「ISを使ってる女の子の命が危ないって、本当ですか!?」
IS学園1年生寮は二人一部屋が基本ながら、実質一人部屋として扱われている部屋もある。IS学園に、そして世界に二人しかいない男性IS操縦者の一人、一夏の部屋がそれだ。そこに今、緊迫した声が響いた。
それもそのはず。このIS学園の存在意義たる、何故か女性しか使えないはずで、例外的に使える男は二人しかいない飛行パワードスーツ、インフィニット・ストラトス。それを使うことに死の危険が伴うなどと急に告げられれば、冷静ではいられない。瞬時に一夏の脳裏を巡る箒達同級生、他学年の生徒、そして世界中でISを使っている女性たちと、なにより自身の姉の顔。彼女ら全員に命の危険があるというのだから、焦りもする。
「落ち着いて、いっくん。まだその可能性があるかも、ってだけだから」
「そ、そうですか……すいません、驚いて」
ましてやその危険が、ISの開発者にして世界で唯一ISの根幹技術を握っている天才、篠ノ之束その人の口から語られたのであれば冗談と笑い飛ばすことはできない。夕食も終え風呂も入り、部屋で一人ゆっくりしているところにいきなり現れた束が唐突に言ってきたことではあるが、束が言うからには一定の説得力がある。……逆に全く信用できないという見方もできるのだが、一応取り合っておくことにした。万が一にもマジだったら危ないし。
一夏は基本的に優しく真面目なやつなのだ。
「それでね、本当にISを使うことに危険がないか調べなきゃいけないんだけど……」
「わかりました。俺にできることがあったら言ってください。なんでもしますから」
「ん? 今何でもするって言った?」
……たまに、その優しさが全力で利用されたりする。
◇◆◇
「……あ、あの束さん? えーと、何を考えてるんですか?」
「もちろん、ISの調査だよ。世界中にいるIS操縦者の命にかかわることだから、束さんは真面目なんだ、珍しく」
キリッ、という効果音が聞こえそうなほどのキメ顔で束はそう言った。
いきなり一夏の部屋を訪れるなり告げられた、ISを使うことでこうむる正体不明の危険の可能性。一夏としてはそのあたりを解き明かすため協力することはやぶさかではないのだが……方法が問題だ。
「だから、いっくん。このコップに1杯分、精液出してね?」
「なんですそれ!? どうして満面の笑顔なんです!? そしてなんで服をはだけてるんです!?」
普通のグラスサイズのコップを手に持って、そこへ射精しろと言ってくる年上美女。ある種の男の夢だろう。死ぬほどバカな夢だが。
どっこい、これは現実。現実なのだ。
目の前でにっこにこしながら胸元を広げて深い深い谷間を見せつけつつにじり寄ってくる、幼馴染の姉。束からふわっと漂う甘い匂いもかかる吐息の熱さも、一度触れれば二度と離したくなくなる滑らかで柔らかで温かい肌の感触も、現実なのだ。
ついでに、視界の隅で相変わらず圧倒的な存在感を放つノルマのコップも。
「いっくん、戸惑うのはわかるけど、これはすごく大事なことなんだよ。ひょっとしたら箒ちゃんやちーちゃんの体にも、命にも関わるかもしれないから、どうしてもやらなきゃいけないことなの」
「それは、確かに……」
「だから、束さんのカラダで手伝ってあげる。一杯射精してね☆」
「だからどうしてそうなるんですかああああ!」
一夏はこの日とても大切なことを学んだ。すなわち、束がシリアス顔をしても決して信用してはならない、と。
◇◆◇
「はーい、それじゃあさっそくいっくんの出して……って、わ。すごい、もう大きい……」
「うぅ、は、恥ずかしい……!」
全てのIS操縦者である女性のため。そうと言われれば、束の前で下半身をむき出しにする羞恥であろうと一夏は拒むことはできない。束が言うことはほとんど信用できないのだが、同時にISの発明者としてその発言には無視できない説得力もある。
そして、美人でエロい。ちょっと頬を赤らめながらも射精の手伝いにノリノリなお姉さんとか、高校生男子にとってはご褒美でしかない。無意識に唐変木道を極めんとする一夏であるが、体の反応は年相応。下着ごと脱がされたズボンの中から現れたのは、全開に膨張した一夏自身であった。
「じゃあ、するね。わ、わ、触ったらびくってする」
「くぅあ……! 束さんの手の感触……!」
ベッドに二人、並んで腰掛けて裸になった一夏の下半身に手を伸ばす束。ほっそりとしている指は男である自身のものとは比べ物にならないほどに柔らかく、少しひんやりした感触と合わせて触れるだけで一夏を跳ねさせた。
一応これでも乙女なのか、束は最初触れるときこそ躊躇いがちだったが逃げる一夏を反射的に追いかけて握るあたりは肝が据わっている。カリから竿にかけてを掌で握られた一夏は肺の空気を絞り出されるような悲鳴を上げる。無論、快感の悲鳴だ。
「わー、すごい。いっくんの、熱いしびくびくしてるし、すっごく硬いよ!」
「せ、説明しないで……」
科学者としての好奇心か、はたまた性的な興奮か。束はこすこすと握った手を上下に動かしながら一夏の反応を観察する。どうやら研究対象としての興味を抱かれてしまったらしい。自分の手の動きを変えれば反応がどう変わるのか。一夏の顔と手に弄ばれるペニスを交互に見ながら説明されて、一夏の羞恥心は限界に近い。
ただでさえすぐ隣だった座る位置もどんどん近づいて、今では谷間もあらわな胸が一夏の腕にむにむにぷにゅんと押し付けられている。興奮が、止まらない。
「あ、なんかねばねばしたの出てきた。これ、気持ちいいと出るんだよね。いっくん、束さんで気持ち良くなってくれたんだ。ほらほら、玉もきゅうってしてるよ。……すごく、いっぱい出そう」
「はぁっ、束さん……もうちょっと、強くしてください……」
