いわゆる、ラブホテルと呼ばれる施設。
その目的は言わずもがな。郊外のみならず町中にも存在し、入り口がうす暗かったり植え込みで見辛くされていたり、ロビーもほかの客と出くわしにくい構造になっていたりなどなど、入るところを見られたくない利用者に配慮した作りになっている、「そのため」の施設。昨今はそういった行為をしないただの宿としての利用者も増えているというものの、主たる目的は変わらない。
「……ふう、これで一安心、かな」
「……はあぁ~」
この二人も、まさにその「主たる目的」のための手合いなことは一目瞭然だった。
男女の二人組。女性の方が年上に見えるが少し背が低く、部屋に入るまでの緊張した様子、手をつないで緊張を分かち合っていた様から総じて、街中を歩いていれば似合いのカップルであると万人が思うに違いない。
……まあ。
「あはは、なんか慣れないから緊張しますね……山田先生」
「ちょっ、こんなところでその呼び方しないでください……織斑くんっ!」
真耶と一夏。この二人は正真正銘、IS学園の教師と生徒の間柄でもあるのだが。
女性の方が顔を隠すため目深にかぶっていた帽子を取ると、現れたのはショートカットの髪型に童顔と巨乳を備えた真耶の半泣きの顔。世間的には秘密にしておかなければならない関係にある彼氏の一夏とこっそりデートに来た今日、途中で手を引かれ、気づけばラブホテルにチェックインしていたのだからそうもなろう。
「えー、でも」
「でもじゃありません! ら、ラブホテルに入ろうとしてるって気づいた時から、心臓が破裂しちゃいそうなくらいだったんですからね!?」
「あはは、すみません。それでも結局一緒に入ってくれる山田先生のこと、好きですよ」
「なあっ!? ま、また先生って……好きなんて言われても誤魔化されませんよ!」
「まあまあ。……でも、先生のせいですよ。普段はあんまりさせてくれないから、我慢できなくなったんです」
「ひぅっ!?」
会話もそこそこに、ベッドへ着く間も惜しいとばかり、一夏が迫る。
後ずさった真耶はしかしすぐ壁に退路を阻まれ、一夏は壁に手を突き逃げ場を奪う。
壁ドン、とちょっとときめいた真耶の胸は、直後一夏の手中に落ちる。むにゅり、と片手には納まりきらない巨乳が魅惑の変形を見せる。男の子の目から見れば、ロボットの変形合体にも匹敵するほどの夢がそこにはあった。
抑え気味の、暖色系の証明が天井の黄金立方体から降り注ぐ中、真耶はさっそく一夏に貪られることになる。
「は、あっ。んん、お、織斑くん……ちょ、話を、聞いて……あんっ!」
「……すみません、今はちょっと無理です。んっ」
「も、もう。んふ……ぅん。ちゅ、ちゅぱっ、れるうぅ……」
それまでのおどけた様子が、一夏から消える。胸を揉まれて感じる真耶の様子を見て我慢が効かなくなったのだろう。胸を強くこね回しながら唇を寄せ、間髪入れずに舌を押し込んだ。
真耶も、抵抗はしない。いつの間にか両手で左右それぞれの胸を弄ぶ一夏の好きにさせながら、真耶は一夏の首に腕を回して抱きしめてキスを受け入れる。二人の間には身長差が少し。深く口付け合うためには真耶が背伸びをしなければならず、残念ながら立ったままキスをしていられる時間は長くない。
「ぷはぁっ。……あ、や! 織斑くん、ちょっとおっぱいいじるの止めてぇ……!」
「えー、ようやく下着と服越しでも乳首がわかるようになって来たんですよ? これからじゃないですか」
「ひゃあああっ!? ち、乳首つまんじゃ、くふううぅん!?」
服の上から探り当てた真耶の胸の先端を、一夏が二本指でつまみ上げる。巨乳にふさわしい存在感を誇る乳首は固くしこれば服の上からでもわずかに浮き上がり、指でいじられれば真耶の腰が抜けるほどの快感を走らせることを、一夏は知っている。というか、そうなるよう丹念に育てたのが一夏だ。ほぼ完全に趣味ではあったが、真耶を愛するたびに胸をパン生地の様にこね回すことと、優しく実況して恥ずかしがらせながら乳首を弄り倒すことだけは欠かしていない。
「すごく気持ちよくなっちゃうんですよね。乳首だけでイケるくらいですから」
「そ、そうれすぅ……だから、イっちゃうからやめへぇ……織斑くんに調教された乳首イクぅ!」
いつの間にか揃って跪き、一夏に向かって胸を突き上げているような体勢になっていた真耶の背筋が痙攣し、甘いイキ声が部屋を震わせる。服の一枚も脱がないまま愛撫だけでイかされたことは、明らかであった。
◇◆◇
