※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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と言う訳で早速の出番です『野中一家』。
今回もちゃっかり騙そうと奮闘(?)する日本海軍。


次号 ミッドウェー!!!(複数話予定)


120 陽動

6月3日 早朝 ダッチハーバー付近上空

 

 

 

「もう少しでダッチハーバーです」

 

 

「先導の二式大艇より発光信号。『合流空域デ待機ス。作戦成功ヲ祈ル』以上です」

 

日付が変わり、まだ夜が明けるまで時間があるダッチハーバー付近の上空を先導の二式大艇とそれに続く二式大型陸上攻撃機『連山』18機の編隊が飛んでいた。

そして、連山編隊の先頭、先導の二式大艇の後ろを追い掛ける形で飛行する隊長機の搭乗員が『神雷部隊』隊長の野中五郎少佐に報告を入れる。

 

 

「よし…ヤンキーの奴らは今頃寝床でぐっすりだ。一丁驚かしてやろうじゃないか」

 

野中少佐の言葉に周りの搭乗員はニヤリと笑う。

 

 

「全機仕置き道具の準備はいいな? ヤンキーのあんちゃん共を叩き起こすぞ!」

 

 

『『『『『『おう!!』』』』』』

 

無線から聞こえる各機の返事に野中少佐は満足ながら安堵する。

なにせ、千歳からダッチハーバーまで片道約3000キロ、往復約6000キロを18機による渡洋無着陸爆撃飛行など、陸海軍初の作戦である。

無論、連山のスペック的に決して不可能ではないが、気象や環境、予想されるトラブル等を考えれば決して簡単ではなく、更に誘導の二式大艇以外に随伴護衛も付けれない(距離的に不可能)状況では、敵戦闘機の迎撃に遭えば大損壊は間違いない。

そんなリスクの高い冒険的な作戦にも関わらず、神雷部隊こと『野中一家』の面々は恐れも気後れも見せず、逆に陽気にやる気満々な返事を返した事は野中少佐としても気が楽になった。

 

 

(派手でどデカい檜舞台でなく、夜盗みたいなコソコソした作戦が初陣なのが残念だが…故に殿下に俺達の技量を見せれるって訳だ)

 

既に皆には松島宮を案内した件(111話参照)の事を伝えており、今回士気が高いのもそれが一因である。

 

 

「爆撃コースに入ります!」

 

 

「通信手、あの『文言』を入れて報告を打電せよ」

 

 

「了解です!」

 

爆撃手の報告に作戦成功を確信した野中少佐は通信手に指示を出す。

その間にも神雷隊は誰の邪魔も無く、爆撃コースを維持し、爆撃を開始する。

爆撃後、ダッチハーバーの喧騒を他所に連山18機は悠々と離脱、二式大艇と合流し、千歳へと帰途に就いた。

 

 

 

暫く後 ハワイ 長官私室

 

 

「ダッチハーバーが空襲を受けた、と?」

 

 

「はい! ダッチハーバーの被害は甚大です!」

 

就寝していたニミッツ大将へ当直士官が報告の為に飛び込んで来た。

 

 

「爆撃して来た部隊は?」

 

 

「ロシュフォート少佐による電文解読によりますと、アリューシャン方面担当の第二機動艦隊との事です。攻撃開始、並びに攻撃成功の報告電文に第二機動艦隊旗艦の軽空母『龍驤』隊長機、との文言がありましたので、第二機動艦隊による夜間空襲と判断したそうです」

 

 

「……そうか、わかった。ダッチハーバーの被害の詳細、並びに他に日本側の動きがあれば改めて報せてくれ」

 

 

「はい、失礼します」

 

当直士官が退出した後、ニミッツ大将は報告の内容を考えていた。

 

 

(この時間に第二機動艦隊からの空襲? あり得ない訳ではないが、何故この時間なんだ? そして、本当に第二機動艦隊からの空襲なのか?)

 

何処か拭えない疑問であるが、これまた明確に否定出来る材料が無い事に疑心暗鬼になるニミッツ大将だった。

 

 

 

同時刻 加賀艦橋

 

 

 

「『第二機動艦隊の龍驤攻撃隊隊長機』よりダッチハーバー攻撃開始と成功の報告電がきちょります」

 

そう言って神中佐は滝崎に電文を渡す。

 

 

「神雷隊の方は上手くいった様ですね」

 

 

「野中少佐の自信あり様な言い草から予想は出来ていたが、初の護衛無し長距離渡洋爆撃を成し遂げた神雷隊には感状を出す様に言っておくか」

 

電文を一読した滝崎の言葉に松島宮は何処か嬉しそうに言う。

 

 

「いや、当然と言えば当然だが、往復6000キロを飛べる新型機を開発・配備していたんだな。で、それを陽動任務に使う、と」

 

レポートの為にメモをとりながらエーディットが言った。

 

 

「ちなみに訊くけど、航続距離なんて出していいの? ドイツ経由でアメリカに情報流れるわよ?」

 

(頑張って起きてる)レナータが訊いてくる。

 

 

「まあ、どうせ、日本領内から飛んで来たし、『本当』の航続距離は出てないから大丈夫。ただ、アメリカがそれを落ち着いて聞ける状況に『その時』なってるかはわからないけどね」

 

 

「それもそっか。じゃあ、私眠いから、一抜けするね〜」

 

苦笑いをうかべながら答える滝崎に納得したレナータはそう言って艦橋から出ていった。

 

 

「まったく…彼奴はホントに…」

 

 

「まあまあ…さっきから眠たそうにしてたしさ…殿下もそろそろ」

 

呆れ気味のエーディットに滝崎がフォローを入れると同時に松島宮を促す。

 

 

「神雷隊の成功を聞いて撤収、と言うのも気が引けるのだがな…すまない、神中佐。休ませてもらうぞ」

 

 

「いーや(いいえ)、寧ろ殿下には安ん(休ん)でたもんせ(くれません)と皆の士気に影響たっで(しますので)」

 

 

「なるほど、では、休むとしよう。滝崎、エーディット、2人も無理するなよ?」

 

そう言って松島宮は艦橋から離れる。

 

 

「さて、私も軽くレポートを纏めておくか」

 

 

「なら、私も降りるかな。すみません神中佐。私も休みます」

 

 

「はえ(はい)、あっかっ(預かり)もす」

 

 

 

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