そして、一夏は一周回って開き直ったようだ。年上女性に射精を促すおねだりをする姿、情けないほど快感に支配されている。
「ん、このくらいでいいかな? んふふ、ヌルヌルがたっぷり溢れて来て、やりやすくなってきちゃった」
「あぁっ、裏筋ぃ! そ、そこ弱いです!」
「いいんだよ、我慢しなくて。今のいっくんのお仕事は、元気なせーしをたくさんびゅーってすることなんだから」
無理からぬことではあるだろう。束は仮にも天才で、どういうわけかその能力を余すところなく発揮して一夏を愛撫しているのだから。手でされているだけだというのに信じられないほどに気持ちいい。初めて女性に促される射精はこれまで経験したことがないほどの量になりそうだと、既にその予感が一夏にはある。下腹が重くなるような感覚は間違いなくその前兆だ。
「あ、そうだ。確か男の子って、気持ち良かったりえっちな気分になるほどたくさん出るんだよね」
「束さん……?」
「じゃあ……サービス。ほーらいっくん、おっぱいだよー」
「うぇえ!?」
そしてさらにダメ押しとして、束が既に半分はだけていた服の胸元を下げ、完全に胸を出した。
元から一夏に密着して押し付けてきてはいたが、布一枚さえ隔てない生の感触が二の腕に。むにゅりと柔らかく形を変える乳肉、先端できゅっと固くしこった乳首。視覚と触覚にまで束の侵略の魔の手が伸びた。
「ほら、見てないで触って。んっ、ふぁ。……そうそう、たくさんもみもみして気持ちよくなってね。んちゅ~」
「んむ!? ちゅ、ぷぁっ」
一夏の手を取り、自分の胸へと導く束によって、むにゅり。触れた瞬間から一夏の手は吸い付いたように離れなくなった。柔らかい。温かい。優しい。男が女性に求める全てが一夏の手の中にあった。むっ、ぐっ、と力を込めて握り、掌を押し付けて潰し、指先に力を込めて搾ると束も鼻にかかったような声を上げて反応した。
こんなに気持ちのいいものを触ることで、束を感じさせている。その事実に一夏の頭はカッと熱くなるほど興奮に染まり、交換するように束の手の中にあるペニスが一層いきり立つ。
キスまでされながらそうしていると、時間を忘れていつまででも二人で愛撫し合えそうだった。
「んん~~っ! んー!」
「ぷは。いっくん、イきそう?」
「は、はい。束さんの手が気持ち良くて……」
「いいよ。我慢なんてしないでいっぱい出して。ちゅっ、ちゅっ」
「はぁぁ~……」
しかし、一夏は童貞。初めてでこれほど巧みに手コキをされて長くもたせられる道理もない。まして、既にほとんど忘れかけているがこれは一応研究のための素材集めなのだから男としての意地とか張ってる場合ではない。一夏は自分にそう言い聞かせ、我慢をやめて、快感に身を委ねた。
ダメ人間の誕生である。
「ほらいっくん、横になって。膝枕してあげる。……その代り、束さんのおっぱいを気持ちよくしてね」
「ふぁい……ちゅううぅ」
「んっ! あはは、いっくん赤ちゃんみたい。束さんのおっぱい吸って気持ちよくしてくれて、偉いぞー♡」
そしてついには束によって上半身を引き倒され、仰向けで膝枕に頭を乗せる。目の前には、当然束の巨乳。そうなれば、先端で揺れる桜色の乳首に吸い付くのはもはや本能と言っていいだろう。救いようがないほどに情けない本能だが。
「あっ、あっ、束さん……出る、出るうううううううっ!」
「きゃっ!? わあ、すごい勢い……こんなに飛ぶんだ。ほらほら、ちゃんとコップに出して」
「ふわぁ……こんなに気持ちいい射精、初めてです……。あっ、あっ……! 射精しながらしごかれるとぉ……!?」
口の中で転がしていた乳首を離し、一夏が叫ぶ。姉である千冬と比べると少しぽちゃっと肉のついた束を全身で感じながら徹底的に搾り取られて射精する心地よさに、一夏の頭の中まで白く染まるようだった。最初の勢いも、出終わるまでの時間も、一夏の人生で一番のもの。ぱちゃぱちゃとコップに溜まっていく白濁を見ながら、一夏は自分でも驚いていた。
「ほーら、出し惜しみなんてしちゃだーめ。ごしごしするから溜まってるの全部出して♡ いっくんの精液はたくさん必要なんだから、がんばれ♡がんばれ♡」
「うぅ……はい、いっぱい、出しますぅ……!」
「恥ずかしくさせちゃってごめんね。でも男の子は気持ちよくなったらせーしが出ちゃうものだし、いっくんのせーしがたくさん必要だからこれでいいの。たくさん射精できてえらいぞー♡」
そして、さらに情けなく弱音を吐いた一夏のことを束は優しく受け入れ、むしろ褒めてくれた。体を倒し、一夏の頭を抱きしめておっぱいに顔を埋めさせながら。なでなでと頭まで撫でられ、どうすればいいのか。
……ダメになるしかない。
一夏の頭の中で、超頭の悪い結論が出た瞬間であった。
「うん、いっぱい出た。お疲れ様、いっくん」
「はい……気持ちよかったです」
束のおっぱいに埋もれながら夢心地で返事をする一夏。だが、つい調子に乗って顔を左右から挟みこむおっぱいをやわやわと揉んでも優しく手を添えて一緒に揉んでくれるのだから溺れるなという方が無理な話。まして一夏はまだ若い。いまだかつてないほどの射精をした直後でも、こんなことをされればすぐに復活してしまう。
「……ねえ、いっくん。調査のためにはいっくんの精液があればあるほどいいんだけど……もう一回、してもいいかな?」
「……」
こく。一夏はその問いに、束のおっぱいの中で頷くことで答えた。
「それじゃあいっくん、今度は仰向けになってね」
「え、あ……ちょ、束さん!? 俺の上にまたがって……まさか!?」
「そのまさかだよ。二回目だし、さっきまでよりもっともっと気持ちよくしてあげないといっぱい出せないだろうから……いっくん、束さんとえっちしちゃおう?」
一夏の上にのしかかり、いつの間にか脱いだ下半身は発情香を漂わせる蜜まみれになっている。その源泉は、一夏のペニスのすぐ真上。腰を下ろすだけで、二人はつながってしまう。
