※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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と言う訳で予告通りの珊瑚海海戦です。
何気に第四艦隊初の対空戦闘。
(ウェーク? 鍾馗が空で片付けたからノーカン)



次号 空母対空母


115 珊瑚海海戦 前編

5月7日 珊瑚海 10時頃(現地時間) 加賀艦橋

 

 

トラック諸島にて参加部隊と合流した第四艦隊は4月28日に擬装輸送船団と護衛を加えた史実の『MO攻略部隊』として出港、第五戦隊・第五航空戦隊を中心とした『MO機動部隊』は史実であればMO攻略部隊であった第六戦隊(重巡青葉・衣笠・古鷹・加古)を加え、5月1日に出港。

そして、両部隊はほぼ史実通りなコースでポートモレスビーに向かうかの様に南下していた。

 

 

「……なあ、滝崎大佐?」

 

 

「ん? どうした、エーディット中尉?」

 

普段通りと言えば普段通りに動いている艦橋の中で、レポート用にメモを取っていたエーディットが滝崎に声を掛け、滝崎はそれに応じる。

 

 

「いや、いまレポートの書き様を考えていたのだが…副題に『嘘まみれな作戦』と付けてよいものか、と」

 

 

「……まあ、副題ならいいんじゃない…かな?」

 

『レポート題名を相談する学生かな?』と思いつつ、『これまたどんな内容を書くつもりなんだ?』とも気になる滝崎。

 

 

「仕方無いだろう…レナータなら普通に書きそうだが…こんな、『作戦目的も内容も陣容も内情も嘘まみれ』な作戦を生真面目にレポートに書いていたら、私でも混乱して、上手く纏めれるかも怪しくなるんだぞ」

 

 

「…あぁ、うん…なんか、ごめん」

 

エーディットの吐露に滝崎が思わず謝る。

前号後半で記した通り、この『MO作戦』は『ポートモレスビー攻略作戦』ではなく、『ポートモレスビー攻略を『囮』にした米海軍戦力削減作戦』(目的・内容)であり、『急遽決まった為、寄せ集めで連携しづらいが、アメリカ軍は未だいないだろうと思っている』(内情 半分本当)と言う事も、『作戦参加艦艇』(陣容 半分本当)も『敵に此方が使用してる暗号が解読されてる』事を前提に『嘘つき芝居』をやっているのが実情だった。

 

 

「レポートの話はそこまでにして、もうアメリカ側の索敵範囲内に入っているのは確実なんだ。その『嘘まみれ』を敵が信じているなら、そろそろ哨戒か何かが現れてもおかしくないぞ」

 

2人のやり取りに苦笑しながら松島宮が言った。

本来なら上げている偵察機も、哨戒の水観も上げていない。

敵に『暗号』や『内情』を信じ込ませる為、ホントに『芝居』をしているのだ。

 

 

「電探室より報告! オーストラリア本土方向より大型機の反応複数! 4発機2機の編隊と思われます!」

 

艦内電話が鳴り響き、取った士官が報告する。

時計は10時12分を指していた。

 

 

 

同時刻 ヨークタウン艦橋

 

 

「オーストラリアから発進したB17が輸送船団を含む敵艦隊を発見しました」

 

 

「敵の陣容は?」

 

報告を受けたフランク・J(ジャック)・フレッチャー少将が確認の為に訊き返す。

 

 

「中型、或いは大型が7、空母1、小型複数、輸送船或いはタンカーが複数との事です」

 

 

「ハイポからの情報では、偵察結果に近いのはポートモレスビー攻略部隊ですが…陣容が違うのでは?」

 

 

「いや、中型或いは大型7を重巡4、軽巡3と戡定するなら、間違っていない。まあ、陸軍爆撃機の偵察だから、艦艇の差異は仕方無いだろう。それにハルゼー中将の件は残念だが、故に出来た日本側の油断だ。何時までもやられてばかりではない事を思い知らせる機会だ」

 

副官の疑問にフレッチャー少将はそう結論付けると、決断した。

 

 

「誤報で出撃した攻撃隊をそちらに回せ。奴らは油断して、我々の存在にすら気付いていない。この機会を逃すな」

 

……本来なら、フレッチャー少将はハイポが解読して出した、『重巡4、軽巡3、空母1、タンカー1、輸送船10、駆逐艦11』と言う情報とB17の偵察結果を確認すべきだった。

だが、フレッチャー少将はハイポの解読通りに日本側が動いている事で『ハイポの解読情報は確実で間違っていない』と信じていた。

まあ、そのハイポすら騙そうとした結果である為、フレッチャー少将を責めるのは酷な話であるのだが。

 

 

 

加賀艦橋

 

 

「……10時30分か」

 

時計を確認した滝崎はポツリと呟いた。

『史実通り』なら、今頃誤報で出撃したヨークタウン・レキシントンの攻撃隊があと30分程で到着する。

アメリカ側に『油断している』と思わせる為、史実でやっていた参加部隊の偵察・索敵すらも一切していない。

そして、間違いなく、『史実通り』に敵は此方に向かって来ている…ウェーク島の時とは違う形で『史実に沿った』形の『囮』である。

故に滝崎はそろそろ迎撃隊を発進させるかどうかで迷っていた。

『何処まで芝居を続けるか』と言う、史実を知るが故の決め所に悩んでいた。

そんな時に横から水の入ったコップが突き出される。

 

 

「お前らしくもないな。飲んでスパッと決めてしまえ」

 

 

「あはは…ありがとう」

 

エーディットからコップを受け取ると滝崎は一気に飲み干し、一息吐くと松島宮の方を向く。

 

 

「殿下、そろそろ迎撃機の方を」

 

 