一夏と真耶の付き合いは、そう長い物ではない。そもそも二人の出会いからして一夏がIS学園に入学してからのものであるため、一年と経っていない。さすがに出会ったばかりのころは、あくまで教師と生徒の関係でしかなかった。だが入学の経緯もあって出来のいい生徒とは決して言えなかった一夏がクラスメイトに追いつくため必死に勉強をして、座学においても実技においても真耶を頼りにしたのは自然な流れ。足りない勉強と練習の時間を入学してからの努力で補う一夏の姿はひたむきで、真耶もその真面目さに答え、時間が許す限りに付き合った。
そしてそれは二人きりの時間を重ねることでもあり、女性の扱いを心得ているとは言えないにも関わらず女心をくすぐる一夏と、年上であることを感じさせない可愛らしさと女性らしい肉体が高校生になったばかりの男子の目の前にあれば何が起きるかは、自明の理だったろう。
初めはトラブルのような状況で偶然に交わしたキスから。その次のキスはお互いに意図してのもので、次第に人目を忍んでの触れ合いをするようになっていく。それで、満足のはずだった。
隠し通さなければいけない関係はお互い理解しているからこその控えめな逢瀬。しかし口づけの後の吐息が甘くなり、触れる相手の体の奥に灯る熱があると気付いてしまえば。唇を離した後も絡み合う視線を引き離すのが回を数えるごとに辛くなれば。若い二人に理性の歯止めなどあってないようなものだった。
◇◆◇
「あ、はぁぁ……やあ、おっぱいばっかり、だめぇ……!」
「いいんですよ、いっぱい声出して。そのためにラブホテルに来てるんですから。かわいい声、いっぱい聞かせてください」
部屋に入ってすぐの通路上。二人はまだベッドに行くことも服を脱ぐこともなく、一夏が真耶を背中から抱きしめ、飽くことなく胸を揉みしだく。大きくやわらかな真耶の胸は込められた力の分だけ一夏の指を沈み込ませ、甘い声と女性らしい丸みを帯びた体を背後の一夏にこすり付けるような身もだえになって一夏に返る。町を歩けば男達の視線を釘づけにするほどの巨乳が、自分だけのモノに。男であれば興奮するに決まっているこの幸せに、一夏の興奮は留まるところを知らない。
「は、あんっ、やぁ、きもち、いぃ~、んっ!」
「山田先生、おっぱい見せてください」
「も、もう……こんなにしたのに、まだするんですかぁ……?」
待ちきれないとばかりに始めた行為だったが、真耶も言葉以上に拒んではいない。恥じらいながらも一夏に言われるがままに服をまくり上げ、装飾の少ない、バストサイズが大きい女性用の下着をさらしているのが何よりの証拠だ。
「あれ、見たことない奴ですね。新しいのですか?」
「……織斑くんのせいです。サイズ、合わなくなっちゃって」
「へえ、まだ大きくなってるんですね。こんなに大きいの……にっ」
「っひぃ!? 乳首いいぃ!?」
わずかに、しかし場所がはっきりとわかるほどに自己主張している乳首を再び強めに摘ままれ、真耶は喉が引きつれるような悲鳴を上げる。一夏はその隙にブラをめくりあげ、一夏の手によって一段と大きくなったという胸をゆさりと揺らしながら開放する。
童顔で小柄な真耶の体に不釣り合いなほどに大きく実る巨乳。それがどれほど柔らかく甘い果実であるかを一夏は、一夏だけは知っている。一瞬、再び手で触れるのを忘れた。見るだけでもわかる柔らかさと、しっとり汗ばんだ肌のつや。背中越しにもわかるほどに立ち込める甘く誘う匂い。ごくりと、喉が鳴る。膨らむばかりの期待に対して正直に、一夏は改めてその胸肉をぎゅっとつかみ、しっとりと汗ばむ柔肉を直接味わいだした。
掌でこねるように潰し、乳首を乳輪ごと絞り上げるように摘まむ。一夏の指の形に歪み、互い違いに上下に弾む。真耶自身の目から見ても驚くほどに形を変える双乳は今、完全に一夏のおもちゃだった。
「や、あ、ひゃ、んくっ、あぁ、あああ。……だ、ダメ、織斑、くんっ! それ以上、された、らぁぁ!?」
「……どうなるんですか? 俺におっぱい揉みくちゃにされて、山田先生はどうなるんですか?」
激しく胸を弄ばれながら、調子に乗った一夏の声が耳へ囁かれる。胸しか弄られていない真耶がどうなろうとしているか、百も承知であろうにわざわざ真耶の口で言わせようとしてくるこの男ときたら。憎たらしく思いながらも、そうして自分を求めてくれる若い男に応えたいとも思ってしまうあたりが山田真耶という女の割とダメなところだ。
「……ます」
「はい、もう一回」
「いっひぃ!? イクっ、イクイクぅ! 乳首捩じられてイキます! 織斑くんに躾けられたおっぱいだけでまたイキますぅ!」
そして体もまた、一夏によってかなりダメにされている。
真耶と一夏の交際関係は、実のところかなり爛れている。
