IS学園、夜。2年生寮。
二人部屋が基本の1年生寮と異なり、2年生になると事情によっては一人部屋が許可されるようになる。その理由とは、例えば生徒の祖国からの圧力であったり、例えば。
「うーん……箒ちゃんたち、あの事件のときに一夏くんとの夢を見たのよねえ……」
IS学園最強の座にある生徒会長に対する優遇措置などだったりする。
ここは、楯無の一人部屋。彼女の趣味に基づいて落ち着いた和風の内装が飾る広い部屋で、多忙を極めるIS学園生徒会長たる楯無が羽を伸ばせる数少ない空間だった。
しかし、今日の楯無の顔は明るくない。寝巻姿でベッドに腰掛け、トレードマークの扇子で唇を押さえ、表情は憂いと悩みに染まっている。
「べ、別に私もして欲しかったっていうわけじゃないわよ? 相手だって一夏くんもいいけど真宏くんだって……って、違う違う!」
ぶつぶつと独り言をつぶやいては赤くなってわたわたと手を振って、枕をぼすんぼすん殴りまくる。今の楯無の様子を見ている者は誰もいないが、もし二人部屋であった場合この奇行にドン引きされていたことは確実だ。
「も、もう駄目ね。これ以上考えてもいいことないし、寝ちゃいましょう!」
悩みの種は確かにあるが、こんなことを続けていても埒が明かないことにようやく気付き、楯無はとにかく寝て忘れることにした。布団の中に潜り込み、枕に顔をうずめて必死に羊の数を数え、とにかく頭の中に浮かんで離れない誰か二人の顔を振り切ろうとする。全て、振り切るぜ!
しかし火照った顔と耳の奥でリピートされる、その誰か二人とこれまでに交わした言葉と声の数々のせいですぐに眠れるとはとても思えず。
「――手伝ってあげましょう。ただし、エロいですが」
どこかで誰かがそう呟いたせいで、楯無の意識は抗う間もなく夢へと堕ちた。
◇◆◇
「……あら? ここは、私の部屋?」
楯無はその時、自室にいる自分自身にふと気が付いた。一人用としてはそれなりに広く、設備が整ったIS学園の寮の一室。部屋の丁度も間取りも記憶にあるし、自分がここにいるのはなんらおかしくない。天井からつりさげられた黄金立方体の明かりが灯す光もいつも通りだ。そのはずだ。
ただどうしてか前後の記憶がつながらずどこか脈絡のないような違和感が、彼女に妙な不安を抱かせた。
何かが、違うのではないか。自然に部屋に帰ってきたのではなく、突然放り込まれたような印象があり、部屋の様子も何となく変わっているような。
あるいは新手のIS攻撃か。体に緊張がじわりとにじみ、鋭い観察眼で部屋の中を子細に探り……。
「あっ、楯無さん!」
「本当だ。もう、帰ってたんなら言ってくださいよ」
「へ? 一夏くん……それに、真宏くん?」
はじめようとしたその瞬間、部屋にどやどや入ってきた二人の声に楯無の意識は全て持って行かれた。
二人の正体は、顔を見なくとも声を聞くだけですぐにわかる。彼らは、IS学園全校を見回してもたった二人の男子生徒。いやそれどころか人類全ての中でも二人しかいない、男性IS操縦者の一夏と真宏だ。
一夏は紛れもないイケメン。さわやかに整った顔立ちに人懐っこい笑みを浮かべて、IS学園においては圧倒的に数が多い女子にも気負うことなく普通に接する一方、アプローチをかけられたりすれば赤くなる初心さもあって年上同級生問わず極めて人気が高い。……まあ、かなり直接的なものでないと気付かれずにガンスルーされるという鉄壁の唐変木を誇るのだが。
真宏の方はイケメンと騒がれることこそないものの、いついかなる時でもブレないテンションの高さと、さりげなく気遣いを出来るところは案外頼りになり、何より見ていて楽しい男友達として学年やクラスの別なく交友関係が広い。そして何より、楯無にとっては妹の交際相手。しかも将来義弟となる可能性が極めて高そうというおまけつきであった。
そんな二人が、ノックもなしにいきなり部屋へ入ってきた。一夏ひとりならば異次元レベルのラッキースケベ遭遇率によって普通に納得できるが、真宏がいてまでそんなことをするとは思えない。しかも、二人がまるでいつものことであるかのようにあっさりと入ってきたことに、楯無は妙な違和感と胸騒ぎを感じて鼓動が高まった。胸がきゅんと締め付けられるような気がするのは緊張のせいだと、その時は思っていた。
「二人とも、どうしたの急に。……それに、帰ってきた?」
