コンコン。
「真宏ー、ちょっといいか?」
「いっ、一夏? どうした」
とある夜。IS学園一年生寮、真宏の部屋。
夕食後の自由時間に、一夏がこの部屋を訪ねてきた。二人はIS学園にたった二人しかいない男子生徒であり、入学前から付き合いがある。そのため必然的に学校でも放課後でも寮内でもつるむことが多く、お互いの部屋を頻繁に行き来したりもする。だから今日も、一応の礼儀としてノックこそしているものの、一夏はあっさりと扉を開けた。
ちなみにこれが女の部屋だった場合、一夏はなぜか高確率でノックを忘れる。
「いや、真宏が持ってるレシピ本を貸してもらえないかと思って……ってあれ、のほほんさん?」
「やっほ~、おりむー」
今日の一夏の訪問理由は、本を借りること。マンガやDVDやレシピ集や、二人の間で物の行き来はよく行われており、そこに不自然は何もないいつものこと。だが唯一違っていたのは、IS学園でも数少ない一人部屋を拝領している真宏の部屋に、今晩に限っては先客がいたことと、その相手がのほほんさんこと布仏本音だったことだ。
布仏本音。
IS学園1年1組の癒し系。いつでも眠たげにとろんと垂れた細目とどんなときでも袖の余った服がトレードマークの、やたらマイペースで動きが遅く、それでいて整備関係においては極めて優秀な成績を示すクラスメートだ。
IS学園の生徒会長を務める楯無や、真宏の恋人である簪の生家である更識家に代々使える家柄の出身らしく彼女らと一緒にいる姿がよく見られるが、それらしき仕事をしている姿はあまり見たことがない。というか生徒会のメンバーらしいのにそちらの仕事さえしている姿すら見たことがない。のほほんとした気質は仕事にすら発揮されるようで、職務をサボって適当に済ませているらしい。
真宏とは簪経由のつながりで最近特に仲良くなったらしく、クラスでも話している姿を見かけることも増えたが、真宏の部屋にいる本音は一夏の目から見てもかなりリラックスしているように見える。
ベッドで足を延ばして腰かける真宏と、その腰のあたりに上半身を乗せ、ちょうど体を交差するようにしている本音。二人の手にはそれぞれ別のマンガがあり、あの状態でだらだらと時間を潰していただろうことがわかる。本音がのんびりしているのはいつものことだが、真宏もその空気にあてられたのかもしれない。
「レシピ本って、昨日言ってたあれか。机の上にあるから……うっ!? も、持って行ってくれていいぞ」
「ありがとな。……ところで真宏、どうしたんだ。妙に汗かいてるけど」
「!? い、いや気にするな。のほほんさんがのしかかってて暑いだけだから」
「えー、まっひーひどーい。うりうりー」
「んぐぅ!?」
「あはは、仲いいな」
しかしそれならば、真宏の額が妙に汗に濡れていることと声が少し震えていることの説明がつかない。が、一夏は気にしないことにした。本音と真宏は楽しそうにしているし、割とよくあることだろう。……ここでそう流してしまうあたりが、一夏が唐変木たる理由である。本音が真宏のうえでごろごろと体を揺する度に真宏の表情が何かに耐えるようになっていることも、借りに来た本を探して気づいていない。当然、本音の胸元からかすかに「ぐちゅ」と水音が聞こえることにも。
一夏は決して感覚が鈍いわけではない。だが、男女間に機微が存在するということをほぼ知らず、仲良くしていてもそこに別の意図があるとは全く思いもよらないだけだ。
「じゃあな真宏。のほほんさんも、おやすみ」
「おやすみ~おりむー」
「お、おう……」
だから、一夏はただ本を借りるだけで部屋を出た。
その背後、真宏が全身を震わせながら、気合で声だけは平静を保っていることも知らないままに。
◇◆◇
「……危なかったね、まっひー」
「はぁっ、はぁっ……誰のせいだと思ってるのさ、のほほんさん」
一夏が部屋を出て、しばらく。二人は息をひそめてさらなる来客がないことを確かめてから、ほっと息を吐いた。一夏は気づかなかったが、二人は実のところひどく緊張を強いられていた。荒く息を吐く真宏と、ふうふうと鼻息荒く顔が赤くなった本音。本音はいたずらっぽく笑って見せているが、彼女を見る真宏の目は睨んでいると言っていいほどに剣呑だ。
「だって、まっひーのすっごく熱くてびくびくして、我慢できなくなっちゃったんだもん」
「だからって一夏がいるときにあんなこれ見よがしに動かなくていいだろうに。……匂いでバレるかと思ったじゃないか」
「そうだね~、すっごく……ん、すう、濃い匂いがしちゃってるもんね」
本音が真宏の腰からゆっくりと体を起こす。
その時、重なっていた二人の体の間から現れたのは……真宏の肉棒だった。