一夏は色々考えた。既に半ば忘れかけているが、どうしてこんな状況になったかの理由。束の言葉の真偽。このまましてしまった場合の、束への責任。自分が童貞であること。初めてのシチュエーションとしてこれはどうなんだという、割と当然の疑問。
だが、それらすべて。
「……や、やっぱり待って束さ」
「だぁめ。えいっ」
「んあああああ!?」
一切斟酌する気のない束によって、問答無用で童貞を奪われた。
「あ、ああっ、うああ……! 束さんの中、熱い……!」
「んんっ、いっくんのも熱くて、硬ぁい……♡」
そして挿入した瞬間、面倒なもろもろは全て頭の中からすっ飛ぶ。
束の膣内は抵抗や硬さと一切無縁だった。一夏を手コキしているときから興奮していたのか、動かなくてもじゅくじゅくと音がするほど愛液で潤っている。そんな膣に根元まで飲み込まれて、童貞がまともでいられるはずもない。束自身がぐりぐりと腰をひねるのに合わせて、一夏は全身がびくびくと痙攣するように為すすべなく震えてしまう。
「どう、いっくん。束さんの中、気持ちいい? 元気よく射精できるかなー?」
「はぁっ、はぁっ……!」
「うーん、お返事できないかー。でも、すっごく気持ちよさそうな顔してるから、束さんはちゃんとわかるよ。とっても感じてくれてるんだよね」
「んっ!? んじゅ、れるちゅ、んぐ」
いつの間にかはだけられた胸板で、ほかほかむにゅんと束の胸が押しつぶされる。思わず上げかけた喘ぎ声はとんでもなく情けない物になりそうだったが、束がキスをしてきたせいで声にならなかったのが唯一の救いか。舌も歯茎も舐めまわされ、シロップのように甘く感じる束の唾液は流し込まれるそばからごくごくと飲んでしまう。
結合部も一瞬たりとて休まらない。一夏の上半身を押さえつけることで自由に動くようになった腰が、激しくしごき立ててくる。膣肉がぷりんとした束の中では、上下動の度に膣襞によってカリがいじめられ、ズンと力強く腰を下ろす度に子宮口が先端を甘やかした。
口の中ではれろれろと舌が動き回り、ぼやけてほとんど見えないほど近い位置にある束の目は母性と嗜虐と優しさがないまぜになった瞳の色で一夏を見つめている。その目に見られると、弱い。
「ぷぁっ! ああ、束さん! も、もう無理! 出る、出るから、抜かないと!」
「だめぇ、いっくんは一番気持ちよくしゃせーしないといけないんだから、このままするのぉ。束さんの中に出して、いいんだよ?」
「でも、でも……ああ!」
必死に振り絞った理性、避妊のための最低限すら必要ないと、一夏の気持ちよさが一番重要だと束は言ってくれた。言われたからと言って甘えるわけにはいかないという理性の囁きはあった。だがそれ以上に、身動きができないという事実と膣内射精を許されてしまったという事実が一夏の頭を甘く溶かした。
このまま射精すれば、おそらくとんでもなく気持ちがいい。さっきよりもたくさん出るかもしれない。そしてそれはほとんどのIS操縦者のためになる。やめなくてもいい理由ばかりが脳裏をよぎった。
そして、なによりも。
「ね、お願いいっくん。はぁ、ん……束さんもいっくんとするのすっごく気持ちいいけど、このまま子宮にどぴゅってしてもらえたらもっと良くなれそうなの。だから、ぁ……お願い。膣内射精、して?」
束本人からこんなことを言われて、断れるはずがなかった。
「うぅ……束さあああああん!」
「あひっ!? ひゃうううううぅ!」
最後の一突きは一夏から。束の腰が下りてきたのに合わせてブリッジのように腰を跳ねさせ、たっぷりと肉のついた尻に指を喰い込ませ、がっちりと固定して、子宮に直接白濁を注ぎ込んだ。束が望んだ通りに。
これまで終始母性に満ちた表情を見せていた束が、突然のことに表情が崩れる。これまでも感じてはいたのだろうが、優位に立っていたせいか余裕を感じさせるものだった。しかし、それがはがれれば。わずかな間だったが、目が蕩けだらしなく口を開き、愛欲に浸る淫らな女性の素顔が垣間見えた。
もっとも、束の子宮に向けて自分でも信じられないほどの量を射精する真っ最中だった一夏は、ほとんど気づいていなかったのだが。
「ああ、あーっ! 出る、束さんの中に、止まらないぃ!」
「ん、ふぁ……。い、いいんだよいっくん。男の子のせーしは女の子の子宮に出すのが本当なんだから、束さんの中に一杯出してえらいぞー♡ ほら、ぎゅってしてあげるからもっと出せるよ」
「た、束さん! 玉を揉まれたら……だめぇ!」
長く続く射精は膣襞のざわめきで優しく促され、子宮に受け止められ、しかも睾丸をきゅうきゅうと揉まれて徹底的に搾り尽くされる。男としてこれ以上はないほどの射精を、童貞を失ったそのセックスで味あわされるなど一夏はこれまでの人生で想像もしていなかった。
そして、仮に想像していたとしてもこれほどの快楽を生むことまでは考えが及ばなかっただろう。一夏の長い長い初膣内射精は、文字通り精根尽き果てるまで続いた。
「おぉ、出てきた。すごい……こんなに濃いのをたくさん出すなんて……んんっ、やっぱり将来有望かも」
「は……ぁ……」
どんなに激しくISの訓練をした時よりも重く感じる体をベッドに横たえながら、半ば眠りにおちようとする目が最後に見たのは、膣口を開いて自分が中出しした精液をコップに移す束の、とんでもなくエロい姿だった。
一夏は心底感謝した。もしあと少し意識がはっきりしている時にあの姿を見たら、三回戦が始まっていただろうから。
◇◆◇
翌日。
「おかえりー、いっくん。束さんは準備できてるから、さっそくハメハメしよ?」
「……はい?」
授業と訓練を終えて寮の自室に帰ってくると、そこにはスカートをめくりあげ下着も履かず膝まで愛液まみれになった下半身を晒す束の姿が!
