※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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と言う事でミッドウェー海戦です。
定例IF要素あり(リメイク版オリジナル)


次号 敵機来襲!!


121 激闘! ミッドウェー海戦! 1

6月5日 ミッドウェー海域 第一機動艦隊旗艦 天城艦橋

 

 

 

「淵田中佐より『第二次攻撃の必要あり』と打電がありました」

 

 

「そうか。やはり、敵も備えているか」

 

参謀長の草鹿龍之介少将からの報告に小澤中将は滝崎から聞いていた『史実』と同じ事に内心頷いていた。

 

 

「参謀長、第二次攻撃隊は?」

 

 

「対地装備で待機中です。第一次攻撃隊は帰還後対艦装備で待機させる予定です」

 

 

「よし…敵空母の発見、或いは第一次攻撃隊帰還前に第二次攻撃隊は発艦。目標はミッドウェー島だ」

 

 

ニヤリと笑いながら答える草鹿少将に時計を見ながら小澤中将は指示を飛ばす。

本来なら、『わざと』史実のミッドウェー海戦に状況を近付ける必要もないのだが、小澤中将はそうした。

 

 

「にしても、ここまで『芝居』をやる必要はありますかな?」

 

 

「いいのさ、米機動艦隊がいま一番気にしてるのはこの第一機動艦隊だ。我々が変な動きをすればする程、ハワイはともかく、現場の前線指揮官は『此方』を余計に気にする事になるからな。まあ、全てを悟った時の敵さんの顔がどんな顔するかはわからんがね」

 

悪戯小僧の様に笑う小澤中将に草鹿少将はこの作戦の大元が山本総長と堀長官(+滝崎の史実)によって作られている事を改めて認識する。

 

 

「それにだ、今日の為にわざわざ健康診断もやって、健康体で皆に出てもらっているんだろう?」

 

 

「はあ…淵田中佐の盲腸炎(虫垂炎)も健康診断の結果でしたからな。早期発見故に対処が早く、参加出来ましたし」

 

(史実では出撃後に開腹手術をしており、攻撃隊に参加していない。なお、手術の為にわざわざ鶴岡から医者を呼んだ)

 

 

「さて、後はアメリカ側が何処まで『解読された暗号電文』を信用しているか、だな」

 

そう言って、アメリカ機動艦隊がいる方向を見て呟いた。

 

 

 

20分後 アメリカ機動艦隊 ヨークタウン艦橋

 

 

「敵オザワ機動艦隊の居所は掴んだ! 攻撃隊発艦せよ!!」

 

ミッドウェー島からの偵察等々により第一機動艦隊の居場所を把握したフレッチャー少将は待機させていた攻撃隊に発艦指示を出す。

だが、その直後に……

 

 

「レーダーに反応! 敵の索敵機です!」

 

 

「例の高速機だな! 直衛機は撃ち落とせ!」

 

フレッチャーの指示に直衛機が向かうも、星雲は難無く振り切り、米機動部隊発見の報と場所を逃げ回りながら打電し、悠々と離脱した。

 

 

 

同時刻 加賀艦橋

 

 

「神鷹の星雲が敵機動部隊捕捉! 空母は3隻です!」

 

全速で第一機動艦隊との合流の為に北上する第四艦隊。

そんな中、通信士官がそう報告しながら艦橋へと飛び込んで来た。

 

 

「ヨークタウン、サラトガ…元は大西洋のワスプの3隻です」

 

電文用紙を受け取った神中佐がそう言いつつ、海図台の海図の特定座標に赤駒(敵艦隊)を置く。

 

 

「いま動かせる空母の大半、しかも、珊瑚海で損傷したヨークタウンまで持ってくるのか…アメリカの底力は恐ろしいものだな」

 

 

ヨークタウンが居る事にエーディットが呟いた。

 

 

「それよりも、問題は敵攻撃隊だ。発見時に発艦中と言う事はミッドウェー島からの攻撃隊と合わさり、第一機動艦隊上空は敵だらけになってしまう。とりあえず、此方からも警告電を天城に打ってくれ」

 

 

「はっ! わかりました!」

 

滝崎の指示に先程の通信士官が通信室に戻って行く。

 

 

「さて、そうなると、一刻の猶予も無い訳だが…山本総長、堀長官の手配で随伴している瑞鶴らを含めて現状全速で向かっている。何か策はあるか?」

 

松島宮の問いに滝崎が閃く。

 

 

「レナータを先行させて、後を追う形で神鷹の鍾馗隊、瑞鶴の零戦隊を同じく瑞鶴の星雲で随伴誘導させて、第一機動艦隊に向かわせよう。迎撃機は幾らでもいるから、先に行って制空権を確保してもらう」

 

 

「ふむ…だが、瑞鶴の零戦隊はともかく、鍾馗隊の補給は?」

 

 