完全に勃起しきった肉塊は真上を向き、しかもどろりと粘液で濡れている。その粘液の正体は、精液。本音のパジャマ、その胸元だけボタンが開けられ、魅惑の谷間に繋がる穴の奥、豊かな胸肉に挟まれしごかれ、一夏が部屋にいるというのにパイズリ射精させられたばかりの精液だ。
「ほら見て、まだ零れてくる。もったいないなあ……れぇろ」
本音は、胸の谷間から滴り落ちる精液を指ですくい、舌を伸ばして啜り取る。真宏の目の前で、見せつけるように。それは、真宏への奉仕の一環。自分の快楽はもとより、真宏をさらに興奮させるため、そして自分が真宏のものであるということを示すための行為だった。
「すごいね、のほほんさん。それ、美味しい?」
「んー、ちゅぶ、ちゅるぅ。……うん、美味しいよ。まっひーが私にくれた物だと思うと特に。えへへ、まっひーの専属メイドがもーっとご奉仕してあげるよ?」
本音は、自分が真宏の専属メイドであると嘯いている。
元々簪に仕えていたのだが、簪と真宏が交際してからはどうせ真宏もいずれ簪と結婚する、そうなったら真宏の専属にもなるからそのときの練習、と言って真宏にもなにくれとなく絡んでいる。もっとも、その行動がメイドらしいものかといえばそんなことはないのだが。
そして、そんなダメメイド一直線の本音が真宏に申し出た仕え方が、奉仕だった。
豊かな胸、それでいてくびれた腰と、同年代の中では飛びぬけて安産型の尻。引き締まるところは引き締まっていながら、それ以外は全体的にお菓子の食べ過ぎによるものかたっぷりと若い肉をつけた本音の体。初めて一糸まとわぬ姿を見せられた時は、抱き甲斐のありそうなその体に真宏でさえ生唾を飲んだ。
ちなみに、この関係は簪公認の上のことである。というか最初は簪と本音の二人して真宏に迫てこの関係をねだり、誘惑に次ぐ誘惑を受けてなし崩しのようにまとめて抱いて今に至る。なんだかんだで長年一夏の友人をしていたせいで、女難が伝染しているらしいと真宏自身は思っている。
「……それじゃあ、のほほんさん。そろそろこっちも綺麗にしてもらえるかな」
「あ、……はい。いただきまぁす。あむ」
そしてその状況に順応する程度には、真宏自身も今を楽しんでいる。ちゅぱちゅぱと精液をぬぐった指を名残惜しげにしゃぶっていた本音に対し、真宏はベッドの端に腰かけ、足を開く。本音には言葉と目配せを一つ。それだけで、本音の目は蕩けた。いそいそと真宏の脚の間に体を収め、射精直後でありながら全く萎えない肉棒に迷いなく顔を寄せる。
てらてらと精液まみれになった真宏の肉棒。真宏の蒸れた汗と本音の胸の谷間から滴り落ちた汗の薫香。そして発情した女の体をうっとりさせる精液の匂い。これから再び奉仕をする相手を目の前に匂いを胸一杯に収め、本音のどきどきと強く脈打っていた鼓動の中に、わくわくとした期待が混じっていく。
「それじゃあ、まっひー。お掃除させてもらうね」
「期待してるよ」
我慢しきれず、頬ずりをする。
顔がべたつくのも構わず、むしろ真宏の匂いを自分の顔にしみこませるように。表情を幸福に溶かしながら真宏を見上げれば、気に入ってくれたのかご褒美として頭を撫でてくれた。本当に、このご主人様はその気にさせるのが好きだと本音は嬉しくなってしまう。
「はぁ、む。ちゅ、ちゅるぅ、れるれる、んんぅー……」
「いきなり咥えてくれるんだ。熱心だね」
「んー♪」
お掃除フェラはメイドの嗜み。精液まみれになった主をお口で清めることは当たり前だよ、とは最初にしたときの本音の弁。実際のところ更識家と布仏家がそういうことを平然としているのか、それとも目の前の肉付きたっぷりのエロい体を持て余した少女独自の性癖なのか、生憎と真宏はまだ知らない。
ただ一つはっきりしているのは、本音のフェラはとても丁寧だということ。いきなり唇をかぶせて亀頭を包み、口内粘膜で柔らかく射精直後の敏感になった部分を甘やかしながら受け止める。そして舌を這わせ、強くこすり付けてこびりついた精液をぬぐう。肉棒を咥えたまま唾液と絡めて拭った精液を飲み込み、徐々に根本まで口の中に収めようとしていく。
上目遣いで媚びを売りながら奉仕する本音の頭を真宏がまた撫でると、嬉しそうに声を上げる。声の振えすら真宏にとってはまた一風変わった極上の刺激となり……しかしもどかしさがあった。
「んちゅ、じゅる、れろぉ……ん。んっ、んっ! まっひーのタマ、重くなってるぅ……」
「はぁ……はぁ……」
玉をやさしく揉みながら、本音。教えてもいないことをやってくるのは、本音自身が大分エロいからだろう。