「ちょ、何してるんですか束さん!」
「何って、昨日の続きだよ?」
その時一夏の体は、生身でありながらイグニッション・ブーストを越える速さで動いた。ような気がした。扉を閉める動きはまさに神速。もしこの瞬間に誰かが偶然部屋の前を通りかかれば命はない。これまでのIS学園生活で培われたその確信が、生命の危機という認識となって一夏にかつてない力を与えたのだ。
「続きって……俺のせ、精……液は昨日取ったでしょう!?」
「うん。束さんにたっぷり射精してくれたよね」
「うぅ……はい。だ、だからもう」
「だけど、いつから一回だけだと錯覚していた?」
「なん……だと……」
そしてこの段に至って初めて、自分から虎穴に飛び込んだうえで出口を封じてしまったのだと気が付いた。
一応抵抗したこと、束の説得を試みたことは一夏の名誉のため明記しておく。
だが、想像してみて欲しい。既に前日一度交わったことのある美女が、自分の部屋でセックスの準備を万端に整えて発情した顔と体で迫ってきたとき、童貞を卒業したばかりの男子高校生がその誘惑に何秒抗えるかを。5秒もてば賞賛に足る理性の持ち主と讃えられてしかるべきだろう。10秒もてば相手を思いやる気持ちを持った聖人で、15秒を過ぎたならばいっそホモを疑わなければならない。
実際、一夏は20秒もった。そして21秒目に、束のおっぱいに顔を埋め、そのまま挿入した。
「あんっ、いっくんたら、ふぁ。がっつき、すぎぃ……んっ! 立ったままなんて、ベッドまで我慢できなかったんだ?」
「うぅ、うぅ~、束……さん!」
「大丈夫、束さんはいっくんのベッドでオナニーさせてもらったから準備できてるし、いっくんの奥まで届いて気持ちいいよ……んふぁ、きゃんっ! そ、そこっ、奥をズンってされるの、好きぃ……♡」
服を半脱ぎ状態でまともに動けなかった束を壁に押し付け、お互い立ったまま正面からつながった。潜り込んだ束の膣内の感触は昨日の初体験よりも鮮明に感じ取れる。男を受け入れる柔らかさと甘やかす温かさ、そして貪欲に精を求めるうねりが一夏を先端から根本まで出迎えた。
一夏と束は触れた肌を溶けあわせるように体を擦り合う。束は片足で立ったままもう片方の足を一夏の腰に絡め、一夏は両手で束の胸とわき腹や太ももをまさぐりながら腰を突き出す。一夏が胸を吸い、あるいは互いに何も言わず見つめ合い、キスをするときは夢中で舌を絡める。息が苦しくなって口を離すと、二人の舌の間にはきらりと輝く糸がつながっていた。
「はぁっ、はぁっ。束さん、束さん、束さんっ」
「んっ、は、きゃ……んっ! 名前、呼びながら、奥をぐりってするの……反則ぅ!」
一夏はひたむきだった。快楽に流されるままだが、束の目をまっすぐに覗き込みながら腰を繰り出す。束にしてみれば、女にとって一番弱い部分を最高に気持ちよくされながら、だらしなく蕩けた顔を正面から真剣なまなざしで見つめられ、名前を呼ばれるのだから溜まらない。二度離れたくない、ずっと甘やかしていたいという気持ちがごぼごぼと湧いてくる。
もっとも、既に手放すつもりなど毛頭ないのだが。
「イク、イクぅ! 束さんの中に、子宮にい!」
「うんっ、いいよ。一番気持ちいところに、いっくん専用の子宮にいっぱいびゅーってしよ?」
体は余すところなく密着している。おそらく心も。一夏の顔を胸の谷間に挟んでむぎゅむぎゅと圧迫しながら、子宮口をごつごつと亀頭で叩かれる至福の時間はそう長くない。一夏が限界に達する瞬間と、束の意識が白く飛ぶのは全くの同時で、胎内に広がる熱い感触は圧倒的な多幸感として束の体を満たした。
「んぐうううぅぅ~~っ! 束さんへの膣内射精、気持ちいいぃぃぃっ」
「ふぁああああああ! いっくんのしゃせーもいいよぉ……! んふぁ、えらいぞー、いっくぅん♡」
お互いに体を痙攣させながらの射精が終わると、二人そろってずるずると壁に体をもたれさせながら崩れ落ちた。ぬるりと一夏が抜け落ちた結合部からは音を立てて精液が零れ落ちたが、今は気にする余裕もコップに集める力もない。二人はただ、汗まみれになった体を重ねあわせ、お互いの体温と匂いを最高に心地よく感じていた。
「ご、ごめん束さん。こんなにこぼれたら、集められない……」
「え?」
「え?」
そして一抹の不安がよぎる。初日に感じた、束の言葉の大きな説得力と、等量の不信感。
「……あ、あーそうだね、そうだったね、うん。確かにもったいないなー。せっかくの研究材料なのにー。……ねえいっくん。これじゃあ今日の分の研究ができないから、もう一回……ね?」
しかし押し付けられるおっぱいの柔らかさにあっさり流される程度には、一夏も若いのであった。
この日は立ってすることから始まり、お互いに様々な体位を研究する日となり、きっちりコップ一杯の規定量を満たした。
◇◆◇
さらに翌日。
「あれ? 今日のいっくんはちょっとお疲れかな?」
「はい……ちょっとISの訓練キツくて。……うぅ、どうして箒達はあんなに俺ばっかり狙うんだ」
その日は珍しく一夏が弱音を吐いた。授業やその後の自主練習がよほどキツかったのだろう。口ぶりからすると箒たちから集中砲火でタコ殴りにされたようだが、全体的にくたびれた一夏の様子からは、なるほど確かに大分激しい練習をしてきたのだろうとわかる。
「だから、ごめん束さん。今日はちょっと……って、なんで俺の手を掴んでおっぱい触らせるんです!?」
「え? だっていっくん疲れてるんでしょう? そういうときは大きなおっぱいを揉まないと元気になれないよ」
わさ、と。束は一夏の手を取り、服のごしに胸を持ち上げるように揉ませてきた。
その感触は、一夏がそれまで感じていた疲労を一瞬で消し飛ばすほどの驚きを与えた。
布を隔てているのに、柔らかい。既に束のおっぱいは色も形も匂い感触も味さえも知っている一夏ではあるが、改めて感動さえ覚える。指の間に、掌に。伝わる柔らかさと温もりは形を持った「優しさ」という概念の具現に違いない。最初は束に手伝われ。しかしすぐに一夏自身の手で束のおっぱいを揉むと、それだけで元気が湧いてくる。
「んっ、くぁ、ん。……どう、いっくん。束さんのおっぱい揉んで元気出た?」
「はぁ、はぁ……はっ!? は、はい。元気になりました!」
「……みたいだね。嬉しいよ」
当然、下半身も。束に声をかけられて初めて自分が夢中になっていたことに気付き、束がニヤニヤしながら落とした視線を追ってズボンの中がとても窮屈なことになっていることを自覚した。
「ねえいっくん見て見て。キャストオフ!」
「うおお!? 服を脱いだらバニーガールになった!?」
「実は、束さんのこのワンピースの下はいつでもバニーガール的格好だったのだー」
そして、一夏が元気になったと見るや束はいきなり服を脱ぎ、そのワンアクションのみでいつものアリス衣装からバニーガールへと変身してのけた。いよいよもって束の服のコンセプトがわからない。
だが、束のむちむちな体にちょっとキツめのバニー衣装。エロい。