「何言ってるんです。楯無さんのせいでしょう。いきなりロシア本国から呼び出された、なんて言って一週間も留守にするんですから」
「急なことだからって俺達にまで支度手伝わせて、報告受けてから1時間そこそこで飛び出していったのを忘れたなんて言わせませんよ」
「え、あ……そう、だったかし、ら?」
しかし、言われてみればそんな気もしてくる楯無。
急な呼び出しに応えて当座の着替えだけをあわただしく鞄に詰め込んで飛行機に飛び乗り、そのまま一週間ほどIS学園に戻ってこれなかった……ような気がする。思考と記憶にノイズが一瞬。しかしすぐに馴染んで、最初からそうだったという気になってくる。こうして慌てて駆けつけて来てくれた二人が、自分と会えなかった一週間を寂しく思って過ごしてくれたことも嬉しく思う。
『ワールドパージ、完了。……それにしても意外と強欲ですね』
そのときどこかで誰かがそう呟いたが、楯無の耳には入らない。
「あー、久々の楯無さんだ」
「会いたかったです。落ち着くなあ」
「……へ? ちょ、ちょっと二人とも!?」
しかし、ほんわかした空気がすぐさま消し飛ぶ衝撃が楯無を襲った。
さっきまでにこにこと笑い交わしていた二人が、同時に前後から楯無の体を抱きしめてきたからだ。
真宏は背後から。臍の上で両腕を交差させ、すっぽりと腕の中に楯無の体を包み込むような優しい抱擁。二人の身長はちょうど同じくらいであるからか、まるでこの腕の中は楯無専用であるかのようにぴったりと収まり、横から肩に顎を置くように出てきた顔と、頬が触れあって妙に熱い。
一夏は、正面から。首に腕を絡みつかせ、真正面から見つめつつ体を寄せてきた。ゆっくりと近づいてくる、笑みをたたえた一夏の瞳。目を、逸らせない。
「あ、わ……は……!」
「ほらほら、暴れないでください」
「いきなり出て行って心配させたんだから、埋め合わせしてもらわなきゃ」
両耳に注ぎ込まれる二人の甘い声。前後から体を押し付けられて身動きもできない楯無は、為す術もなくその声を聞いた。
なんだ、一体何が起こっている。二人が揃ってこんなスキンシップを取ってきたことなどこれまでないし、そうでなくとも明らかに何かがおかしい。さっきまで感じていた違和感が、何倍にもなって膨れ上がる。これはきっと、間違いなく何かの陰謀だ。
そう思う楯無の心の冷静な部分はしかし、どうしても深い深い部分に沈んだまま表層まで浮かんでこない。
客観的に見れば今の楯無は、一夏と真宏に抱きすくめられて顔を赤くしてされるがままになっているだけなのだから。
「え、っと……う、埋め合わせって?」
「本当は、一人ずつ順番にするつもりだったんですけどね?」
ようやくまともに口が動いてくれた。どうやら二人に心配させてしまったらしいから、そのことについては素直に謝りたいと思う。なんかもうこの時点で致命的なくらい流されつつあるのだが、少なくとも楯無は確かにそう思っていた。まあ、それも。
「せっかくだから、俺と真宏まとめて相手してもらおうと思って。……んっ」
「……んふぅっ!?」
一夏にキスされた瞬間に、またしても頭から吹っ飛んでしまったのだが。
「んっ、ふ、ちゅ……ぷはっ。い、一夏く、んむ~っ!?」
「れろ、……こぉら、楯無さん。暴れちゃダメです。まずはこの美味しい唇、いっぱい味わわせてもらいますよ。ちゅううぅ~」
「んーーー!?」
前門の一夏、後門の真宏状態の楯無に逃げ場はない。突然のキスに戸惑って暴れても、抱きすくめられているので身動きはほとんどできず、話をしようにも口をつく言葉は全て一夏の唇と舌に絡め取られてしまう。楯無の唇をついばむ一夏の唇は熱く、口内をしゃぶる舌は貪欲だった。一夏の顔が視界いっぱいに広がって、口の中を蹂躙する舌の熱さと流れ込む唾液の甘さに、楯無の思考は早くも蕩けかけている。
「ん、んぐっ!?」
「ほらほら楯無さん。こういうの初めてってわけじゃないんだから落ち着いて。リラックスリラックス、ね?」
しかもなお悪いことに、相手は一夏だけではなく、真宏もだ。後ろから楯無の体をお腹のあたりで抱きすくめている真宏の腕がじわじわと上がり、ついに楯無の胸の下に触れた。あくまでも、腕が。手で触ってくるわけでもなく、腕で胸を上げるようにして感触ではなく重さを楽しむかのように、持ち上げてゆらゆらと揺らしてくる。それだけならばたいした刺激ではないのだが、なにせ今は正面に一夏がいる。