そして確かに気持ちのいいフェラだが、一度の射精程度で打ち止めになるほど精力は弱くない。むしろこれからが本番といっていいほどに、先ほどのパイズリで滾っている。そして本音もまた、そんな真宏の状態を何より雄弁に語るものを咥えておきながら気づかないはずはなく、それでありながらゆっくりと丁寧なフェラ。上目遣いの目に、期待の色を浮かべてちらり。
真宏は理解する。本音は、このエロ方面に優秀なメイドは誘っているのだと。仕事を果たしたその上で「ご自由にどうぞ」と。ならば、その意思に応えなければならないだろう。
真宏は本音の頭をやさしく撫でていた手を止め、もう片方の手も頭に添えて。
「……のほほんさん、行くよ」
「ちゅじゅ、じゅぐぶ、ん? ……んごっ!?」
ごつ、と。亀頭が喉奥にぶつかるほどの勢いで、一気に根元までを本音の口の中に押し込んだ。
「ん、んぶううううううう!? んおっ、お、お……んんー!」
「うん、苦しいね、ごめん。でも我慢して。今のほほんさんの口の中、最高に気持ちいいから」
本音の頭が反射的に離れようとするのを、真宏の手が強引に抑え込む。無理矢理喉まで飲み込まされた亀頭はぴっちりと粘膜にくるまれ、本音が感じている苦しさに等しいだけの快感を真宏に与えている。このままでは息が続かず、本音も苦しいばかりだろう。その証拠に顔が、体が震えだし、しかもそれがどんどん大きくなっていき。
「ん、んんん! んんむうううぅぅ~~っ!」
「くぁっ、搾られる……!」
本音がイラマチオをさせられイくのと同時、真宏は食道へ直接射精して、有無を言わせず精液を飲ませた。
「ん、んん……ごくっ、んくっ……ん、ぷはあ、あ……」
喉を鳴らして精液が本音の胃に落ちる。本来苦痛しか感じないだろう程に激しく、物のように扱われたにもかかわらず、本音は息苦しさに顔をしかめることはあっても、行為自体には一切の嫌悪を見せなかった。ようやく真宏の肉棒を離した顔には絶頂の余韻のほかにも、達成感すら見て取れる。口をすぼめて最後の一滴までしごき切った真宏の精液の名残まで口の中で清めきることさえ厭う様子はない。
真宏はその働きに感嘆する。まともな仕事はサボりまくるが、本音はこういうことならばむしろ常人以上の熱意を発揮する。色っぽい体そのままにエロいだけともいうが。
だから、がんばってくれた本音にはご褒美が必要だ。
「よくできました、のほほんさん。偉いよ」
「え、えへへ~。……じゃなくて! ちょっとひどいよまっひー、いきなりあんなに強くするなんて!」
「ごめんごめん。ちょっと色んな意味でお礼をしたくてね?」
「……あれ? まっひーもしかして怒ってる?」
「怒ってないよ。ひょっとしたら一夏にのほほんさんとの関係がバレてたかもしれないことを怒ってなんてないよ」
「ひょっとして私、地雷踏んでた!?」
そう、相手が望むと望まざるとにかかわらず。
◇◆◇
「うぅ……ま、まっひー? そこにいる?」
「……」
「いるんでしょ!? 返事してよー!」
真宏の部屋の中に、変態が鎮座していた。
カーテンを閉め、鍵をかけ、防音がしっかりしたIS学園一年生寮においてもはや密室と化したこの部屋、普段は真宏が寝起きするベッドの上に、それはいる。
正体は無論、本音。ただし、格好が尋常ではない。仰向けに寝転ぶ彼女の体のうち、自由になるのは口しかないからだ。
まずまともな衣服は身に着けていない。黒いニーソックスとガーターベルトと黒のレースの下着のみ。上半身はブラジャーすらない、ほぼ全裸である本音が身に着けたこれらのアイテムから、本音をこんな姿にしたバカの変態的な趣味が伺える。
また「こんな姿」とは、本音の肉付きのいい全身を余すところなく真宏の目の元に晒し、両手を本音の頭の上でベッドに括り付けた状態をいう。
「まっひーひどい。こんなとんでもない姿にしたうえで放置プレイなんて……」
「何言ってるのさ、のほほんさんだって好きなくせに」
「なぁっ!? ひ、人聞きの悪いこと言わないでよ! わ、私は縛られるのも、目隠しされるのも好きなんかじゃ……!」
ちなみにこの程度、この二人の間では割とよくあることでしかない。
簪も合わせて3人ですることもあれば、それぞれと二人きりですることもある行為のうち、本音とするときの真宏は常に新しいことに挑戦している。
先のイラマチオも、苦しくはなってもえずきはしない絶妙の力加減を会得するために何度も本音を相手に練習したし、「音は大きいのに痛みはなく、それでいてしっかり赤くなるように尻を叩く」という技も会得している。それもこれも、本音の尻がどれだけ叩いても撫でても飽きない絶好の肉付きを誇り、同時にそれらの行為をなんだかんだ言いつつ割とノリノリで受け入れる気質があるおかげだ。
余談であるがこの技、簪にはめちゃくちゃ好評だった。初めてやった時は真宏もついついノリにノってしまい、翌日簪が学校の椅子に座るのさえ難儀するほどに叩きまくってしまったが、若気の至りというものだろう。