ただでさえ肉欲溢れる若い体を持つ二人。かたや水着以上にエロいと噂のISスーツ姿の同年代の少女たちに囲まれることが定期的にある高校生男子の一夏と、ISの日本代表候補生だったこともあり、男にとって垂涎の体を持ちながらなんだかんだとこの年まで男性経験がなかった真耶。一線を越えてからこちら、二人の理性はどんどん緩まっている。具体的には、初めてした日は一昼夜まるまる獣のように交わり続けたほど。
例えば、先日のこと、なんやかやと二人きりになる時間が作れない時期があり、その後にしたときは、うっかり理性が飛んだ真耶が本番そっちのけでフェラに没頭して搾り尽くしてしまったことがある。とはいえせっかくの久々を一方的にされるだけだった一夏だったが、そのままでは終わらなかった。後日機会に恵まれた時、一夏から一方的に責められることを拒むことができるはずなどない。
その結果、両手を軽く縛られた真耶は胸だけをあらゆる方法でいじり倒され、服の上からでもわかる巨乳を持ちながら、その胸だけでイけるいやらしい体にされてしまった。突き出した胸を手で、指で、肉棒で、道具で。徹底的に犯し抜かれて、しかしそういう乱暴なのもちょっとイイかも、と思わされたりなどなど。これはほんの一例に過ぎない
そんな二人が、回りにバレる心配が一切必要ないラブホテルに来た結果。真耶はさっそく胸だけで足腰立たなくなるまでイかされ、ラブホテルの部屋に入るなりベッドに辿り着くことすらできずにへたり込んだ。
「はぁっ、はぁ……んん~っ」
「浸ってるところ悪いですけど、山田先生。……俺、まだ満足してないですからね?」
「ひぃっ!?」
恍惚とした表情でこぼれる胸を抱えながらため息をこぼす真耶だったが、一夏は休憩など与えてくれない。頬にぐにと当たるなにかの感触。突然のことだったが、真耶にはそれがなんなのか、見なくともわかる。鼻につく匂い。決して良い匂いではないはずなのに、真耶はこの匂いをかがされるだけで目と口がとろんと蕩ける。
「あ、ぁ……織斑、くんの……すぅ、はぁ、んっ」
「好きですよね、山田先生。今度は口でたくさんしてくださいよ」
太く血管が浮く一夏の肉棒。何度となく体の中に精液を注ぎ込んできて、泣かされた憎らしい相手。だが真耶がそれを見つめる眼差しはうっとりと潤んでばかりいる。先端から溢れる先走りの濃さ。はっ、はっ、と息が小刻みになるほどに、真耶はそれを見るだけで興奮が止まらない。もしこれを口で味わってしまったら。じゅわりと唾液が口の中に溜まる。
「はぁ……む。ん、んんん~~っ!?」
「うぅ、唇柔らかくて気持ちいいよ、山田先生」
半ば無意識のまま、気づけば真耶は一夏の亀頭を口の中に含んでいた。期待の唾液でぬるぬるになった唇粘膜でカリを包み、先端とは舌でディープキス。それだけで口の中に広がる一夏の匂いに、真耶は頭の中までいっぱいにされて悲鳴を上げる。
その状態で優しく頭を撫でられてしまえば、もう年上としてのプライドなど粉みじんに消し飛んで、愛しい男へ奉仕する喜びと、その男から褒められ喉の奥まで肉棒を収めてもらえる歓喜だけに支配される。
「んじゅ、ぐぷ、はぁっ……れろれろ、ろうれふ、きもひ、いぃ、れふかぁ……?」
「うぐっ、も、もちろん。すぐに射精しちゃいそうなくらいですよ」
「やあ、我慢しちゃ、じゅる、らめぇ。いっぱい、射精してください……織斑くんが、満足するまで……何回でも精液飲みますからぁ」
「……すけべ」
「やぁ、じゅる、ひどいぃ……ちゅう、ちゅううぅ」
ひざまずいて自分の肉棒に舌を這わせ、露わになった巨乳を足に押し付けてくる副担任。両腕は腰に回してがっちりとロック。そのまま上目遣いでこんなことを言われれば、一夏のような感想も出ようというもの。
真耶は、さすがに恥ずかしかったのだろう。目を反らして一夏を根元まで口で咥えこみ、フェラに没頭して誤魔化そうとする。当然、その程度で一夏が忘れてくれるはずもない。こんなにも従順な年上の可愛い女性には精一杯報いてあげねばならないと、顔にはSっ気のある笑みすら浮かべるほどだ。
「そこまで言うなら我慢なんてしませんよ。もう射精します。いいですね」
「んっ、んっ! じゅるるるるるるる!」
「くぁ……イく!」
真耶の返事は、唇をぴったりと一夏の形に合わせて強く吸うこと。一夏もまた引き込まれるように根元まで真耶の口内に収め、欲望の枷を解き放った。
「んぶうぅぅ!? んくっ、ごく、ごく……んむぶっ! けほ、けほ! ……あ、あぁ、ごめんなさい織斑くん。私、織斑くんの精液飲みきれなかったれすぅ……」
「くはぁぁ……。大丈夫ですよ山田先生。すっごく気持ちよかったですから。ほら、お礼にいっぱいかけてあげます」
「ふあ、ありがとう……。んっ、まだ出てる。こんなに熱くて、濃いのがぁ……あ~ん」
