※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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と言う訳でドーリットル空襲です。
オリジナルでは2話構成でしたが、1話に纏めてみました。
(故に文字数約5700字)
なお、冒頭・末端はリメイクオリジナルです。
(故に文字数が増えた)
……艦これに実装された影響微レ存……じゃないな、これ…。
(反省)


次号 ウチに捕虜を食わす余裕はない!





113 本土空襲を阻止せよ!!

4月17日 午前6時頃 日本近海

 

 

 

「クソ!! 何処で悪運がついたんだ!?」

 

ガトー級潜水艦ドラムのロバート・H・ライス艦長は思わず悪態を吐いた。

ドラムは昨年11月に就役し、今年に入り真珠湾へ回航され、今月に入りミッドウェー島へ訓練を兼ねて航海していた。

本来ならば、ミッドウェー島到着後は一度真珠湾へ戻る予定だったのだが、その到着後に予定が変更され、そのまま日本近海での戦闘哨戒に就く事になった。

そして、日本近海に近付き、換気も兼ねて浮上航行をしていたところ……間の悪い事に2隻の日本の駆逐艦に遭遇したのだ。

 

 

「敵は単装砲ですから、例の特型クラス前の旧式…」

 

 

「それが何の慰めになる!? 潜航用意急げ! それまで応戦しろ!!」

 

副長のフォローの様な発言も無視し、潜航と応戦を命じるライス艦長。

だが、艦長自身も解っている事だが、一時とは言え、無防備な場面での奇襲的な遭遇では潜水艦であるドラムには致命的であり、しかも、ドラムの『今の』備砲は3インチ(7.62㌢)で、状況的に威力不足過ぎた。

 

 

「水雷長! 撃てるか!?」

 

 

『現在装填中! ですが…』

 

 

「わかっている! だが、糞な魚雷でも、使わないよりマシだ!!」

 

そんなやり取りの最中、駆逐艦より後ろから複数の発砲光が光り、更に迫り来る駆逐艦からも砲撃され、ドラムの周りに複数の水柱が立ち昇る。

 

 

「敵駆逐艦後方の砲撃は水柱から見て5インチクラス以上…巡洋艦が居ます!」

 

 

「哨戒部隊の前に出たのか!? クソ!!」

 

 

副長の報告に『何処まで運が悪いんだよ!!』と嘆きたくなりライス艦長。

だが、そうであるが故に真横から来る水上機に誰も気付かなかった。

複葉の水上機、レナータの専用零水観が狙撃するかの様に備砲の3インチ砲に12.7ミリ弾を複数命中させる。

 

 

「ダメです、艦長! さっきの銃撃で備砲が破損しました! あと、船体にもキッチリ当てて、穴が開いています!!」

 

砲撃と銃撃の後に到着した砲手達は備砲と船体を見て、最悪な報告をする。

それは降伏勧告にも近かった。

 

 

「……副長、君のハンカチは白だったな?」

 

 

「妻からの御守り代わりが、こんな所で役に立つとは思いませんでしたよ」

 

意図を察した副長がポケットからハンカチを取り出すと、旋回するレナータ機に見える様に大きく振った。

 

 

 

暫く後 加賀艦橋 

 

 

 

「敵潜水艦を丸ごとをほぼ無傷で鹵獲とは…幸先が良いですな」

 

 

「幸先な…まあ、偶然に助けられたとは言え、皆良くやってくれた」

 

松田艦長の言葉に松島宮は苦笑いを浮かべながら労う。

今回はスクリュー音を那岐颪が捉え、弥生と望月を向かわせたところ、偶然にも敵潜水艦が浮上、夕張が援護射撃を行い、哨戒用意中だったレナータが素早く反応・発進し、『その場の手前勝手な連携』の結果だった。

 

 

「横須賀から潜水艦と乗組員の回収隊を出してくれるそうだから、到着・引き渡し後に哨戒へ戻ろうか」

 

 

「そうどすな…さっ、こんた本土空襲の為の先鋒でっしゃろか?」

 

滝崎の言葉に神中佐が疑問を口にする。

 

 

「どうでしょうか? その為に来たなら、どうも間抜け過ぎる様な…いや、まあ、何かしろの事情があったのかもしれませんが」

 

 

「兎にも角にもだ、日付的にそろそろ来る筈だ。警戒を怠る必要はない。いや、何方かと言えば、今からが本番だな」

 

