※この作品はR-18です。

IS学園の中心で「エロス」を叫ぶ   作:葉川柚介

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くーちゃんインガオホー編

「……どこです、ここは」

 

 くーちゃんことクロエ・クロニクルが自分の意識の連続性を疑ったのは、その時自分が全く知らない部屋にいることを自覚したからだ。

 

 クロエは世界を揺るがす大天災、篠ノ之束に娘とされる少女だ。あらゆる国、企業、組織から追われる立場上これまで一つ所に留まったことはなく、あちこちを転々としてきた。一応生まれた場所的なところにはそれなりに長いこといたのだが、思い出したくもない黒歴史なのでそこは割愛する。

 そんな立場上知らない部屋を寝床と定めることには慣れているのだが、気付いたら知らないところにいました、などという経験はいまだかつてない。

 

 部屋の中を見渡してみれば、中々にいい部屋だった。

 まず、広い。学校の教室ほどもあるだろうか。生活感のある家具はなく、おそらくホテルの一室。ベッドがあることからして寝室だろう。

 天井からの照明は柔らかい色合いで、部屋の隅のテーブルや棚の類は内装と調和している。床も上質なカーペットであり、もしここが本当にホテルであるならかなりの高級所だ。

 

 そこまで把握して、記憶と照らし合わせ、この部屋に来た経緯が相変わらず全く覚えのないことを再認識して途方に暮れる。束に付き従う者としていろいろとマークされているのでそちら方面かとも思うのだが、それならそれでこのような場所に、ロクに拘束もされずに放置される理由がない。さてどうしたものかと、ひとまずクロエはベッドに腰かけ思案する。

 

 

 この時点で気付いていれば、少しは先の展開も違っていただろうか。

 いや、変わってはいなかっただろう。

 

 この部屋のベッドが、数人が乗ってくんずほぐれつしても余裕なくらい大きく、柔らかいことなど、気付いていても仕方がないことだった。

 

 

◇◆◇

 

 

――コンコン

 

「こんにちはー」

「お邪魔しまーす」

「な、なんです!?」

 

 クロエが思案に暮れてしばらく。突如ノックの音とともに部屋に入って来た者たちがいる。

 確かにクロエのこの状況は何者かの意思によるものであることは確実だったが、特に何の前フリもなくあっさり出てくるとは思っていなかった。

 さっき調べたときは鍵がかかっていたはずの扉から当たり前のように入って来たことにも驚きつつ、振り向くクロエ。その先に姿を見せた、この件と確実に関わっているだろう者達は。

 

「織斑一夏! それに、神上真宏まで!?」

「やあ、久しぶり」

「直接会うのは久しぶりだね。えーと、クロエだっけ?」

 

 

 世界でただ二人だけISを操縦できる男たちだった。

 束の盟友たる織斑千冬の弟、一夏。そしていつぞや千冬に引き合わされた真宏の二名。まさかこんなところで見るとは夢にも思わなかった顔ぶれだ。

 

「……どういうことです。あなたたち二人が、なぜこんなところに現れるのですか」

「いや、まあそりゃあ、ねえ?」

「なあ」

 

 しかし、様子がおかしい。

 この二人にはクロエをこうして捕まえる理由などなく、人格的にもそれを良しとはしないだろう。もしする必要があったとしても、以前あったときに連絡先を交換してある真宏が普通にメールか何かで適当に連絡を取るはずだ。そう確信できる程度には、クロエも真宏のことを理解している。

 

「え、ちょ、ちょっと待ってください。なんでじりじり近づいてくるんです? ……なんで自分の胸元のボタンを開けるんですか!?」

「わかってるくせに」

「くーちゃん、こういうことに詳しいでしょ?」

 

 しかしそんな真宏たちが取った行動は、軽く理解不能なものだった。

 ニコニコと笑いながら歩み寄ってくる。それだけなら特におかしなことはないのだが、なぜか女の本能が反応し、ドキリと心臓が高鳴り咄嗟にベッドから立ち上がった。

 果たしてその判断は正しく、真宏と一夏は着ていたIS学園の制服を徐々に脱ぎながら迫ってくるのだ。

 出入りの方法がわからない部屋で、服を脱ぎつつある男二人に迫られる少女。絵面からすれば完全に犯罪である。

 

 しかしなぜだろう。シャツの隙間にちらほら見える二人の胸板に視線が吸い寄せられるのは。ドキドキと鼓動を早める心臓が、決して不快ではないのは。

 

 にじり寄る二人から逃れ、ついに壁際に追い詰められてしまったクロエ。

 だがそこまで来て、違和感に気付く。

 というよりも、既視感を覚えた。

 

 

 一夏にせよ真宏にせよ、このように強引に女性に迫るような人格だっただろうか。

 否。一夏の方はむしろ迫られることこそあれ、自分から迫るようなことはしない。特に意味もなくラッキースケベで押し倒したりは日常茶飯事らしいが。

 真宏の方はもっとない。やるとしたら恋人である更識簪相手にだろうが、この男は恋愛方面では意外とヘタレらしいのでこちらも誘惑されて迫られた結果、理性ぶっとんでやらかす側だろう。

 

 つまりこの状況は、一夏と真宏が明らかに当人の性質よりも少々強引に女性に迫っているという状況なわけで。

 

 クロエは、そんなシチュエーションに覚えがある。

 当然だ。今までに何度となく、クロエ自身が糸を引いてきたのだから。

 

「まさか! ……ああっ、あった……黄金立方体!?」

 

 そう、すなわちクロエのIS、黒鍵の能力<ワールド・パージ>。これまで何人もの乙女にエロい夢を見せてきた自慢の力。いまの一夏と真宏はその夢の中に出てくるときの性格にそっくりで、慌てて部屋の中に視線を走らせたその結果、壁にかけられた絵画の中に描かれていた太陽が妙に明るい。それが黄金立方体だった。なんだこの平面3D。

 

「クロエ」

「ひぅ!?」

「これが夢だって気付いたんなら、このあとどうなるかも、わかるよね?」

「あ、あわわ……ち、近いです!」

 