結果として、真耶は一夏の精液全てを飲み干すことはできなかった。今日に向けて溜め込んだ一夏の射精は真耶の予想以上の勢いで、一瞬で口内を満たされこぼしてしまう。だが、一夏からしてみればそれもまたよし。真耶の顔に、メガネに、胸に。思う存分自分の精液をぶちまけるのは征服感が満たされる行為でもあった。
普段はIS学園で教鞭をとる女性の顔がうっとりと自分の精液の色に染まっていく光景というのは、得も言われぬ満足を胸の内に湧き上がらせる。
「あ、収まってきちゃった。じゃあ、お掃除しますね。ちゅ」
「うっ。……お願いします。しっかり綺麗にしてください」
「ふぁい、わかりまひは……れろれろ」
そして、そうするのが当然というように一夏の下半身にこびりついた精液を口で清める真耶。傅く年上の美女がしてくれる絶妙の奉仕に、一夏の若い性欲は萎える暇もなく、ますます滾る。本気にならないように、と必死に自制を働かせながら、その実熱心にフェラチオをしてくる真耶の頭を撫でながら一夏は次にすることを考える。このまま押し倒すか。道具を使うのもいい。縛ってするのも好きだったはず。頭の中には、これまで真耶とした行為やこれからしてみたいプレイがいくらでも湧いてくる。
だが、今日はせっかくラブホテルに来ていることを考え、体中に精液のこびりついた真耶の揺れる胸に視線を吸い寄せられてしまえば、答えはおのずと定まった。
◇◆◇
「んっ、んっ……! うふふ、織斑くん、気持ちいいですか?」
「最高です。眺めもいいですし」
「み、見るのはダメですっ! ちゅううう!」
「くぁっ! 言いましたね? なら俺もお返しですよ」
一夏がこのラブホテルを選んだのには、理由がある。どうしてもやりたいことがあるからこそ事前に綿密な調査を行い、とある条件を満たしているこのホテルをついに見つけ出すことに成功した。その条件とは。
「し、舌入れて、かきまぜないで……あっ、クリを歯でひっかくのもだめです! ……むぅ~、お返しです、えいっ!」
「おふっ!? ち、乳圧すごいです山田先生! それに、先端を舌でほじられたら……!」
壁に響く声とこもる湿気。背中を支えるエアマットの感触とのしかかる真耶の体の熱、重み、柔らかさ。そして全身をぬめらせるローションがもたらす密着感と、真耶の巨乳を一番感じられるとともに真耶自身も感じさせられるシックスナイン状態でのパイズリ。
そう、ローションプレイが可能な部屋があること。それこそ一夏が決して譲れなかった条件だ。さっき真耶にそう力説したら呆れられました。
「……まだ若いのに、こんな準備までしてあるところを見つけて先生を連れこむなんて、織斑くんの将来が心配です」
「仕方ないじゃないですか。山田先生、最近パイズリしてくれないんですから」
「だ、だって……これをすると、織斑くんが毎回出し過ぎてお掃除が大変だから……」
「だから、ここを選んだんです。この風呂場ならいくらかけても洗えますからね。ほら、もっと締めてください。ちゅっ」
「くっひぃん!? く、クリにキスしないで! あ、あっ……! お尻揉みながら舌入れられたら、できませんよぉ!」
顔は見えないが、きっと涙目になりながら必死で胸を両側から寄せ、先端から顔を出した一夏の先端にキスを降らせていることだろう。真耶の巨乳は一夏の肉棒をほとんど覆い尽くしてしまうため、パイズリと合わせてフェラもするためには自分の胸に顔を埋めるようにしなければならない。正面からしてもらっている時はまさに眼福と言える光景を見ることができるが、こうして想像しながら真耶にもいたずらをするというのは実に楽しい物だった。
まあ、実際にはいたずらどころか真耶の秘所を舌で抉り、胸に負けず劣らずたっぷりと柔肉の詰まった尻にも舌を這わせるというかなりアレなことをしている一夏なのであるが。
真耶は状況をよく理解している。これまで学園内で秘密の逢瀬を重ねなければならなかった関係上、激しい行為は避けざるを得なかった。一夏ももちろんそのことを理解して協力してくれてはいたのだが、何分若い。性欲はあとからあとから滾るほどに湧き上がり、しかも秘密の恋人である真耶の体は男なら誰でも垂涎必至のもの。発散する性欲が溜まる分に追いつかなければいずれこうなることは半ば予想してもいた。というか、一夏が暴発するのが早いか真耶が学校内でも構わず誘惑するかくらいの差し迫った状況であったのだが。
だからこそ今日は、どんなことでもしてあげようと決めていた。元々奉仕することを喜ぶ性質でもある真耶は、精いっぱいに胸を寄せ、唇で亀頭を何度もしごく。ローションまみれになった胸の谷間でびくびくと震える肉棒に奉仕する。今の真耶の胸は、ただそのためだけにあった。
「んぶ、むふぅ……じゅ、じゅぱっ、はぁ……どうれふ、びくびくひて、イきそうれふか……?」