そして真宏が本音の前では外道の所業を繰り返すのには、理由がある。
「はいはい、ごめんね俺が間違ってたよ。……でもしょうがないよ。これは『練習』なんだから」
「っ……! そ、そうだね。練習なら、頑張らないとだよね」
練習、の一言で本音の体からこわばりが消え、状況を受け入れる。息が浅く、荒くなり、にじみ出た愛液がてらてらと光り出す。
本音が言う「練習」とは、まさにこういった事態のようなことを指す。他にもこれまで「イラマチオ」「スパンキング」「アナル拡張」「パイズリ」「言葉責め」「おもちゃの効果的な使い方」「校舎内でするのに適したスポット探し」などなど内容は多岐に渡っている。真宏と本音がするときの口実、といってもいいだろう。
本音に曰く、真宏とこうした行為をしているのは真宏が簪とする本番のための練習、なのだという。だから加減を知らなくても、どんなに変態的なことをしても、まずは自分の体で受け入れるのだと。その上で、簪にしてあげて欲しいと。……本当にただそれだけの意図しかないのか、彼女自身の趣味嗜好が関わっているかは、聞かぬが花だろう。
ともあれ、そんな状況の果てに今がある。真宏の部屋をこの時間に訪ねてくる者はほとんどいない。そしてベッドの上には年不相応に豊満な体を持った同級生が、ほとんど全裸で、目隠し緊縛状態で真宏を望んで腰を振っている。
期待には、応えなければならないだろう。
「のほほんさん、ひょっとしてまた胸大きくなった?」
「あっ、ん! ……うん、ちょっとずつ大きくなってるみたい。まっひーのせいだよ……んあっ! そんな、いやらしく、揉む……からぁ、んっ!」
真宏がおもむろに本音の胸を掴みながら声をかけた。掌にあまり、指が沈む柔肉の感触を少し強めの握力で堪能する。ぎゅっ、ぎゅっ、と指の間から乳肉がはみ出る程度の力を込めるのは本来相手に痛みを与えるが、本音の柔らかさはそれすら受け止めるだけの肉量を持ち、男にとって夢の塊であるおっぱいの柔らかさ、たっぷりとした量感、女の匂い、すべすべの肌に滴る汗のぬめりと全ての快楽要素を兼ね備え、真宏の指を魅了する。
そして本音も静かに興奮の度合いを高めていく。今は目隠しをしているが、本音は自分の胸が弄ばれる様を見るのが好きなようだ。後ろから抱きしめて胸を掴み、柔肉が指の間からはみ出るほどに強く握りしめれば、痛みを訴えながらも興奮に滾った目で揉み潰される自分の胸を見つめることがよくある。
ともあれ、今。両手でリズミカルに握りしめれば、それに合わせて本音の返事は喘ぎに詰まる。真宏はそれをまるで新しいおもちゃのように楽しみ、何かを言おうとするたびに強く握り、あるいは乳首を摘まんで擦り上げ、本音がしゃべるのを邪魔して遊ぶ。
「人のせいにしないの。こんなにいやらしい体をして、主人の彼氏を誘惑してきたのは誰だったかな?」
「そ、そんなつもりじゃ……ひゃんっ!? ち、乳首吸っちゃ、あ~っ!?」
言葉で責めながら、今度は乳首に強く吸い付く真宏。本音は目隠しされて状況がわからないため次に何をされるか覚悟をすることもできず、自分の乳首がどれだけ充血していたかという事実すら、真宏の舌と唇と歯でいじめられて初めて知った。
舌が何度も往復してぷりぷりと弾かれ、唇が強く吸い付き、口の中に入れられた乳首は前歯で優しく噛まれ、逃げ場をなくされたうえで舌が先端を潰そうとしてくる。目が見えないからこその皮膚感覚が、それら全てを余すことなく伝えてくれる。その間も逆の胸は握りつぶさんばかりの力で弄ばれれば、本音の頭の中が白く染まるのは時間の問題だった。
「あ、ひ、ひぃいーーーーっ!?」
「ちゅううううぅぅ~~~~~っ、ぷあ。……胸でイっちゃったね。のほほんさんはちょろいなあ」
「あ、ひ……らっへ、まっひーが……そうやって躾けたからぁ……はへ、ぇ……」
「ほらほら、感じ入ってないで感想教えてくれないと。どのくらいよかったの?」
びくびくと全身を震わせる本音の体をのしかかって押さえつけた真宏は、本音が胸だけで絶頂したことを強調しながらさらなる感想を聞いてくる。ちゃんと喋れるように、口からこぼれていた舌を真宏自身の舌ですくい取り、口の中に収めがてらディープキスまでするあたりまさしく鬼畜の所業。そしてそう思えば思うほど、本音の胸は高鳴るのだからこの二人もまた相当相性がいい。
「い、いひぃ、よお……♪ 見えないと、すっごく感じちゃう。んっ。びりびりって、ちゅ、おっぱいから頭まで、全部まっひーのこと感じるのぉ……」
「よろしい。俺ものほほんさんのおっぱいいじってすごく興奮しちゃったよ。ほら、わかる?」