 周囲に気を取られたことが災いした。いつの間にか、一夏と真宏はすでにクロエのすぐそばまで来ていた。

 いや、すぐそばなどというものではない。一声かけるとともに、顔のすぐ横に衝撃。二人の手が壁を突く。

 

 いわゆる、壁ドンというやつだ。

 しかも左右にダブル。

 目の前すぐに一夏と真宏の顔。クロエは普段から両目を閉じても物が見えているが、たとえ見えていなかったとしても吐息が、匂いが、熱が感じられる距離。

 

「や、やめなさい! あなたたちがワールド・パージの作り出した幻だということはわかっています! だからすぐに……き、消えない!?」

 

 衝撃はクロエを打ちのめすが、正気にも戻らせた。

 自分の能力が見せる夢だとわかったからには話が早い。すぐにも終わらせようと念じる。

 ……が、状況は変わらない。目の前にある二人の顔はにっこりと笑い、少しずつ距離を詰めてくる。もう、すぐにも互いの頬が触れ合いそうなほど。

 

「消えないよ。だって、これはクロエの望んだことだから」

「わ、私が望んだ!?」

「そう。ワールド・パージはそういう能力だろう? 刀奈さんや簪たちに夢を見せたのはくーちゃんがそうしたいと思ったから。……だから、これもくーちゃんが望んだことなんだよ」

「そ、そんなわけが……!」

「本当に? 俺たちにされてる女の子を見て羨ましいと思ったことはない?」

「どんな風に感じるのか気になったこと、あるよね」

「う、うぅぅぅぅ……!」

 

 咄嗟には言い返せないクロエ。

 確かに、クロエはワールド・パージでエロい夢を人に見せることが最近半ば趣味になりつつある程度にはそういったことへの興味もある。だがそれはあくまで興味でしかない。こんなふうに、ワールド・パージが自分の制御を離れて自らに効果を発揮するほどのものではない。ないはずだ。

 それを証明しなければならない。

 

「そう思うのなら、好きにしなさい」

「……本当に、いいの?」

「俺たちがどんなことをするか、くーちゃんだって知らないわけじゃないよね? まあ確実に想像以上のことするけど」

「私に二言はありません。そもそも、これは所詮ただの夢。自分の能力で生み出した幻程度に屈することはないということを、見せてあげます!」

 

 それまでのどこか怯えを含んだ様子とは明らかに違う、覚悟を全身にみなぎらせたクロエ。たとえ壁際に追い詰められようと、目は閉じたままながら一夏と真宏を見上げる表情は不退転の決意を雄弁に示していた。

 

 

◇◆◇

 

 

 そして、数分後。

 

「じゅる、ちゅぷ、んむぅん……ぷはっ。ひゃ、そこ舐めちゃらめれすうううううううう!?」

 

 そこには、一夏と真宏の二人がかりで攻められてろれつが回らなくなってるクロエの姿が!

 

 

「ほーらクロエ。次は俺とキスしてよ。んっ」

「んむぅぅぅぅん! 舌、深くへ、待っ、んんんんんーーーー!」

「俺のことも忘れないでよ、くーちゃん。こーんなにかわいい子に放っておかれたら、もっとアピールしてこっちを振り向いて欲しくなっちゃうからさ。くちゅくちゅ」

「ひゃめえ!? 耳の中舐めないれくらひゃいっ! あっ、あ……! 反対の耳も塞がれたら、頭の中全部くちゅくちゅされちゃいましゅうぅ!?」

 

 三人の位置はほとんど動いていない。壁際のクロエと、覆いかぶさるようにして顔を寄せる一夏と真宏。二人が最初にしたのは軽いキスで、クロエの体へのスキンシップは最低限。

 啖呵を切ったとはいえ緊張が残るクロエの心を解きほぐすような軽いキスと、クロエの初々しさ、長い髪、白磁の肌を褒める言葉の数々。クロエが想像していたのはいきなり貪るように襲いかかってくることだったが、よくよく思い返してみればこれまでクロエが見せてきた夢の中でもこいつらが攻めに回るときはこんな感じだった。

 かたくなに身をこわばらせていて耐えられる類の攻めではないのでは。そう気づいたのは、交互に差し出される二人の唇に少しずつ自分から唇と舌を差し出し、そっと触れてくる二人の手と恋人繋ぎをするようになってからで、色々なエロエロな経験を観測してはいても体験はしていない小娘では逃れられないところまで引きずり込まれてからだった。

 

「ふーっ、ふーっ……息、苦し……少し、休ませてくらさいぃ……」

「んー、そうしてあげたいのは山々なんだけど、今のくーちゃん、すっごくトロトロでおいしそうで…ごめん、我慢できない」

「しょ、しょんな……もう、キスされるとふわふわして……ふううぅぅぅぅぅぅん!」

 

 そして、今では繰り返されるキスに息も絶え絶えになりながら、それでもやめられないクロエの誕生と相成った。

 一夏と真宏は、互いにクロエの唇を譲り合って休みなく求めているのだが、キスをしていない方も黙って見ているわけではない。

 それどころか、羨ましいのかむしろキスをしている時以上にクロエにちょっかいを出す。

 髪を優しく指で梳かれ、一房すくってキスをされる。

 うなじに顔を埋められ匂いをかがれ、指先で鎖骨を触れるか触れないかの力加減で愛撫してくる。

 耳は特に狙われやすく、耳たぶも軟骨ももちろん穴の中も二人の舌で性感帯に仕立て上げられてしまっている。

 

 すでにクロエの両足は自分の体を支えられる力がない。

 両足の間に差し入れられた一夏の膝と背後の壁、真宏の腕に支えられた状態で、立ってこそいるがそこにクロエの意思が介在する余地は存在しなかった。

 

(うぅ……絶対織斑一夏の膝を濡らしちゃってる……!)