激しいキスに興奮してきた一夏の胸板に押し付けられる形になった胸はだんだんと熱を持ち、楯無の舌先を震えさせる。思わず息を呑むと、唾液を欲しがっていると勘違いした一夏にたっぷりと注ぎ込まれ、条件反射でごくりと飲み込んでしまう。喉が焼けるように熱い。
真宏はさらに、空いたもう片方の手を楯無の下半身に伸ばす。太ももに触れ、ひんやりとした冷たさと柔らかさを撫でまわして堪能した後、少しだけ手を上げる。それも、内側に。スカートがわずかにめくれあがり、しっとりとした感触の太ももを掌でぎゅっと揉みこまれた。
一番奥までは登ってこない。だがやさしく指で表面を掃くように撫でられて無反応でいられるはずがない。逃げようにも腰を引けばそこには真宏の腰が逃げ道を塞ぎ、中心の熱い何かに触れればやけどをしたかのように腰が前へと跳ねる。
「ふーっ、ふぅー……ん、む。ぷはぁ。……はぁ、はぁ……」
「ふう、ごちそうさま。楯無さん」
「それじゃあ、次はこっちの番ですね。ちゅっ」
「や、ちょっと、休ませ……んちゅう」
一夏の口から解放された楯無は、休む間もなく今度は真宏にキスをされた。そっと顎に指を添えられただけで顔を真宏の方へと向けられるのに抵抗することもできず、当人は気づいていないが迫る真宏の唇に自分から吸い付いて行った。両足はプルプルと震えて、既に二人に支えられなければ立っていることもできず、完全に為すがままだった。
「うんうん、楯無さんもその気になってきてくれたみたいだな。それじゃあ俺はこっちの用意を」
「んんーっ、ちゅ、れろれろ……はひ、あ……」
楯無が真宏の首に腕を回すのを見て、もう暴れられないと見た一夏は体を離す。とはいえ身を引くつもりは全くなく、次の段階へ進もうとしただけのことにすぎない。
一夏の両手は迷いなく楯無の襟元に伸びていき、しゅるりとリボンを引き抜いた。
「ふぇ……? 一夏……くん?」
「あ、気にしないでください楯無さん。服は脱がしておくんで、その間真宏とのキスを楽しんでおいてくださいね」
そして、次に楯無の意識が戻った時には、既に半裸に脱がされていた。
制服の上着は全てのボタンを外され、スカートは床に落ちて下着があらわになり、そんなあられもない恰好を一夏の目の前に晒したまま真宏の唇をむさぼっていたことになる。
しかし既に楯無は正常な判断を失っている。長いキスから解放され、一夏がショーツに、真宏がブラジャーに手をかけ、揃って脱がしてくれたことに確かに羞恥は感じたが、それ以上にこれからへの期待が胸を高鳴らせていたのだから。真っ赤になった顔を反らしながらも、抵抗らしい抵抗は、しなかった。
「うぅ。は、恥ずかしい……っ!」
「前に俺の部屋で水着エプロンしてた人が何言ってるんです」
「あっ、あれは仕事みたいなものだったから! そういう割り切りがあったけど……」
「今はそうじゃない、素の楯無さんだから恥ずかしい、と。……なんか興奮してきた」
「ひゃっ、ん。一夏くん……ちょ、直接ぅ……!」
体をあちこち撫でまわされる。
真宏の指が鎖骨をなぞってのどを這い上がり、一夏の掌が脇腹をさすって背骨を下り、尻房へ至る。楯無の体は二人の手の遊び場と化していた。
「はぁ、ん。やめ……てぇ……くすぐったいから……!」
「だけじゃないですよね、楯無さん。れぇろ」
「気持ちよくなってください。俺たち二人、頑張りますから。ちゅぷ」
「ひああああ!? み、耳はらめぇ!?」
そして、甘く囁く声は舌を伴い楯無の耳の中まで犯しに来た。
二人の男は、同時に楯無の耳へと舌を差し入れる。耳たぶを甘噛みして、しゃぶる。丹念に表も裏も舌を這わす。そして穴の中深くにまで入り込まれると、頭の中まで二人の舌に味合われているような気にさえなった。
「ぷは。……もうちょっと、かな。れるれる」
「もう無理、無理いいい!?」
「はぁ、美味しい。……それじゃあ楯無さん。そろそろ頃合いなんで、ベッド行きましょうか」
「ほら、こっちですよー」
膝がガクガクと笑って本当に力が入らなくなった頃、ようやく同時の耳舐めをやめてくれた。まだ耳の奥に二人が舌を這わせる水音が残っているようで呆然としている楯無は、真宏に優しく抱えられてベッドに向かう間も夢見心地で、抵抗などしようという気も起らなくなっていた。