エーディットの言葉に松島宮はそう閉めた。

 

 

 

 

翌18日 6時45分 日本近海 エンタープライズ艦橋

 

 

 

「……何もいない、だと?」

 

 

「はい。哨戒艇すら見えません」

 

周囲に警戒兼務で偵察機を飛ばした結果を聞いてウィリアム・フレデリック・ハルゼー・ジュニア中将は思わず訊き返し、担当士官も困惑しながら返答した。

 

 

(おかしい。既に奴らの哨戒網に入っている筈だ。出撃前のHYPO(ハイポ 戦闘情報班)によると、日本海軍は東ティモールの件以降に大規模な動きは見られない。何処かで何かする可能性があるとは言え、哨戒艦艇が見付からない…日本近海を警戒していない? 勝利に傲っているからか? いや、東ティモールの件があったのに、警戒しないなんてあるか? 余りにも不気味過ぎる)

 

余りにも不自然な状況にハルゼー中将は戸惑っていた。

今のところ、自分達の通過後に不審な打電があったとの報告もなく、更に空も海も普段通りの快晴で穏やかだ。

それが今のハルゼー中将には『自分達を誘う甘い餌ではないか』との疑念が徐々に大きくする材料にしかなっていなかった。

 

 

「…計算上ならば、ここから飛ばしても問題はありませんが?」

 

 

「…いや、日本本土を横断し、大陸まで飛んでもらう以上、日本本土に接近し、余裕を作る方がいい。リスクを承知で進むぞ」

 

 

「わかりました。警戒を厳にして進みます」

 

そう言って進言した副官は敬礼し、指示を出す。

だが、ハルゼー中将の心中では『敵がいない以上、進むべきだ』と言う自分と『ギリギリでも飛ばして離脱するべきだ』と主張する自分が猛烈な綱引きをしていた。

 

 

 

15時30分 本土より550海里海上 同艦艦橋

 

 

あれから9時間が経過し、何事も無いまま、発進準備予定地点に到達した艦隊は発進準備に入っていた。

この後は17時までに日本本土から500海里(925キロ)以内まで接近し、ドーリットル隊を発進させる予定であった。

 

 

「提督、あと少しで我々の任務も終わりますね」

 

 

「…あぁ…そうだな」

 

マレー艦長の言葉にハルゼー中将は空返事気味に答える。

この時点でもハルゼー中将は納得せず、疑問しかなかった。

9時間もあったのに哨戒艦艇も哨戒機も見つからなかった事、ここまで日本本土近海まで接近出来てる事、実は自分達が既に罠の中にいるのではないかと疑っている事…これらがハルゼーの心中でグルグルと駆け巡っていた。

そして、その答えは皮肉にも『敵』が出してくれた。

 

 

「れ、レーダーに反応! 前方至近に高速機!!」

 

 

「な、なんだと!?」

 

レーダー員の報告にハルゼーが慌て前に視線を向ける。

すると、スマートな単発複座機が急上昇を終え、自分達の周りを高速で旋回しはじめた。

 

 

「あの高速機はなんだ!? あんな機体、聞いていないぞ! いや、そもそも、なんでここまで気付かれなかった!?」

 

 

「き、機体の事はともかく、 見つからなかったのは、低空を高速で接近し、艦隊前で急上昇したからかと…」

 

ハルゼーの疑問に士官の1人がオロオロしながら答える。

そんな中、嘲笑うかの様に旋回する偵察機にハルゼーがキレた。

 

 

 

「直衛のワイルドキャットは何をしてやがる! 早くあのジャップを叩き落とせ!!」

 

その一喝が聞こえた訳ではないだろうが、直衛の2機が慌て偵察機を撃墜しに向かう。

だが、件の偵察機は逃げるどころか、まるでそれを楽しむかの様におちょくり始める。

引き剥がすかの様に速度を上げたかと思えば、旋回性や運動性を見せつけるかの様な機動をしたり…とアメリカ艦隊上空で曲芸飛行独演会をやりはじめる。

 

 

「偵察機になに遊ばれてやがるんだ!! おい! あの直衛2機を降ろして、パイロットを連れてこい!!」

 

 

「て、提督! 今はそれどころでは…」

 

 

「追加発進! 周囲に出した機体も呼び戻しています!」

 

ハルゼーの怒声に副官が止め、士官が待機していた交代の直衛機グループの発進と索敵に飛ばしていた機体の呼び戻しに掛かる。

直衛の追加で偵察機を数で落とす……筈だったのだが、これまた『飛び入り参加』が邪魔をする。

 