「はい、イきますっ! 山田先生、飲んで! それと、もっと体こすり付けて!」
「ひゃいっ! んむうぅぅ! んっ、んっ!」
「はあぁぁ……! 射精るっ!」
恍惚とした一夏の声に従うことで真耶は喜びを得る。全身を使っての奉仕は一夏を満足させることができたらしく、ご褒美は口の中いっぱいに広がる精液として与えられた。舌に絡み頬を膨らませ、それでも溢れるほどの量。胸元にどろどろと溜まっていく精液の匂いは風呂場の熱気のせいもあってむせるようで、真耶の思考が一夏一色になる。目の中にハートマークが浮かぶ。
真耶は口内に粘つく精液を舌でかき回し、唾液とまぜて飲み込む。とてもではないが一度では飲みきれず、喉を鳴らす度に咥えたままの一夏の亀頭がびくんと感じるのが面白い。口に収めた分が終われば今度はこぼしてしまった分。自分の胸に顔をうずめるようにして、胸と胸、そしてその中に挟まれてまだ萎えることを知らない一夏の肉棒へと舌を伸ばしてこびりついた精液を舐め取っていく。
「ぺろ、れろ……ぴちゃ、ちゅ、ちゅうぅっ」
「はうっ!? や、山田先生、お掃除してくれるのは嬉しいですけど、そんな風に口でされたら……!」
「だぁめ、今はお掃除中なんですから、我慢してください。……そ、それに、まだ膣内射精もしてもらってないですし……」
一夏の指が催促するように真耶の尻を揉む。真耶は尻を振って手を離そうとしているのか、それとも誘惑しているのか本人にとっても区別はついていないだろう。のっしりと一夏に体重をかけ、ぬめる体の気持ちよさで抵抗を封じながら丹念に精液を啜っていく。
しっとりと濡れた前髪の合間に見える目は性欲に霞み、一夏の若さを笑えないほど、真耶もまた滾るものがあるのだと知れる。
時折焦らすように舌がかすめる一夏の肉棒が胸の中でまた硬さと熱を取り戻していくのを感じながら、この後に待つ本番の時を、真耶は下腹を火照らせながら待ち焦がれていた。
「……行きましょう、山田先生」
「……はい」
◇◆◇
「っはあああぁぁ! イク、イきますうううう!?」
「イって、山田先生、思いっきり!」
ラブホテルのベッドの上へと場所を移せば、男女がすることなど一つしかない。
部屋に一歩入った直後から待ちきれずに真耶を求めた一夏。風呂場でのマットプレイでたっぷりと一夏の精を浴びた真耶。二人の興奮は互いを貪り合うまで収まりようがなく、体を洗い流してからそそくさと浴室を出てからは、目を合わせるだけで互いの理性が消し飛ぶだろうということはわかりきっていた。
二人とも俯き、しかし手をつなぎ、ゆっくりと歩いてベッドの縁へ。立ち止まり、声はかけられず、しかしつなぐ手には二人ともだんだんと力を込めてゆく。胸の高鳴りが押えられなくなるまでそうは時間がかからず、真耶の濡れた瞳を見た一夏は、二の腕をそっと掴まれた真耶は、次の瞬間には無我夢中で互いの唇を求めていた。
「ん、んんうぅぅぅぅ!」
「出るうぅ!」
四つん這いになった真耶に背後からのしかかる一夏。真耶の尻肉を腰で激しくうちつけるような注挿を一番奥までねじ込んで止め、両手に真耶の巨乳と先端を握り締めながら腰を震わせる。真耶もまた背を反らし、目を閉じて、自分の体の中で一夏が感じた快感を心地よく思いながら酔いしれる。
二人はもう、何度もこうしている。
「はぁ、はぁっ。……山田先生」
「は、いぃ……もう一回、ですね?」
ぐぽ、と一夏の肉棒が真耶の中から引き抜かれる。それすらも快感で、まだ固さを失わない一夏が体から抜け落ちていくだけで擦られる部分が気持ちいい。何度となく交わった二人の下半身はぐっしょりと濡れ、乾く暇もない。
そして、真耶の中に入っていた一夏の肉棒には、避妊具。たっぷりと吐き出した精液で先端を膨らませたそれが装着されていた。
意外に思うかもしれない。
理性を失ったけだものに等しい交わりを繰り返す二人が、いまさら避妊などと。だがこれを提案したのは真耶のほうだ。あらかじめ死ぬほど恥ずかしい思いをして用意しておいたコンドームを、挿入される前に何とか我を取り戻してつけてくれと懇願した。なぜならこれは、何より一夏のためだからだ。
「お、お願いです織斑くん……ひゃっ! ご、ゴムつけてぇ……んんっ! 一杯させてあげたいけど、して欲しいけど……織斑くんが卒業するまで、妊娠しちゃダメだから……はぁぁっ!?」
体中をまさぐられ、一夏が欲しいとしがみつきたくなる手足を抑えながらそう言いきれたことは賞賛に値する快挙だろう。たとえどれほど精神的にも肉体的にも愛し合っていたとしても、二人の間柄は教師と生徒。もしもことが公になった場合、真耶はもちろん一夏にとっても決して幸せなことなどありえない。だからこそ、わざわざこうして避妊具を用意し、一夏もそれを受け入れたのだった。