 

 それは、どれほどの痴態を晒しても隠しようもないことを意味する。

 熱く湿っていることが自覚されるクロエの下腹は一夏の膝と密着している。身じろぎするたびに感じられる水気はすでにそこが隠しようもないほどの蜜を滴らせていることの証で、気付いているだろうにそちらに触れようともしない一夏と真宏は、「まだまだいくらでも感じさせられる」と暗に告げて、これからもされるだろう数々の行為への期待と、どうなってしまうかわからない不安をスパイスとしてクロエの体をさらに高ぶらせた。

 

 そして、そんな隙を見逃す一夏と真宏ではなく。

 

「それじゃあ、そろそろこっちもしてあげようか」

「はーい脱がすよー」

「はぁっ、はぁっ……」

 

 ついに、服を脱がされ素肌を晒す。

 クロエが着ているのはロリータ風のきっちりとしたいつも通りのもので、普通の服とは構造が少し異なっている。しかし二人は迷うことなくボタンを外し、ひもを緩め、さしたる手間取りもなくクロエの服を緩め、胸元を大きく開けた。

 

「くぅぅ……は、恥ずかしいです!」

「でも、抵抗はしないんだ」

「大丈夫、キレイだよくーちゃん」

 

 夢の中とは言え、男の目に晒すのは初めての柔肌。

 透き通る白い肌に銀の長い髪が元から人形のようにかわいらしいクロエであったが、興奮に紅潮する肌は人間離れした色気を放つ。

 胸のふくらみはつつましやかに、しかし確かな曲線を描いてそこにある。

 しかし何よりクロエの顔を赤くさせるのは、その頂の突起。

 キスの余韻で震える体に合わせてぷるぷると踊る柔肉の先に、くっきりと角が立つように固くしこった、乳首。興奮が興奮を呼び、衣擦れですら感じてしまっていたのが丸わかりだった。

 

「そんな言葉でごまかされると……! ひゃわ!? お、お尻触らないでください! し、下着の中にまでぇ!?」

「お尻もぷりぷり。かわいい」

「おっぱいもぽよぽよだ。しかも熱々だね」

 

 先ほどまでの行為はほんの小手調べだった、と暗に語るような本番が始まった。

 それまでせいぜいキスと手を繋ぐ程度だった二人の接触が全身を標的とし始めた。一層近づいてきた二人の体に挟まれ、スカートの中に差し込まれた手が尻肉を、胸に添えられた手がおっぱいを揉みしだく。

 

 クロエの口から迸る、歓喜の喘ぎ。しかしその悲鳴は長く続くことはなく、再び代わる代わる捧げられる唇によって塞がれた。

 これほどの刺激を、しかも立て続けに。クロエはエロい夢を見せることができるとはいえれっきとした処女。慣れないことに耐えられるはずもなく。

 

(あっ、ダメ……! 織斑一夏も、神上真宏も、私をイかせに来てる……!?)

 

 手が、舌が激しさを増した。

 一夏の手が秘所へと伸びて溢れんばかりになっていた愛液の元へと伸び、一夏とキスを交代した真宏の口が今度はクロエの固くしこった乳首を含む。

 一夏の指は激しく割れ目をこすり、真宏の歯が乳首を噛んだ。

 

「あああああああああああ!? イくっ! イきますううううううううううう!?」

 

 自分の体の至る所で何をされたのか、クロエは正しく把握できてはいなかった。そんな余裕はとてもない。

 だが一つだけ確かなのは、この行為が癖になりそうなほどの快楽を自分の体に刻み付けたということだ。

 

「ぁ……くぁ、んっ」

「あらら、力抜けちゃったね、くーちゃん」

「それじゃあ、ベッドに行こうか。……まだ、夢は終わらないよ」

 

 意識が朦朧とする最中、優しく耳元でささやかれたその言葉。

 まだ先があるのかという絶望と、もっと愛してもらえるという期待。

 その二つが混じり合い、クロエの口元に笑顔として現れたことを、当人だけは気付いていなかった。

 

 

◇◆◇

 

 

「ちゅ、じゅるる、れろれろれろ」

「はむっ。んー、クロエの乳首、すっごいコリコリしてる。面白いな」

「ふゃ、ぁ……んっ」

 

 ベッドの上。

 清潔なシーツが広々と敷かれ、ふかふかの弾力がクロエと一夏と真宏の重さを優しく受け止めてくれている。これならかなり激しく暴れても大丈夫そうだな、とかちょっと思ってしまったことが少しだけ恥ずかしいクロエだったが、彼女がいま置かれている状況はそんな程度の妄想など歯牙にもかけないほどに恥ずかしい。

 

 クロエはいわゆる女の子座りをして、上半身を反らし気味の姿勢になっている。決してメリハリが効いているとはいいがたいクロエの肢体だが、こうするとつつましやかな臍のかわいらしさ、細い腰、あばらが浮かびそうな儚さ、そして大きいとは言えないながらも確かにある胸のふくらみがあらわになる。

 ちなみにその辺がもろっとあらわになっているのは一夏と真宏によってとっくに服を脱がされているからで、今のクロエの身に絡みついているのはかつてブラウスだったものだけ。破かれこそしていないもののすでに腕の辺りに何か布らしきものがある、程度にしか見えないだろう。

 

 そうして露になったクロエの胸。

 そこに、一夏と真宏がむしゃぶりついていた。

 両側から、仲良く片方ずつ。倒れそうになる背中を二人のたくましい腕に支えられ、逃げられない。

 

「くーちゃんのおっぱい、かわいいよ。すっごく柔らかくて、れぇ~、美味しいし」

「ひんっ! そ、そんな下から上まで舐めないでくださいっ!」

「こっちも忘れないでよ。真宏が舐めるんなら俺は噛んであげる。ちょっと痛いくらいが気持ちいいんだよね? だんだんわかってきた」

「う、嘘です! 噛まれて痛いのなんていやで……ひぃぃぃぃ!?」

「れろれろ」

「ぎりぎり」

「あ、あああぁぁぁぁ……!」

 