「きゃんっ、あ、熱いのこすり付けられてるぅ……!」
唇を寄せ合ったまま、時にキスを交えながら従順に答える本音に満足し、真宏は肉棒を本音の腹に押し付ける。ぐに、と。高校生離れしてむっちりと肉を身に着けながらも、IS学園生らしくしっかりと引き締った腹を先走りをこぼす肉塊が這い回る。本音は触れた場所から真宏の興奮と限界を感じ取り、何も言われないうちから自然と足が開いて行く。
「あー、のほほんさんやらしい。自分からこんなに足広げて、そんなにして欲しいの?」
「はうっ!? や、やだ私、そんな……あぁっ!? ま、まっひー待って、指でしないでぇ!」
「だーめ。ほら、パンツが重くなるくらい濡れてるし、期待してたんでしょ? ……うわ、中もすごい。ぐちょぐちょって、音聞こえるよね?」
「やあ、やあああ! あああ……あんっ!」
「クリトリスもこりこりだし、そろそろ我慢の限界かな?」
「くひぃーーーーーーっ!?」
いやいやと首を振る本音。しかし逃れようにも下半身には既に真宏の手が伸びて、既に緩みきって愛液を流す膣内を指で押えられてしまっている。下着を脱がさず手を差し込み、わざと音まで立てて本音の羞恥心を煽る。
「あっ、あっ……! だ、ダメ! まっひーやめて! イっちゃう! それ以上されたら私またイくからあ!」
「いいよ。イって。目隠しされて全身敏感になったのほほんさんの可愛いイキ顔、また見せてよ。ほら、きゅーっ」
「んひいいいいぃ!? く、クリ剥いたらっ、はああああんっ! ……や、らぁ……わらひ、今度はまっひーと一緒がいい、のにぃ……!」
きわどいデザインの黒い下着に差し込まれた手の中、イくもイかぬも真宏の自由にされてしまう本音の体のうち、最も敏感な淫核にまで攻めが及んだ。皮を剥くや一瞬ながら強く摘ままれたときに問答無用で沸き起こる絶頂への衝動を何とかやり過ごした本音だが、もはやそう長く耐えられるものではない。それはもう、呂律のまわらない口で一切の虚飾がない本心が零れ落ちてしまうほどに。
真宏はその言葉を聞いて、少し虚を突かれたような顔をする。本音はこれまで、自分はあくまで簪とするときのための練習台と言ってきた。そんな彼女が初めて口にする彼女自身のして欲しいこと。真宏は驚くとともに嬉しく思う。これまでさんざん楽しませてもらい、それと同じだけヒドい目に遭わせてしまったこともあるわけだし、ここはひとつ望みをかなえてあげようか。真宏はそう考えた。
……もちろん、顔に邪悪な笑みを張り付けて。
「のほほんさん」
「はぁーっ、はぁーっ。……まっひー?」
真宏は本音の膣内をかき回していた指を抜く。湯気が立つほどに熱くなっていた本音の愛液まみれの手をぺろりとひと舐めし、そのまま本音の目を覆っていた眼帯を外す。額から鼻上までを覆い隠す大きな眼帯で隠してすら蕩けていたとわかる表情は、全てが露わになるとより一層色気を放つ。元からとろんと垂れさがった目はますます快楽に引き下ろされ、荒く吐かれる息の匂いは甘く、興奮に汗ばむ肌から立ち上る香りは男を惹きつけてやまない。
そんな本音の目が焦点を合わせた時、目の前すぐ近くには真宏が優しく微笑む顔。さきほどまでさんざんに責め苛んでいた男の顔でもあるのだが、ほっと安心してしまうのは本音もまた隠しきれないほど真宏に惹かれていればこそ。両手の拘束も解かれれば、本音の手は自然と真宏の首に回される。
「ごめんね、意地悪して。のほほんさんがかわいいからつい調子に乗っちゃって」
「……それ、いつも言ってるよね? 別に、いいけど」
真宏が謝る言葉に対し、本音は膨れて横を向く。しかしその口元がぴくぴくと震え、気を抜けばにへらと緩みそうになるのを必死にこらえていることを、真宏は知っている。膨れた頬をぷにぷにとつついても嫌がらないのが何よりの証拠だ。
そして、そんな本音の態度に気を良くした真宏はさらに調子に乗る。むにむに。
「……まっひー、なんでおっぱい揉んでるの?」
「それはもちろん、そこにのほほさんのおっぱいがあるから。いつでも揉んでいたいくらいだよ。できれば直で。学校で授業受けてる時とか、たまに衝動的にこのおっぱいを揉みたくなるときがあるくらいだし」
「なにひどいこと……んっ。言ってる、の……ぁん! もう、まっひー!」
「どうかなのほほんさん、今度から昼休みは俺と簪と一緒に過ごすっていうのは。もちろん、人気のない場所で」
「っ!」
その時は、こんな風に。真宏の目が、より激しく胸に指を喰い込ませる真宏の手つきが、この提案を受けた時に起こることを伝えていた。簪公認で肌を重ねている本音が、人目につかない場所に隠れたらどんなことをされるか。