……まあ、一夏の場合は真耶以上に理性が飛んでいるので、口でつけてもらうのがうれしかったり、真耶がコンドームを箱ごと持ちだしたのでつまりひと箱全て使い切って欲しいのだろう、と誤解しているからに過ぎないのだが。
「はぁ……もう、どうしてまだこんなに濃いのが出るんです? 溜めすぎですよ。……それじゃあ、次のつけますね。……ん、んうううぅぅ~」
「くっはぁ……! この眺め、たまらないです!」
いつの間に練習したのか、真耶は口でコンドームをつけてくれる。唇で肉棒を飲み込みながらされるセックスの準備。真耶は一夏が若く性欲を持て余していることがこれまでの回数の理由と思っているような口ぶりだが、柔らかく、それでいて弾けそうなほどの若さと成熟の両立を誇る真耶の体と、こうしてことあるごとに一夏の琴線に触れることを繰り返しているからに他ならない。
今度は仰向けになって、両足を広げる真耶。一夏に教えられたM字開脚の誘惑は効果が抜群で、一夏の目から理性の光が消えたことに、とくんと胸が高鳴った。
「はぁっ、はぁっ……!」
「ふぅ、ぁ……んっ」
そうして、何度セックスを繰り返しただろう。
二人は揃ってベッドで仰向けに寝転がり、荒い息をついている。二人ともに全裸で、互いの汗と愛液、精液が混じり合ったもので全身が濡れているが全く不快に感じない。火照りきった体にはただの室温ですら心地よく、しっかりと指を絡めて握り合った手の温かさは優しく安心できる絆そのものと言えた。
「……ゴム、なくなっちゃいましたね」
「まさか、本当に使い切るなんて思ってなかったです……」
二人が休んでいる理由は、この一点に尽きる。
真耶が用意してきた避妊具が、尽きた。ホテルに備え付けの物も途中で見つけ、使い切っている。淫臭が籠る部屋。あちこちに散らばる使用済みの避妊具と、辛うじて汚れないよう部屋の隅に放られた衣服。ベッドの上のみならず鏡の前で立って、など散々にお互いを味わい尽くした二人の体力もほぼ尽きて、あとはこのままゆったりとしたピロートークに移るのが自然な流れであり、そうしてもいいという雰囲気が二人の間にはあった。
だが。
「……織斑、くん」
「山田先生?」
真耶が寝返りを打ち、一夏の腕に抱き着いた。行為の最中に何度も揉みしだき、吸い付き、自分のものにした巨乳が柔らかく腕と胸板で潰れるのを感じ、一夏の心臓がドキリと跳ねる。さっきまであれだけ堪能したというのに、球形の乳肉がぷにりとひしゃげるのを見せつけられるとたまらなくなるのはどうしようもない男の性だ。
であるならば、そんな手練手管を駆使して男を求めるのもまた、女の性といえる。
真耶の顔は一夏の肩のあたり。すがるように見上げながら、しかし瞳に不満の色を浮かべ、言う。
「してる最中、名前で呼んでくれませんでした」
「……!」
ああ、もう。
一夏はたまらなくこみ上げるその感情を、声に出しそうになる。どうしてこの人はこんなにも、と。
年上で、教師で、ISの代表候補生であったこともある才女で、そして自分の恋人で。しっかりしているところがあって、でも全体的に抜けていて、自分の将来のことまで考えてくれていて、それでもなお少女のように素直ではない方法で不満を、そして絡みつくむっちりとした太ももで娼婦のようにいやらしく欲望を伝えてくるのだから。
「……すみません、つい気遅れしてて。真耶さん」
「んっ! ……一夏、さん」
真耶の体を押し返し、のしかかる。顔の横に手をついて見下ろすと真耶の顔が一層赤く染まる。この体勢は、いい。これからこの女を自分のモノにするのだと、相手にも自分にも告げるのに等しいからだ。汗で額に張り付いた前髪を払ってやり、頬に手を添える。静かにいちゃいちゃしているのだが、一夏の膝は真耶の足を割り開く。これまで避妊しながらも最奥まで味わい尽くしてきた秘所に、むき出しの肉棒を触れさせる。
「はぁっ……はぁっ……!」
「真耶さん……!」
くちゅり。
控えめに先端だけを潜り込ませる。それだけでも一夏と真耶の頭までしびれさせるような快感が走る。ここから先に進んでしまえば戻れない。
「本当に、いいんですね? 挿入れます。射精します。……妊娠、させるかもしれませんけど、止まれなくなります」
「……っ」
真耶の太ももがぴくんと震える。コンドームまで用意して、せめて一夏が学生の間は妊娠するわけにはいかないと言ったこの口で、一夏の問いに答えなければならない。
今ならまだ、戻れる。やはりなし、と言えば一夏はきっと我慢してくれるだろう。本来そうするべきで、そうさせられるのは真耶しかいない。一夏の首に回した手を離せ。うるんだ眼を閉じ、終わりの言葉を告げるのが年上の役目。