 さらけ出した胸に吸い付く二人の男。もはや思考がまとまらないクロエは、半ば条件反射のように一夏と真宏の頭を撫でる。

 気持ちよくしてくれたことへの感謝なのか、半ば倒錯した母性本能なのかはわからない。だがどこか穏やかな気持ちでしたことだ。

 しかし、褒められて喜んだせいだろうか。男たちはもっと褒めてとばかりに愛撫の激しさを増し、ねっちりと舌を絡ませ、すぐに雌の悦びがクロエを塗りつぶした。

 

 力が入らずだらりと垂れた両手。かすれるように、しかし留まることなく口からこぼれる高く、甘い喘ぎ声。

 一夏たちは撫でてもらえなくなって寂しいのか、クロエの手を取りごそごそし始め。

 

「きゃっ! あ、熱い……太いぃ……! なんですか、何を握らせてるんですか!?」

「なにってそりゃあ、ねえ?」

「これからこっちでも一杯するんだから、慣れてもらおうと思って」

 

 にっこりと笑う一夏と真宏。だがその笑顔が時々何かに耐えるように震えるのは、両手の中にそれぞれ握らされた熱い塊がビクンと力強く跳ねるのと完全に同期していた。

 

 見なくても、聞かなくてもわかるに決まっていた。

 熱く、太い。長く、血管が浮いている。

 クロエは一夏と真宏の興奮に滾る肉棒を、その可憐な手に握らされていた。

 

「感想は? くーちゃん」

「あ、扱きながらしてくれるかな。俺たちもそろそろ我慢できなくなりそうだから……くぅ!? そ、そういう感じ! ちょっと強く握って!」

「やあぁ……!」

 

 一夏と真宏の手がクロエの手に重ねられ、まるで自分の手をオナホール扱いされているかのような手淫。上下に擦らされる上に、腰も動かしての抽挿はまるでこれからの本番の予行演習。否が応にもきっとこのあとされるだろう行為を思って、クロエの顔はさらに赤く染まってしまう。

 

「はっ、はっ……! あ、だめ、イっ、イク! イクイクゥゥゥゥゥ~~~!?」

 

 その想像も手伝って、またイった。

 あるいはこのまま両手を二人の精液まみれにされるかと思っていたのに、あっけなく自分から果ててしまった。恥ずかしいような悔しいような、二人の顔をまともに見られない感情がクロエの顔を背けさせる。

 

 もうどうにでもしてくれと、脱力した体を預けながら。

 

 

「……」

「……」

 

 クロエは優しくベッドの上に横たえられている。

 一夏と真宏が無言で頷き合う気配がする。

 落ち着くために視覚情報を遮断している状態でもわかる。いま、クロエの体は男の、獣の視線にさらされている。

 抵抗の余地などないほどに弱り、どんなに激しい行為も受け入れられるほどにほぐれた極上の女体として。

 

「クロエ、ちょっと体動かすよ」

「ぁ……はぃ」

 

 はじめは、一夏か。

 かけられた声に対して恐怖はわかず、しかし確かに胸が高鳴った。

 

 一夏の腕は優しくクロエの体を転がし、腰を引く。

 その結果完成するのは、ベッドに顔を突っ伏し、腰を高く掲げた姿。

 いつの間にやらスカートも下着も脱がされていたらしく、どうしようもなくスースーしてしまう。

 

 ああ、全て見られている。

 確信がクロエの腰から背を撫で、ぞくんと寒気にも似た期待が騒ぐ。

 本来乙女が隠すべき全てが、きっと一夏の目に焼き付けられている。

 さっきから蜜を滴らせて止まない秘裂も、きゅうきゅうと縮こまる尻穴も。

 

 後背位。

 獣の交尾と同じ形。二本の足で歩くことを覚えた人にとって、セックス以外ではすることもないポーズ。

 

「……するよ、クロエ」

「……」

 

 一夏の両手が腰を掴んだ。

 クロエの手はシーツを掴み、抵抗のそぶりもなく、ベッドに顔を埋めている。

 

 さっきまで手の中にあった熱が、クロエの体に再び触れる。

 

「……えっ、ちょっと待ってください。そこは……!」

「そぉ……れっ!」

 

 ただし、クロエが想像したのとは違う場所に。

 

「ひっぐぅ!?」

「くあぁ……! みっちり締まって温かい。気持ちいいよ、クロエのお・し・り」

「くほおおおおん!?」

 

 一夏が使ったのは、アナル。

 てっきりセックスになるのだと思っていたクロエにとって、完全な不意打ちだった。

 

「あ、やああぁ……! ど、どうしてそんなところを! 息、息が苦しい……! ぁぁぁああ!? お、押し込まないでぇ!?」

 

 いきなり一夏の全てがねじ込まれたわけではなかった。クロエから滴る愛液で濡らしていたとはいえ、本来こんな行為に使うための器官ではない。クロエ本人に得体の知れない大きな違和感を与えながら、じわじわと押し入ってくる。

 

「ふっ、んっ! ふう、半分くらい入った。クロエ、もっと力抜けない?」

「む、無理れすうううぅ!」

 

 ぞぞぞぞぞ、と背中一面に鳥肌が立ち、脇に額に冷や汗がにじむ。クロエの腰をがっちりと両手でつかんでたくましく腰を突き出し、ゆっくりとアナルを埋め尽くしていく一夏。時折少しだけ抜くように動かして具合を確かめる。

 一夏が入ってくるだけでも体が自然とこわばるほど、恐怖にも似た謎の感覚が体を襲うというのに、抜かれるときはなおひどい。

 縮こまっていた体の奥から何か大切なものを引き抜かれてしまうような、取り返しのつかない変質を強いられている気がしてならない。

 

 おかしな声を上げないように歯を食いしばるが、口はだらしなく開こうとしてがちがちと歯が噛みあって鳴る。これまで何度かワールド・パージの中で少女たちが経験するのを見てきた、アナルセックス。まさかこれほどのものとは、実体験が皆無だったクロエの想像をはるかに超えていた。

 これなら、織斑千冬辺りが妙にお気に入りなのも理解できる、と納得せざるをえなかった。

 

