※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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と言う訳で、珊瑚海海戦の閉めです。
所々僅かに史実通りです……アメリカの面子潰しまくってますが。
(オーストラリア? 元凶なんで)


次号 報告(今号後半解説含む)とハプニング


116 珊瑚海海戦 後編

空母ヨークタウン艦橋

 

 

「……これだけ…たったこれだけなのか?」

 

帰還してきた攻撃隊を見てフレッチャー少将は愕然としながら、絞り出す様に呟いた。

ヨークタウン・レキシントンの2隻が収容したのはF4Fワイルドキャット6、ドーントレス20、デバステーター4の計30機。

92機の攻撃隊は三分の二を失った事になる…しかも、帰還した機体も大なり小なり被弾・損傷しており、此処から修理不可能判定からの廃機が出る為、更に数が減る事になる。

 

 

「……攻撃隊が確認した敵ポートモレスビー攻略部隊の艦隊編成は?」

 

 

「戦艦4、軽空母2、軽巡洋艦3、駆逐艦11、輸送船10です。なお、戦艦2隻はカガ・タイプである事から、攻略部隊の主軸は第四艦隊の可能性が高いかと思われます」

 

「なん…だと!? 第四艦隊!? バカな! ハルゼー中将達を邪魔したのは第四艦隊だぞ!! 第四艦隊はそのまま日本本土防衛に就いたのではなかったのか!? 何故、ここに第四艦隊がいるんだ!?」

 

フレッチャー少将の問いに士官の1人が顔を真っ青にしながら答える。

更に加賀型がいた事を報告すると、思わずフレッチャー少将は疑問とも嘆きとも、はたまた質問とも取れる事を叫ぶ。

確かに『日数的』には参加出来ない訳ではない……だが、なぜ、こうも『第四艦隊』が嫌らしく現れて邪魔をしてくるのか、そう誰もが問い、答えてほしかったのは事実だ。

 

 

「……兎にも角にもだ、一度後退する。偵察も出すな、付近の哨戒に留めろ」

 

 

「は、はい」

 

こうして、米機動艦隊は一度後退した。

 

 

 

 

暫くして 第四艦隊 旗艦加賀艦橋

 

 

 

「……こんね(来ませんな)」

 

 

「来ませんね」

 

攻撃隊を撃退後、再度の来襲を警戒していた第四艦隊。

しかし、来ない事に神中佐と滝崎がぼやいた。

 

 

「少なくとも、半数は撃墜しているならな。帰還機から被弾損傷機を差し引けば、第二次攻撃隊も無理、と考えるべきか?」

 

レポートの為の整理も兼ねてか、エーディットが質問混じりに訊いてくる。

 

 

「索敵に出した星雲の報告を待つ必要はあるが…まあ、この様子では確定だな」

 

それに答える様に松島宮が言った。

 

……この後、その星雲が後退する米機動艦隊を発見した為、第四艦隊は再度の攻撃は無いと判断し、明日に備える事にした。

 

 

 

翌8日 午前8時40分頃(現地時間) ヨークタウン艦橋

 

 

被弾機の修理・整備と分解していた予備機の組み立てでどうにか攻撃隊を編成出来る数を回復させた米機動艦隊は周辺索敵を実施。

自らに向かい南下する日本海軍機動部隊を発見するも、第四艦隊(誰もポートモレスビー攻略部隊と呼ぶ気にならなかった)が見つからなかった。

とりあえず、現実的な目の前の脅威に対応する為、フレッチャー少将は敵機動部隊への攻撃を決定、攻撃隊の準備を行っていた。

 

 

 

「レーダーに反応あり! 敵の索敵機です!」

 

 

「見つかったか…迎撃せよ」

 

その指示に艦隊直衛のワイルドキャット2機が向かうも、星雲は直衛機を振り切り、米機動艦隊を確認し、離脱する。

 

 

「あれがハルゼー中将らが見た例の高速偵察機か?」

 

 

「だと思われます。あのゼロより高速とも言われています」

 

 

「そうか…だが、先手はこちらだ」

 

この直後、攻撃隊が発艦し、敵機動部隊へと向かっていた。

だが、その攻撃隊から、ちょうど中間地点の場所で悲鳴とも言える報告が入って来た。

 

 

「敵に迎撃された!?」

 

 

「20機程の編隊に太陽を背に上空から奇襲されました! ワイルドキャットもそうですが、ドーントレスが執拗に狙われ、かなりの被害を受けています!」

 