「そこでだ、五航戦は東ティモールの時に訓練も兼ねて鍾馗隊を受け入れた経験がある。瑞鶴の随伴である秋雲と朧に九頭竜と嘉瀬を付けて先行してもらう。30ノット以上は出るから、先に第一機動艦隊に合流してもらう、と言う方向でどうかな?」

 

 

「それが現実的だな。先行予定の各艦・各隊に連絡! 特に瑞鶴には一時指揮執ってもらう事を含め通知せよ!」

 

 

「じゃあ、私は一飛びしてくるね〜」

 

レナータの陽気な返事を皮切りに加賀の艦橋は激しく動き始めた。

 

 

神鷹 飛行甲板

 

 

「…故に、こんなにバタバタしている、と?」

 

 

「そうだ。まあ、敵さんの狙いが第一機動艦隊一本に絞っている以上、ウチが動かんと色々とヤバいからな」

 

発進準備に追われる神鷹の飛行甲板では整備員や甲板員が忙しく動き回っている中、顔馴染みである小園中佐と赤松飛曹長は駄弁っていた。

 

 

「にしても、殿下達も思い切った事をしますね。鍾馗や零戦だけでなく、瑞鶴も先行させるとは」

 

 

「幾ら鍾馗が零戦やワイルドキャットより強いとは言え、弾と燃料が無ければ只の置物だ。一刻を争う以上、足の速い奴を出して合流させるしかない。特に鍾馗なんて別物を受け入れてない以上はな」

 

 

「まあ、確かに…ですが、俺らは何時も通りにするだけでいい。そうですよね?」

 

 

「あぁ、一航戦と二航戦の連中に『俺達は別格だ!』って見せ付けてこい」

 

 

「了解です、戦隊長」

 

ニヤリと笑いながら赤松飛曹長は小園中佐に敬礼した。

 

 

 

同じ頃 瑞鶴艦橋

 

 

『…と言う事で、瑞鶴には『五航戦』として先行して頂きます。急な事で申し訳ありませんが、一刻を争う事態な為、ご理解の程、お願いします』

 

 

「わかりました。九頭竜と嘉瀬を含め、指揮を預かります」

 

そう言って瑞鶴艦長野元為輝(のもとためき)大佐は滝崎との無線通話を終える。

珊瑚海海戦から帰還してから直ぐのミッドウェー海戦参加と言う事で、ドタバタな状態で前任者から引き継いだ野元大佐は第一機動艦隊ではなく、第四艦隊への編入に驚きつつも、その理由には納得していた。

曰く『旗艦兼僚艦の翔鶴不在の第五航空戦隊が参加している事を隠す為の第四艦隊での参加』、故に再編成中の艦爆・艦攻隊はなく、搭載しているのは零戦隊のみ。

第一機動艦隊で『もしもが発生した場合』のピンチヒッターとしての瑞鶴を『一網打尽』にならない為の処置…それがこうして活きていた。

 

 

(山本総長や堀長官の『隠し玉』なんて言われる第四艦隊だが…なるほど、こんな大胆な決断を出来るなら、納得出来る話だ)

 

『追加の護衛も出すから先行してほしい』と言って来た滝崎、それを決定する松島宮、それを実行に持っていく神中佐…同期で加賀艦長の松田大佐から『他と雰囲気が違う』と出撃前の宴会で言われていたのだが、野元大佐には今の状況では逆に頼もしく思えていた。

 

 

 

「これより、瑞鶴は朧、秋雲、更に第四艦隊から九頭竜と嘉瀬の護衛で先行、第一機動艦隊へと向かう。敵機動艦隊やミッドウェー島からの攻撃隊が第一機動艦隊へ向かっている以上、今は一機でも多く戦闘機が必要となる。総員、気を引き締めて掛かれ」

 

手近にいる艦橋要員達を前に発破を掛ける野元大佐だった。

 

 

 

同じ頃 天城艦橋

 

 

一方、此方は史実と違い、ちゃんと星雲からの敵機動艦隊発見の報告も、更には第四艦隊・第一艦隊からの警告電も受け取っていた。

 

 

「ようやく現れたか…第二次攻撃隊は?」

 

 

「先程、全機発艦完了し、ミッドウェー島へ向かいました。今は第一次攻撃隊の収容準備中です」

 

小澤中将の問いに草鹿少将が答える。

 

 

「とりあえず、火達磨になる心配はないな」

 

 

「…洒落にならんのでやめて下さい」

 

 

「一番の懸念事項だったんだ。仕方無いだろう?」

 

苦笑いをうかべる草鹿少将に小澤中将はそう答える。

 

 

(さて、後は第四艦隊が間に合う事、そして、舞台袖で待つメインキャストが上手く演じれば大丈夫だ…頼むぞ)

 

心中で小澤中将はそう呟いていた。

 

 

 

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