「すっかり気に入ったみたいだね、くーちゃん。処女を前にアナルセックスなんて知っちゃったら、もう変態の仲間入りかな? ほら、俺にも構って。腕上げて」

「ひゃひぃ!? わ、脇ぃ!? そんなところ舐めないでください! 私、変態じゃないれすからぁ!」

 

 だから、決して気持ちよくない。くすぐったいだけだ。

 そう言いたかったのに、口には出せなかった。

 一夏が嬉しそうに腰を繰り出し、何物も触れたことがないクロエの体内を抉ったからだ。

 そういうことにしておいた。決して、脇をなめられるのがちょっと気持ちよかったから、などではない。

 

「はい、全部入ったよクロエ。どう、感想は?」

「ぁ……はぁーっ、はぁーっ。りゃ、りゃめ、れす。う、動けないぃ……!」

 

 クロエと一夏の距離は、ゼロになった。

 いや、それどころか入り込まれている分マイナスと言っていいだろう。

 額をベッドに押し付け、尻を掲げさせられているクロエ。その背後から覆いかぶさる一夏の下腹は、すでにクロエの尻房とぴったり密着している。

 時折腰でクロエの尻肉をこねるかのようにさらに押し込まれると、終わりのない腸内はどこまでも一夏を飲み込み、その分の圧迫された何かがクロエの口から喘ぎ声となって迸る。

 息が苦しく、酸素が足りない。朦朧としつつある頭にはもはやまともな思考など残っておらず、なんかもうだんだんどうでもよくなってきた。

 下半身全てがぬるま湯に浸かっているような気がするのは、一夏が内側から温めてくれているからか。それならもう、身をゆだねてしまってもいいのではないか。

 このまま情け容赦なく突きこまれ、望まれるがままに啼いて、一夏を悦ばせれば……。

 

「ハッ!? 私は何を……! ま、まだです! この程度で私は屈しません! たとえ初体験がアナルであろうとも、私自身の見せる夢などに……!」

 

 しかし彼女はクロエ・クロニクル。

 ちょっとやそっとではへこたれない。

 

「じゃあ、ちゃんとした初体験もしておこうか」

「へ?」

 

 問題は、いまの彼女が相対している男たちは、今日のセックスをちょっとやそっとで終わらせるつもりなど全くなく、最初から全力でクロエを堕としに来ていたことだ。

 

 気付いた時には、一夏が両腕でクロエの体を抱きしめ、そのまま体を起こす。

 突っ伏していたクロエの体も当然引き上げられ、一糸まとわぬ裸体が一夏と真宏の前に晒される。

 何度も口づけられキスマークにこそなっていないものの赤く染まった首元、恥ずかしいほどにとがった乳首。呼吸に合わせて大きく上下する胸と腹。

 そして今もだらだらと透明な汁をこぼす秘裂と、細く華奢なクロエの体と比べると「凶悪」としか言えない太さをした一夏の肉棒を加え込んだアナル。

 間違いなく、今日までの一生の中で最も恥ずかしい、いやらしい姿である。

 

「くーちゃん」

「え、あ……まさか!? ま、待ってください! 何をするつもりですか!? ……んっ! い、一夏! 今は動かないでください!」

「動いてるのは俺じゃないよ。クロエが物欲しそうに腰を動かしてるだけだって」

 

 晒された全身。そこに体を寄せる真宏。

 怒張は一夏に負けず劣らず張り詰めて、裏筋を腹にこすりつけられるとそれだけで腰が砕けそうだ。

 今のクロエが、この行為が何を意味するのか知っている。「この体にある穴に入りたい」「どんなに泣き叫んでも種付けしたい」「自分の子供を産ませたい」そんな欲望の純粋結晶が、これだ。

 ちなみに、これはワールド・パージが見せる夢なので、このエロの権化たちがクロエ自身の願望から生じていることはどれほど否定しようともし切れない事実である。

 

「くーちゃんのはじめて、俺がもらうね」

「ひぃ!? ま、待ってください! い、いまはダメです! お尻を一夏にされているんですよ? そ、そっちが終わってから……! せめてどちらかにしてください!」

「んー、どうして?」

「あぁぁあ!? う、裏筋でクリ擦らないで!? み、見ればわかるでしょぉ……? そうやって、されるだけでも、もうダメなんです。これ以上、されたら……!」

「壊れちゃうかも、ね。いまもクロエはキュンキュンお尻を締め付けてくれてるし。気持ちいいよ。ご褒美だ。れろれろん♪」

「くっひいいいいい!? 耳は、耳はあああああ!?」

 

 一夏が尻穴から抜け出る寸前まで腰を引く。

 真宏が狙いを定める。

 クスクス、と楽しそうな笑い声が耳から脳を犯す。

 それで、クロエは気付いてしまった。

 

 懇願は無意味だ。

 今日この時をもって、自分は堕ちる。

 一夏が後ろから手を回してクロエの手を取り、自分の指で恥ずかしい唇を広げさせられる。クロエの愛液を念入りにまぶした真宏の亀頭がくちゅりと水音を立てて触れる。

 それだけで、膣口は勝手に真宏に吸い付いてしまうのだから救いがない。口ではなんと言おうと、体は求めてしまっているのだ。二人の愛を。目くるめく快感を。

 

「じゃあ、くーちゃん」

「あっ……あっ……!」

 

「たーくさん、イってね♪」

「あ、あ、あああああああ! ああーーーーっ! イク、イって、イきながら……両方、入って……くああああああああああああああ!?」

 

 挿入、ただそれだけでイった。

 すでに今日は何度となく絶頂を極めさせられていたが、その全てを越える絶頂がクロエの脳髄を叩き壊す。

 口から出るのは喘ぎだけ。そこにクロエの意思はなく、体と本能と悦びが空気を直接震わせる。

 

 一夏と真宏の挿入は決して勢い任せのものではない。ゆっくりと、クロエの体を労わる、虫が歩くような早さ。

 

 その一瞬一瞬が、クロエを絶頂させるに十分な快感を生じさせていく。

 