「今日はお口でしよっか。もうギンギンだから、いっぱいしてあげられるね。はぁ、む」
「んんっ! 束さんの口の中、ぬめぬめで気持ちいいっ」
「もー、んぶ。ダメだよいっくん。ちゅ。こんなすぐに気持ちよくなってたら、れるれる……今日は、束さんのお口の良さを教えてあげるんだから」
いきなり亀頭を粘膜に包まれ腰が跳ねる。そのせいで喉奥をついてしまっても束は全く苦にした様子がなく、雫をこぼして泣く一夏の亀頭を慰めるように舌を這わせてくれた。
ねろねろと絡みつく舌の柔らかさと、むせるほどに飲みこんで味あわせてくれた喉奥のこりっとした感触はいずれも筆舌に尽くしがたい。
「いっくんの、びくびくしへう。もう、れそう? じゅぷじゅる、んじゅううう」
「ああっ、で、出ます! 束さんの口で、射精しますっ!」
「いひよー。りゃあ、ろこへらしたいか、教えて?」
そして足元にうずくまるバニーさんはこんなことを言ってきた。
飲みきれない唾液と一夏の先走りを白い胸元にこぼしながら、上目遣いで。
「ど、どこに、って……」
「んくっ。最後までお口のなかにびゅーってしたい? それとも顔にかけて、束さんがいっくんのものだってマーキングする? いっくんはおっぱいが大好きみたいだから、おっぱいに押し付けて出すのもいいかもね」
一夏から離した口を開け、真っ赤でとろとろの口内を見せながら。先走りがしたたるペニスに嬉しそうに頬ずりしながら。バニースーツで窮屈そうに締め付けられている胸を持ち上げながら。束は言う。
一夏はごくりと唾を飲む。どれも魅力的過ぎるから、頭の中では無意識のうちに全てのパターンが想像されてしまう。束の頭を押さえつけて喉奥に射精するのも、ぶっかけて束の顔を髪の毛まで精液まみれにするのも、おっぱいに押し付けた亀頭から精液を弾けさせるのも。想像だけで射精しそうになるのをこらえるのが大変だ。
「ねえ、いっくんが決めて」
「うぅ、そ、それは……」
ふっ、と亀頭に息を吹きかけて促され、一夏の我慢と羞恥と理性と意地は、粉々に吹き飛んだ。
「じゃあ、いくよ。……んじゅっ、ぐぶっ、じゅるるるるるるるる!」
「ああああっ! 出る、出るぅ!」
一夏の要望を聞いた束は、うっとりとほほ笑み一気に根元まで加え、激しく吸いながら唇でしごき始めた。既に射精寸前だった一夏はひとたまりもなく、明日から毎日フェラしてもらいたくなるほどの快感を叩きこまれて、射精した。
「んーっ! んぐ、んむうううぅぅ!」
まずは、束の口の中に。うっかり喉まで飲み込んでくれていた束の口奥に直接射精してしまったが、束は唸りながらもこぼすことなく受け止めてくれた。おそらく、息苦しかったのだろう。ほとんど飲んでしまったのは仕方のないことだ。むしろ一夏は既に本来の目的を忘れ、無茶をさせてしまったのに吐き出さず飲んでくれたことに感動すら覚えていた。もう駄目だこいつ。
「くううぅ、束さん! 次、かけます!」
「んっ、ぷはぁ! はぁぁん、いっくんの、まだ出てる! いっぱいかけてえ!」
そして、束の口から引き抜いてまだ射精の続くペニスを束の顔に向ける。束の頭を掴み、腰を震わせながら、精液で束の顔を白く染めていく。目を閉じ、大きく口を開けた束の頬に、目蓋に、髪に、口の中に飛び散る精液。美女を自分のものにした、という倒錯した征服感が一夏の背筋を駆け巡り、信じられないほどに射精した。
「ん、くちゅくちゅ……はぁ、いっくんの精液、おいし……」
「うぅ、束さん、エロい……」
一夏が望んだのは、口で射精させてもらってから、束の顔にかけること。束は強欲なその提案ににんまりと笑い、受け入れた。顔を精液で汚されながら、その匂いに酔って口の中に落ちた精液を舌で転がして味わっている。至福の表情を浮かべながら、バニー衣装にむっちりと包まれた体を軽く震わせているのは、束自身この行為から快感を得ていたからか。
そんな束がエロ過ぎて、一夏は再び元気を取り戻し始めていたりするのだが。
「あ、いけない。この精液、飲んじゃダメなんだった。れえー」
「……」
そして口に溜めた精液をコップに吐き出す姿がまた何とも言えずエロく、一度や二度で収まらなかったことは言うまでもない。
あと、一夏はこの日「網タイツを破く」という特殊性癖に目覚めた。
◇◆◇
「あの、束さん。今日はちょっと、出掛けませんか?」
「うん? いいよー。えへへ、いっくんからデートに誘ってもらえるなんて思わなかったよ」
その翌日は一夏の側から先手を打った。
部屋にいるとエロいことになってしまうなら、外に出ればいい。束は世界的に指名手配されているが、こうしてホイホイ一夏の部屋に出没できる程度にはそのあたりを無視する人だからデートの一つくらい問題あるまい。そう考え、IS学園にある遊歩道的でなおかつ人通りの少ないところへ二人で散歩に出かけた。
わけなのだが、それはつまりいつもとちょっと雰囲気の違うところで二人きりになるということに他ならないわけで。
「……すいません、束さん」
「あー、いっくん大きくしてる。こんなところで、いけないんだー」
「うぅ……」
「ふふ、嘘。束さんと一緒にいるから、昨日までのえっちを思い出しちゃったんだよね。……束さんも一緒だよ。ほら、すぐハメちゃっていいから、ね?」
並んで歩いていた二人。繋いでいた手を引いて林の中に二人で入り込むと、束はすぐに察してくれた。木の幹に手をついて尻を突きだし、スカートをめくればそこには肉付き良く一夏の腰を何度も受け止めてくれた束の尻が。まるでこうなることを予測していたかのようにノーパンで、既に愛液きらめく秘所がそこにはあった。
束からされたわけではない。今日は一夏が誘い、一夏の意思で、束とセックスをした。
「んっ、んっ! いっくん、お外なのに激しいね。ふわぁ、束さんの中、そんなに気持ちいい?」
「はいっ、ぐちゅぐちゅなのにきゅうきゅう締め付けて、すごく気持ちいいです!」
「あんっ! だ、だからってそんなに突いたら、束さんだって声が出ちゃうよ? ……きゃふうぅぅん!?」
林の中とはいえ、鬱蒼と木が生い茂っているわけではない。近くの遊歩道に誰かが来て、妖しい声を聞きとがめて覗き込めばすぐにバレてしまうだろう。そんなところであっても、一夏は昨日までさんざんに堪能した束の体がどれほど魅力的かを知っている。今この瞬間も、求めることを止められるはずがなかった。
「ご、ごめん束さん!? ……で、でも」
「はぁぁぁっ! んふ、大丈夫。わかってるよいっくん。束さんも、ここでやめるなんてできないもん。……だからぁ、この口を塞いで? いっくんの、あまぁい唇で」
万が一にも誰かにバレないようにするためには、甲高く喘ぎ声を上げるこの口を塞げばいい。後ろから膣奥を突かれながらも振り向き、流し目つきのエロい表情でひらひらと真っ赤な舌を躍らせる。一夏の体中の気持ちよくなれるところを舐めつくし知り尽くした、ベッドの上で味わうと何よりも甘い舌を。
