脈動によって達していた。
「んんんんんんんんん!」
姫の肉壺はイッたことで更に締まり、男の肉棒から精液を絞りとった。男は軽いうめき声を上げて、その感覚を堪能する。
そして、密壺と同時に姫は咥えていた肉棒も締め付けていた。無意識のこととはいえ、男の肉棒は姫の唇と舌によってすさまじい吸い付きを受け、一気に限界を突破する。
「くあっ……ダメだ!」
姫の口内に、その高貴な口に男の精液がはき出された。アナスタシアは目を見開き、その蹂躙を受け入れる。
「んぐっ……うぶ……・ぶぶっ……んん…・…ん……」
白濁液を全て口で受け止めたアナスタシアは、あまりの量にそれをはき出しそうになるが、男は肉棒を姫の口に入れたままだ。アナスタシアは仕方なく、それを飲み干す。
「んっ……んっ……んっ……ぐ……ふぇ……」
なんとかそれを飲み干したアナスタシアの顔から、苦しみのあまり涙が一筋垂れた。美しいその粒が男の胸に落ちる。
だが責め苦は終わらない。男達はアナスタシアの涙によって再び色欲を漲らせたからだ。
その様を部屋の傍らで眺める男は、うっすらと嗤う。邪悪と、悪意を込めた目で。