きっと、簪と二人そろって真宏のいいようにされるに違いない。簪は元から真宏のためならなんでもしてあげたいと言ってはばからず、本音もまたこうして流される。むしろ積極的にエロいことをしたい。校舎の屋上か、使われていない教室か、校舎裏か。これまで本当にそういうことができるか試した場所が思い浮かび、そこで制服をはだけて胸をさらしている自分の姿や、簪と並んで机に手をついて背後から襲われる光景、屋外にも関わらず簪と二人で真宏に口奉仕をする未来がくっきりと見えるようだった。
「あ、あの、それは……」
「ゆっくり考えてくれればいいよ。……何せ今は、それどころじゃないから」
「えっ!? ま、まっひー待って! 入れる気なの!? 今はダメぇ!」
半ば夢見心地な本音はしかし、真宏が与える感触によって現実に引き戻された。つんと当たる熱く硬い塊。本音の体の中で最も重要な部分、秘所に突きつけられた、さっきまで本音を責めて興奮に猛りきった肉棒だ。
熱く、反り返り、女を犯したくてしょうがないとばかりにびくびくと震えている。これまでに何度も奉仕をして知りつくし、その度に泣かされてきたのだ。あれが本音自身をどれほど狂わせるかは身に覚えがある。
まして、今。さんざん真宏優位でイかされ、その上でいちゃいちゃと睦言を交える中で、日常の中でも屈服しないかと誘われたに等しい。そんな時に、挿入されれば。激しく膣内をえぐられ、まして熱い精液で子宮を埋め尽くされれば。
間違いなく屈服する。この心の中までも真宏で一杯にされてしまう。
どこで何を求められても拒むことなどできず、むしろ求められることを心待ちにしてしまう。指先が触れた部分がじんと熱を持つように疼き、抱きしめられるだけでも感じるようにされてしまう。さんざんに愛撫されて極まったときに起きるようなそんな状態に、いつでもなってしまう。
本音はそう確信する。
確信して、しかし。
「だから、だから、ね。まっひー」
「うん」
高鳴る胸から湧き上がる期待に、抗うことはできなかった。
真宏の首から離した腕は自らの秘所に。指で触れた膣肉は愛液の涙を流して準備万端。両手で開けば、くちゅりと音がして、主人の帰還を待ちわびる淫らな穴と化した。本音の秘所と、顔が、蕩けるように花開く。
「一杯、愛して」
「もちろん!」
「きゃふぅ、来たぁ! 奥までぇ!」
真宏に容赦はなかった。いや、できなかったという方が正しいだろう。組み敷いた腕の中で、艶やかに微笑んで自らの身体を差し出す肉感的な少女を前にして、忍耐を維持できる男など存在しない。本音の方も待ちわびていた。真宏が挿入にする際には抵抗を感じられず、しかし一度最奥まで受け入れてしまえば全方位の粘膜がまとわりついて離さない。溢れる愛液と絡みつく膣襞は少し腰を動かすだけでぐちゅぐちゅと淫らな音を二人の耳に届け、汗にまみれてこすれ合う肌すら快感だった。
「のほほんさん、そんなにしたかったの? 締めつけすぎだよ、くぅ!」
「あぁん! そ、そうなの! ずっとまっひーが欲しかったのぉ! だから奥を突かれたら嬉しくて……っひーーーっ!?」
最初から激しい腰使いをしていた真宏が、最奥からさらに一段押し込むと本音の息が詰まった。真宏を求めて降りてきた子宮口が触れたことを知って、さらに突きあげたせいだ。感じやすい胸、開発され尽くして敏感になった肌、揉み心地がよく徹底的にこね回された尻をしのぐ、本音一番の弱点がここだ。
「やああ、ああぁ! まっひー、まっひー! んー、んちゅう! はああぁ!」
「うん、気持ち良くなってくれてるんだねのほほんさん。キスもいっぱいしてあげるから、ちゅ。思いっきり感じてね。れる」
「んんんんーーーっ!? らめっ、らめぇ! 奥すごい! 子宮蕩けるぅ!」
真宏からの激しい抽挿はほどほどに。というよりも、それ以上する必要がなくなった。ただでさえいじられた本音の身体は真宏を歓迎はしても抵抗は一切なく、子宮口の弱点をさらけ出すように迎え入れている。だから真宏は奥を突く。
こつん、こつんと力は込めずにむしろ優しく。だがほとんど腰同士が密着した状態で、亀頭は本音の子宮口についた状態でそんなことをすれば、どうなるか。
「ひああああっ! ああ、あーーっ! イ、イク! イってるの、戻れないぃ!」
本音は、自分の手ではどうやっても届かない位置にある、もっとも敏感な位置を真宏に支配されている。絶え間なく嬲られ続けて、涙とキスで溢れた唾液に顔が濡れ光る。真宏は本音の胸を片手で鷲掴みにし、腰を突くのに合わせてぎゅうと握り込む。
もう片方の手は本音の手と重ねる。指どうしを絡めるような恋人つなぎで、本音からきつく握りしめられるのは彼女自身加減が効かなくなっているからか。