 

「ん? おい! なんだ、あの複葉水上機は!?」

 

その『飛び入り参加』に気付いたハルゼー中将が吼える。

追加発進した直衛2機が上昇する中、低空侵入からの急上昇でピタリと背後についた複葉水上機が挑発で銃撃する。

それに気付いたワイルドキャットを尻目に件の複葉機は背後から離脱、追加組はそれを追尾しはじめた。

無論、此方も此方でワイルドキャットを弄ぶ。

 

 

「どいつもこいつも何をしてやがる!! 偵察機やオンボロ複葉水上機に手こずりやがって!! 全員訓練隊からやり直せ!!」

 

味方の不甲斐無さ(原因:相手が悪過ぎる)にハルゼーがキレて吼えるも状況が良くなる筈もなく……逆に悪くなっていく。

 

 

「レーダーに新たな反応! 数は約20!」

 

悲鳴に近い報告が更に状況の悪化を告げる。

独演会状態の空に呼び戻された機体がポツポツと帰ってくる中で日本側の『真打ち』達が到着し、前方からそれこそ束で襲来した戦闘機隊は戻ってきたワイルドキャットらを一捻りで各個撃破していく。

 

 

「くそ! ホーネットに連絡! ドーリットル隊を出せ!! 今直ぐ出さんと、余計拙くなる!!」

 

ハルゼーの指示は当然で確実だった……だが、既に遅かった。

 

 

「前衛の巡洋艦ナッシュビルより連絡! 前方より戦艦4、空母1の艦隊接近! なお、戦艦2隻はカガ型です!」

 

 

「なに!? 第四艦隊だと!!」

 

 

 

戦艦加賀艦橋

 

 

「まったく、敵の気を惹く為とは言え、何を好き勝手に曲芸飛行やら、おちょくりやらしているんだ」

 

神鷹から出した星雲からの報告でアメリカ艦隊へと向かっていた第四艦隊。

その星雲が無線で実況しながら敵を弄り始め、それにレナータや鍾馗隊が悪乗りし、ある種の無法地帯になっている事に松島宮が呆れながら言った。

 

 

「まあまあ、神鷹隊には久々の出番だし、下手な気負いも無い証拠だと思えば…」

 

 

「それにしては好き放題し過ぎじゃないか? それにそれを言えば、滝崎大佐殿は『危ないから』と特設哨戒艦艇群を全て下げたではないですか。まあ、敵艦隊の上だから、それは良いかもしれないが」

 

滝崎のフォローにエーディットが軽くツッコミを入れる。

特に哨戒艦艇群の事を言われた滝崎はばつが悪そうに苦笑いをうかべる。

 

 

「殿下、レナータ中尉から、かたっ(敵)さん方は企てをやるっ気もす、と」

 

 

「更に前衛の軽巡洋艦接近。どうやら、我々を止める気の様ですな」

 

神中佐と松田艦長の報告に松島宮は頷いた。

 

 

「その意気込みは評価するが、無辜の臣民を危険に晒す訳にはいかんのでな。総員奮起せよ! 敵を一兵たりとも本土へ行かすな!! 主砲は敵艦隊、前衛の軽巡洋艦は副砲群で対処せよ! 鍾馗隊は敵爆撃機隊を迎撃せよ!!」

 

 

「「「はっ!」」」

 

松島宮の指示に松田艦長、滝崎、神中佐が敬礼しながら答えた。

 

 

 

 

空襲隊一番機 B25機内

 

 

「くそ! 敵に読まれていたか!!」

 

ホーネット乗組員の頑張りと艦隊のエスコートにより、なんとか発進した一番機に乗っているジェイムズ・ハロルド・ドーリットル(ドゥリトル)中佐は吐き捨てる。

 

 

「後続は!?」

 

 

『4番機は発艦! 続けて5番…じゃ、ジャップだ!! ジャップの野郎が5番機を銃撃しやがった!!』

 

後部銃座員からの報告にドーリットル中佐は全てを悟る。

実際、赤松飛曹長機が果敢にホーネットへ突撃し、発進直前の5番機を銃撃、エンジンを破壊し5番機の発進を阻止、更にまだ11機のB25が飛行甲板に残っているホーネットは実質的に無力化されてしまった。