「うむ…そうだな、騙し通すと危ない頃合いか。神中佐、神鷹、祥鳳に迎撃機発艦を指示、あと、そろそろレナータも我慢出来んだろうから、二式艦偵と各水観も発進させよ」

 

 

「はっ!」

 

 

「全艦対空戦闘用意! 輪形陣を形成し、輸送船団と祥鳳、神鷹を護れ。『囮』と知らずに来た連中に痛い目に遭わせてやるぞ」

 

 

 

10時55分 MO攻略部隊より20キロ上空

 

 

 

神鷹・祥鳳を発艦した鍾馗・零戦の合同迎撃隊40機(両機種20機づつ)は前方哨戒の二式艦偵の通報により、接近しつつある攻撃隊に向かう。

 

 

「アカマツ1、敵編隊発見」

 

自編隊から斜め下を見て、敵攻撃隊を発見した赤松飛曹長は報告しつつ、編隊の前に出る。

 

 

『確認した。先陣はアカマツ小隊。アカマツ小隊の一撃後、対応しようとする敵を追撃する。なお、我々の第一標的は戦闘機じゃない、艦爆と艦攻だ。特に艦爆は出来る限り神鷹隊で対処する。祥鳳隊、その認識は良いな?』

 

 

『こちら、祥鳳隊編隊長。襲撃の件を含め、了解しております」

 

鍾馗隊の編隊長が方針と認識を告げ、祥鳳隊の編隊長が了解を告げる。

 

 

『よし。赤松飛曹長、一番槍は任せた』

 

 

「了解! アカマツ小隊、掛かれ!!」

 

ニヤリと笑いながら編隊長に返事をすると、自機を含めた4機の鍾馗で敵編隊に向けて降下する。

 

 

「2番は俺に続いて編隊前部、3・4番は編隊後部に仕掛け、編隊をバラせ! ペアは崩さず、下手に追撃するな!」

 

 

『『『了解!』』』

 

小隊機からの返答を聞いた赤松飛曹長は編隊中央部の先頭機より2機ほど後ろに狙いを付け、標準器から狙うF4Fがはみ出るまで接近、編隊先頭に機体を動かしながら、トリガーを押し、そのまま敵編隊の真下に出る。

 

 

『流石、小隊長! 2機落ちて、1機煙を吐きました! 2機確実!』

 

後ろから続いていた2番機の報告にチラリと後ろを見る。

2機のF4Fが黒煙を吹き堕ちていき、1機が白煙を曳きながら離脱する。

 

 

『こちら、アカマツ4! 襲撃成功! 数機落としました! 後続のウチと祥鳳隊続きます!』

 

 

「よし、白煙を吐いた奴は気にするな! 無事な奴と向かって来た奴を狙え! アカマツ小隊、反転後に各個戦闘に入れ。但し、ペアは崩すな!」

 

4番機からの報告に再度注意を促すと、赤松飛曹長は編隊を率いて反転し、再び敵編隊に突入した。

 

 

 

 

「真面目なのはいいけど、しつこい男は嫌われるわよ」

 

そう言って、4機目のF4Fを撃墜するレナータ。

鍾馗・零戦隊と艦隊の中間で敵編隊を待ち構えていた水観隊は最後まで護衛していたF4Fをレナータが単独で相手取り、残りの水観はドーントレスやデバステーターの迎撃していた。

 

 

「さて、私ももう少しスコアを稼がないとね」

 

そう呟くと、レナータは敵攻撃隊の方に機首を翻した。

 

 

 

加賀艦橋

 

 

「敵編隊接近!」

 

漸く視認距離に迫った米海軍攻撃であったが、F4F18、ドーントレス52、デバステーター22の計92機の攻撃隊の現状は散々たるものだった。

 

 

「ふむ…どうやら、残存機の大半がドーントレス艦爆か。さすが、急降下爆撃機だけに硬いな」

 

 

「降下するデバステーター艦攻が10機もいませんね。まあ、護衛F4Fがいない状態では仕方無いですが」

 

飛来する攻撃隊を見た松島宮と滝崎は正直な感想を言う。

 

 

「だが、向こうは大型正規空母2隻なのだろう? 第二次攻撃隊が来るのではないか?」

 

 

「いや、100機近いとなると、この攻撃隊は全力出撃だ。確かにアメリカ正規空母は100機載せれるが、予備や艦隊直衛機を除けば、第二次攻撃隊を作るにはこの第一次攻撃隊を収容しないと無理だろう…まあ、その第一次攻撃隊が悲惨な状況なんだが」

 

エーディットの問いに滝崎が答える。

 

 

「お喋りは終わりだ。ドーントレスが来るぞ。追撃機は退避、艦隊は対空戦闘開始!」

 

松島宮の指示で神鷹・祥鳳・水観隊が退避し、これを好機と攻撃態勢に入る攻撃隊。

だが、攻撃開始前にデバステーターは退避前の追撃で数を減らしており、更に魚雷の射程ギリギリで投下するスタイルな為、デバステーター隊の攻撃は半場無視される。

よって、対空砲火は自然とドーントレスに集中する。

ドーントレス隊にとってまずかったのは第四艦隊が対空戦闘にも注力していた事、第六水雷戦隊の駆逐艦8隻の主砲が高角砲に装換されていた事、九頭竜・嘉瀬がいた事、更に分類上陽炎型の広戸風・那岐颪の主砲が史実の夕雲型搭載の『D型砲』の装填装置等を改良した『D型改』であった事だった。

しかも、神鷹・祥鳳を狙った事により、濃密な対空弾幕へと突入する事になったドーントレス隊は結果的に数機が投弾するも、回避されてしまい、攻撃は空振りに終わる事になった。

 

 

 

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