度重なる子宮口の突き上げとその度に生じる絶頂から逃げようとして腰を引き、しかし真宏に押さえつけられて動けない本音の腰は自然と持ち上がり、既に真宏に真上から突き下ろされるような形になって、本音の腰は完全にベッドから浮いている。ドヂュ、ドヂュと愛液の爆ぜる音が重い。
「ごめん、のほほんさん! でも、もうすぐだから。射精すよ、どこがいい?」
「ひゃ、あ……! 射精、精液……まっひーの……」
夢うつつのままながら、本音はうわごとのように言う。膣内を何度もえぐり、一番気持ちいいところを徹底的にいじめてくれた真宏の肉棒がぶるる、と痙攣を繰り返している。射精が近い。
だが、それをどこで受け止めるのか。
理性はまだわずかに残っている。布仏家の人間として為すべき振る舞い、簪の顔、真宏の将来。頭の中には正しい選択をするべき理由がいくつも浮かんでくる。せめて外に、と。今も真宏に子宮口をこじ開けるような動きをされて悲鳴を上げる喉でも、その程度のことを言うことはできるはずだ。
「んあ、あぁあ……ま、まっひー」
「うんっ、のほほんさんっ」
だが、それでも。
「れん、しゅうっ」
「うん」
本音は真宏とつないだ手を強く握り、自由な手を真宏の首に回し。
「私で、子作りの練習……して!」
理性ではなく欲望に、従った。
「わかった。イくよ、のほほんさん! 子宮に、種付けするからね! 妊娠したら絶対に産んでもらうよ!」
「うん、うん! まっひーの赤ちゃん、孕みたいぃ……っはああぁ!」
「出る、のほほんさんの中に、出るぅ!」
びゅるぅ。
本音は胎内に響くその音を確かに聞いた。そして下半身から頭に向けて全身を襲う絶頂の波にさらされ、本音の意識はちかちかと明滅しながら落ちていく。
「――っはああああああああ!?」
「くううううっ!」
腰を全力で突き出す真宏と、両足を絡めて最奥への射精を導く本音の動きが、絶頂の瞬間完璧に一致した。
「はぁっ、はぁっ……気持ちよかったよ、のほほんさん。ちゅ」
最後に、これまで鬼畜の限りを尽くしてきた真宏の優しい声と、本音が一番大好きな唇に優しく触れるだけのキスの感触を残して。
◇◆◇
「……まっひーのえっち。変態。鬼。絶倫」
「えっちなのはのほほんさんもでしょ」
本音が目を覚ました場所は、真宏の腕の中であった。やけに気持ちが良いと思っていたら、どうやらイきすぎて意識を失った本音の体を清め、真宏は腕枕で自分を寝かせていたらしい、と本音は気づいた。寝ぼけた頭はすぐ近くに真宏の顔を見て一瞬で覚醒した。
とりあえず胸板に軽く爪を立て詰ってみるも返される言葉にぐうの音も出ない。さんざん弄ばれ痴態をさらさせられたが、それらの行為を本音が望んでいなかったかと言われると確かに痛い。最後の時は思いっきり足を絡めて真宏を求めていたような気もするし、なにより今こうして真宏に頭を撫でられながら胸板に顔をうずめるのが全くイヤではない。それどころか、むしろ幸せで胸がはちきれそうですらある。
確かにさっきまでの真宏がしたことは少々やり過ぎではあったが、それに対する怒り以上に本音は真宏のことが好きだという事実を見せつけられた気分だ。正直ちょっと悔しい。本音はいまだ体中がけだるいというのに、真宏はぴんぴんとしているところも納得がいかない。これではまるで、本音一人では真宏を満足させられないと言われているようではないか。
ぷくーと頬を膨らませ、真宏の指で突かれてぷしゅーと口から息を吐き、本音が内心でふつふつと反骨の精神を養っていた、そのとき。
「お邪魔、します」
「あ、かんちゃん」
簪が部屋に入ってきた。
本音と真宏の関係は簪公認の上でのことなので、行為直後で言い訳のしようがない状態でも問題はない。真宏自身は簪一筋だったのだが、真宏の精力は簪のみで受け止めるには過剰に過ぎて、簪側から本音を巻き込んだ。その後本音と簪の二人で戸惑う真宏を半ば襲うようにしてこの関係を認めさせたという経緯がある。正直、真宏は今でもその半ば無理矢理な展開を少し根に持っているのではないかと、本音は徹底的に貪られる度に思うのだが。
ともあれ簪は部屋に入る前から状況に気付いていたのだろう。室内にはたっぷりと淫臭も満ちているのだからそれも妥当なことで、扉の鍵をきっちりと閉めたうえで真宏達の前に姿を見せた時、既に簪の頬は赤く、息はかすかに荒くなっていた。
「ねえ、真宏。……精子、もう全部出しちゃった? 私の分、残ってる? れろ」
「うひぃ!? か、簪さん? なんでもう出来上がってるんですかね? そして超エロい顔で首筋舐めるのはどうして……あひ!?」
ベッドに倒れ込んだ簪は真宏に足を絡め、本音との行為でかいた汗のにおいを堪能しながら、真宏の首筋を舐める。その表情のエロいことと言ったらなく、メガネ越しに見える潤んだ眼を見ただけで真宏は元気を取り戻し始めていたりする。