 膣襞が1枚1枚めくられる。腸壁の熱が余すところなく一夏に移る。

 両側から圧迫される膣道と腸の間はそこさえ性感帯になったかのよう。およそ人類の大半が知らないだろう快楽器官の存在を、クロエは徹底的に教え込まれることとなる。

 

「ァ……ぁぁぁ、ひ、ひゅー。ひゅー……」

「あらら、息も絶え絶えになっちゃった。大丈夫、くーちゃん? ちゅっ」

「ちゅ、じゅる、ちゅうぅぅ……」

「キスに応えられるなら、大丈夫かな。ほら、今度はこっち」

「んんー」

 

 真宏と一夏が前後から交互にキスを求めてくる。

 クロエの目は割と本気で死んでいるが、既に快楽であれば全てを求め、受け入れるようになってしまっているのか、従順に舌を絡めている。

 実際、半ば意識を手放しつつあるクロエは今を最高の幸せと感じているのだ。

 全身がじっとりと汗に濡れ、男の厚い胸板に支えられている。下半身は前と後ろから一夏と真宏のしなやかな腹筋によって挟まれ、あらゆる不幸を寄せ付けないほどに守られている。それはきっと、幸せなことなのだろう。

 

 

「……ダメだ、我慢できない。くーちゃんの中で射精したい」

「奇遇だな、真宏。俺もちょっと動くわ。激しめで」

「ぁぁああああ!?」

 

 まあ、割と真剣に命と精神どちらか、あるいは両方の危機に直面しているが。

 

「ああっ! あんっ! は、激しいぃ!? やああああ!」

「うわっ、クロエのお尻、すごい。きゅうきゅう締め付けてくる!」

「前も名器だよくーちゃん。ずっとしてたいくらいに。……そうだね、お礼にくーちゃんの気持ちよくなれるところ教えてあげようか。……えーと、ほら、この辺り」

「くっふあああああ!? な、なんです!? そこ、しょこおおおおお!?」

「子宮口のちょっと手前の上側、かな? 自分でするとき覚えておいてね」

「無理っ! むりいいい! そ、そんなところ、自分じゃ届きましぇんんんん!」

 

 一夏の手が後ろから胸を揉みしだく。真宏の手が太ももを摩る。それに加えて前後の穴は二人の肉棒に埋め尽くされ、しかも次々にクロエの最奥にある弱点が暴かれる。

 しかもそのどれもが指では届かないような位置で、一夏と真宏は絶妙に突いてきて、お礼を返すように膣襞が、腸壁が媚びてしまう。びくびくと震える肉の槍はそれそのものが快感の証だった。

 

「あー、そっか。確かにくーちゃんの指じゃ無理かもね。……それじゃあ、もう一人じゃイけなくなっちゃったかも」

「……え? はぁんっ!」

 

 そして、何気なく真宏が口にした言葉に胸の奥がスッと冷える。

 興奮と愛情で跳ねていた心臓が一瞬止まるような、「恐怖」と呼ぶのがふさわしい感情が胸の隙間に入り込む。

 

「初めてで前も後ろも覚えちゃった。しかも、自分の指じゃ届かないところがこんなに気持ちいいって知っちゃったんだから、オナニー程度の刺激じゃイけないんじゃない?」

「そ、そんなことは……!」

 

 ない、とは言えなかった。

 クロエとて自分の指でしたことがないわけではないし、そのときはそれなりに満足もした。

 だがそれは昨日までのことで、自分の体の中を熱く満たす男の欲を知ったあとでも物足りなさを覚えない、とはどうしても言えなかった。

 

「もしそうなったら……また俺たちとするしかないかもね、クロエ?」

「ひぅ!? ま、また……?」

「そう。ワールド・パージか、それとも直接夜這いかな? 今度はリアルでしてみるのもいいかもね。くーちゃんなら幻覚をちょっと弄れば出来るんじゃない?」

「あっ、あっ……あああああ!?」

 

 ワールド・パージの能力と恐ろしさを、クロエは誰よりも知っている。

 今の経験は夢に過ぎないが、体の感覚はリアルと全くと言っていいほど違いがない。多少面倒な痛みなどはシャットダウンしているが、一夏と真宏の体の熱さも、汗のぬめりも、クロエの膣内とアナルが快楽器官であることも現実に準じている。

 クロエは実際に一夏と真宏の二人がかりで抱かれれば、今と同じように喘ぎ狂う。

 そしてもう一つ、現実での能力である幻覚。見えるものを操り、加えて多少の催眠も合わせれば一夏と真宏に自分を求めさせることは決して不可能ではない。

 

「まあいいや。とりあえず、今は楽しもう、くーちゃん」

「俺も真宏も、もうそろそろ限界だから。受け止めて、くれるよね?」

「あんっ!? きゃふ、あああ、ふ、太くなってるうぅ!?」

 

 しかし考えがまとまらない。

 クロエは挿入されてからイきっぱなしだったが、二人も絶頂が近いようだ。ますます激しく振りたくられる腰、ぱちゅぱちゅと音を鳴らしてぶつかる肌と、根本まで収めてからダメ押しのように抉りこまれる亀頭。子宮口もその裏側も、くまなく愛され求められ、においと色を刷り込まれているような気がした。

 

「はっ、はっ……! くーちゃん! イくよ!」

「俺もだ……! 中に射精すから!」

「あああ、ああああああああああああ♥♥♥」

 

 さっきまで余裕の顔でクロエを犯していた真宏の顔が必死そうに歪む。

 甘く囁いていた一夏の声が震える。

 自分の体が男たちを最高に気持ちよくさせているという事実に、クロエの中の女が誇らしさに満ちる。

 

 そして、本当に満たされる時もまたすぐそこに迫っている。

 二人して前後から体を密着させて来る一夏と真宏。つつましやかな胸のふくらみが真宏の胸板に押し付けられ、まるで叩かれた後のように赤くなっている尻肉は一夏の下腹に埋まり、膣にもアナルにも根本まで押し込まれた下半身はつぶされんばかりに前後から挟み込まれ。

 

びゅうううう~~~~~! びゅぐっ、びゅるるるるるっ!