一夏は無言で体位を変える。つながったまま束の腰をひねって向きあう体勢になり、束の頬に手を添える。視線が絡み合う間、二人は無言。興奮で言葉が喉に詰まっていること以上に、今の二人が分かり合うために想い以上のものは必要なかった。
一夏の眼差しは血走りそうなほどに真剣。対する束は今にも頭を撫でそうなほどに慈愛の色。
動いたのは一夏から。貪欲に、唇より先に舌が絡み合うキスは互いの口をふさぎ、以後束の喘ぎは全て一夏が唾液と混ぜて飲みこんだ。
「もー、せっかくの精液なのにこんなところで出し過ぎだよいっくん」
「はぁ、はぁ……ごめん、束さん。我慢できなくて、3回も……」
「本当だよ。せっかく貴重な精液なのに、こんなところで射精されたんじゃ回収できないから……部屋に戻ってから、また一杯しようね♡」
そして、お仕置き兼今日の分ということで部屋に戻ってからもたっぷりセックスしたことは、言うまでもない。
◇◆◇
翌日。
この日の舞台はベッドでも部屋でも外でもない。
風呂だった。
「束さん、どうやって大浴場を人払いしたんですか?」
「気にしない気にしない。それとも、いっくんは束さんと一緒にお風呂入るの、いや?」
「いえ大好物です」
いい加減、一夏も自分の欲望に素直になるということを覚えたらしい。元々ごく一部はとことん素直だったが。
浴室の束のエロさは、実に部屋でするときの3倍だった(一夏比)。
浴室に立ち込める蒸気と熱気にしっとりと汗ばむ束の肌は、射程に入るなり体が勝手に手を伸ばして揉みしだこうとするのを抑えるだけでかなりの理性を要した。湯船にも入るため、珍しく結い上げてまとめられた髪型は新鮮で、時折ちらりと見えるうなじはしっとりと香るような色気が漂う。
そして、裸。これまでなんだかんだでバニーやら半脱ぎやら見方によっては裸よりエロい格好でばかりしていたが、今は一夏と束が二人きりで、浴室で、裸。なんかこう、とんでもなくクルものがあった。
「いっくん、ここ座って。体洗ってあげる」
「背中流すとは言わないんですねわかります」
「そそくさと座るいっくんも大概だよ」
まずは軽いジャブから、ということなのだろう。一夏へ椅子に座るように促す束。もはや躊躇なく期待しまくりで座った一夏であったが、間髪入れず背中からしなだれかかるように抱き着く束も束だ。背中でむにゅと潰れるおっぱいは柔らかく温かく、ついでにボディソープで泡まみれになっているあたり準備が良い。
「はぁぁ……束さんのおっぱい、気持ちいい。心まで綺麗になりそうです」
「欲望一色に染まることを綺麗になるというなら、そうなんだろうね」
背中を滑るおっぱいの感触に、一夏は夢見心地の声を上げた。背中から手を回して抱きしめられているため、時々乳首を弄られるのは恥ずかしいのだが、既に色々開発された一夏にとってみればそれさえもはやご褒美に過ぎない。
むにゅむにゅ、ぬるん。にゅりにゅり、ぷにむにいいい。一夏は、自分の背中に伝わる感触を少しでもしっかり記憶に刻みつけるため、言語化を試みる。が、成功しているとは言いづらいだろう。全身を動かしてこすり付けてくれる束のおっぱいの柔らかさと弾力と滑らかさは、人類の語彙が到達しえないはるかな次元の彼方にある。気がする。
「はい、背中洗い終わったよ。それじゃあいっくん、次はこっちに寝そべって腰を浮かせてくれるかな」
「……いつの間にエアマットとローション持ち込んだんですか?」
そしてその後はさらに色々と期待させてくれるセッティングが待っていた。振り向いた先で束がぺしぺしと叩いていたのは、どこをどう言いつくろっても普通の風呂場にはありえないエアマット。そして傍らにはローションの入った桶。一夏のちょっと不足気味のエロ知識に照らし合わせてもワクワクする想像しかできない。
「うりゃー、パイズリ! 束さんのおっぱいでいっくんのを全部包んじゃうぞー」
「はぁう! 束さんの、すごいぃ……! 俺の、上から下まで見えなくなってる!」
正座した束の膝に腰を乗せ、重たげに開いたおっぱいの間にたっぷりとローションを垂らし、むぎゅと包まれた瞬間、一夏の意識は全ての男達が夢見る楽園へと旅立った気がした。年上お姉さんと一緒にお風呂に入り、マットプレイでパイズリ。幸せとはおっぱいの形をしているのだと、一夏は魂で理解した。
「んー、喜んでくれるのは嬉しいんだけど、いっくんがダメな子になっちゃうのはイヤだな。……あ、そうだ。いっくん、束さんと約束してくれるかな」
「ふあぁ、な、なにをですか……?」
「今日はこのまま束さんのおっぱいで我慢せず射精してもいいけど、ただ出すんじゃなくて、ちゃんと『イきます』って言ってからにすること。もし約束を守れなかったら……そーだなー、パイズリはやめにして、お尻ナメナメされてもイけるようにしちゃおうか」
「ひいぃ!?」
しかし、世の中そううまくはいかない。これまでさんざん一夏を甘やかしておきながら、勝手に妙な危機感を覚えた束によってルールが付けられてしまった。一夏のダメ人間化を防ぐという体でまたダメな性癖を植え付けることになるオチしか見えないが、なんかそういうことになったらしい。
一夏は、何とか頑張ってみようと決意する。射精宣言してからイクなど恥ずかしすぎるが、もしそれを守らなければ確実に尻穴でイけるように調教されてしまう。それはそれで……とか一瞬考えるかなりダメになった自分を必死で押し殺し、一夏はせめて少しでも耐えようと思った。
考えてみれば、ここの所束に甘えてばかりだった。これを機会にせめて少しでもしっかりしなければ、自分はダメ人間一直線だ。すでにほぼ忘れているが、この行為自体元々はISが人体に深刻な悪影響を及ぼさないか調べるためのもの。今一度その重大な使命を思い起こし、厳粛に挑まねばならないと決意を新たにした。
「そーれ、むぎゅー」
「ああああっ! も、もうダメ、イクぅ!」
……しかしその決意、束のおっぱいの圧力であっさりと決壊するのであったが。
その後、一夏が束のパイズリで射精させられた回数は実に5回。
しっかりと射精宣言をしたためアナル調教は辛うじて免れ、束のおっぱいを精液まみれにして二人ともなんだかんだでご満悦だったという。
◇◆◇
「……んん!?」
「織斑くん? どうかしましたか?」
その日、教室で授業を受けていた一夏は、突如下半身を最近よく味わう感覚に襲われ、変な声を出した。教室中から集まる視線と、教壇に立つ教師からの気遣う声。
ヤバい、と察した一夏は持てる精神力の全てを駆使し、可能な限りの平静を装った。
「な、なんでもないです。ちょっと、その……しゃっくりが」
「ああ、そうですか。何事もないならいいんですが……」
そう言って、教師は授業に戻る。基本的に真面目な生徒たちもそれに倣い、一夏に向けていた視線を剥がして教師の言葉に再び耳を傾けだした。
一方一夏は、気付かれないようほっと息を吐き、すぐに机の下を見る。
「えへへ、危なかったね、いっくん」
「束さん!? なんでそんなところに!?」
するとそこには、机の下に潜んで一夏の足の間にから笑顔を見せる束の姿が!