なのに。
「……はい、どぉぞ♪」
「……行きます」
「っはあああぁぁ!?」
真耶もまた、一人の女であることを捨てられなかった。とろけるような笑顔を浮かべ、足すら一夏の腰に絡みつかせ。わずかに開いた膣口は、一夏のゆっくりとした生挿入を受け入れた。
「っくぁ、生だと、すごい……! ぐねぐねして、吸い付いて、締め付けてきて……すぐ出ちゃいそうです!」
「はぁあ、入ってくる……! 形、わかるぅ……! あ、あぁぁぁ!」
一夏はゆっくりと腰を進めてくる。ゴムをつけていたときとは比較にならない真耶の膣内の刺激に、これ以上早く動かせばすぐにも射精してしまいそうになっているからだ。まだ余裕があるとはいえ、せっかくの生セックスをこんなにも早く終わらせるのはもったいない。一夏はその一心で歯を食いしばって堪え、少しずつ真耶の中に肉棒を押し込んでいく。
対する真耶も、状況は似たようなものだ。粘膜で直接味わう一夏の感触はどんなに薄くとも一枚膜を隔てた状態の比ではない。感じられる快感は筆舌に尽くしがたく、どんどん言葉を失っていく。
「あぁ、気持ちいい……気持ちいいよ、真耶さん!」
「くひいいい! んぁ、ああ、んきゅうううぅ! ……あ、え……嘘。だめ、ダメぇ……!」
半分ほど一夏を受け入れたところで、真耶は自分の体に起きた異変に気付いた。
絶頂が近い。それも、かなり深い絶頂が。そのことが自覚できたのだ。これまでもイくのを我慢し続けてきた。だが、それももう限界。一夏によってイかされる。それも、激しいピストンをされたわけでも膣奥で射精をされるわけでもなく、ただ根元まで肉棒を収められるだけで。そのことが、予知にも似た感覚で理解できた。
「や、やぁ……ひゃらあああ!」
「もうちょっと……もうちょっとで、一番奥まで……!」
もはや真耶はろれつも回らない。一夏はそんな真耶の顔を真正面から見つめながら、途中で射精してしまわないようゆっくりとした挿入を止めない。1mm進むたびに背を走る快感がどんどん強まり、そしてついに。一夏の腰と真耶の腰が密着し、亀頭が子宮口にぶつかるその瞬間。
「っはああああああああーーー!?」
真耶は、イった。
「で、出るぅ!!」
一夏も合わせて子宮に直接精液を注ぎ込むような射精をした。
真耶のむっちりとした両足は一夏の腰を絡め取り、少しも引かせるつもりがない。
一夏も背を反らしながらも腰だけは突き出し、射精しながらも無意識にぐりぐりと抉り込んで少しでも奥へ子種を出そうとする。互いに、相手を自分のモノにしたいという本能だけが、そこには会った。
◇◆◇
「はぁっ……はぁっ……」
「すげえ、気持ちいい……」
「んっ、私、もぉ……」
裸で抱き合う一夏と真耶。今になって初めて二人とも汗だくになっていることに気が付いたが、決して不快ではなかった。真耶は荒く息を吐く一夏を愛おしげに見つめ、その頭を胸の間に抱きしめる。一夏も抵抗することなく、顔全体で巨乳の柔らかさに包まれる至福を味わった。
それまでの激しい交わりとは打って変わって、慈愛と優しさに包まれる幸せな時がゆっくりと流れている。
だが。
「んっ!? ……え、一夏さん。膣内で小さくならないどころか、また大きくなってるんですけど……」
「ごめん、真耶さんのおっぱいが気持ちよすぎて」
「ひゃあっ!? ま、また動いてえ……!」
一夏は真耶の胸の谷間から、悪びれずににかっと笑って見せる。ぐりんとひねった腰は愛液と精液でどろどろにぬかるんだ真耶の膣内をかき回し、いまだ力強くこの穴をいじめ抜けると主張する。
まだまだ余裕がある。一夏の表情からそれを察し、真耶のこめかみに冷や汗が伝う。さっきまでですら気絶しかねないほどだったというのに、まさかまだするのか。もっと激しくするのか。
「あ、あの一夏さん! そろそろ終わりにしないとあのアレがいろいろとそれで……!」
「ダメ。せっかく生で出来るんだから、まだまだするよ……真耶」
「ちょ、呼び捨てなんてズル……んんっ!?」
これまでずっと「山田先生」「真耶さん」と呼んでいたのに、ここにきて名前を呼び捨てにして、優しいキス。
ひどい男だ。ズルい男だ。こんなことをされて、いまさら拒めるはずがないのに。目を閉じ舌を差し出しながら、真耶は胸の中で一夏を詰るしかなかった。
――二回目。
抜かないままにもう一度。つながるだけで終わってしまった先ほどを挽回するような激しい腰使いで、入り口から奥までまんべんなくカリで削られ子宮口をこねられ、溢れるほどに子宮を満たされた。
――三回目。