ちなみに最初に部屋の中に感じた違和感は、本来一人用だったはずのベッドが三人でくんずほぐれつしても余裕なくらいの巨大サイズになっていたことだったりする。
「や、んっ……ぁああっ!」
「ちゅっ、ず、ちゅるる……」
ベッドの上に場所を移すのに合わせ、楯無は衣服の全てをはぎ取られ全裸にされていた。ベッドの脇に脱ぎ散らかされた服は一夏と真宏の興奮を物語るようであり、事実今まさに全身で二人の劣情を受け止めている楯無は喘ぎ声を全く抑えられずにいる。
「どうです楯無さん。気持ちいいですか?」
「ぁ、は……気持ち、い……っひぅ! い、一夏くんそこ吸っちゃダメ! イク、またイクッ……!」
ベッドの縁に腰かけ、背を真宏に預けながら豊満な胸を思うさま揉みしだかれながら、ぱっくりと広げさせられた股の間には一夏が顔をうずめている。真宏ので乳首をつままれ、一夏の舌でクリトリスを剥きあげられ、一つ一つですら頭が真っ白になるような快感を、憎からず思っている二人の男達から競い合うように与えられて耐えられるわけがなかった。
「ぷはっ。またイっちゃいましたね楯無さん。そんなに気持ちよかったですか?」
「口のまわりすごいことになってるぞ、一夏。楯無さんも、堪能してくれたみたいで何よりです」
「ぁ……は……やぁ、ん……っ!」
あっさりと極めさせられた絶頂。余韻に震える体は今もやわやわと愛撫をされ続けている。胸は片方を真宏が円を描くようにこね回し、反対側は一夏が固く立ち上がった乳首をぺろりと舐める。今もとぷとぷと愛液をこぼす秘裂は一夏の手が、ときおりぴくりと震える尻房は真宏の掌がやさしく押さえて、時折いたずらをするかのように膣口やアナルに指先を潜り込ませようとする。
「やぁあ、そんな……おっぱいばっかりぃ……」
「こんなにいいおっぱいをしてる楯無さんが悪いんです。我慢なんてできません」
「おっぱいおっぱい!」
一夏と真宏も大分頭がやられているらしい。既に語彙力が大分怪しくなっている。
背後の真宏が下から、前方の一夏が上から。20本の指が余すところなく楯無の巨乳を包み、思うさまに揉みしだいてくる。二人いるからこその愛撫に、楯無の興奮は際限なく高まっていく。
「……さすがにちょっとやりすぎたかな。横になりましょう、楯無さん」
「ゆっくりでいいですからね、仰向けに」
「あ、あり……がと……」
しかし、そろそろやりすぎたと気付いてくれたのだろうか。楯無の汗に濡れた体はようやく二人の体の間から解放され、シーツの上に横たえられた。完全に腰が抜けているし力も入らず、身を起こすこともできないまま、上気して赤く茹った顔に蕩けた表情は劣情に染まりきった証であり。
「……」
「……ごくっ」
男の劣情もまた、強く強く誘うものだった。
「それじゃあ、今度は楯無さんの番ですね」
「……へ?」
「俺達のも、してくださいってことです」
まだ意識が朦朧としたままの楯無の眼前に、何かが突き付けられた。近すぎてよく見えない。だが妙な存在感があり、そこにあるだけで熱が伝わってくる。これは、一体。左右から伸びてくるそれらに手を伸ばし。
「おっ」
「くぅっ」
「え、あ……これって!」
硬さと太さを指で感じて初めて、それが一夏と真宏のペニスだと気が付いた。
一気に視界がクリアになって、細部まではっきりと目に焼き付くそれら。びくびくと手の中で芯から震える熱い肉の棒。浮き上がる血管と全体の張りつめた感触がじわりと触れている部分から伝わってくる。
うっかり触ってしまったが、不思議と嫌悪は湧いてこなかった。さっきまでさんざんになぶられたせいだろうか。二人が望んでいることが手に取るようにわかり、そして自分に対してこんなに反応してくれていることがなぜか今は無性にうれしくて、楯無は。
「……んっ、れろぉ」
「うぉおっ」
「楯無さん、それすごくいいです!」
ためらうことなく、舌を這わせていた。
右、左。顔の両側から突き出される二人に均等に口と手で奉仕する。先端に口づけ、竿を唇で甘く噛み、舌で裏筋をくすぐる。溢れる先走りは全て舐め取り、根本や玉を手でなぞっても反応を返してくれるのが無性に楽しかった。
「んちゅっ、ずるっ、ちゅぅ~、んぐ、んむむぅ~」
「はぁ……はぁ……やっぱりうまいですね、楯無さん」
「でも二人同時はつらいでしょう。そろそろ俺はこっちを使わせてもらいます」
「え、一夏くん……? ふぁっ!? ……そ、そう。おっぱい、使うのね。いいわよ」