一夏、可能な限りの小声で叫ぶというファインプレーを見せる。
「んー? なんかね、いっくんに会いたくなっちゃって」
「そ、それは……」
殊勝なことを言ってくれる束に、一夏は少しだけ胸がきゅんと高鳴った。
……束が、既に一夏のズボンのファスナーを下して中身を取り出していなければなおよかったのだが。
「な、何考えてるんですか! こんなところでそんなこと……バレちゃいますよ!」
「そこは大丈夫。束さん特性ステルス機能で、いっくん以外には束さんの姿は見えないし声も聞こえないようにしてあるから。……だから、こんなこともできるんだよ。れぇろ」
「っ…………!」
束が現れた目的。それは、イタズラ以外ではありえない。
見せつけるように舌を伸ばして、一夏の裏筋をひと舐め。それだけで身をよじりたくなるような気持ちよさが一夏をなぶり、咄嗟に口を抑えなければ大きな声を上げてしまっていただろう。
クラスメートが全方位を囲む、授業中の教室の中で。
「た、束さん……! これ、俺の姿も声もみんなには見えてるんですよね!?」
「そうだよー。だから、あんまり大声出すと気付かれちゃうかもね」
ぬふふ、と束がいやらしく笑う。
行為の最中の欲情してのものではなく、一夏にイタズラするのが楽しくて仕方ないという邪悪な笑顔だ。
「や、やめ……!」
「だぁめ。いっくんの、いただきまーす……ぱくっ」
「んんーっ!」
「……織斑くん?」
「な、なんでもないです!」
教師から、二度目の心配の声。それを受けた時、一夏の亀頭は束の口の中にあった。
引きつりながらも返事をした時、束の舌が尿道に入り込もうとしていた。
大丈夫? と小声で心配してくれる隣の席の子の声は、一夏にしか聞こえない束がじゅぷじゅぷと口奉仕をする音のせいでよく聞き取れなかった。
束の姿も声も一夏にしか見えないし聞こえないと言っていたが、何かの拍子に他の生徒にバレてしまうのではないか。授業中にフェラチオをされて腰を震わせている姿を見られてしまうのではないか。
そんな恐怖と羞恥とそれらを合わせた分だけ増えた快感により、一夏はその授業の間だけ3回、クラスメートの真っただ中で射精した。
◇◆◇
そして、さらに翌日。
「調査の結果、出たんですか!?」
「うん、ようやくね」
その日、一夏が部屋に帰ると珍しいことに束はちゃんと服を着ていた。連日の手を変え品を変えたプレイを繰り返していたため、これまたなんぞの前フリかと思ったのだが、実際は至極真面目な話であった。……言われるまで本来の目的をほぼ忘れていたともいうが。
「そ、それで、ISを使う影響は……?」
「心配しなくても平気だよ、いっくん。やっぱりISを使っても影響はないみたい。いっくんとまーくんが男の子なのにISを使える理由は相変わらずわからないけど、箒ちゃんたちがISを使って死んじゃうことはないみたい」
「そ、そうですか……よかった」
束からの報告は喜ぶべきものだった。
元々懸念が生じた程度のことではあったが、実際に杞憂で済んだという結果は一夏にとっても安心できるものだ。ほっと胸を撫で下ろし……不安が消えたその胸中に、一抹の寂しさが残っていることに気が付いた。
「でも、それならこういうのももう終わりですね……」
「? 終わりって?」
「いや、だから、その……お、おれのせ、せせせ、精液を採取するとか、そのためにすることとか……ですよ」
「……ああ、そうか。確かに、研究のためにいっくんを射精させてあげる必要は、もうないよね」
部屋に束がいるだけでいい匂いがすることを、一夏は知っている。束が発情すると、その匂いをより強く感じられるようになることも。だがそれを再び感じる機会は、おそらくもうないのだろう。束はこれでもお尋ね者として世界中から追われている身。必要がなくなれば、また神出鬼没に戻るに違いない。そう思えばこそ、一夏の心は揺れ動き。
「でも、いっくん?」
「はい、なんで……うおわ!?」
声をかけられ、俯いていた顔を上げると目の前には束の顔。驚いたままにのけ反ると、束が抱き着きながら体重を預けてくる。咄嗟のことで耐えるのは不可能。せめて束を庇おうとした結果、抱き合いながらベッドに倒れ込む形となった。
ベッドの柔らかさに助けられてばふんと跳ねて、目を開けばすぐそばに束の顔。キスするときに何度も間近で見た、束の笑顔がそこにある。
「確かに研究材料として精液を取る必要はなくなったけどー……それなら、今日からは恋人どうしとしてえっちすればいいんだよ?」
「え……うえええええ!?」
そしてそのまま、告白された。
というかエロいことのお誘いを受けた。色々すっとばし過ぎて情緒もクソもない。
「むー、なにその態度。いっくんは束さんのこと嫌い? 束さんのおっぱいとかお尻とか、嫌い?」
「大好きです。……あああ、いやそうじゃなくて、今の言い方だとおっぱいとかお尻が大好きみたいに聞こえるかもですけどそうじゃなくて、束さんのことが大好きです!」
「! ……えへへ、そうなんだ。束さんもいっくんのこと、大好きだよ。ちゅ」
しかしその時されたキスの味は、これまでと全く違っていた。
ただ触れるだけのキスだ。初めてしたキスよりも淡い。昨日まではもっと深く、それだけで絶頂できそうなキスもしたことがある。だがほんの一瞬触れた唇からは、全身に幸せが染み渡ったような気がした。束も同じ感覚を味わったのだろう。びっくりしたような顔をして、細い指で唇に触れている。
そして、蕩けた。
「いっくぅん」
「束さん……!」
甘えるような声。甘い汗の香り。しなだれかかってくる束に対しては愛しさと欲情しか感じない。おそらく束も同じだろう。太ももにこすり付けられる秘所は熱い。束の臍のあたりに当たっている亀頭は今にも射精しそうだ。
「恋人同士の初えっちだね。いっぱいしよ、いっくん」
「はい、今までよりもたくさん出来そうです」
興奮した様子の束に凄まじい速さで服を脱がされ、一夏はあっという間に跨られてしまった。それだけで秘所からはどろりと粘性をもった愛液が垂れ、前戯が不要と教えてくれる。そのことは、好都合だった。束はもちろん一夏も、悠長に愛撫し合うにはお互いを求めすぎていた。
くち、ずにゅう。束はためらうことなく腰を落とし、一夏は二度と離さないとばかりに束の腰を掴む。