この時、一度離脱した神鷹の星雲から米攻撃隊発艦の報せを受けた第四艦隊は祥鳳に艦隊直衛を任せ、神鷹の鍾馗隊で攻撃隊を邀撃する事にした。

もう1機の星雲を案内に付け、各小隊毎に分散・哨戒しながら中間地点で待ち構えていたところに攻撃隊は何も知らずに飛来した為、奇襲を受ける形となった。

これにより更に数を減らした米攻撃隊は翔鶴・瑞鶴の直衛機とエスコート艦からの対空砲火による迎撃が待ち構えていた。

一方、米機動艦隊は翔鶴・瑞鶴からの攻撃隊が来襲した。

 

 

「直衛機の迎撃は?」

 

 

「無理です、攻撃隊の護衛に回した影響で数が足りません!」

 

昨日の攻撃で少なくなったF4Fワイルドキャットを出来る限り攻撃隊の護衛に就けた事により、艦隊直衛機の数が少なく、たちまち零戦との空戦により無力化されていき、攻撃隊の突破を許してしまう。

何とか周囲のエスコート艦が迎撃しようとするも、史実と違い、真珠湾攻撃を受けていないのもあってか、対空火器の数が少なめであり、これまた攻撃を許してしまう。

 

 

「回避しろ! 急げ!!」

 

 

「ダメです! 間に合いません!!」

 

次の瞬間、99艦爆の爆撃にヨークタウンが揺れた。

 

 

 

その頃 空母レキシントン上空

 

 

 

「…どうだ!?」

 

 

「…レキシントン型空母被弾! 味方の攻撃集中しています!」

 

爆撃後に離脱した高橋赫一少佐は後席の野津特務少尉に成果を訊き、一拍空いて答えた。

 

 

「…そうか…野津、大丈夫か?」

 

 

「いえ…まさか、少佐も…?」

 

 

「うむ…不味いな…」

 

この時点で高橋少佐の99艦爆は被弾・損傷しており、高橋少佐・野津特務少尉両名も負傷していた。

 

 

「…引き返してレキシントン型を道連れにしますか?」

 

 

「……いや、ダメだ。そんな事をしたら、『不忠者』とどやされる」

 

『親分』の渾名を持つ高橋少佐が普段とうって変わってそんな事を気にするのは出撃前に出たある『訓戒』。

出した人間が出した人間だけに『親分』と言えども『逆らうのが怖くなる』し、そもそも『出した人間が同じ現場にいる』ともなれば、彼としてもそうそうに無視も出来なかった。

 

 

「…そう言えば、誘導電波は出ているか?」

 

 

「はい、出ています。あの訓戒通りに」

 

 

「下手な事を言うな…そんな事を言うから、三途の川の渡し船ならぬ、案内機が来ちまったじゃないか」

 

いつの間にやら隣に並んだ零式水観を見て高橋少佐がボヤいた。

 

 

 

 

暫くして ヨークタウン艦橋

 

 

 

「……レキシントンの機体を含めてこれだけか…」

 

帰還した攻撃隊を収容しながらフレッチャー少将は呟いた。

大破・炎上中のレキシントンの機体を受け入れても、戻って来た機体は余りにも少なかった。

 

 

「ショウカク・タイプにドーントレス2機投弾しましたが、爆発は一発だけでした。此方も敵機に相当数の被害を与えましたが……昨日の第四艦隊攻撃での被害が…」

 

 

「……これ以上は無理だな」

 

副官からの報告に無理を悟ったフレッチャー少将にとんでもない報告が入る。

 

 

「た、大変です! 前哨の駆逐艦が我が方に接近する艦隊を視認! カガ・タイプ2隻もいるとの事!!」

 

 

「なっ!? 第四艦隊だと!! 奴ら、我々が機動艦隊と戦って消耗するのを待ってたのか!!」

 

士官からの報告に副官が愕然としながら叫ぶ。

 

 

「レキシントンは放棄する! レキシントンの乗組員収容は!?」

 

 

「既に完了しております!」

 

 

「よし、では、全艦急速離脱! 我々が出来るのはここまでだ」

 

こうして、フレッチャー少将ら米機動部隊は撤退した。

 

 

 

暫くして 加賀艦橋

 

 

「敵機動部隊退がります」

 

 