思わず夢中になって奉仕していたことに気付いたのは、一夏が離れていったとき。手の中から熱い感触が消えたのを寂しく感じてしまったのが凄まじく恥ずかしいが、一夏は決してやめてしまったわけではない。仰向けになったままの楯無の腹をまたぎ、先ほどまでさんざん二人に弄り回されたせいで今もまだほかほかと熱を持った胸を両手で掴み、むにゅりと寄せた谷間にペニスを挟んだ。
先走りに濡れた先端が胸骨をなぞり、思った以上に唾液まみれにしてしまっていた竿は楯無のみずみずしい乳肌をなめらかに滑って胸元に亀頭を突き出した。
「くぅ~、たまんないです楯無さん。ちょっと激しくしますからっ」
「あっ、ん! そ、それもすごい、擦れちゃう……! はむっ、んじゅるるるるっ!」
「お、おお! 思いっきり咥えてもらうとこれもまた……!」
そこからは、三人ともに激しく交わった。一夏は楯無の下乳に腰を叩き付ける勢いでパイズリを楽しみ、楯無は唾液をたっぷり溜めた口いっぱいに真宏をすすりこむ。真宏もまたそんな楯無の頭を抱え、柔らかい唇にしごかれる最高の感触を味わった。
楯無の胸は一夏と楯無自身の手で寄せられてはさむ乳圧を増し、ほとんど触れあうほどに近づいた乳首は真宏がまとめてひねりあげる。狂乱の時が長く続くはずはない。三人の興奮が限界まで高まった時に、終わりは訪れた。
「楯無さん! 行きますよ!」
「口開けて! 俺と一夏の全部出しますから!」
「ひゃ、ひゃい! 全部かけて! れええええっ!」
びくびくと震えだした二人の射精を、楯無は口を大きく開け、はしたなく舌を伸ばして待ち受ける。口に指を入れて広げてまで、目いっぱいに受け止めようとする。普段の楯無ならば見せないような振る舞いにより一層興奮したらしい二人はそのまま限界に達し、ベッドに沈む楯無の視界が、白く染まった。
胸の谷間と顔の横から吐き出された二人の精液はそれぞれの方向から楯無の顔めがけて放たれ、熱く濡らす。頬を垂れる重い粘液の感触と、髪に絡む熱さ。大きく開けた口に入ってくる二人分の精液は否応なく興奮を誘い、一夏にのしかかられた腹から腰にかけてが勝手に反りあがるほどの快感を楯無に与えた。
「ん、んんんんーっ! ふむぐ、んんー……んっ、くちゅくちゅ……ごくっ、ん」
思う存分顔を汚した後の精液は、二人とも口の中に注いでくれた。溜りに溜まったそれを舌でかき混ぜて味わい、当たり前のように飲み込む。舌を、喉を犯し、ついに体の中にまで。飲み込む行為それ自体が二人に愛されている証のようで、顔と胸と口の中を精液まみれにされながら、楯無は震えるほどの幸せを感じていた。
口の中にわずかに残った精液がもったいない。くちゅくちゅと音を立てて舌をめぐらし、全てを余すところなく味わう。
その後はお礼をしなければならない。順番にちゅうちゅうと先端に唇をつけて残りを吸い出せば、よくできましたとばかりに頭を撫でてくれる。思わず猫か何かのように嬉しくて喉が鳴ってしまった。
「ありがとう、楯無さん。気持ちよかったですよ」
「最高でした」
「あっ……ん。わ、私も……夢中になっちゃった」
はぁはぁと息を吐きながら切れ切れに言う楯無。全身が蕩けるような夢心地に浸り、どこまでも素直に二人の言葉を受け入れる。
だが、一夏と真宏のペニスはあれだけの量を出してもまだ収まる様子はなかった。固く上向いたたくましさが、いまもこれ見よがしに楯無の目の前にある。つい今しがたまで奉仕していたばかりだというのに、楯無の喉がまたごくりと唾を飲む。
「さ、楯無さん。起きられますか?」
「うっ、ん……んん~っ。……ご、ごめんなさい。まだ、あんまり体動かなくて……」
「大丈夫です。それなら、俺が支えてあげますから。ほらっ」
次に何を求められているのか、一夏の一声で理解した楯無の胸はまたドキドキと高鳴っていく。だが深い絶頂に満たされた体はまだいうことを聞いてくれない。しかし抱き起す、というか真宏が抱き着いてくるついでに起こしてくれた。むしろさっきまでの激しさとはまた違う、優しい抱擁をしてもらえて役得な気分が楯無の心を熱くする。
「やんっ、お尻触ったわね?」
「いやあ、かわいいからつい」
だから、多少のいたずらくらいは大目に見よう。
何せ、これからはそんなことを考える余裕もなくなるだろうから。
「はぁ……一夏、くん」
「来てください、楯無さん」