一夏が大好きなパイズリ。自分の中に入っていたものの大きさを改めて見せつけられたが、もはやそれに対して愛おしさしか感じない。今度は口を使わず、胸だけでしたのが一夏的にポイント高かったらしく、頭をやさしく撫でてもらえた。
――四回目。
騎乗位で胸を跳ねさせられる。真耶からするつもりだったのに一夏は下から激しく腰を突き上げ、踊る体と上下に跳ねる胸にとても興奮していたようだった。もちろん、最後は膣内射精だ。
――五回目。
バックから。
――六回目。
――七回目。
――八回目……。
◇◆◇
「……ぁ、はーっ、はーっ……」
「ぐは、もう駄目だ……!」
何時間が経過したか。一夏が精根尽き果てるころには、隣でベッドに身を横たえる真耶の体には全く力が入らなくなっていた。うつ伏せに投げだした肢体は甘い香りの汗にまみれ、股間にへばりつく白濁の量はどれほど二人が激しく交わっていたかを物語る。
避妊をやめた一夏は、タガが外れた獣と同じだった。ここぞとばかりに真耶の体を蹂躙し、味わいつくし、自分の証を刻みつくした。真耶の肌のあちこちを紅く彩るキスマークは独占欲の現れで、明日からしばらくは、服の露出の度合いを熟慮しなければ表を歩くことすらできないだろう。
だがそれでも、重くなったからだをベッドに沈める二人の手は、繋がれている。少しだけ強く握れば、相手も握り返してくれる。体を起こす気にもならないほど疲労困憊した真耶にとって、今一番強いつながりがこのわずかに触れた手のぬくもりだ。
「真耶」
「なんですか、織斑……ううん、一夏さん」
手をつないで寝ころんだまま目を合わせるのは、妙にわくわくした気分を真耶に与えた。正面すぐそばにある一夏の目が瞳の中を覗き込んで、自分も同じように一夏を見つめる感触がくすぐったい。だがそれにもまして何よりも、今の真耶の心の中にはたっぷりと詰まった幸せが満ちている。
「中に……出しちゃいましたね」
一夏の言葉は、真剣だった。少なくとも真耶にはわかる。事実を述べるその言葉に、一夏がどれほどの覚悟を込めたのかも。途中から避妊など忘れてしまくった結果、予想されることに対して一夏は、極めて真面目に向き合ってくれている。
だから真耶も、同様に。本気で、そして自分の中にある気持ちに素直に、応えた。
「……はい、いっぱい」
きゅ、と指先に力を込めて。この手を離したくない、という気持ちを乗せて。
一夏は笑う。ほっと、緊張がほぐれた息を吐いて。さすがに不安でもあったのだろう。だが今はもうそんな心配はいらない。真耶もまた、そう伝えるよう笑顔を見せて。
「じゃあ、もう一回しましょうか」
「……え゛。きゃあっ!?」
一夏が見せる太陽のような笑顔に凍りついた。
真耶の体をひっくり返し、その反動で揺れる巨乳を掴んでさっそく揉みしだく。さっきまでは欲望に任せた力の限り揉み潰すような手の使い方だったが、多少は落ち着きを取り戻したのか、いたわりつつもツボを突いた女泣かせな指使いになっていることが末恐ろしい。
絶頂に次ぐ絶頂でけだるく緩んだ体はむしろご褒美と、一夏の興奮は先ほどまでと遜色ないほどに昂ぶっていることが真耶にはわかる。もう、腰砕けでほとんど体力も残っていないのに。たらり、と頬を伝ったのは歓喜の涙ではなく、冷や汗だった。
「あ、あの一夏くん、私もうすっごくイきすぎて……!」
「はい。だからこれからは、俺がしてあげます。……絶対、幸せにしますから」
「はう……!」
だがそれも、視界に一夏の顔しかないほどに近づかれて、キメ顔で言われてしまえばすぐに引っ込んでしまう程度には安い汗だった。真耶もまた、一夏の前では一人の女に過ぎないということか。
「じゃ、同意も得られたことだし遠慮なく」
「あ、や、せめてもうちょっとくらい休ませ……はあぁっ!?」
真耶はこの時一夏が言った「幸せにする」という言葉の意味を後に知る。
責任を取って末永く幸せにするという意味であったことは実際そうなる数年後に。加えて今この場で天国を見せるという意味であったということは、引き続き5回の膣内射精で子宮をメロメロに征服されることによって。
◇◆◇
「はぁ、はぁ……ハッ!?」
その日、山田真耶の夢見は果たしてよかったのか、悪かったのか。
覚醒から1秒と経たずに跳ね起きて、部屋を見渡し、自分の体を見下し、普段の朝と何一つ変わらないことを確認し、(欲望が)無限大な夢のあとの何もないいつも通りの世の中に心底がっかりした。
「……って、がっかりしてないですっ!」
そんな自分にセルフツッコミを入れ、頭から布団をかぶる。
ある日の山田真耶の朝は、そうして始まった。
「色々こじらせる年頃、というのも興味深いですね。なんと言いましょうか、濃いです」
そしてそんな様子をどこからともなく伺い、こんなコメントを残す誰かもいたとか、いなかったとか。