「此方の意図を読み間違えたか…まあ、どう向いても、あちらに敵う要素は無いからよいのだが」

 

神中佐の報告に松島宮が同情的に呟く。

 

 

「五航戦の原少将からです。翔鶴が2発被弾ながら一発不発で実質一発命中。引き戸開放部と散水消火装置により、被害は軽く、飛行甲板も応急修理完了。瑞鶴はスコール隠れていた為に無事ですが…機体の損耗もあり、『予定通り』な為、これ以上の攻撃は行わない、との事です」

 

滝崎がそう言って五航戦の内情を報告する。

 

 

「うむ、そうか…それで、今の我々の目的である『五航戦の航空搭乗員の救助』の方はどうだ?」

 

 

「大方完了しています。誘導電波やレナータら水観・水偵の誘導等々もあり、被弾機の大半が付近で不時着水していますから、搭乗員の…犠牲は少ないと思いますが…」

 

米機動部隊近辺まで近付いた第四艦隊の目的は『追撃』ではなく、『搭乗員の救助』だった。

これは史実の珊瑚海海戦で五航戦が高橋少佐を含めたベテラン・中堅搭乗員達を数多く失った事を知っている滝崎なりの対処だった。

無論…未帰還機を全機救えた訳ではないし、不時着水したからと言って、全員を救えた訳ではないので、滝崎は『犠牲』のところで一拍空いたのだが。

 

 

「殿下の『訓戒』がわっぜ効がんした(よく効いた)様じゃっ」

 

 

「あれを『訓戒』と言っていいの…か?」

 

ちなみに件の『訓戒』とは簡単に言うと『被弾しても簡単に諦めるな。諸君らパイロット達は換えのきかない存在である。よって、最後まで死に抗い、生の為に知恵を絞れ。今回に関しては敵艦隊の寸前まで諸君らを収容する為に近付く。決して、短絡的な事をしない様に』と五航戦に誘導電波の発信とおおよその収容場所を通知していた。

 

 

「松島宮殿下、医務室からだ。レナータが見付けて収容した高橋少佐とペアの搭乗員だが、早期治療で山場は越したそうだ。ただ、他の重傷者の事を考えて早めに病院か病院船への移動が必要、との軍医の判断意見も言われたが?」

 

医務室から戻って来たエーディットがそう報告してきた。

 

 

「そうか…ならば、やはり、今回はここまでだな」

 

 

「…まあ、これもよてー(予定)通りですがや」

 

松島宮の言葉に神中佐が苦笑いを浮かべながらボヤく。

この後、第四艦隊は4時間掛けて不時着海域での捜索・救助を実質し、五航戦の搭乗員や少数ながら、米軍搭乗員も収容した。(米軍パイロットについては攻撃隊や艦隊直衛機がたまたま近付くで不時着水し、流されて第四艦隊が見付けて収容した)

大破・炎上により放棄されたレキシントンは沈没したのを第四艦隊が見届け、その後に第四艦隊は撤収した。

 

 

 

こうして、2日間によって行われた『珊瑚海海戦』は『史上初の空母機動艦隊同士の海戦』と言う事もあり、その勝敗にも注目が集まった。

単純な結果をみれば『ポートモレスビー攻略を実行出来なかったものの、米海軍戦力に大打撃を与えた』戦術的勝利な日本海軍、『大損害を被ったものの、ポートモレスビー攻略を阻止し、オーストラリアの安全化を成した』戦略的勝利のアメリカ海軍の『引き分け、或いはアメリカの僅差判定勝ち』と言う見方が強かった。

だが……『ポートモレスビー攻略が米海軍戦力釣り出しの為の『囮』』であった事、更にはこの『勝利』をアメリカが声高く宣言し『オーストラリアの安全化』を宣伝した事がますますアメリカの立場を揺らす事になる。

なぜなら、この4日後の5月12日に北西部ダーウィン、北東部タウンズビル、東部シドニーの3箇所が攻撃を受けたからだった。

ダーウィンとタウンズビルは飛行場への空爆、シドニーはシドニーへ入港しようとしたアメリカ軍輸送船団が襲撃され、更にはシドニー港への侵入を防ぐ対潜防潜網の陸地の接続点2箇所を爆破された。

全般的な被害は小さかったものの、これはアメリカの宣言した『オーストラリアの安全化』が崩れ去り、アメリカの面子を潰す事態となった。

 

 

 

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