真宏が楯無を降ろしたのは、仰向けになった一夏の上。さっきとは立場が逆になり、楯無が一夏にまたがって見下ろしている。一夏が伸ばした手と指をからめ合わせ、恋人つなぎにして体を支える。そうしなければすぐにも倒れてしまいそうだったし、そうでなくとも今すぐ一夏に思い切り抱き着きたいという欲望を抑えきれなくなっていただろう。それはそれでよさそうだったが、もったいない。
このままあと少し腰を降ろせば、そこには一夏のたくましい肉棒が待ち構えているのだから。
少しだけ腰を降ろす。くち、という音がして亀頭の先と膣口が触れた。
「すごいですね楯無さん。触ってるだけなのにもう飲み込もうとしてます」
「や……言わないで……。ね、ねえ一夏くん、もう……いいかしら?」
「いつでもどうぞ」
我慢など、できるはずがなかった。一夏の許しを得て、楯無は腰をゆっくりと落としていく。肉棒が、熱く体の中をかき分けてきた。
「んんっ、ぁ、は……ん! く、うぅ~……はぁあああああっ!?」
「んっ、全部入りましたね。……入りきったのに合わせてイっちゃいました?」
「ひゃ、い……! 一夏くんの……全部入れて、入れただけで……イったのぉ……!」
前かがみに倒れかけた体を必死に支える楯無の頬にそっと手を寄せ、聞いてくる一夏。強がりなど言えるはずもない。正直に答えた楯無は亀頭に吸い付く子宮口から響いてくる喜びの声をそのまま伝え、そのままむさぼるように一夏の唇を奪う。
「んぐっ、ちゅ、んぶっ。れるんっ!」
「おー、激しいですね、楯無さん」
「んむっ!? ま、真宏くん!?」
忘れていたわけでは決してないが、一夏の体に耽溺していたことに嫉妬してか、真宏が背中からのしかかってきた。さりげなく腰がぐいと押され、より深くまで銜え込んだ一夏の亀頭にごつんと最奥を叩かれ震える。真宏はしかしそんなことに気付いてないとでもいうかのように一夏の胸板に潰される胸へと手を滑り込ませ、ぐにぐにと揉みしだいてくる。
「楯無さん、思いっきりご奉仕してくれるのは嬉しいですけど、そろそろ真宏のことも相手してやってくださいよ」
「ふ、二人ともなんて無理よ。あとで……ね? このあと真宏くんとももちろんするから。今は……」
「大丈夫、空いてるじゃないですか。こっちが」
「ひぃうっ!? そ、そこ……おしりっ!?」
胸を揉まれながら尻の間に真宏の熱く興奮した肉棒の感触を挟み込まれた時から予感はしていたが、目の前でニヤニヤする一夏が鷲掴みにした尻肉を左右に広げたことで確信に変わった。尻穴に押し当てられる真宏のペニス。これから楯無は、前と後ろから二人に貫かれるのだ。
「ぁ……う……っ」
「抵抗しないですね。ひょっとして、期待してます?」
「楯無さんはお尻の穴も気持ちいいし、自分も気持ちよくなれる人ですもんねえ」
「ぁあ……や、やめて、言わないでぇ……!」
胸にくすぶる妖しい期待を言い当てられて、一夏の胸に顔を隠していやいやと首を振る楯無。この二人にはもとより隠しごとなどできるはずもないのだから仕方ないことだが、だからと言って羞恥が消えるわけでもない。
今も真宏は楯無の胸を少し強めの、楯無が一番好きな力加減で揉み潰して唇から喘ぎをこぼさせ、一夏は尻をますます広げて真宏が挿入れる準備を手伝っている。
逃げられない。逃げたくもない。
これから二人に愛されるのは、楯無にとっても喜びだから。
「そ……れっ」
「んおっ!? お、おおおおおお……はぁぁ~~っ!?」
抵抗は少ない。最初に亀頭を呑みこむまでの間は内臓が持ち上げられるような圧迫感があったが、カリまで受け入れてしまえばあとは一気に根元まで楯無の尻穴の中に納まった。尻に当たる真宏の腰、きゅっと根元を占める括約筋が伸びた感触、前からは一夏が腰をひねって子宮口をいじめ、背後からは真宏のペニスが肉を隔てて一夏のペニスと擦れている。
まるで子宮が人質に取られたようだ。一夏と真宏の二人によって、前後から好きなように押しつぶされる。体の中も外も男に征服され、楯無は。
「は、あ……あぁぁああああああっ!?」
「おっと、暴れちゃだめですよ」
「危なくないように抑えててあげますから、いっぱいイってくださいね」
膣と腸壁から蜜をしたたらせながら、ろくに動かれてもいないのに、絶頂を極めた。
「……でも、ここからが本番ですんで」
「動きますから覚悟してくださいね」
「ら、めええ! あ、あっー!?」