「わぁ、いっくんのいつもより大きい……んっ、気持ちいいよぉ……!」
「束さんの中も……なんで、なんでこんなに気持ちいいんですかぁ!」
入れた直後から、束の腰使いは激しかった。潤滑は十分。気持ちは溢れんばかり。二人の行為を阻むものはなく、もっともらしい理屈もなくなった今、互いを求め合う感情だけが二人の体を動かした。
束の体が上下に弾めば一夏を魅了する胸も釣られて揺れる。一夏はぐりぐりと束の腰の最奥までねじ込む手を休め、今度はおっぱいに手を伸ばした。束の体の中で一番好きな極上の柔肉。掌に収まりきらないサイズで、握れば指の隙間からこぼれるのがたまらなく好きだ。
「きゃん、いっく、んっ。おっぱい、好き、すぎぃ……!」
「た、束さんがいけないんです、俺の目の前でこんなに揺らすから……うあぁ、中、締まるぅ!?」
「そうだよ、締めてるの。おっぱいもいいけど、こっちも一杯気持ちよくなってもらわないと。……今日は、射精してもらった精液は全部束さんのものになるんだから」
「!」
上体を倒して一夏の頭を抱きしめながら囁かれたその言葉を聞いて、一夏は束の乳首を吸いながら改めて気づく。今日のセックスは、昨日までの物と全く違うものだ。
昨日までの目的は、二人そろってほとんど忘れていたが一応研究のため、一夏の精液を採取する必要に迫られてのこと。だが、今日は。今日からは。一夏が出した精液を無駄にする必要はどこにもない。一滴残らず束のためだけに射精することができる。
「ふぇ? ひゃううぅん!? い、いっくんの……中で、暴れた、ぁ……!」
「すみません束さんっ! 俺、急に興奮してきて……!」
「あふっ、……いいよ、束さんでもっと興奮して。それで、束さんの子宮にたっくさん種付けしてね」
天井知らずの興奮は限界をすぐそばまで引きよせる。束は母のようにやさしく胸をしゃぶらせながら、獣のように激しく腰を振るう。抜け出る寸前まで引き抜くときは、強すぎる締め付けで束自身膣肉を丸ごと掻き出されるような感覚を抱き、勢いよく腰を落しては子宮口を叩いてもらい悲鳴を上げる。何度も繰り返した結果二人の腰を濡らす愛液と肉のぶつかりでぱんぱんと音をさせながら、それでも二人の腰は止まらない。
「あっ、あっ、あ……! いっくん、いっくん!」
「束さん! イク、イきます!」
激しくなる一方の性の貪り合いは二人そろっての絶頂で終わりを告げる。ひと際強く腰を打ち付け、束はそのまま一夏の亀頭を子宮に飲みこまんばかりの勢いで腰をねじ込み、一夏も肉付きのいい束の尻を力いっぱい引き寄せる。膣肉は一夏の根元から先端まで余すところなくキスをして、きゅんきゅんと締め付ける。その愛に、一夏は束の子宮一杯にお礼をすることで応えるのだった。
「んんーっ! ……あは、やったねいっくん。ようやく本当のセックスができたんだよ。束さんの中に一杯出せてる。えらいぞー♡」
「うぅ~~っ! 束さん。たくさん出すから……もっと褒めて」
「きゅぅん、いっくん可愛すぎ! 一杯射精してくれるしすっごく可愛いし、いい子過ぎるよいっくん!」
膣内射精は、何度もした。だがその経験をはるかに越える快感が二人の体を打ち据える。今日の射精は、束だけのためのもの。掻き出す必要がない、束の子宮で受精させるための精子。それを吐き出したこと、受け止めたこと。男と女の幸福に満ちた。
「あはぁ……もっと出していいんだよ、いっくん。ほら、がんばれ♡がんばれ♡」
「は、はい、がんばってもっと射精します……っ!」
射精を受け止めながらも腰を揺する束の願いをかなえようと、一夏は下半身にきゅうと力を込める。その姿が束にとってはとんでもなく愛おしく、自然と膣内が強く締まる。それがダメ押しとなって、一夏の最後の一滴がびゅう、と子宮を震わせた。
◇◆◇
「いっくん……ちゅ」
「束さん、れる」
服を脱ぐ間も惜しんだため、中途半端にはだけた服が汗まみれになっていることに、二人はこの時初めて気が付いた。それでもお構いなしに体が求めるまま行為後のけだるさに任せてキスを交わし合う。つながったまま、すりすりと体を擦りつけながらするキスの味は、この上なく甘い。
「ぷぁ。……ねーえ、いっくん。汗、かいちゃったね」
「……はい、そうですね」
息苦しくなってキスを終えると、束は一夏の頭を胸の谷間にうずめる。束の巨乳の間には、確かに汗のにおいが充満している。今の一夏からしてみれば、愛する女性が放つ芳香でしかないのだが。ぐりぐりとより一層頭を潜り込ませると、束は待ってましたとばかりに抱きしめてくれる。汗でしっとりとしたおっぱいで頬を包まれ、一夏はうっとりと目を閉じる。
そんな、甘いひと時は。
「……だから、一緒にお風呂入ろうか」
いまだ欲情の色に染まった瞳で一夏を見つめる束の一言で終わりを告げる。
「束さん、二人で風呂入るの気に入ったんですか」
「いっくんもね。もうおっきくして、期待してるのわかりやすすぎー」
「……ふんっ!」
今日はもう大浴場へ行くのすら億劫だから、二人そろって服を脱がせ合い、図星を指された一夏が無理矢理束をお姫様抱っこして話を終わらせる。部屋に備え付けられたシャワールームは一人用なので少々狭いが、今の二人にはむしろ都合がいい。
「いっくん、たくましいねー。お風呂ではいっぱい洗いっこしよ♡」
「望むところです。今日は俺も束さんを洗ってあげますよ」
そして、二人はシャワールームへ消えていく。
人の身では決して見通すことができない未来。
だがこの瞬間、確実なことが二つある。
今日からこの部屋は一夏と束の愛の巣になること。
そしてもう一つ。
10か月後、二人の愛は形になるということだけは、確かな未来だ。
◇◆◇
「……という夢を見ていただこうと思っているのですが、いかがでしょう束さま」
「これまでさんざんエロ妄想をサポートしてきていい感じに鍛えられてるね、ナイスだよくーちゃん! ハリーハリー! ……ってしまったぁ! 話を聞いただけで興奮しちゃって眠れない!?」
しかしそんなことが唐変木を人の形に掘り出したような一夏相手に起こるはずもなく、IS学園で色々溜まっている系女子たちを相手にしてエロレベルが上がったクロエの妄想でしたとさ。
束専用として作られたこのあらすじ、聞かされるだけで鼻血もので、当の束はなかなか寝付けず見せてもらうのに難儀したというが、ただの自業自得である。