ぶりゅりゅりゅ、じゅぶぶぶぶぶぶぶっ!

 

「ああーーーーー♥ ああああああああーーーー♥♥♥」

 

 直腸が焼け、視界が白く染まった。

 子宮が幸せで満たされ、胸が満足であふれた。

 

 そして、クロエは知った。

 自分がこれまで何人もの女の子に見せてきた夢は、こんなにも素晴らしいものだったのだと。

 そう確信しながらクロエの意識は、そして心と体は、堕ちた。

 

 

◇◆◇

 

 

「んんぅ……?」

「あ、起きたかな、くーちゃん」

 

 真宏の声が飛び込んできたことで、クロエは自分の意識が飛んでいたのだと気が付いた。夢の中でおかしなことではあるが、ワールド・パージならば仕方がない。

 諸々思い出してみるとそのことに違和感なく納得できた。

 あれだけ気持ちよかったのだ。そりゃあ気絶もするし、今だって余韻が残って気持ちいいのも当然だ。

 

 が。

 

「んんんん!?」

「ごめんね、寝てる間にもさせてもらってたから」

 

 なんかちょっと余韻では済まないような快感に黒と金の目を思わず見開き、自分の体を見下ろすクロエ。

 

 そこには、ばっちり挿入中の一夏の姿が!

 

「ちょ、なにしてるんですか!?」

「そりゃあ、ナニを」

「そういうお約束ではなく!」

 

 なんか既視感あるやり取りだなーそういえば一夏に見せた夢でこんなやり取りあったっけ、と一瞬だけ思うも、一夏が体重を乗せて腰を打ち込んだせいで子宮がずぐんと持ち上げられ、思わず喉を反らすクロエ。

 

「いやー、くーちゃんがなかなか起きないから、まだ膣内射精してない一夏が我慢できないって言ってね? 気持ちはわかるよ。くーちゃんに種付けするの、すっごく気持ちよかったから」

「だからって、こんな……ああああ♥」

 

 上下逆さの視界に真宏が映る。どうやらクロエから見て一夏が下、真宏が上に陣取っているようだ。イヤな予感しかしない。

 

「大丈夫。……だって、まだ序の口だから」

「ま、待ってください! なんで一度射精したはずなのになんでそんなに大きいままなんですか!? 近づけてくるんで……んぐぅ!?」

「うわあ! くーちゃん、喉も気持ちいい!」

「んぶううううううう!! んんー♥」

 

 予感、的中。喉を反らしたことをこれ幸いと、真宏がイラマチオを強いてきた。

 情け容赦なく喉の奥までを塞ぐ、萎えることを知らない真宏の肉。この味はクロエの愛液と真宏の精液の混じったものか。それが一瞬で口の中を満たし、口内粘膜と舌を蹂躙する。

 

「わー、喉でうっすら形が分かるよくーちゃん。こんな深くまで飲み込めるなんて、えらいね」

「アナルもよかったけど、こっちも最高だ……! 何回ヤっても飽きそうにないよ!」

 

 前後を満たされた後は上下からの串刺し。

 およそ通常なら味わうことなどないだろうプレイを初体験からかまされる自分の体の行く末など、考えるだけでも恐ろしい。

 

 だが、それでもクロエは。

 

「んんーーー! んぶううう! じゅる、じゅぷっ、じゅうううううう!」

「うわっ!? くーちゃん、そんなに舌を絡めたら、すぐ出ちゃうよ!?」

「うおおおお!? こ、こっちも吸い付いてくる……ああ、子宮に誘われる!?」

 

 真宏の肉棒に必死に舌を絡め、一夏の腰に両足でしがみつく。

 今は真宏の体に隠れて見えないが、クロエの目を見ればその瞳の奥に宿るハート形の炎に気付くだろう。

 

(セックス……気持ちいい♥)

 

 クロエは、開き直ることにした。

 こんなにも気持ちいいことをされて耐えることも反発することも不合理だ。

 ましてこれはワールド・パージの見せる夢。目が覚めるまでの間、一夏と真宏を相手に楽しんでしまえばいいのだと、そう決めた。

 

「くーちゃん! イくよ!」

「こっちもだ! 孕んでくれ、クロエ!」

「♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥!」

 

 だから、直接喉へと流し込まれる精液も、子宮で受け止める二人目の男の射精も、クロエは素直に喜んだ。

 腰を震わせて最後の一滴までを放ち、ゆっくりと引き抜かれていく二人を名残惜しく感じて唇と膣肉で吸い付いてしまう程に。

 

 

「はーっ、はーっ」

「ふぅ、はぁ」

「ぁ……♥ んっ♥」

 

 クロエの全身は、ひどい有様だった。

 下半身は白濁まみれ。顔も真宏の精液で白く汚れ、シーツの上に横たわっている。

 表情だけはだらしなく緩み、足先はぴくぴくと痙攣している。

 まるで犯された後のようで、事実何度となくイってはいるのだが、それはつまりこんなことにした張本人たちの劣情を盛大に煽る姿でもあって。

 

「ねえ、くーちゃん」

「クロエ」

 

 二人はもう一度クロエの元へにじり寄る。疲れ知らずの若い体力が目の前の魅力的な雌に再び劣情を催し、クロエの口元へ突き付けたころにはすでに反り返るほどに勃ち上がり。

 

「……もう一回」

「するかい?」

 

 うっとりと閉じていた、黒金の瞳を宿す目を開いたクロエの眼前に突き付けて。

 

 

「……はい♥ いっぱいしてください♥♥」

 

 

 また、3人は獣になった。

 

 

◇◆◇

 

 

「……っきゃああああああああああああああ!?」

 

 クロエ・クロニクル。

 その日の起床は絶叫が友だった。さもありなん。

 

「あ、ああああ……あああああああ!!」

 

 両手で顔を覆い、ベッドの上で丸くなって悲鳴を上げる。

 ちなみに、耳はめっちゃ赤い。

 