そのあとは、二人に体を蹂躙された。
一夏は楯無の体を浮かせる勢いで、腰を突き上げ子宮へ入り込まんばかりに抽挿を繰り返し、真宏は一夏の動きに合わせて腰をぐりぐりとひねり、楯無の弱いところばかりを擦ってくる。一夏は動きの幅こそ小さいものの力強く楯無を打ち、真宏は先端から根本まですべてを使ってくる。限界まで尻穴に入れられたペニスが引き出される時の魂まで抜けていくような感覚に情けない悲鳴を上げ、その後一気に押し入れられて切なく鳴き声をあげさせられる。
気持ちよすぎて、頭がどうにかなるかと思った。おそらく顔は笑っていただろう。だが涙は止まらなかった。小さくイクたびに意識を失い、しかし気づいた時には一夏か真宏のどちらかにキスをされながらクリトリスや乳首を強くつねられて目が覚める。しかし、その時も半ば無意識のまま楯無は相手と舌を絡めあっていたのだから、我ながら度し難いと思う。
幸いだったのは、この快感は等しく真宏と一夏にも与えられていたから、長くはもたなかったこと。ぷくりと二人の亀頭が膨れた気がした、その直後。
「俺達もイキますよ楯無さん。どこに出されたいですか?」
「おくっ! 奥! 二人とも、一番奥で出して! 精液で子宮とお腹いっぱいにしてえ!」
「そう言ってくれると思ってましたよ!」
この体は二人の望むがままにもてあそばれている。ならば、口をついて出る言葉も二人をより一層昂ぶらせるものでありたかった。理性の働かない楯無の淫靡な本音は二人にこれまでの内もっとも力強い腰の突き込みを促し。
「~~~~~~~~~~っ!?」
子宮口にぴたりと亀頭を押し付けた一夏と、終わりない腸に限界まで突き入れた真宏の精液をたっぷりと絞り上げるのであった。
「んぶっ、じゅるっ、じゅぶ、じゅるるるるっ! んんふぅ~っ!」
「すごい吸い付きですね、そんなにおいしいですか?」
「こっちもいっぱい締め付けてくれて気持ちいいですよ。上からも下からもされて大満足みたいでなによりです」
その後。
前後にたっぷりと中出しされた楯無はしばらく放心状態になっていた。はぁはぁと荒く息をつき、火照った体をベッドの上でくねらせながら深い絶頂の余韻が揺り返してくるのに合わせて体を震わせ、膣とアナルからこぽこぽと収まりきらない精液をこぼす。
そんな淫らな光景を見て、高校生男子が性欲をたぎらせないはずがない。
二人に優しく仰向けにされた楯無は、まだ収まりのつかない二人のギラついた視線にさらされ、眼差しの突き刺さる胸と下腹部に熱が灯るような気がした。その熱は収まることなく体を炙り、楯無の口から零れ落ちる。
「……もっと、する?」
とろり、と表情を蕩けさせて微笑んで、自分で膣口を広げて見せた。短い間隔の呼吸に合わせて弾む胸。色気を香りとして放つ膣口。むっちりと二人を迎え入れるように広げられた柔らかくも引き締まった足。それら全ての結果が、今の状態につながっている。
さっきとは変わり、仰向けの楯無と正常位で交わる真宏。一夏としている時とは違うところに違う感触がぶつかり、甲乙つけがたい快感の響きが広がり、膣内の襞が熱烈に吸い付き締め付ける。がっしりと掴まれた腰は芯まで蕩け、子宮が歓喜に泣いている。楯無の両足は自然と真宏の腰に絡みつき、逃がさないよう抱え込む。
一夏はアナルではなく楯無の口を求め、仰向けのまま喉を反らした楯無の口いっぱいにペニスを入れる、ディープスロート。喉の奥まで咥えこませ、熱い舌でなめしゃぶられて背筋を震わせる。
「んんっ! き、きもち、いぃ……! 一夏くんと、真宏くんにされると、どんなことでも気持ちいいの……私、おかしくなっちゃうぅ……!」
「大丈夫、俺達も一緒ですよ。楯無さんの体はどこも気持ちよすぎます」
「だから、もっとよくなってくださいね」
そういう最中、二人の手は楯無の胸を掴んでいた。再び左右それぞれ10本の指が上から下から好き勝手にやわやわと指を沈ませる極上の弾力を楽しんでいる。息が合っているようであっていない不規則な動きに胸を支配され、しかしそれすら今の楯無にとっては膣襞をざわめかせるほどの快感だ。
喉の苦しさも一夏に与えられるなら嬉しかった。子宮口はとっくに真宏に屈服して、精液で孕ませてもらうために亀頭に媚びる熱いキスをしている。
「ふぁあああっ! らめっ、らめっ! もう無理……イクッ! イクイク、イクうううう~っ!」
