※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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…とタイトルしつつ、実態は総長・長官・ハルゼーの男子トーク会。
最後はこの世界の『MO作戦』の裏話的な駄弁り。


次号 ☆珊☆瑚☆海☆(複数話編成)


114 捕虜の後処理

4月22日 横須賀鎮守府内 とある一室

 

 

この日、帝都から山本総長もやって来て、堀長官と共に待ち時間を利用して話していた。

 

 

「な? 滝崎君に任せてよかっただろう?」

 

 

「あぁ、そうだな。此方の被害はゼロの一方的な結果になった」

 

 

 

「これでミッドウェーへの心理的負担が減ったのは確実だ。後は敵戦力削減に集中できる」

 

 

「それは前々から決まっていた方針だからな。で、鹵獲艦の方は?」

 

 

「あぁ、艦政が文句言ってる以外は問題はない。特に新型ガトー級潜水艦の鹵獲は護衛総隊を含めて興味があるそうだ。まあ、その件を含めて『労働過多で殺す気か!?』と言っているんだがな」

 

 

「やれやれ…で、ミッドウェーに出す気なのか?」

 

 

「とりあえず、エンタープライズは舵機の修理だから早く終わる。修理出来次第、臨時でも航空隊を編成し、作戦に組み込む。余裕があるとは言え、出せる物は出すつもりだ」

 

 

「ふむ……わかった。戻ったら、その方向で調整・立案する」

 

 

そう堀長官が言った直後、ノックの後に士官が入って来た。

 

 

「堀長官、山本総長。ハルゼー中将をお連れしました」

 

 

「うむ、丁重にな」

 

 

「はい」

 

そして、士官と陸戦隊員数名と共にハルゼー中将が入って来た。

士官と陸戦隊員は敬礼後、退出する。

 

 

「日本海軍のトップ2人が何の用だ? 尋問なら、俺は不利な事を話すつもりはないぞ」

 

 

「いやいや、尋問なんてする気はないさ…まあ、こんな雰囲気では説得力もないな。空気を変えようか」

 

そう言って山本総長は手近にあったラジオに手を伸ばす。

すると、ラジオから陽気にジャズが流れてきた。

(なお、史実でジャズ等が禁止されたのは昭和18年になってから)

 

 

「……おい、どう言う事だ?」

 

 

「ん? ジャズを日本で流してはならない、なんて法律はない筈だが?」

 

 

「戦争中の敵対国の音楽をよく流せるな?」

 

 

「別に我々はアメリカを滅ぼす気も、永遠な敵にする気もないからね。それに、戦争中とは言え、娯楽は必要だろう? ちなみに、いまの時間は日本放送協会の『外国の音楽を聴こう』だ」

 

 

「………」

 

山本総長の問いにハルゼー中将が呆気にとられる。

 

 

「さて、本題に入ろうか。ハルゼー中将、一発逆転を狙った博打作戦を実行しようとしたのは称賛するが、残念だったね」

 

 

「ふん…問題はそこだ…俺達を誘い込むかの様に哨戒網は意図的に下げられ、更に艦隊が待ち伏せされていた。まるで作戦を知っていたかの様にだ。いったいどう言う事だ?」

 

 

「そんな此方の諜報能力を曝す様な事は喋れないよ。だがね、敢えて言える事があるとすれば、貴国政府は潜在的な『敵』を作り過ぎたんだよ。国外だけでなく、国内にもね」

 

山本総長の言葉にハルゼー中将は疑問を問う。

その問いに堀長官は本筋を避けながら答える。

 

「…くそ、まさか、作戦を承認した政府のせいで足を引っ張られたなんてな…で、俺はどうなる? まあ、どうせ、戦争が終わるまで捕虜生活だろう?」

 

 

「残念ながら、そうはならんよ。と言うか、君らには帰ってもらう」

 

 

「…………はあ? ちょ、ちょっと待て!? 帰ってもらう、だと? アメリカに帰ってもらうだと!?」

 

 

「仕方無い話だ。経済封鎖が原因で戦争になった日本に、3万以上の捕虜を長期間食べさせる余裕は無いのでね。捕虜は一時的に収容するが、治療・療養等を除いて、順次帰国してもらう」

 

 

「先日、漸くゴネていた貴国との捕虜帰国協議が完了してね。シンガポール、或いはイギリス本土経由でアメリカへ帰国していただくよ」

 

 

「………帰国させてみろ、俺は再び日本に噛み付くぞ」

 

山本総長と堀長官の話に呆気にとられながら、何とか反論するハルゼー中将。

 

 

「さて、そう上手い事いくのかね? アメリカの人事制度を我々が知らない訳ないだろう?」

 

 

「まあ、そう簡単に前線復帰は難しいだろうね」

 

 

「けっ、そう言われちまうと、反論出来んな」

 

不機嫌そうにハルゼー中将は言って不貞腐れた。

 

 

 

ハルゼーとの会見が終わった後、山本総長と堀長官はこの後の事に話題を変えた。

 

 

「『オーストラリアの『アメリカ軍拠点化』を防ぐ為、動かせる現有戦力をもって先制し、ポートモレスビーを奪取、オーストラリアへ圧力を加え、後の対応への足掛かりとする』、今回の『米豪遮断作戦 即応対応段階』の『目的』か…ある意味、無理矢理な性急感があるな」

 

 

「『形が違うとは言え、『MO作戦・珊瑚海海戦』の流れが出来た以上、『史実に近い動き』にした方が対応しやすい』と言うのが滝崎君の意見だ。まあ、『ポートモレスビーの奪取』を謳ってはいるが、実際は『米海軍戦力、特に空母戦力の削減』が目的なんだがな」

 

 

「『ポートモレスビーを占領しても、補給線の維持が出来ません。ですが、『誘い』には使えます』と滝崎君の言(げん)だからな。しかし、『米空母が既にオーストラリアにいる』と言う推察は史実を知っているとはいえ流石だな」

 

 

「『飛んで来た『オーストラリア軍機』が単発機だった事』、『オーストラリア正規軍以外の駆逐艦がいた事』、『そこから、『アメリカの謀略』だった場合、空母機動部隊が事前に派遣され、事にあたった可能性がある』か…あれは中々説得力があったな」

 

山本総長と堀長官は互いに頷きながら、話を続ける。

 

 

「……やはり、滝崎君と第四艦隊を付けたのは正解だったな」

 

 

「最低限、滝崎君は『史実を知っている』からと驕る人間ではないよ。逆に『土壇場でひっくり返る』可能性とその恐ろしさを認識してるから、慎重・堅実・確実に事を進めるからな……まあ、後は彼らに任せるしかないよ」

 

 

 

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