「ん、ちゅ。部屋で真宏のことを考えてたら、なんだか……シたくなって。ここに来たら本音としてた匂いで、もう……ぢゅうぅ!」
「っ! うわ、ちょ……簪それキスマーク出来ちゃうから!」
「あー、いいなかんちゃん。私もまっひーにマークつけちゃえ。んぢゅうう!」
「のほほんさんそこはダメ! 普通に服着てても見えかねない位置だからもっとお手柔らかに!」
簪と本音は既に無言のまま連携している。真宏の両腕を抱え込み、色々とこすり付けながら胸板のきわどい位置に唇を寄せ、強く吸い上げてキスマークをつける。本音は先ほどまでの仕返しに。簪は際限なくノってきて。
真宏自身も美少女二人にこれほど求められて悪い気がするはずはなく、振り払うなどという選択肢は初めからない。
だが。
「二人とも、いい加減に……っ!」
「きゃっ」
「わわっ!?」
真宏の腕力は、少女二人をたやすく押し返すほどにはある。こんなこともあろうかといつの間にか変更された大きなベッドの上に裸の本音と、制服のままながら今の勢いでスカートがめくれあがり、眩しい太ももが扇情的にさらされた簪の肢体が並ぶ。
そして、どん、と簪と本音の顔の横に落とされる真宏の手。床ドン。二人が恐る恐る見上げれば、二人にまとめて覆いかぶさる真宏の、男の目。
「まったく、やり過ぎだよ。すっかり元気になったじゃないか」
「みたい、だね……」
「あははは、まっひー、さっきあれだけ出したのに、まだ足りないの?」
そして視線を下に向ければ、そこには散々本音を犯し尽くしたことが信じられない勢いで反り返る、真宏の肉棒。女を求め、女を狂わせる荒々しいモノがそこにある。
だがそれを見ても簪はごくりと喉を鳴らすのみ。本音は体をくねらせ胸と秘所を隠す。が、明らかにそのままの裸を晒すよりもエロいポージングになっている。二人のそんな様子を見せられた真宏がどうなるか。
「全然足りない。朝まで付き合ってもらうから、覚悟してくれ」
「あんっ♪」
「きゃあ♪」
それはもう、獣になるに決まっている。
◇◆◇
数時間後。
「あ、へぇ……真宏、しゅてきぃ……」
「まっひー、らめぇ……おなか、せーえきでぱんぱんれしゅう……」
「……うん、俺ももう無理。すっからかんだ」
ベッドの上に、尻を挙げた四つん這いでろれつが回らない簪と本音が並び、真宏がその後ろで大の字になり、三人揃って疲労困憊していた。簪と本音は膣内からどろりと白濁を垂らし、丸々として掲げられた尻房にはいくつもの赤い手形とそれを多い隠すような精液がこびりついている。どれほどの時間、どれほど激しい行為が行われたかを何より雄弁に物語る証拠がそこにはあった。
「まひ、ろ……」
「ああ、簪」
「ん、キス」
「わかってる。ちゅ」
「まっひー、私もー……」
「はいはい。んー」
だがそれももう終わりだ。簪の呼びかけを聞いて這いずってきた真宏は簪と本音の間に体を投げ出し、二人からキスを求められる度に応える。窓の外は地平線から顔を出した黄金立方体に照らされて既に明るく、鳥の声が聞こえるほどの時間。
しかし三人は気力すらお互いの体に吐き出しあった倦怠感に包まれて、怠惰なキスに溺れている。この瞬間だけは、そうすることが何よりも心地よかった。
(まっひー、気持ちいいよ。ありがとう、かんちゃん)
真宏のキスを受けながら、本音は心から思う。仕えるべき主の想い人に対して寄せてしまった思いと、それがこうして奇妙な形ながら叶ってしまった今の幸せ。下腹に手を当て、胎内で感じるこの暖かさを与えてくれた真宏と、それを分けてくれた簪への感謝で、本音の心は満ちていた。
「……真宏、胸触ってる」
「……私の方も揉んでるよね」
「いやごめん。ちょうどいい位置にあるから、つい」
ただし、真宏を相手にして簪と二人がかりですら体がもつかは、わからない。そんな一筋の不安を感じながら、本音はまた真宏の腕の中に体を預け、常の彼女らしくまったりとした眠りの中に落ちていくのであった。
◇◆◇
「むにゃむにゃ、えへへ、にへへへへ~……」
「……一応夢は終わらせたのに全く起きる気配がありません。どれだけ怠け者なのですか、この人は」
その日、本音は授業をまるごとすっぽかす大寝坊をぶちかまし、どこかの誰かが戦慄にも近いほど呆れたというが、事実を知る者はいない。
後日、あまりにも度を越した寝坊のため千冬によって行われた理由の聞き取りによると、本音は「あんまりにも幸せな夢を見て起きれなかった」と答えたという。その時の本音は珍しく顔中真っ赤にしていたというが、千冬は夢の内容まで聞き出すことはなかったので、真実は当人のみの知るところである。