「俺達も、限界です!」
「楯無さん、全部飲んで!」
そしてそんな幸せは、二人の精液を体の一番奥で感じることで幕を閉じるのであった。
◇◆◇
「うっ、うぅう~」
「どうしたんですか、そんなに唸って?」
「体洗われたくらいで今更恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか」
始末が済んでから。
三人とも精液と愛液と汗でドロドロになるまでむさぼり合ったあと、ベッドのシーツをとりあえず変え、体を清めて今度はようやく眠るためにベッドに戻ってきた。
といっても完全に腰が抜けきっていた楯無にできることなど何もなく、てきぱきと一夏がベッドを片付ける傍ら真宏に(もちろんお姫様だっこで)風呂場に連れていかれてしまった。途中からベッドを整えた一夏も当たり前のように入ってきて、まさかここで第2ラウンドが、と身構えたのも一時のこと。さんざん無理をさせた自覚もあるのか丁寧に二人がかりで体を洗われるだけで済んだ。もちろん、それはそれで死ぬほど恥ずかしかったのだが。二人とも当然のようにスポンジなど使わず泡立てた自分達の手で洗うし。それだけで何度かイかされもした。
そして今では楯無を一夏と真宏がはさんで三人仲良くベッドに入っている。あとは眠るだけ、ピロートークの延長のような優しい睦言の時間だった。
「だ、だって……私、あんなに……っ」
「割といつものことじゃないですか。……それにしても、最初に俺と真宏、どっちの子供ができるかな?」
「こっ、子供……!?」
「そりゃあ、これだけしてれば、ねえ? 楯無さんだってそれでいいって言ってくれたじゃないですか。俺の子にせよ一夏の子にせよ、楽しみです」
「もしどっちかの子が産まれたら、その次はもう一人の方を優先するってことで。がんばってくださいね、楯無さん」
「へぅ……っ」
体を摺り寄せ、楯無の下腹を撫でる一夏と真宏。今まさにその奥の子宮には二人の精液がたゆたっている。妊娠の可能性は決して低くはない。その上もし妊娠していて、子供を産んだらそのあとすぐにもう一方の子を仕込まれると宣言されたのだから平然としていられるはずがなかった。
何せ、二人にそう言ってもらえたことが、そして自然と想像された一夏と真宏、そして二人と自分の子供達と一緒にいる未来があまりにも幸せすぎたから。
「そのためにも、やりすぎないようにしないといけませんからね。名残惜しいけど今日はこの辺で。大好きですよ、刀奈さん」
「愛してます、刀奈さん。おやすみなさい」
そして一夏と真宏は楯無を本当の名前で呼んで、左右から頬に口付ける。
まるで二人の王子様に愛されるお姫様になったような夢心地のまま、楯無は眠りに落ちていくのであった。
◇◆◇
「……へあっ!?」
楯無は目覚めた。隣に一夏も真宏もいない、一人用ベッドが鎮座する自分の一人部屋にて。
はっきりした夢を見ていたときは、目覚めた時に現実とのギャップを感じて戸惑うことが稀にある。今の楯無がまさにその状態だ。具体的には、左右から自分を包み込んでくれていた一夏と真宏の温もりがないことが妙に寂しくて、あれが夢だったと気付いた一瞬後、夢の中で自分が何を考えていたのかを理解して顔中真っ赤になってしまうくらいに。
「わ、私はなんて夢を……って、パジャマが!?」
しかも被害は頭の中だけではなく、剥いだ布団の中の惨状もまた凄まじい。ぐっしょりと濡れたパジャマと布団。むっと立ち上る女の匂いは楯無本人でもむせそうになるほど。一晩中自分は一体どんな夢を見ていたのか、この部屋を見た人全てに知らしめるようなもので。
「あ、あわわわわ……はうううううううっ!?」
思わずベッドから転げ落ち、そのまましばらくゴロゴロと辺りを転がってしまう楯無であった。
当たり前といえば当たり前の話だが、その後数日間、楯無は一夏と真宏の顔をまともに見ることができず、何かというと赤い顔をしてトイレに駆け込む生徒会長の姿がIS学園の生徒に何度か目撃されるのであったとさ。
「……更識楯無、恐ろしい逸材です」
そして、どこかでそんなことをつぶやいた少女がいたとかいなかったとか。
クロエ・クロニクルのIS、黒鍵の能力であるワールド・パージ。自身のエロ妄想を徹底的に見せつける、恐ろしい能力であった。
その標的が誰になるか、今後も増えるかどうか。それは、誰にもわからない。