しかも、飛び立った4機に鍾馗隊が迫り、次々に撃墜していく。

結果、ドーリットル中佐の乗る1番機も撃墜され、駆逐艦睦月に救助・収容される事になる。

 

 

エンタープライズ艦橋

 

 

「ちくしょう!! 作戦がバレていたか!!」

 

そう叫びながら略帽を床に叩きつけるハルゼー中将。

その次の瞬間、エンタープライズが揺れた。

 

 

「今度は何だ!?」

 

 

「敵戦艦からの砲撃です! 間近に着弾しました! 被害確認急げ!!」

 

ハルゼー中将の問いにマレー艦長が答えつつ、被害確認を指示する。

 

 

「た、大変です! 先程の至近弾により、舵機が損傷! 操艦機能低下します!」

 

 

「なん…だと…」

 

士官からの報告にマレー艦長が絶句する。

 

 

「チッ! とにかく、ホーネットだけでも…」

 

 

「ほ、ホーネットより報告! 先の至近弾により、機関損傷! 速度低下します!!」

 

 

「ナッシュビルより、『踏み止まっている間に撤退を』、と」

 

その報告にハルゼーの顔が真っ青になり、艦橋の中が沈黙する。

だが、ハルゼーの決断は早かった。

 

 

「スプルーアンスに伝えろ! 空母とナッシュビルを見捨て、残存艦艇を率いて撤退しろ!!」

 

 

「て、提督! それでは提督も残る事に…」

 

 

「当たり前だろうが! 作戦が失敗してる上に、このエンタープライズやホーネット、それに盾になってるナッシュビルと乗組員達を見捨てて逃げれるか!! ナッシュビルには戦闘停止と投降を指示! 機密関係を処分しろ! ほら、急がんか!!」

 

そう一喝し、参謀達の尻を叩いた後、マレー艦長に顔を向ける。

 

 

「すまんな、マレー。付き合ってもらうぞ」

 

 

「こうなってしまっては仕方ありませんな…まあ、せいぜい、日本側に捕虜の注文を突き付けて、困らせてやるとしますか」

 

 

「ふん、日本人相手だから、気にせんでいいのが救いだな」

 

そう言って床に叩き付けた略帽を被るハルゼーだった。

 

 

 

1時間後 加賀艦橋

 

 

 

「敵残存艦艇は撤退。敵艦載機も不時着水により回収中…今のところ、後処理は順調です」

 

そう言って滝崎が松島宮に報告する。

 

 

「うむ…にしても、空母2隻に小破の軽巡洋艦、更に空母のB25と本来の艦載機、か。昨日の潜水艦と合わせれば、またまた大量の捕虜を預かる事になってしまったな……いや、まあ、敵とは言え、同じ数の戦死者を見るよりは心理的にマシだがな」

 

 

「それには同意する。で、だ。この後の処理はどうするのだ? 一度横須賀に戻るのか?」

 

 

「さっ(先程)確認しもしたが、堀長官らが集まった後、引き渡してトラック諸島へ向かう予定じゃっ」

 

松島宮の言葉にエーディットが同意しつつ、この後の予定を訊くと、神中佐が答えた。

 

 

「そうか。なら、引き渡しの事項とその纏めはしっかりしておいてくれ。後処理を任すにも、負担は少ない方がよいからな」

 

こうして、ドーリットル空襲作戦は阻止された。

 

 

 

………なお、別件とはなるが鹵獲された潜水艦ドラムの艦長以下乗組員達は捕虜返還による帰国後、以前のシール号事件の様に『利敵行為』として軍法会議に掛けられいる。

罪状は『情報流出』であり、理由は『新鋭新型のガトー級潜水艦を鹵獲された事』と『多数のMk14魚雷を鹵獲された事』である。

無論、ライス艦長らは『潜水艦の鹵獲は自らの運用不注意と認めるが、魚雷の件に関しては逆告訴する!!』と反論した為、後に『ドラム号事件』として名が残る事になる。

ちなみに、ドラム号から回収された魚雷を日本軍が試しに複数回大盤振る舞いに試射したところ、『何本も同じ魚雷を複数回、整備・発射するなんて経験をするとは思わなかった』『潜水艦内での通常整備で正常に動作するレベルにするのが無理』『(シール号の件で解ってたけど)魚雷自体が全体的ポンコツ』『こんな魚雷納品したら、間違いなく、水雷科全員が殺しに来る』と散々で同情(?)的なコメントが出ていた。

 

 

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