「わ、私はなんという夢を……! 夢を! そう、あれは夢……だけど、うううううぅぅ~~!」

 

 なんかもうまともな言葉も出てこない。

 それも仕方のないことだろう。

 これまでさんざんIS学園のヒロインズやその他にエロい夢を見せてきていたクロエだったが、まさか自分までその毒牙にかかるとはさすがに思っていなかった。

 

 これまでのあれこれで夢を見せていたのはクロエだが、その夢の内容自体は当人の願望が色濃く反映される。

 つまり、今回も同様だ。夢の中で一夏と真宏の二人に抱かれたクロエは、そういうことを心の奥底で望んでいるむっつりどスケベということなのだ。

 

 それはもう、くっきりと覚えている。

 いっぱいしてくださいとか言ってしまったあとも、それはもういろいろあった。

 

 

「んぶっ、じゅ、じゅううう。ちゅうううううう!」

「くーちゃん、もう精液飲み干したんなら口を離そう? 吸い付いた唇が伸びてかわいい顔がとんでもなくエロくなっちゃってるよ。ほら、おかわりに一夏のがスタンバイしてるから、ね?」

「そうそう。俺の方も相手してくれよ」

「んー……名残惜しれひゅ。ぇろん。れも、こっちもおいしそう……。ちゅぽっ、はむっ」

「くぁっ、クロエ、いきなり深く咥えすぎだ!?」

 

 左右に二人を侍らせて連続でフェラをするという悪い遊びも覚えてしまった。

 射精の瞬間に頭を掴んで喉奥までねじ込んでもらうと喜ぶという性癖は二人にすぐにバレ、喉からせり上がる苦しそうな、しかし歓喜にまみれた唸り声と吐き出された精液がぶつかる感触は今も口の奥に残っている気がした。

 

 

「あーっ♥ 出てる♥ 射精、子宮にっ♥ 気持ちいい♥♥」

「ふー、くっ! 絞られる……! っあー、最高だよくーちゃん。……じゃ、次一夏な」

「やっとか。我慢できなくてアナルを使おうかと思うくらいだったんだ、楽しませてもらう……よっ!」

「ひぎいいいいいいい!? また、奥までっ♥ 子宮♥ 溺れちゃう♥」

 

 ベッドの上に仰向けになったクロエに順番に覆いかぶさる一夏と真宏。交代の合図は膣内射精。クロエは一時たりとも休むことを許されず、何度も何度も連続で種付けされた。

 ちなみにそれを望んだのはクロエ自身である。途中で三人とも全身ドロドロになったのでリフレッシュにと夢の中にもきっちりあった風呂場に行き、そこでもあれこれしていた最中に思いついておねだりしたのだ。しなだれかかって媚び媚びな表情で乳首を舐めながら甘えたら余裕でした。

 

「次は二人で休まず私に膣内射精してください。あなたたちの精液でボテ腹になりたいです♥」

 

 殺し文句はこれである。

 

 

「いっそ、殺して……!」

 

 と、いうようなあれこれが走馬燈のようにクロエの脳裏を駆け抜ける。

 いっそ本当に走馬燈そのものであり、このまま死ねたらよかったのに。思わず本音が口を出るほどに、恥ずかしいなんてものでは済まない内容の夢、いや願望だった。

 正直、今後束に命じられての行動であったとしても一夏と真宏の顔をまともに見られる気がしなかった。

 

 なにせ、ワールド・パージの夢は完璧だ。

 ISのハイパーセンサーも駆使して取得したデータにより、出演者のフィジカルデータは現実と寸分の狂いもなく再現されている。

 もちろん、だからといって夢の中の出来事が現実の物理的事象に反映されるわけではない。クロエの体は今も清らかなままだし、散々飲まされ膣内射精された精液さえどこにもない。

 

 だが、頭は、心は知ってしまった。

 きっと視覚を封じられた状態でも、フェラチオをすればそれが一夏と真宏、どちらの肉棒かわかるだろう。

 クロエの膣内の奥、真宏に教えられたスポットには間違いなくクロエが最も感じる弱点がある。

 さすがに慣らす必要はあるだろうが、クロエは前でも後ろでも、どちらの穴でもイけるように調教されたし、喉の奥で直接射精されてもえずいたりはしない。

 そういうフィードバックは、確かにあるのだ。

 

 つまり、クロエの体は処女にしてかなりの開発をされたエロボディとなってしまっているわけだった。

 

 

 しかしそれでも落ち着かなければならない。

 ベッドの上でゴロゴロと転げまわり、はじめる直前に下半身と寝巻が見るも無残なことになっていると気付き、束に見つからないようこっそり慌てて諸々処分して、始末に没頭したことで少しだけ心が落ち着くクロエ。

 そうだ、こんなことで心を乱しているわけにはいかない。

 人間誰しも心の底には人に見せられないようなエロを秘めている。それは多くの人間にエロい夢を見せてきた自身が誰より知っていることではないか。恥じることはないのだ。表に出さなければ。

 クロエは必死に自己暗示をかける。そうでもなければ衝動的に自害するか、恥ずかしさと興奮で脳の血管が切れそうだった。

 

「このことは、墓の下まで持っていかなくては……!」

 

 朝日すら差さない束の秘密基地の片隅で、クロエという少女はまた一つ大人になるのであった。

 

 

◇◆◇

 

 

 ちなみに。

 このあと試してみたらクロエは一人でもイくことができ、絶頂後の脱力もあってものすごいほっとした。

 でもこっそり「おもちゃ」を使うようになったり、自分にもワールド・パージを使うようになったのだが、そこでどんなプレイをするようになったのかは、また別のお話。

 

 

◇◆◇

 

 

「くーちゃん……色を知る年齢か! 束さん嬉しい!」

 

 そして、クロエの制御下にあるISがたとえ無意識の願望をくみ取るものとはいえ勝手に能力を行使するはずもなく、いつものようにその辺の糸を引いていた天災ウサギにその一部始終をばっちり見られていたと知らないことは、クロエにとって紛れもなく幸福だったろう。

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